JP3773821B2 - 両面平面研磨機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、両面平面研磨機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高精度の平面研磨が要求されるワークとして、小片状のマイクロチップが対象とされてきたが、近年になってICパッケージ(TAB、リードフレーム)、サーマルプリントヘッド、FDP、ビルドアップ基板(MCM、BGA)等のフォトマスクの材料、FDPではPDP・LCD用のマザーガラス、ITO電極用マスク材料等が対象となりつつあり、特に、大きなものとしては例えば、1100mm×1550mmの大きさのフォトマスク等、平面研磨の対象となる材料の大型化が顕著になりつつある。
【0003】
従来の小片を研磨加工するのに適した研磨機としては、ワークの片面ずつを研磨するオスカー方式、ラップマスター方式、遊星キャリアテーブルでワークを挾んで両面を同時に研磨するホップマン方式等各種の方式の機械が知られている。
【0004】
一般的な平面研磨機の基本構成は次のようなものである。つまり、ワークを保持して回転中心O1を中心に回転させられるキャリアと、前記キャリアに対向配置されていて前記ワークの面に接しつつ回転中心O2を中心として回転させられる定盤とを用い、前記キャリアおよび前記定盤がそれぞれ回転中に、前記回転中心O1が前記回転中心O2を中心として半径Δの円運動を行なうようにし、前記ワークの面が前記定盤によってサイクロイド曲線で掃引されることにより、ワークを平面研磨する。
▲1▼.このような方式にかかる平面研磨機として、特開平5−208362号公報、特開平7−88760号公報、特開平8−174408号公報等に開示された両面平面研磨機がある。ホップマン方式の一例を従来の研磨機として以下に例示する。
【0005】
図14において、4枚の同一の歯車からなるキャリア101、102、103、104が中心歯車105と内歯歯車106とに共通に噛み合わされている。4つのキャリア101〜104にはそれぞれ、この例では矩形板状をしたワークWKの外形に合わせた穴が開けられいて、この穴にワークWKが嵌合させられている。
【0006】
キャリア101〜104の厚さは、ワークWKよりも研磨代に余裕を加えた寸法分薄く製作されていて、ワークWKの上面と下面はそれぞれキャリア101、102の上面、下面から露出可能である。4つのワークWKの上面に共通に接触するような円盤状の下定盤110Dが、内歯歯車106の中心と共通の回転中心O2を中心にして回転可能に設けられている。キャリア101〜104及びワークWKは下定盤110D上に自重で載っている。下定盤110Dと共通の回転中心O2を中心に回転可能で下定盤110Dと同径の上定盤110Uが所定の研磨圧力でワークWKに接触している。キャリア101〜104の各回転中心O1は、回転中心O2から距離Δだけ離れた位置にある。
【0007】
かかる構成において、中心歯車105を矢印の向きに回転駆動すると、キャリア101〜104はそれぞれ中心歯車105により自転しつつ、内歯歯車106に沿って公転する。この公転中に上定盤110U,下定盤110Dを回転中心O2を中心に逆転させると、回転中心O1が回転中心O2を中心として半径Δの円運動を行ない、ワークWKの面が上下定盤110U,110Dによってサイクロイド曲線で掃引される。
【0008】
かかる状況のもとで、ワークWKと上下定盤110U、110Dの間に研磨剤を供給することにより、ワークWKの両面を平行、平坦な面に平面研磨することができる。
【0009】
このように、中心歯車のまわりにキャリアを回転させて、キャリアを自転、公転させる方式では、研磨機の床面積が、およそ、内歯歯車106の大きさで決まり、内歯歯車106の径は、(半径Δ+キャリア101の半径)×2の大きさで定まる。このため、ワークWKの大きさが大きくなると、床面積は飛躍的に大きくなる傾向を示す。
▲2▼.上記、従来方式の平面研磨機では、定盤に接しつつ回転されるキャリアの回転位置が定盤上で一定であるため、当初は平坦に形成されている定盤の表面が、経時的に凹面或いは凸面に逆研磨させられたりしてしまう。
【0010】
