JP2719931B2 - 組立部品の旋削加工装置 - Google Patents

組立部品の旋削加工装置

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JP2719931B2 JP63210526A JP21052688A JP2719931B2 JP 2719931 B2 JP2719931 B2 JP 2719931B2 JP 63210526 A JP63210526 A JP 63210526A JP 21052688 A JP21052688 A JP 21052688A JP 2719931 B2 JP2719931 B2 JP 2719931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,コンピュータのハードディスク,フロッ
ピディスクのための回転部品,場合によっては,VTR,8ミ
リVTR,DAT等の相対回転部材から成る組立部品に,最終
超仕上加工,リード加工等の曲線旋削加工を施す組立部
品の旋削加工装置に関する。
〔従来の技術〕
従来,周知のNC旋盤を使用してリード加工を施す方法
が試みられている。該方法によれば,工作物を取り付け
た旋盤主軸を一定速度で回転させ,要求される加工形状
に基づき数値化された情報により,刃物台に取り付けた
バイトを作動させ,可変ねじ切り法で加工する方法であ
る。
しかしながら,該方法によれば,バイトの加速度及び
移動速度に限界があり,工作物を取り付けた旋盤主軸の
回転速度を高めると,追従遅れが発生し,このことが工
作物の加工の形状誤差となって表れてくる。更に,致命
的な欠陥は,加工精度に限界があり,例えば,VTRの下部
シリンダのリード部に関して要求されるような数ミクロ
ンの真直度を達成できないという問題がある。
また,上記問題点を解消するため,特公昭62−43801
号公報には,円形断面形状を有する工作物の旋削加工方
法及びその装置を開示されている。。以下,第5図を参
照して,該工作物の旋削加工方法及びその装置を概説す
る。
第5図に示す旋削加工装置は,主として,工作物50を
取り付けた主軸53を有する主軸台54と,駆動ベルト61を
介して主軸53を駆動するスピンドルモータ(ACインダク
ションモータ)62と,DCサーボモータ(図示せず)によ
り駆動されるスライダ51に取り付けたバイト52と,NC制
御装置(図示せず)とを具備している。該旋削加工装置
は,スピンドルモータ62が主軸53の駆動源となるのはリ
ード加工以外の加工に限られる点,リード加工用駆動源
として主サーボモータ55を設けた点,及び主軸53の回転
角検出用のポジションコーダ60を設けた点である。主サ
ーボモータ55の出力軸57に歯車56を取り付け,リード加
工時には該歯車56が主軸53に取り付けた歯車58と噛合す
るように構成されている。主軸53に取り付けたプーリ59
はクラッチ内蔵プーリであり,リード加工時には主軸53
とスピンドルモータ62との接続を解除するように構成さ
れている。
一方,リード加工以外の旋削加工に際しては,該クラ
ッチによりプーリ59及び駆動ベルト61を介して主軸53と
スピンドルモータ62とが接続され,歯車58と56との噛合
は,例えば,歯車56を垂直方向(第5図)に移動させる
シリンダ(図示せず)により解除される。
NC旋盤による工作物50に対するリード加工に関連して
説明すると,上記旋削加工方法の実施に先立ち,旋削す
べき工作物50の加工形状(例えば,下部シリンダ用に選
択されたリードデザインに基く)に対応する主軸53の回
転角(即ち,工作物50の回転角)とバイト52の移動量と
の関係をプロットしてグラフ化し且つ常法により数値化
してNC制御装置に記憶させる。工作物50へのリード加工
はこの数値化情報に基づき主軸53の駆動用の主サーボモ
ータ55及びスライダ51の駆動用のDCサーボモータ(図示
せず)を制御することにより行われるが,刻々変わる主
軸53の実際の回転角はポジションコーダ60により連続的
に測定され,またスライダ51の図示A方向及びB方向へ
の移動によるバイト52の刻々変わる実際の移動量はDCサ
ーボモータに内蔵されたポジションコーダにより連続的
