JPS6014667B2 - 曲面研摩用装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、数値制御フライス盤やマシニングセンタに取
付けて使用する曲面研摩用装置に関するものである。

工作物の表面を研摩する場合、一般的にその加工量は研
摩圧力と研摩時間とによって決まることになり、そのた
め曲面研摩においては研摩工具を工作物表面の各点にお
いて法線方向に一定圧力で氏接するのが有効である。

しかしながら、金型のように表面が三次元的に連続して
複雑に変化するものではなく、その変化に追随して研摩
工具の加圧方向を変化させることは非常に困難である。
本発明は、このような三次元曲面を有する工作物の表面
に対して研摩工具の軸心を法線方向に制御することが可
能な簡単な構成の研摩用装置を提供しようとするもので
、数値制御フライス盤やマシニングセンタに装着してそ
の数値制御パルス信号により研摩工具の姿勢を制御し、
研摩工具の先端を常に工作物の表面に法線方向に圧薮で
きるように構成したことを特徴とするものである。以下
、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明するに、
第１図ないし第３図においては、１は数値制御フライス
盤やマシニングセンタ（図示せず）等の主軸に切削工具
等と同様に固定される固定軸で、この固定軸１に対して
は上記フライス盤等における数値制御により必要な送り
が与えられる。固定軸１の端部に固定したケーシング２
には、それに敬付けたステップモータ３によりウオーム
４を介して正逆に回転駆動されるウオームホィール５が
固定鞠１と同一軸線上に支承され、ケーシング２から導
出したウオームホイール５の回転軸６には、取付部材７
を介して下向きに湾曲したアーム８が固定されている。
このアーム８は、後述するように、実質的に固定軸１の
中心軸線上に位置する研摩工具９の先端を中心○として
円弧状に湾曲させ、その内縁にラック１０を切設すると
共に外縁に沿って周溝１１を形設したもので、研摩工具
９の隣○を煩動させるための煩動機機１２の案内として
作用するものである。上記煩動機機１２は、額勤フレー
ム１３にア−ム８の周溝１１に鉄入する係止片１４を固
定してその煩動フレーム１３をアーム８に摺動自在に取
付け、額動フレーム１３に取付けたステップモ−夕１５
により歯車１６，１７を介して正逆に回転駆動されるピ
ニオン１８を上記ラック１川こ噛合させていることによ
り構成したものであり、従って、上記ステップモータ１
５を回転させると、ラック１０と噛合するピニオン１８
が回転して頃勤フレーム１３がアーム８に沿って移動し
、この移動は研摩工具９の先端を中心とする円弧状であ
るため、研摩工具９の藤心がステップモータ１５の回転
量に応じた角度だけ懐くことになる。

上記研摩工具９は、頭動フレーム１３に対して空気圧シ
リンダ１９を介し、且つ微少範囲内で播動運動を行うよ
うに取付けられている。

即ち、額動フレーム１３には空気圧シリンダ１９の上端
をピソ２０‘こより回転可能に支持させ、空気圧シリン
ダ１９の上端から突出する突出部２１の先端を揺動機構
２２における揺動板２３の先端にピン２４により回転自
在に取付けている。上記揺動機構２２は、懐動フレーム
１３に固定した直流モータ２５からベルト２６を介して
回転軸２７に回転を伝え、その回転軸２７に対して偏心
する偏心軸２８上に固定した偏心輪２９に上記播動板２
３を回転可能に鉄め合わせ、偏心輪２９の回転により空
気圧シリンダ１９に対してピン２０のまわりの往復回転
運動を与えるものである。また、空気圧シリンダ１９は
、先端に研摩工具９を取付けたスピンドルを備え、研摩
工具９に常時一定の力を加えるように構成している。研
摩工具９は、上記掻動機機２２によって微小範囲内で往
復運動を行うが、中立位置においてはそれが前記固定軸
１の中心軸線上に位置し、またアーム８は研摩工具９の
先端を中心とする円弧状に形成しているため、後動フレ
ーム１３がアーム８上を任意の位置に移動しても、研摩
工具９の先端は常に実質的に同一位置に保持される。

このように構成した装置においては、ステップモータ３
を駆動すれば、ゥオーム４を介してウオームホィール５
が回転し、その回転軸６に取付けたアーム８が回転軸６
の中心軸線のまわりに回転し、またステップモータ１５
を駆動すれば、歯車１６，１７を介してピニオン１８が
回転し、それがアーム８上に転走するので、これにより
額動フレーム１３がアーム８上を任意の位置へ移動し、
従ってステップモータ３及びステップモータ１５の回転
方向及び回転量を適当に設定すれば、研摩工具９の軸心
則ち工作物Ｗに対する加圧方向を、工作物の表面の各点
において法線方向に一致させることができる。このよう
に研摩工具９の加圧方向を制御しつつ、空気圧シリンダ
１９に空気圧を加えて研摩工具９を工作物Ｗの表面に圧
接し、これを同時にモータ２５を駆動して研摩工具９に
往復運動を与えれば、工作物Ｗの表面を均一に研摩する
ことができる。