このため、随時、定盤を平坦に修正する必要が生じ、その都度、定盤を平面研磨機から外して修正用の治具(修正専用機)に取り付けて、修正しなければならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼については、ワークの大型化に応じて、大規模化する平面研磨機を可能な限り大型化せずにワークの加工を行いたいという市場の要求がある。上記▲2▼については、従来の定盤の修正作業が煩雑であるので、簡易な修正手段が求められている。また、ワークに対して高い加工精度が要求されている。
【0012】
本発明はこれらの課題に応え、同一の大きさのワークを加工対象とするとき、従来の平面研磨機に比べて、飛躍的に小型の機械で両面平面研磨を可能となし得、高精度の両面加工精度を出すことができると共に、定盤の平坦度を修正するのに作業者に負担をかけない両面平面研磨機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成とした。
(1).それぞれが回転する上定盤、ワーク、下定盤の三者を組み合わせて、上定盤の下面とワークの上面及びワークの下面と下定盤の上面を同時に摺り合わせる機構を有する両面平面研磨機において、上定盤と下定盤の間に配置されていてワークを回転自在に保持する回転保持手段と、下定盤に対して上定盤を揺動させる上定盤揺動手段又は定位置で回転する上下定盤に対して前記回転保持手段を往復動させる回転保持手段の揺動手段を具備し、前記上定盤、前記下定盤、前記回転保持手段の各回転中心が互いにずれていて、前記回転保持手段は円盤状をしていてワークを着脱自在に嵌合させることのできるワーク保持用開口部が形成されているキャリアと、環状をしていて外周部には回転力伝達用の歯面が形成され内側部にはキャリアを着脱自在に保持することのできるキャリア保持用開口部が形成されたキャリアリングとからなり、前記キャリアリングは外周部の3点で接して回転する3つの回転体で支持されて回転され、前記3つの回転体中の1つは駆動ギヤであり、他の2つはローラーからなり、前記3点を結ぶ三角形を想定するとき、キャリアリングの回転中心が前記三角形の内側に位置する関係にあることとした(請求項1)。
(2).(1)記載の両面平面研磨機において、前記上定盤の径を前記下定盤の径の略1/2以下とした(請求項2)。
(3).(1)又は(2)記載の両面平面研磨機において、前記キャリアの外周部とキャリアリングの内周部には回り止め用の凹凸部が形成されていることとした(請求項3)。
(4).(1)乃至(3)の何れか1つに記載の平面研磨機において、前記上定盤には上定盤駆動源、前記下定盤には下定盤駆動源,前記上定盤には上定盤駆動源、前記下定盤には下定盤駆動源、前記回転保持手段にはキャリアリング駆動源をそれぞれ連結した(請求項4)。
(5).(1)乃至(4)の何れか一つに記載の平面研磨機において、前記上定盤揺動手段は、回転支柱を支点としてカム手段により揺動される上定盤支え梁からなり、前記上定盤は該上定盤に連結された前記上定盤駆動源と共に前記上定盤支え梁の自由端側に上定盤上下動手段により上下動可能に支持されていることとした(請求項5)。
(6).(5)に記載の平面研磨機において、前記上下動手段は案内手段とエアシリンダを主な構成要素とした(請求項6)。
【0014】
【発明の実施の形態】
[1]上定盤揺動型の両面平面研磨機
1−1.全体構成(請求項1、2)
上定盤揺動型の両面平面研磨機の要部構成を示した図1、図2において、下定盤1は下定盤受台28に固定支持されると共に鉛直方向に軸支された下定盤軸27に固定されていて盤面が水平となるように配置され定位置で回転駆動されるようになっている。この下定盤1の回転中心を符号O1で示す。
【0015】
下定盤1上にはワーク7が自重で乗っている。ワーク7は矩形をしていて厚みは薄い。例えば、厚さが1mm以下で700mm×700mmの広さを持つ基板である。
【0016】
ワーク7は後述する円盤状のキャリア6に着脱自在に嵌合保持されている。さらに、このキャリア6はキャリアリング5と一体的に着脱自在に嵌合保持されている。
【0017】
ワーク7はキャリア6に形成されたワーク7保持用の嵌合穴であるセットホールに着脱自在に嵌合されているので、セットホール内を摺動して自重により下定盤1に乗っている。キャリア6の厚さはワーク7よりも薄く形成されている。
【0018】
キャリアリング5の外周部はギヤになっていて、キャリアリング駆動ギヤ18が噛み合わされている。キャリアリング5の外周上、キャリアリング駆動ギヤ18と対向する位置には2つのキャリアリングガイドローラー4a、4bがキャリアリング5に接している。