に測定され,これら測定値はNC制御装置の記憶情報と比
較され,この比較情報に基き,上記両サーボモータが制
御される。
この制御によりバイト52の移動速度と主軸53の回転速
度との合成速度が一定となされるが,実際にはバイト52
の移動速度が一定となるように制御される。その結果,
深い切込み旋削加工時には,主軸53の回転速度が相対的
に低下し,一方,浅い切込み旋削加工時には,相対的に
上昇することになるので,その都度の加工の難易度に応
じた最適条件が選択されることになり,従って,工作物
50に精密な加工を行うことができる。
例えば,回転角270゜以上の部分で鋭い立上がりの旋
削加工が可能であるので,テープ案内面としてのリード
部Rを180゜から270゜迄拡張することができ,従って,
下部シリンダを小型化してもテープに所望の映像信号ト
ラックを形成するために,充分な長さの案内部を提供す
ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
第5図を参照して説明した上記の旋削加工方法及びそ
の装置は,上記カム倣い方法或いはNC旋盤による加工方
法における問題点を解消することができるが,次の点の
課題が残されている。
前述したいずれの方法による加工でも,旋削加工を対
象とする工作物は単体形態である。そのため,相対的に
回転可能な軸部材と外側部材とから成る工作物即ち組立
部品に対しては旋削加工を行うことができなかった。例
えば,コンピュータのハードディスク,フロッピディス
ク等のドライブするため使用される回転部品に対する最
終超仕上加工,VTRの上下シリンダに対するリード加工等
は,より高精度が要求されているのが現状である。
しかし,これらの部品の旋削加工,組み立てについて
は,部品の各パーツを個々に旋削加工を行い,その後に
それらのパーツを組み立てているため,各パーツごとの
加工精度をたとえサブミクロンのレベルで旋削加工した
としても,各パーツの組み立てによりその加工誤差は累
積誤差となって現れ,そのため最終製品として各部品を
組み立てた際に,より高度化された情報機器に対応でき
なくなってきた。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであ
り,高度化された技術の要求を満足させるため,相対回
転可能な軸部材と外側部材から成る組立部品の各パーツ
を組み立てた状態で,該組立部品の外側部材に旋削に必
要な回転を極めて好ましい状態で与えて,該外側部材に
対して旋削加工,例えば,コンピュータのハードディス
ク,フロッピディスク等のドライブするため使用される
回転部品等に対して最終超仕上加工,リード加工等の曲
線加工等を高度の加工精度で旋削加工を施すことができ
る組立部品の旋削加工装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は,上記の目的を達成するため,次のように
構成されている。即ち,この発明は,相対回転可能な軸
部材と外側部材とから成る組立部品における前記軸部材
の一端部を支持する第一保持部,該第一保持部に対して
進退可能であり且つ前記軸部材の他端部を支持する第二
保持部,前記軸部材に回転運動を与えるドライバ手段,
前記第一保持部に回転可能に配置された主軸手段,及び
前記組立部品に対して前後移動可能に前記主軸手段に取
り付けられ且つ前記組立部品の外側部材に摩擦接触可能
な弾性手段を具備し,前記ドライバ手段は,前記第一保
持部を構成する主軸に一体に組み込まれた副サーボモー
タ,該副サーボモータに駆動連結し且つ組立部品回転中
心と同軸上に配置されたセンタ,該センタの外周面に回
転軸線方向に摺動可能状態にスプリングによって前記組
立部品側に付勢されたドライバ,及び該ドライバに取り
付けられ且つ前記組立部品の軸部材ボス外径に嵌合する
ドライバブーツから成ることを特徴とする組立部品の旋
削加工装置に関する。
また,前記弾性手段は,前記主軸手段の主軸端面との
間に配置されたスプリングによって前記外側部材の方向
に付勢された駆動プレートに一端を取り付け,且つ他端
を前記組立部品の前記外側部材の平らな端面に摩擦接触
するように半径方向に拡開したカップ形状に構成したも
のである。
或いは,前記弾性手段は,前記主軸手段の主軸端面と