上記ステップモータ３及び１５は、固定軸１を取付けた
数値制御フライス盤等における数値制御信号に基づいて
駆動するもので、次にその駆動制御系について説明する
。

第４図は、上記曲面研摩用装置を工作物Ｗとの実係にお
いて模式的に示した説明図で、同図において、研摩工具
９がＸＹＺ空間における工作物Ｗ上のＰ点に位置すると
し、Ｐ点における法綾をｎとし、さらにＰ点を原点とし
て×Ｙ勾軸１こ各平行な座標軸をもつｘｙｚ座標系を設
定すれば、上記法線ｎはｚ軸を含む一平面ご内にあり、
この平面ご内においてｚ軸に対する法線ｎの懐き角度を
Ｑ、ｘ軸に対する上記平面どの繁反時計方向周りの角度
を８としたとき、数値制御パルス信号に基づいて求めれ
る×、Ｙ、Ｚ方向のＰ点の移動速度×，Ｙ，Ｚから、Ｑ
、６は次式によって求められる。

Ｑ弘ｎ−．（ご亭主） …‐‐‐‐‐‐ｍ３＝ねｎ「（
姿） ………■ 従って、研摩工具９の軸心を工作物に対して法線方向に
向け、均一な圧力で研摩工具を工作物に圧接させるため
には、第５図に示すような駆動制御系を用いればよい。

第５図における駆動制御系においては、まず、数値制御
フライス盤等から与えられるＸ、Ｙ、Ｚの各軸方向の数
値制御パルス信号に基づき、Ｘ計算回路、了計算回路、
Ｚ計算回路においてＸ，Ｙ，Ｚが計算され、それに基づ
いてＱ計算回路及びＢ計算回路において上記‘１｝‘２
｝式によるＱ、８が計算され、その計算結果に基づいて
Ｑ設定回路及びＢ設定回路からステップモータ３及び１
５に駆動信号が送られる。このように構成した本発明の
曲面研摩用装置によれば、次に列挙するような特長があ
る。

○｝ 研摩工具の加圧方向を工作物の表面の各点におい
てその法線と一致させ得るので、工作物表面を均一に研
摩することができる。

‘２１研摩工具の加圧方向を工作物の各点においてその
法線と一致させる制御を、数値制御フライス盤において
出力される数値制御パルス信号に基づいて、加工点の移
動速度を計算する回路、その移動速度から研摩工具の傾
き角を計算する回路及びその計算から懐き角を設定する
回路を備えた制御装置からの駆動信号によって、一対の
ステップモータを駆動することで行えるので、他に研摩
工具の位置または変位を検出する検出装置を必要とせず
に、簡単な演算を行う制御装置を付加しただけで行うこ
とがができる。

【３’既存の数値制御フライス盤やマシニングセンタ等
に取付けて使用できるようにしたので、特別に他の加工
機械等を必要としない。｛４｝ 研摩工具の先端をアー
ムの中心に位置させたので、複雑な制御を必要とすると
なく研摩工具による加圧方向を変化させることができる
。

‘５’空気シリンダ研摩工具を取付け、この研摩工具を
空気シリンダによって軸線方向に加圧しつつ揺動機構に
よる空気シリンダの往復運動によって研摩を行うように
したので、研摩工具として砥石、やすり、研摩布、ラッ
プ等の種々の工具を用い得るばかりでなく、研摩加工部
分の温度を低く抑え、工作物表面の熱による変質を抑制
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の曲面研摩用装置の一部縦断正面図、第
２図はその縦断側面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線での
断面図、第４図は上記装置の駆動制御に関する説明図、
第５図は駆動制御系についてのブロック構成図である。 １・・・・・・固定軸、３，１５・・・・・・ステップ
モー夕、６・・・・・・回転軸、８・・・・・・アーム
、９・・・・・・研摩工具、１３・・・・・・頭動フレ
ーム、１９・…・・空気圧シリング、２２・・・・・・
揺動機構。第３図 第４図 第１図 第２図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 数値制御フライス盤等の主軸に固定すべき固定軸を
   備え、この固定軸に対してそれと同一軸線上に支承させ
   た回転軸をステツプモータによって回転駆動可能とし、
   上記回転軸に固定軸と同一軸線上に位置する研摩工具の
   先端を中心とした円弧状のアームを固定し、このアーム
   を傾動フレームの移動の案内として、その傾動フレーム
   を別のステツプモータにより上記アーム上を移動可能と
   し、上記傾動フレームに揺動機構により揺動可能に設け
   た空気シリンダに研摩工具を取付け、上記各ステツプモ
   ータを、数値制御パルス信号に基づいて加工点での移動
   速度を計算する回路、その移動速度から研摩工具の傾き
   角を計算する回路及びその計算結果から傾き角を設定す
   る回路を備えた制御装置からの駆動信号によって、研摩
   工具の加圧方向を工作物の表面の各点においてその法線
   と一致させて駆動可能としたことを特徴とする曲面研摩
   用装置。