【0019】
これら、キャリアリング駆動ギヤ18、キャリアリングガイドローラー4a、4bの三点によりキャリアリング5は回転自在に支持されている。キャリアリング5の回転中心をO5とする。キャリアリング5はこれらキャリアリング駆動ギヤ18、キャリアリングガイドローラー4a、4bの三点で支持されて定位置で回転される。
【0020】
キャリアリングガイドローラー4a、4b、キャリアリング5、キャリア6、キャリアリング駆動ギヤ18等は、上定盤2と下定盤1の間に配置されていて、ワーク7を回転自在に保持する回転保持手段の一部を構成している。
【0021】
ワーク7には上定盤2が研磨に適する所定の圧力で接している。上定盤2の径はキャリアリング5の内径よりも小さく、後述する駆動源により回転駆動されるようになっている。上定盤2の回転中心をO2とすると、上定盤2は揺動中心O30を中心とする円弧状の軌跡120上を揺動するようになっている。この揺動運動をさせるのは後述する上定盤揺動手段の働きによる。
【0022】
これら下定盤1、キャリアリング5、上定盤2の各回転方向に制約はなく、任意の向きに回転方向を設定することができ、また、これら下定盤1、キャリアリング5、上定盤2の各回転速度は、ワークの材質、定盤の粗さ等により適宜定めることができる。
【0023】
図1、図2に示すように、下定盤1の回転中心O1、キャリアリング5の回転中心O5、上定盤2の回転中心O2は互いにずれており不一致である。軌跡120が回転中心O1、O5と交わることはない。
【0024】
このように、下定盤1、キャリアリング5、上定盤2の各回転中心がずれて回転することにより、かつ、上定盤2が揺動することにより、ワーク7に摺接する下定盤1、上定盤2の軌跡が経時的にずれるため、高精度の平面研磨が可能となる。さらに、上定盤2の径を下定盤1の径の1/2以下とすることにより、機械を大型化することなく、サイズの大きいワークを両面平面研磨することが可能となる。また、上下定盤の盤面は全面が平均的にワークと摺接するようにできるので定盤の修正が不要となり或は著しく修正頻度を減少させることができる。
【0025】
1−2.回転保持手段(請求項1、3)
ワーク7を回転自在に支持する回転保持手段について説明する。回転保持手段は、キャリアリング5とキャリア6とからなる。図3(a)はキャリアリングを上から見た図、図3(b)は図3(a)におけるX1−X1矢視断面図である。
【0026】
図3において、キャリアリング5はキャリア7を保持するため剛性のある材料が用いられ、例えば鉄製のものが使用される。キャリアリングの外周はギヤになっており、内側面には円周を等分する位置に4つの溝51a、51b、51c、51dが形成されている。
【0027】
図4において、キャリア6はワーク7の厚さよりも薄くする必要があるため厚さが薄くなる。このような薄物の製作を容易にするため、キャリア6は樹脂製である。キャリア6の外周はキャリアリング5の内周部に嵌合して一体的に回転できるように外周を等分する位置に溝51a、51b、51c、51dと嵌合できる大きさの4つの突起61a、61b、61c、61dが形成されている。また、中央部にはワーク7を保持するためのワークセットホール62が形成されている。
【0028】
このように、キャリア6の外周部とキャリアリング5の内周部には回り止め用の凹凸部である、溝51a、51b、51c、51d及びこれに着脱自在嵌合可能な突起61a、61b、61c、61dが形成されていることから、キャリア6はワークを保持してワークと共にキャリアリング5と一体的に回転することができる。
【0029】
下定盤1上にキャリアリング5が置かれた状態でキャリアリング5の溝51a、51b、51c、51dにキャリア6の突起61a、61b、61c、61dが嵌合され、キャリア6にはワーク7がセットされた状態では、キャリアリング5内をキャリア6は自重で摺動落下するし、ワーク7はキャリア6内を自重で摺動落下する。したがって、ワーク7の下面は下定盤1の上面に接している。また、キャリア6はワーク7よりも薄いので、ワーク7の表面はキャリア6より上に突出している。よって、ワーク7の上面に上定盤2の下面を接触させることができる。
【0030】