の間に配置されたスプリングによって前記外側部材の方
向に付勢された駆動プレートに一端を取り付け,且つ他
端を前記組立部品の外側部材のテーパ面に摩擦接触する
ように半径方向内向きにテーパ状に構成したものであ
る。
〔作用〕
この発明による組立部品の旋削加工装置は,上記のよ
うに構成されており,次のように作用する。即ち,この
組立部品の旋削加工装置は,軸部材とそれに組付けられ
る相対的に回転可能な外側部材とから成る組立部品の該
外側部材の外周面に曲線,リード形状等の最終超仕上げ
の旋削加工を施すものであり,第一保持部に内蔵したセ
ンタと第二保持部であるフレームに内蔵したセンタとの
間で,前記組立部品の軸部材(シャフト外径)を完全に
保持位置決めして,第一保持部の外周部に設けた主軸手
段により,旋削加工に必要とする回転を前記組立部品の
外側部材に弾性手段の摩擦接触で与えると共に,前記第
一保持部又は前記第二保持部に一体に組み込んだ副サー
ボモータによって前記軸部材に回転を与え,それによっ
て前記組立部品の作動状態,例えば,コンピュータのハ
ードディスク,フロッピディスク等をドライブするため
使用される回転部品の相対的な回転運動状態と同等の状
態,或いは一方を停止させた状態にすることができるも
のである。
その状態で,前掲特公昭62−43801号公報で開示した
旋削加工方法によって,前記組立部品の前記外側部材に
高精度な曲線,リード形状等の最終超仕上げの旋削加工
を施す。このことにより前記組立部品はは組立状態で,
例えば,コンピュータのハードディスク,フロッピディ
スク等をドライブするため使用される回転部品に対して
高精度の最終超仕上加工の旋削加工を行うことができ
る。
〔実施例〕
以下,図面を参照して,この発明による組立部品の旋
削加工装置について詳述する。第1図は,この発明によ
る相対回転部材から成る組立部品の旋削加工装置の概略
説明図である。この発明による旋削加工装置は,第5図
に示す旋削加工装置において相対回転部材から成る組立
部品即ち工作物を旋削加工する組加工機に組み込んだも
のである。従って,第1図に示す旋削加工装置には,第
5図に示す旋削加工装置に示す部品と同一の部品には同
一の符号を付し,それらの部品の構成及び作用の説明を
省略する。
この旋削加工装置は,例えば,相対的に回転可能な軸
部材3と外側部材4から成る組立部品5における軸部材
3を,第一保持部1及び第二保持部2の両センタ6,7で
保持し,組立部品5の外側部材4の外周面を旋削加工す
る時に,両センタ6,7の設定位置を加工基準としたこと
である。
この組立部品の旋削加工装置は,主として,軸部材3
と該軸部材3に軸受30を介して相対的に回転可能に支持
した外側部材4とから成る組立部品5における軸部材3
の両端部をそれぞれ支持する第一保持部1と第二保持部
2,第一保持部1に回転可能に配置され且つ外側部材4に
旋削加工に必要な回転運動を与えるスピンドルモータ62
と主サーボモータ55によって与えられる主軸手段10であ
る主軸53,主軸53に組込まれた副サーボモータ28,主軸53
の回転角を検出するポジションコーダ60,DCサーボモー
タ(図示省略)により駆動されるスライダ51に取り付け
たバイト52,及びバイト52の図示A方向及びB方向の移
動量とポジションコーダ60からの情報に応答して前記各
サーボモータを制御するNC制御装置(図示省略)から構
成したものである。
この旋削加工装置による組立部品5の旋削加工におい
て,バイト52の図示A方向即ち組立部品5の半径方向の
移動量は,リード加工については切り込み深さになり,
リード加工では該深さは一定に設定されており,またバ
イト52の図示B方向即ち軸方向の移動量は組立部品5の
外周面にリード加工を行う場合のバイト52の動き方向と
なるものである。各モータについて,主サーボモータ55
は,組立部品5のリード加工時に外側部材4を駆動する
のに使用できる。
副サーボモータ28は,主軸53内に組込まれ,組立部品
5のリード加工時に軸部材3に回転を与えるのに使用で
きる。更に,DCサーボモータ(図示せず)は,スライダ
を駆動するのに使用される。また,スピンドルモータ62
は,工作物に対してリード加工以外の加工の時に,主軸
