JPS6015640Y2 - ベルト研削機械の研削ベルト蛇行運動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はループ状の研削ベルトを用いるベルト研削機械
の研削ベルト蛇行運行機構に関する。

従来、ループ状の研削ベルトをプーリー等で支え、一方
向に進行させて加工物を研削するベルト研削機械に於い
て、研削ベルトを巾一杯有効に使用する為には、第１図
に示す如く研削ベルト部９全体をベルトの進行方向Ａと
直角なり方向に動かすか、又は加工物側１６をＣ方向に
動かしていた。

しかし上記の方法では下記の様な欠点があった。

（１）手作業の場合、加工物を動かす事は容易にできる
が作業性が低下する。

（２）加工物を機械的に動かすか又は研削ベルト部全体
を動かす場合は機構が複雑になる為、（イ）装置全体が
大形になる。

（ロ）コストが高くなる。（ハ）部品点数が多く故障の
確率が高い。

等の欠点を有していた。

本考案はかかる欠点を除去したもので、その目的は簡単
な機構により研削ベルトを巾一杯有効に使用することで
ある。

以下実施例に基づいて本考案を詳しく説明する。

第２図に於いてループ状の研削ベルト９がプーリー１２
．１３．１４を介してモーター１５により一方方向りに
連続的に移動する様構成されている。

揺動プーリー１は、揺動用プーリースピンドル２を介し
てプーリー支え３に取り付けられている。

プーリー支え３は、本体４にピボットで支持されたレバ
ー５及びレバー６にピボットで連結されている。

レバー５は、プーリー支え３及び本体４とピボットで連
結されている他に連結枠７を介し本体４にピボットで支
持されたカギ形レバー８にピボットで連結されている。

カギ形レバー８は、ピボットで連結された連結枠１７を
介し駆動機構１０のクランク１１にピボットを介し連結
されている。

１６は加工物でプーリー１３に位置するベルト９に押し
当てられ加工物１６が加工される。

次に動作について説明する。

駆動機構１０のクランク１１を他のモータなど（図示せ
ず）により作動させると連結枠１７が往復運動を行いピ
ボットを介してカギ形レバー８に回動揺動運動を発生さ
せる。

カギ形レバー８の運動は連結枠７を介しレバー５に伝え
られ、レバー５は回転揺動運動を行う。

レバー５の運動はプーリー支え３を介してレバー６に伝
えられ、レバー６もレバー５と同期した回転揺動運動を
行う。

レバー５とレバー６の運動はピボットで連結されたプー
リー支え３及びプーリースピンドル２を介して揺動プー
リー１に伝えられる。

この動作により揺動プーリー１は、ベルト９の進行方向
りに対し上下に直角な位置で、ベルト面に対し平行な位
置から左右交互に傾斜することになる。

次に研削ベルトの動きについて説明する。

第３図ａ（平面図）、ｄ （ａの斜視図）の様に揺動プ
ーリー１がベルト９の進行方向りに対し直角に配置され
ると、ベルト９は蛇行することがなく運転される。

ここで第３図ｂ（平面図）及びｅ （ｂの斜視図）の如
く、揺動プーリー１を進行方向りに対し左上がりに傾け
るとベルト９は左方に移動する。

又第３図Ｃ（平面図）及びｆ （ｃの斜視図）の如く、
揺動プーリー１を右上がりに傾けるとベルト９は右方に
移動する。

よってｂとＣを繰り返す事によりベルトは左右に蛇行す
る事になり、加工部１３に於いて加工物を静止したまま
でもベルトの巾一杯を研削面として利用できる。

この様に研削ベルト９は揺動プーリー１の揺動運動によ
り加工部１３に対して蛇行する。

本考案は以上の様に簡単な構成で有るから、下記の様な
利点が有る。

（イ）研削ベルトの巾一杯を有効利用でき、ベルトの偏
摩耗を防止できる。

（ロ）加工物を動かす必要がなく、大形の加工物を動か
す時の様な大きな装置は不要となる。

（ハ）本考案を用いた機械全体を小形化できる。

に）低コストで製作可能である。

（ホ）故障する確率が低い。

なお （イ）揺動用プーリーは、研削ベルト進行方向に対し前
後どちらでも良い。

（ロ）駆動機構は、連結枠１７に往復運動を与えられる
機構ならクランク機構以外でも良い。

（ハ）加工部の形状は円弧の他に平面・球面等、研削ベ
ルトを使用できる形状ならば良い。

に）加工物は腕時計等のケースであっても良い。

この場合ケースの研摩・スジ付は等の加工に用いる。

（ホ）傾斜プーリーは複数個設けても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の例を示す斜視図であり、第２図は本考案
の一実施例を示す斜視図であり、第３図は本考案の一実
施例による研削ベルトの動きを示す。 ａ、ｂ、ｃは平面図でｄ、ｅ、ｆはａ、ｂ。Ｃに対応す
る斜視図である。 １・・・・・・傾斜可能なプーリー、９・・・・・・研
削ベルト、１２，１３．１４・・・・・・プーリー １
６・・・・・・加工物、Ｄ・・・・・・研削ベルト進行
方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ループ状の研削ベルトをプーリー等で支え、一方向に進
   行させて加工物を研削するベルト研削機械に於いて、前
   記研削ベルト進行方向に対し、加工部の前側あるいは後
   側に研削ベルト進行方向と交叉する方向に傾斜可能なプ
   ーリーを設け、前記プーリーを駆動機構を用い交互連続
   的あるいは間欠的に傾斜させて研削ベルトを加工物に対
   し蛇行させる事を特徴とするベルト研削機械の研削ベル
   ト蛇行運動機構。