従来技術では、外周面にギヤが形成されたキャリアリングとワークを保持するキャリアとが一体形成された構造をなしていたため、製作が困難でありコストも高かった。本例では、キャリアリングとキャリアとを分割して嵌合自在に組み合わせ可能にしたので、外周部にギヤが形成されていて剛性が必要なキャリアリングについて剛性を有する材料による製作が容易に可能となった。
【0031】
キャリアリングから分割したので、キャリアの形状が単純化し、製作が容易となり、薄いキャリアとすることもできるようになった。これにより大型で厚さの薄いワークの保持が低コストで可能となった。
【0032】
また、加工が予定されるワークに合わせて形成したワークセットホールを具備した多種のキャリアを予め用意しておくことも可能となり、多種の形状のワークの研磨に対応できることとなった。
【0033】
1−3.キャリアリングの支持(請求項1)
図1において、キャリアリング5は外周部の3点で接して回転する3つの回転体で支持されて回転され、これら3つの回転体中の1つはキャリアリング駆動ギヤ18であり、他の2つはキャリアリングガイドローラーからなり、前記3点を結ぶ三角形を想定するとき、キャリアリングの回転中心が前記三角形の内側に位置する関係にある。
【0034】
このような配置とすることにより、3つの回転体でキャリアリング5をしっかり保持して高速回転させることができ、平面研磨の精度を高めることができる。ここで、3つの回転体の全てをギヤとせず、キャリアリング駆動ギヤ18に対向して配置された2つの回転体をローラー4a、4bとしたのはこれらをギヤにすると、高速回転時において安定したキャリアリングの支持が不可能だからである。
【0035】
キャリアリング5はリング状であり、外周部における真円度などの精度は必ずしも高くはないので、ローラー4a、4bについてもギヤにすると、回転によりキャリアリング5がローラー4a、4bから浮き上がってしまい噛み合いが外れたりして危険であり実際的でないからである。
【0036】
ローラー4a、4bは図5、図6、図7に示すように二股状に分岐した形状のキャリアサポートアーム3の分岐端部に回転可能に設けられている。キャリアサポートアーム3の基端部は後述する支柱11に嵌合固定されている。
【0037】
1−4.上下定盤の駆動(請求項4)
図5において、符号16は両面平面研磨機のベースである躯体を示し、鉄製の構造体からなる。下定盤1のまわりはオイルパン15で囲まれている。下定盤1と一体的な下定盤軸27は躯体16の上部を貫通してこの貫通部が軸支されている。下定盤軸27の下端部は、躯体16の底部に固定された変速機26に連結されている。
【0038】
変速機26には下定盤駆動モーター25が取り付けられている。下定盤駆動モーター25の回転は、変速機26を介して下定盤1に伝達され下定盤1を回転駆動させる。下定盤駆動モーター25は下定盤駆動源である。
【0039】
図5において、躯体16の上面にはキャリアリング回転用モーター24が設置されている。このキャリアリング回転用モーター24の回転軸にはキャリアリング駆動ギヤ18が固定されていて、キャリアリング駆動ギヤ18はキャリアリング5の外周部に形成された歯面に噛み合わされている。キャリアリング回転用モーター24はキャリアリング駆動源である。
【0040】
図6において、上定盤2は上定盤軸23に固定されている。上定盤軸23の上部はヘッド40に軸受22u、22dによって軸支されていて、上端部が上定盤回転用モーター14に連結されている。上定盤回転用モーター14はヘッド40に固定されている。上定盤回転用モーター14が回転することにより上定盤2が回転される。上定盤回転用モーター14は上定盤駆動源である。
【0041】
このように、下定盤1、キャリアリング5、上定盤2はそれぞれ独立の駆動源によって回転駆動されるようになっていて、個別に回転速度、回転方向などを変えることも可能であり、必要に応じて回転速度や回転方向を変えてワークに応じて所望の研磨精度を得ることが可能である。
【0042】
1−5.上定盤の動作手段(請求項5、6)
1−5(1)上定盤揺動手段
図1で説明したように、上定盤2を軌跡120に沿って揺動させることにより、ワーク7の上面は多様な研磨軌跡で上定盤により摺接され、これにより高精度の研磨精度を得る。
【0043】
上定盤2を揺動させる上定盤揺動手段について説明する。図5、図6、図7において、躯体16の上面には円柱状の支柱11が直立固定されている。支柱11の下部には段部が形成されていてこの段部を利用してキャリアサポートアーム3の基端部が嵌合固定されている。