53を回転させるのに使用できる。ところで,この発明に
よる組立部品の旋削加工装置について,この実施例で
は,相対的に回転可能な組立部品の外側部材4に対して
最終超仕上加工を行うものであるから,主軸手段10に回
転を与えるためには,スピンドルモータ62又は主サーボ
モータ55によって行えばよいものである。
次に,この発明による旋削加工装置の一実施例を,第
2図を参照して説明する。第2図において,第二保持部
2は,ローリングセンタボス24とローリングセンタ23か
ら成る。ローリングセンタボス24はフレーム22形成した
貫通孔45に摺動可能に嵌合し,また,ローリングセンタ
23は一端に組立部品5の軸部材3を支持するセンタ6を
且つ他端にローリングセンタボス24の嵌合穴42に挿入嵌
合する取付ステム41を有している。
更に,主軸台54にアームを介して固定されているフレ
ーム22には,油圧シリンダ40が固定されている。油圧シ
リンダ40は,往復運動するピストンロッド39及びピスト
ンロッド39の先端にピン46で枢着されたピストン43を有
している。ピストン43は,ボルト44によってローリング
センタ23に固定されている。従って,第二保持部2は,
センタ6を対向して設置された第一保持部1のセンタ7
に対して,油圧シリンダ40のピストン43の往復運動に応
じて軸方向に進退可能に調整される得る。
センタ6は,組立部品5の軸部材3の一端部を支持
し,組立部品5の回転中心と同軸上に設置されている。
従って,センタ6は,組立部品5を位置設定して装着し
た時に,組立部品5を油圧によって押圧した状態にな
る。なお,フレーム22は,主軸台54の側面に摺動可能に
取り付けられ(図示省略,例えば,作業者より見て主軸
台54の裏側),それによってフレーム22は,組立部品5
の回転中心軸と平行移動可能に取り付けることもでき
る。
また,主軸台54側に設けた第一保持部1は,組立部品
5の軸部材3の他端を支持するセンタ7,センタ7の外周
に摺動可能に支持すると共にスプリング34によって組立
部品5側へ付勢され且つ一体回転可能に取り付けたドラ
イバ9,及び該ドライバ9に固定し且つ組立部品5の軸部
材3に摩擦連結するドライバブーツ37から構成されてい
る。また,センタ7は,一端部に軸部材3の一端が嵌入
する凹部35を且つ他端部に副サーボモータ28の駆動軸8
が嵌入する嵌合穴47を有する。
軸部材3に回転を与える副サーボモータ28は,主軸53
内に固定されたモータフレーム12,モータフレーム12に
固定されたステータ29,ステータ29内で回転可能なロー
タ38及びロータ38に固定した駆動軸8から構成されてい
る。駆動軸8は,中空状の主軸53の中空部内に固定した
モータフレーム12に対して相対的に回転可能に組込ま
れ,更に,駆動軸8を嵌合したセンタ7は第二保持部2
のセンタ6とは対向する位置に配置されている。モータ
フレーム12の後部は,主軸53の中空部を貫通し,信号線
保護管11が取り付けられ,信号線保護管11内に副サーボ
モータ28に電流を供給するため,モータ駆動装置に接続
する信号線48が配設されている。
組立部品5の外側部材4を回転させる主軸53は,主軸
台54に軸受13を介して相対的に回転可能に支持されてい
る。主軸53は,例えば,第1図に示すように,主軸53に
ベルト61,歯車56,58等を介して回転駆動されるように構
成されている。主軸53の一端にはプレートボス14が固定
され,プレートボス14の円周方向には複数個のガイドピ
ン15がボルト31によって取外し可能に固定されている。
これらのガイドピン15には,駆動プレート17が主軸53
の回転中心軸方向に往復移動できるように取り付けら
れ,しかも,プレートボス14と駆動プレート17との間に
はスプリング16が配置され,スプリング16によって駆動
プレート17は,主軸53の回転中心軸方向にガイドピン15
に案内され,組立部品5の方向に付勢されている。
駆動プレート17には,適当な固着手段によって弾性手
段である弾性部材19が固定された支持部材18が取換え可
能に固定されている。弾性部材19は,ゴム,プラスチッ
ク等の弾性材料で製作されており,組立部品5の外側部
材4平らな端面32に摩擦接触するように半径方向にカッ
