JPS60152689A - 熱延鋼板の型かじり防止酸洗法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱延鋼板の酸洗法に関し、特に耐型がじシ性の
良い熱延鋼板を提供するための酸洗法に係るものである
。

（従来技術及び問題点） 通常熱延鋼板はプレス加工の前に黒皮スケールを除去す
る。スケールを除去する手段として一般にはシ１１１ツ
）ブラストによる機械的処理と酸洗による湿式処理、お
よび、これらの組合せによる方法がある。しかし完全な
脱スケール法としては主に酸洗による方法が用いられて
いる。この酸洗法にはたとえば鉄鋼便覧（昭和５５年丸
善発行）第３巻第３７頁に記載されている如く硫酸酸洗
と塩酸酸洗との２種類あるが、工業的にはどちらも一長
一短があり　必らずしも満足な酸洗法とはなっておらず
、ユーザーの要望に応じて使い分けしているのが実情で
あるー その欠点は前者は酸洗速度が遅く、生産性が劣り工程上
のネックとなりやすい点であり、後者はユーザーにおけ
るプレス加工において型かじりが発生しやすい点である
。なお型かじりとけプレス成形において金型に凝着、摩
耗が発生し成形品にキズ、摩損が生じる状態をいう。

そこで本発明者らはこのような型かじりの発生機構を研
究した結果、酸洗の種類によって鋼板の表面状態が異な
ることを見出した。たとえば硫酸酸洗によれば、スケー
ル中のＦｅ　５　Ｃや残留有機炭素は硫酸と反応して硫
酸鉄、炭素、水素となり、硫酸鉄は鋼板から脱落し、水
素は空中に放散するが、炭素は非結晶炭素として鋼板表
面に残留するので、これが潤滑剤の役目を果し、型かじ
シを防止していることをつきとめた。一方塩酸酸洗では
このようなＦｅ５Ｃや残留有機炭素の分解が生ぜずスケ
ールの溶解とともに鋼板表面から脱落してしまう。

その結果鋼板表面には炭素は残シにくくなる。

そこで酸化剤を添加して酸洗すれば硫酸酸洗と同様な効
果で鋼板表面に非結晶炭素を多く残留させることができ
、従来いずれの酸洗手段によっても果し得なかった生産
性にも耐型かじり性にも共に優れた酸洗熱延鋼板を得る
ことができることを見出した。

（発明の目的） 本発明はこのような知見に基いてなされたものであって
生産性および耐型かじり性を改善した工業的に有益な熱
延鋼板の型かじり防止酸洗法を提案するものである。

（発明の構成・作用） 即ち、本発明は重量％で塩酸１０〜１５Ｘと酸化剤５〜
１０％とを含み、総計２０％以下の酸とし、残り水及び
不可避不純物からなる。水溶液を酸洗液として用いるこ
とを特徴とする熱延鋼板の型かじり防止酸洗法である１
、 以下に本発明の詳細な説明する。

まず本発明において塩酸濃度を１０〜１５％としたのは
ＩＯＸ未満では酸洗処理時間が長くなシ脱スケール効果
が弱くなり、又１５％を超えると酸化剤の添加余地がな
くなるからである。

次に本発明において酸化剤とは塩酸に混合して脱スケー
ルするための物質を指すものであり、たとえば硫酸、硝
酸、過酸化水素水、重クロム酸カリ、過塩素酸、弗酸、
等で、スケールと反応して、溶解する特性を具備してい
る水溶性の物であれば伺でもよい。　□ 酸化剤の量は１０％を超すと脱スケール後の地鉄の溶解
促進とピッティングを起し、鋼板表面性状に悪影響を及
ぼすので、１０％以下としなければならない。しかし酸
化剤の量が５Ｘ未満では、鋼板表面への炭素の残留効果
が少ないので型かじりが発生しやすくなる。また、酸の
総計を２０％以下としたのは、２０Ｘを超えるとむしろ
酸洗時間が長くなるためである。

なお酸洗浴の温度については特に規定しないが、浴温度
は酸洗時間等に影響を与えるものであって温度が低すぎ
ると酸洗時間が長くかかりすぎ、非能率的であるが、一
方、温度が窩すぎるとヒーームの発生等により作業環境
に悪影響を及ぼす。従って酸洗濁度は６０℃〜８０℃程
度が望ましい。

かかる温度範囲であれば本発明に用いられる酸濃度範囲
においてほぼ２０秒〜５０秒の範囲で厚さ１５μ程度ま
でのスケールの除去が可能である。

これは硫酸単独の場合に較べてほぼ１／３の時間となり
しかも鋼板表面には型かじりを防止するに足るだけの炭
素を残留せしめることが可能となる。

なお、これらの残留炭素は酸洗後、通常の工程、で水洗
、或いは塗油等を行なっても脱落することなく、耐型か
じシ性を維持することができる。

（実施例） 以下実施例により本発明の効果をさらに具体的に述べる
。

（５） 実施例 第１表は公称板厚３．２　ｒｒａｎの巻取温度６２５℃
の連鋳アルミキルド材を用いて温度７０℃で各種酸洗し
た場合の結果を示す。

（６） 同表中、表面残留炭素は酸洗後水洗し、防錆油浸漬後ア
セトン脱脂し、エーテル中にて超音波洗浄したものを、
オーソエ分析にて表面濃度を測定したものであシ、本発
明例によるものは酸洗時間が硫酸単独の場合に較べて１
／３〜１／４と短縮されており、さらに塩酸単独酸洗材
よシ多く炭素が残留していることがわかる。

更に、耐型かじり性は第１図に示す装置にて以下の条件
でしごきＵ曲げした時のかじり傷発生の有無により判定
した。

なお、同図において４は曲げ試験片であり、ダイス保持
具３に保持されるダイス２に対して試験片４をポンチ１
により押込むことによりダイス２によってしごかれた試
験片４に発生するキズの大きさおよび摩損の状況を判定
するものである。

しごきＵ曲げ条件 成形回数　二連続１０回 潤　渭　：アセトン脱脂（ダイス側） ポンチＲ１ニアＭｎ ポンチ材質：　ＳＫＤ　−１１−Ｑ （８） （７） ダイスＲ，：１０．Ｒ部パブ研磨仕上げダイス材質：　
ＳＫＤ　−１１−Ｑ しごき率　：板厚の３％ しごき長さ二片側４０ｗｎ 第１表から明らかな如く鋼板表面に残留した炭素に応じ
て耐型かじシ性が良くなっている。但し浴組成が本発明
法に用いられるものの範囲外のものを使用した場合には
耐型かじり性は良好であったものの酸洗時間が長すぎる
ため実用的ではなかった０ （発明の効果） 以上説明したように本発明に基〈酸洗法で酸洗を行えば
酸洗時間を損うことなく耐型かじシ性に優れた熱延鋼板
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は耐型かじシ性を評価するしごきＵ曲げ装置の概
略図である。 １・・・ポンチ、２・・・ダイス、３・・・ダイス保持
具、４・・・試験片。 （９）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 熱延鋼板を酸洗するにあたシ、重量％で塩酸１０〜１５
   Ｎと酸化剤５〜１０％とを含み総計２０％以下の酸とし
   、残り水及び不可避不純物からなる水溶液を酸洗液とし
   て用いることを特徴とする熱延鋼板の型かじシ防止酸洗
   法。