【0044】
支柱11の外周部には軸受64d、64uが設けられると共に、該支柱11の外周部には筒状の揺動柱30がこれら軸受64d、64uを介して嵌装されており、揺動柱30は支柱11の中心である揺動中心O30を中心として揺動可能となっている。
【0045】
揺動柱30の上部は水平方向に直角に上定盤支え梁17が延出していて、このオーバーハングした上定盤支え梁17の端部近傍に上定盤回転用モーター14が設けられている。上定盤回転用モーター14の配置は図1で説明したように、キャリアリング5内であって回転中心O1や回転中心O5等から外れた位置となるようにしてある。
【0046】
揺動柱30を揺動させることにより、上定盤2は回転中心O30を中心として揺動し、上定盤2の回転中心は軌跡120上を揺動する。上定盤2を揺動させる機構としては、種々の機構が考えられるが、ここではクランク機構を利用した手段により揺動させる例を説明する。
【0047】
1−5(2)上定盤揺動手段
図8に示すように、揺動柱30の下部からは水平方向に揺動伝達ガイド板10が突出している。揺動伝達ガイド板10の端部上面には段付き円柱状の軸体65が枢着されている。軸体65には軸66の一端側が固定されている。
【0048】
躯体16上には揺動駆動モーターM8が取り付けられている。揺動駆動モーターM8の回転軸は鉛直方向を向いていて、この回転軸には揺動角度調節円盤8が固定されていて、当該回転軸と一体的に回転する。
【0049】
揺動角度調節円盤8の回転中心部には軸体67が固定されていて、モーターの回転軸と一体に回転される。軸体67には軸68が水平方向に摺動可能に挿通している。軸体67の上部からは止めねじ69が螺入されている。止めねじ69を弛めることで軸68をは軸体67内で動かすことができ、締め付けることにより軸68を軸体67上に固定することができる。
【0050】
軸68の一端側には軸体70aが固定されている。軸体70aの上部には軸体70bが重ねられていて、鉛直方向の回転軸を中心にして、軸体70bは軸体70aに対して回転することができる。軸体70aは揺動角度調整円盤8の上面から離間した位置に位置している。
【0051】
軸体70bには軸71の一端側が固定されている。軸71の他端側には右ネジ、軸66の他端側には左ネジがそれぞれ形成されていて、これらの軸66、71間にはターンバックル9が設けられている。
【0052】
ターンバックル9を回転することにより揺動伝達ガイド板10の回動位置が変わり、これに伴い軌跡120上での上定盤の回転中心O2の位置を調節することができる。軸体67上で軸68をスライドさせて軸体67から軸体70aまでの距離を変えることにより、揺動柱30の揺動ストロークを調節することができる。
【0053】
上定盤揺動手段としては、本例のようにクランク機構以外に、カムを利用したカム手段を採用することもできる。例えば、図8において、揺動角度調節円盤8を偏心で構成し、このカム面に揺動伝達ガイド板10の自由端部を適宜の弾性手段で押し当てつつ揺動角度調節円盤8を回転させれば、揺動伝達ガイド板10を揺動させて、上定盤1を揺動させることができる。
【0054】
1−5(3)上定盤上下動手段
当該両面平面研磨機に対するキャリアリング5やワーク7などの着脱が可能なように、下定盤1に対して上定盤2を上下動させる機構を採用し、下定盤1と上定盤2との間隔を調整できるようにしている。
【0055】
以下では、上定盤2を上下動させる上定盤上下動手段について説明する。上定盤上下動手段75は、図5乃至図7に示すように、上定盤支え梁17の自由端側に設けられている。図5乃至図7及び図9を参照しながら、上定盤上下動手段について説明する。
【0056】
図6に示すように、上定盤支え梁17の自由端側には、上下方向に開放された開口41があり、ヘッド40は開口41内を上下動することができる。上定盤支え梁17上には、開口41近傍にエアシリンダ12が架台77を介して取り付けられている。
【0057】
また、架台77には案内手段(直線移動装置)13aが取り付けられている。案内手段13aには、案内手段(直線移動装置)13bが組み合わされている。案内手段13bにはヘッド40が固定されている。案内手段13a、13bは対をなし、例えば、公知のLMガイドが使用される。