プ形状に拡開した構造を有している。弾性部材19は,組
立部品5の外側部材4に係止穴等が形成されていない平
らな端面を有するものに適用して好ましいものである。
更に,駆動プレート17は,駆動プレート17をガイドピン
15に沿って組立部品5から遠ざかる方向に,即ち,弾性
部材19が組立部品5の外側部材4の端面32から非接触状
態に離脱する方向に移動させるため,駆動プレート17の
側面に当接可能なローラ21が設けられている。
ローラ21は,主軸台54に取り付けた手動ハンドル20の
操作によって揺動させることによって,駆動プレート17
を後退させ,駆動プレート17に取り付けた支持部材18の
弾性部材19を組立部品5の外側部材4の端面32から非接
触状態に離脱させることができる。ところで,例えば,
量産部品であるコンピュータ部品等は,センタレス加工
によって軸部材が製作されることが一般的であり,軸部
材3にはセンタ穴が形成されていないことが多い。
そこで,この旋削加工装置は,コンピュータに使用さ
れるハードディスク,フロッピディスク等のドライブに
用いられる回転部品の最終超仕上加工に適用して極めて
好ましいものである。この場合には,組立部品5の軸部
材3の外径が加工基準となり,軸部材3を支持するため
センタ6,7の先端部には凹部35,36が形成され,これらの
凹部35,36に組立部品5の軸部材3の両端部が嵌合して
保持されている。
上記のような構成において,組立部品5の外側部材4
を回転駆動させる主サーボモータ55と組立部品5の軸部
材3を回転駆動させる副サーボモータ28との作動関係
を,第4図を参照して説明する。
主サーボモータ55は,NC制御装置からの指令信号70を
ディジタル制御部74に送り込み,ディジタル制御部74で
主サーボモータ55に設けたパルスゼネレータ69の位置信
号を受けて位置制御を行い,モータ駆動装置63を駆動し
て主サーボモータ55を作動する。この場合に,モータ駆
動装置63は,主サーボモータ55に設けたタコゼネレータ
68からの信号を受けて速度制御される。
副サーボモータ28は,NC制御装置からの割込指令71及
びパルスゼネレータ69の位置信号を受けて回転数変更装
置64が作動し,回転数変更信号をディジタル制御部66に
送り込む。この場合に,ディジタル制御部66では,副サ
ーボモータ28に設けたパルスゼネレータ73の位置信号を
受けて位置制御を行うように制御してもよい。ディジタ
ル制御部66からの駆動信号はモータ駆動装置67に送り込
まれる。
更に,NC制御装置からの割込指令71及びタコゼネレー
タ68の速度信号を受けて速度変更装置65が作動し,速度
変更信号をモータ駆動装置67に送り込む。この場合に,
ディジタル制御部66では,副サーボモータ28に設けたタ
コゼネレータ72の位置信号を受けて位置制御を行うよう
に制御してもよい。モータ駆動装置67の駆動によって副
サーボモータ28は作動される。上記のような構成によっ
て,主軸手段である主軸駆動用の主サーボモータ55は,
正回転(例えば,組立部品5側から視て右回転)及び逆
回転(即ち,左回転)が任意に設定できる。
ドライバ手段である第二保持部2を回転駆動する副サ
ーボモータ28は,主サーボモータ55に比例して回転させ
ることができ,その比例値を任意に設定することができ
るものである。また,副サーボモータ28の回転方向は,
主サーボモータ55とは独立して,正回転(例えば,組立
部品5側から視て右回転)及び逆回転に設定することが
できる。或いは,副サーボモータ28は主サーボモータ55
が回転中であるにもかかわらず,停止させておくことも
できる。
この発明による組立部品の旋削加工装置は,上記のよ
うに構成されており,次のように組立部品5を位置設定
することができる。
まず,組立部品5を第一保持部1のセンタ6と第二保
持部2のセンタ7との間の所定の場所に挿入し,フレー
ム22に取り付けた油圧シリンダ40により,ローリングセ
ンタボス24をフレーム22に対して摺動移動させ,前もっ
て設定された距離だけ組立部品5の方向に前進させる。
また,ローリングセンタボス24が前進してよい条件とし
ては,駆動プレート17がローラ21によって主軸53の端面
側に後退している時のみである。