【0058】
図6、図9に示すようにヘッド40と一体的に支持体80が突出しており、この支持体80にエアシリンダ12のピストン棒82が枢着されている。この枢着手段としては、ねじ83、ナット84、ワッシャー85等が用いられている。
【0059】
かかる構成においては、ヘッド40はエアシリンダ12により支えられており、図示しない切換弁によりエアシリンダ12へのエアを切り換えることにより、ヘッド40を上昇或は下降させることができる。また、エアの圧力を調整することにより上定盤2のワーク7に対する圧接力を調節することができる。上定盤上下動手段75により、両面平面研磨機に対するワークやキャリアリングの着脱作業が容易に行なうことができる。
【0060】
1−5(4)上定盤の揺動動作
上定盤の揺動動作を説明する。図10乃至図12において下定盤1は時計回りの向き、キャリアリング5は反時計回りの向き、上定盤2は時計回りの向きにそれぞれ回転している。また、揺動駆動モーターM8が反時計回りの向きに回転することにより、上定盤2は図10、図11、図12に示す順にキャリアリング5内を往動し、さらに、図12、図11、図10に示す順に復動するという動作を繰り返し、ワーク7の両面が平行に研磨される。
【0061】
[2]回転保持手段揺動型の両面平面研磨機(請求項1)
前記[1]で説明した両面平面研磨機は定位置で回転する下定盤1とワークを回転自在に保持するキャリアリング5、キャリア6などの回転保持手段に対して上定盤2が揺動する構成であった。これに対して、本例にかかる両面平面研磨機では定位置で回転する上下定盤に対して、回転保持手段を往復動させる構成としている。
【0062】
本例では、前記[1]で説明した構成と共通部分を多く有しているので、共通部分については同じ符号を用いて要部の構成を図13に示した。説明の繁雑を避けるため、前記[1]で説明した図7の構成と対比しながら、異なる構成部分について図13により説明する。
【0063】
図7においては上定盤1を揺動させる必要から揺動柱30を支柱11に嵌合して揺動可能としていたが、本例では、上定盤1は上下動はするものの、揺動しないので、揺動柱30に対応する柱30'は支柱11と一体若しくは支柱11に固定した。
【0064】
図7においては、キャリアサポートアーム3'は支柱11に固定していたが、本例では支柱11には固定せずにモーターM90の回転軸91に軸受を介して支持させた。また、回転軸91にはキャリアリング駆動ギヤ180を固定してキャリアリング5の外周ギヤに噛み合わせた。
【0065】
モーターM90は可動の台座92に固定した。台座92の底部に形成された凸部は躯体16に固定された筐体状の構造体94の底部に設けた案内溝96と嵌合することにより柱30'に接離する方向Aにのみ拘束されて往復動自在である。補助的な案内手段としてモーターM90からは軸98が出ていて、構造体94の側壁に形成した溝99を挿通している。軸98の反対側も同様の構成による案内手段が構成されている。
【0066】
構造体94の側壁を挿通した軸98の先端側は上方に折曲して折曲部の上端部がキャリアサポートアーム3'に形成した穴140(反対側について穴141)に嵌合してキャリアサポートアーム3'の回り止め機能を果たしている。
【0067】
構造体94の方向A上の側壁とモーターM90との間にはエアシリンダ145が介在されていて、このエアシリンダの動作に応じてモーターM90及びキャリアサポートアーム3'は方向Aに沿って往復動する。
【0068】
本例においても、前記[1]で説明した構成の両面平面研磨機と同様に従来の平面研磨機に比べて、飛躍的に小型の機械で両面平面研磨を可能となし得、高精度の両面加工精度を出すことができる。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、従来の平面研磨機に比べて、飛躍的に小型の機械で高精度の両面平面研磨を可能となし、1つの駆動ギヤと2つのローラでキャリアリングを安定して駆動でき、薄物を含め多種形状のワークに対応できる。
【0070】
請求項3記載の発明では、キャリアをキャリアリングと一体的に回転させることができる。
【0071】
請求項4記載の発明では、個別に回転速度、回転方向などを変えることにより必要に応じて回転速度や回転方向を変えてワークに応じて所望の研磨精度を得ることができる。
【0072】