主軸台54の上部に組付けた手動ハンドル20を操作する
ことで,先端のローラ21が駆動プレート17を押し,駆動
プレート17に組付けている支持部材18の弾性部材18の弾
性部材19が組立部品5における外側部材4の端面32から
非接触状態に離脱している時である。その離脱状態の確
認は,例えば,リミットスイッチ(図示しない)により
検出することができる。
次いで,組立部品5を上記所定の場所に挿入し,ロー
リングセンタボス24を設定された距離だけ前進させる
と,組立部品5の軸部材3は第一保持部1のセンタ7に
押付けられ,その結果,組立部品5の軸部材3は旋削加
工の基準として固定されたことになる。
次に,前もって後退させていた駆動プレート17を前進
させるが,支持部材18に設けた弾性部材19が組立部品5
の外側部材4の平らな端面32に摩擦接触するように,ロ
ーラ21を駆動プレート17から完全に離脱させる。
これによって,駆動プレート17に取り付けた弾性部材
19は外側部材4の端面32に摩擦接触状態になり,主軸53
からの回転トルクを外側部材4に伝達できる状態にな
る。
このように,組立部品5の軸部材3を第一保持部1と
第二保持部2とによって,所定の位置に設定した後,組
立部品5の外側部材4に主軸53からの回転を伝達する。
また,場合によっては,上記のように,副サーボモータ
28の作動によって組立部品5の軸部材3にも回転運動を
行わせる。
上記のように,旋削加工装置に位置設定された相対回
転部材である軸部材3と外側部材4とから成る組立部品
5について,該外側部材4の外周面にリード加工等の曲
線旋削加工を施すには,前掲特公昭62−43801号公報に
おいて開示した旋削加工方法によって行うことができ
る。
この場合に,前述した作用によって,組立部品5は,
軸部材3を加工の基準として確実に固定されたことにな
る。しかる後に,歯車58等によって主軸53が回転駆動さ
れ,次いで主軸53の端面に取り付けられたプレートボス
14,ガイドピン15,駆動プレート17,支持部材18の順で切
削に必要な回転が伝達され,支持部材18に固定した弾性
部材19が回転する。弾性部材19回転は,該弾性部材19が
摩擦接触している組立部品5の外側部材4に旋削加工に
必要な回転トルク与えることになる。
外側部材4が回転することによって,例えば,コンピ
ュータのハードディスク,フロッピディスク等をドライ
ブするため使用される回転部品は,上記の旋削加工方法
によって組立部品5の外側部材4の外周面に最終超仕上
加工が施されることになる。なお,上記の例では,旋削
加工において,組立部品5の軸部材3を副サーボモータ
28を介して回転させた場合が説明されているが,軸部材
3を回転させる必要がない場合には,センタ7からドラ
イブブーツ37を取外し,副サーボモータ28を停止させた
ままで旋削加工を行うこともできる。
次に,第3図を参照して,この発明による組立部品の
旋削加工装置の別の実施例を説明する。第3図に示す旋
削加工装置は,第2図に示す旋削加工装置と比較して,
主軸手段によって組立部品の外側部材に旋削加工に必要
な回転トルクを与える構造及び組立部品の軸部材を支持
するセンタの構造以外は,同一の構成であるので,同一
の部品には同一の符号を付してそれの説明を省略する。
第3図に示すように,工作物である組立部品80は軸部
材77と軸部材77に対して軸受82を介して回転可能に取り
付けられた外側部材78から成る。外側部材78には,環状
溝を形成するテーパ面75が形成されている。また,組立
部品80の軸部材77の位置設定は,軸部材77の両端に形成
されたセンタ穴83,84を加工基準にした場合である。
軸部材77の両端は,第一保持部1に取り付けたセンサ
81と第二保持部2に取り付けたセンタ79によって位置設
定されるように支持されている。この場合には,第一保
持部1に組込んだ副サーボモータ28が停止した状態で旋
削加工が行われる。
また,軸部材3に回転を与えないので,第二保持部2
のセンタ6はローリングセンタである必要がなく,図示
していないが,デッドセンタを使用することができる。
弾性手段である弾性部材76は,一端を支持部材18に固定
し,且つ他端を組立部品80の外側部材78のテーパ面75に
摩擦接触するように半径方向内向きにテーパ状になるよ
うに形成されているものである。
弾性部材76は,ゴム,プラスチック等の弾性材料で製
作されており,該弾性部材76が組立部材80の外側部材78
に形成されたテーパ面75に当接状態に摩擦接触すること
によって回転トルクが伝達される。この例の旋削加工装
置は,例えば,小さな旋削加工トルクでよいようなコン
ピュータ部品の最終超仕上加工に適用して極めて好まし
いものである。
この発明による組立部品の旋削加工装置は,上記のよ
うに構成されているが,必ずしも上記実施例に限定され
るものではなく,例えば,主軸手段である駆動プレー
ト,支持部材,及び副サーボモータに取り付けたセン
タ,該センタに摺動可能に組付けたドライバ,該ドライ
バに取り付けたドライバブーツ等の部品は取換可能の状
態に構成することができ,工作物である組立部品の形状
により,その目的に応じた機構に構成することができる
ことは勿論である。
ドライバ手段は,第二保持部を構成するフレームに組
込まれたサーボモータ,該サーボモータに駆動連結し且
つ組立部品回転中心と同軸上に配置されたセンタ,該セ
ンタの外周面に回転軸線方向に摺動可能状態にスプリン
グによって組立部品側に付勢されたドライバ,及び該ド
ライバに取り付けられ且つ組立部品の軸部材ボス外径に
嵌合するドライバブーツから構成することができる。
また,図面で開示するように,第一保持部1のセンタ
7,81,第二保持部2のセンタ6,79及び支持部材18は,取
換え可能状態に組込まれており,目的とする組立部品即
ち工作物の大きさ,形状等に対応して交換することがで
きるものであり,例えば,VTRのシリンダの場合には,外
側部材の外径に施すリード形状の位置は,外側部材に形
成した係止穴から正確に割出した位置関係を保つ必要が
あるが,アタッチメントとして,弾性手段に換えて係止
手段を駆動プレートに取り付けることによって,ベー
タ,コンパクトVHS,8ミリVTR,DAT,或いは小型DAT等の多
仕様なサイズ,種類等の旋削加工にも容易に適応させる
ことができるものである。
〔発明の効果〕
この発明による組立部品の旋削加工装置は,上記のよ
うに構成しているので,次のような効果を有する。
この発明の組立部品の旋削加工装置は,相対回転可能
な軸部材と外側部材とから成る組立部品における前記軸
部材の一端部を支持する第一保持部,該第一保持部に対
して進退可能であり且つ前記軸部材の他端部を支持する
第二保持部,前記軸部材に回転運動を与えるドライバ手
段,前記第一保持部に回転可能に配置された主軸手段,
及び前記組立部品に対して前後移動可能に前記主軸手段
に取り付けられ且つ前記組立部品の外側部材に摩擦接触
可能な弾性手段から構成したので,組み立てた状態の組
立部品を所定の位置に確実に且つ容易に設定して前記組
立部品の前記軸部材と前記外側部材とに相対回転を極め
て好ましい構成で与えることができ,しかも該相対回転
を所定の必要とする状態に容易に制御することができ,
前記組立部品の前記外側部材の外周面に高精度の最終超
仕上加工,リード加工等の曲線旋削加工を行うことがで
き,前記組立部品の組み立てによる累積誤差は発生しな
い。
しかも,各部品を取外し可能に取り付けることがで
き,前記組立部品の形状,長さ等に相当の自由度を持た
せることができる。例えば,コンピュータのハードディ
スク,フロッピディスク等をドライブするため使用され
る回転部品の最終超仕上加工においては,わずかな旋削
トルクで充分であるので,前記外側部材自体は摩擦接触
による小さな回転力でよく,しかも旋削回転を与える弾
性手段には精度を要求されないので,構造自体を簡単に
構成でき且つ安価に製作できる。
また,前記弾性手段を前記組立部品の前記外側部材の
平らな端面に摩擦接触するように半径方向に拡開したカ
ップ形状に構成したので,相対回転の組立部品に係止穴
等が形成されていない場合に,該弾性部材を駆動プレー
トにアタッチメントとして取り付け,該カップ形状を組
立部品の外側部材に押付けるだけで旋削加工に必要な回
転を外側部材に与えることができ,外側部材に対して精
度に富んだ最終超仕上加工を行うことができる。
或いは,前記弾性手段を前記組立部品の外側部材のテ
ーパ面に摩擦接触するように半径方向内向きにテーパ状