請求項5記載の発明では、上定盤上下動手段により、両面平面研磨機に対するワークやキャリアリングの着脱作業が容易に行なうことができる。請求項6記載の発明では、案内手段とエアシリンダとを組み合わせた簡単な機構によって上定盤を上下動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る両面平面研磨機の主要部材の位置を説明した平面図である。
【図2】本発明に係る両面平面研磨機の主要部材の位置を説明した側面図である。
【図3】図3(a)キャリアリングアームの平面図、図3(b)は図3(a)のX1−X1矢視断面図である。
【図4】図4(a)はキャリアの平面図、図4(b)は図4(a)のX2−X2矢視断面図である。
【図5】本発明に係る両面平面研磨機の全体を示した部分断面正面図である。
【図6】本発明に係る両面平面研磨機の要部を示した部分断面正面図である。
【図7】本発明に係る両面平面研磨機の要部構造を説明した分解斜視図である。
【図8】揺動柱を揺動させるカム手段の構成を説明した斜視図である。
【図9】上定盤上下動手段の構造を説明した分解斜視図である。
【図10】両面平面研磨機における上定盤の揺動動作を説明した研磨機の平面図である。
【図11】両面平面研磨機における上定盤の揺動動作を説明した研磨機の平面図である。
【図12】両面平面研磨機における上定盤の揺動動作を説明した研磨機の平面図である。
【図13】キャリアリングを往復動させるタイプの両面平面研磨機の要部構造を説明した斜視図である。
【図14】従来技術に係る研磨機の原理を説明した斜視図である。
【符号の説明】
1 下定盤
2 上定盤
5 キャリアリング
6 キャリア
7 ワーク
O1 下定盤の回転中心
O2 上定盤の回転中心
O5 キャリアリングの回転中心
Claims (6)
- それぞれが回転する上定盤、ワーク、下定盤の三者を組み合わせて、上定盤の下面とワークの上面及びワークの下面と下定盤の上面を同時に摺り合わせる機構を有する両面平面研磨機において、上定盤と下定盤の間に配置されていてワークを回転自在に保持する回転保持手段と、下定盤に対して上定盤を揺動させる上定盤揺動手段又は定位置で回転する上下定盤に対して前記回転保持手段を往復動させる回転保持手段の揺動手段を具備し、前記上定盤、前記下定盤、前記回転保持手段の各回転中心が互いにずれていて、
前記回転保持手段は円盤状をしていてワークを着脱自在に嵌合させることのできるワーク保持用開口部が形成されているキャリアと、環状をしていて外周部には回転力伝達用の歯面が形成され内側部にはキャリアを着脱自在に保持することのできるキャリア保持用開口部が形成されたキャリアリングとからなり、
前記キャリアリングは外周部の3点で接して回転する3つの回転体で支持されて回転され、前記3つの回転体中の1つは駆動ギヤであり、他の2つはローラーからなり、前記3点を結ぶ三角形を想定するとき、キャリアリングの回転中心が前記三角形の内側に位置する関係にあることを特徴とする両面平面研磨機。 - 請求項1記載の両面平面研磨機において、
前記上定盤の径が前記下定盤の径の略1/2以下であることを特徴とする両面平面研磨機。 - 請求項1又は2記載の両面平面研磨機において、
前記キャリアの外周部とキャリアリングの内周部には回り止め用の凹凸部が形成されていることを特徴とする両面平面研磨機。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の両面平面研磨機において、
前記上定盤には上定盤駆動源、前記下定盤には下定盤駆動源、前記回転保持手段にはキャリアリング駆動源がそれぞれ連結されていることを特徴とする両面平面研磨機。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の両面平面研磨機において、
前記上定盤揺動手段は、回転支柱を支点としてカム手段により揺動される上定盤支え梁からなり、
前記上定盤は該上定盤に連結された上定盤駆動源と共に前記上定盤支え梁の自由端側に上定盤上下動手段により上下動可能に支持されていることを特徴とする両面平面研磨機。 - 請求項5に記載の両面平面研磨機において、
前記上定盤上下動手段は案内手段とエアシリンダを主な構成要素としていることを特徴とする両面平面研磨機。
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