に形成したので,上記の弾性部材と同様に外側部材に対
して精度に富んだ最終超仕上加工を行うことができ,し
かも,外側部材に対して確実に回転トルクを伝達するこ
とができる。また,組立部品の軸部材端面にセンタ穴が
形成されたものに適用して好ましいものであり,この場
合には,副サーボモータを停止して前記軸部材を回転さ
せない状態で加工を行うこともできるものである。
更に,前記ドライバ手段を前記第一保持部の主軸に組
込まれた副サーボモータ及び該副サーボモータで回転駆
動されるドライバブーツで構成して前記組立部品の前記
軸部材を回転させたので,前記副サーボモータを前記主
軸のスペースに有効に組み込むことができ,しかも組立
部品の軸部材に回転を確実に且つ正確に伝達することが
できる。また,該副サーボモータの作動を,旋削加工に
必要な回転を組立部品の外側部材に与える主サーボモー
タの作動に対応させて制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による組立部品の旋削加工装置を概略
説明図,第2図は第1図の旋削加工装置の一例を示す断
面図,第3図は第1図の旋削加工装置の別の例を示す断
面図,第4図はこの発明による組立部品の旋削加工装置
における主サーボモータと副サーボモータの関係を説明
するブロック図,及び第5図は従来の旋削加工装置を示
す概略説明図である。 1……第一保持部,2……第二保持部,3,77……軸部材,4,
78……外側部材,5,80……組立部品,6,7,79,81……セン
タ,10……主軸手段,17……駆動プレート,19,76……弾性
部材,28……副サーボモータ,51……スライダ,52……バ
イト,53……主軸,54……主軸台,55……主サーボモータ,
83,84……センタ穴,75……テーパ面。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な軸部材と外側部材とから成
    る組立部品における前記軸部材の一端部を支持する第一
    保持部,該第一保持部に対して進退可能であり且つ前記
    軸部材の他端部を支持する第二保持部,前記軸部材に回
    転運動を与えるドライバ手段,前期第一保持部に回転可
    能に配置された主軸手段,及び前記組立部品に対して前
    後移動可能に前記主軸手段に取り付けられ且つ前記組立
    部品の外側部材に摩擦接触可能な弾性手段を具備し,前
    記ドライバ手段は,前記第一保持部を構成する主軸に一
    体に組み込まれた副サーボモータ,該副サーボモータに
    駆動連結し且つ組立部品回転中心と同軸上に配置された
    センタ,該センタの外周面に回転軸線方向に摺動可能状
    態にスプリングによって前記組立部品側に付勢されたド
    ライバ,及び該ドライバに取り付けられ且つ前記組立部
    品の軸部材ボス外径に嵌合するドライバブーツから成る
    ことを特徴とする組立部品の旋削加工装置。
  2. 【請求項2】前記弾性手段を,前記主軸手段の主軸端面
    との間に配置されたスプリングによって前記外側部材の
    方向に付勢された駆動プレートに一端を取り付け,且つ
    他端を前記組立部品の前記外側部材の平らな端面に摩擦
    接触するように半径方向に拡開したカップ形状に構成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の組立部品の旋削加
    工装置。
  3. 【請求項3】前記弾性手段を,前記主軸手段の主軸端面
    との間に配置されたスプリングによって前記外側部材の
    方向に付勢された駆動プレートに一端を取り付け,且つ
    他端を前記組立部品の外側部材のテーパ面に摩擦接触す
    るように半径方向内向きにテーパ状に構成したことを特
    徴とする請求項1に記載の組立部品の旋削加工装置。
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JPS6196601U (ja) * 1984-11-27 1986-06-21

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