JPS6014003Y2 - 流量圧力制御弁付シリンダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般に、アクチュエータのシリンダ体内に、摺動可能に
嵌装したピストンに流体圧力を負荷し、コノ圧力によっ
て移動されるピストンの動きをこのピストンにとりつけ
たロッドを介して仕事として取り出すことは、広く行な
われているところである。

この場合、アクチュエータの必要出力は仕事をさせるた
めにピストンをストロークさせる圧力（一般的にはヘッ
ド側の圧力）により定められ、ピストンを復帰させるス
トロークをさせるための圧力（一般的にはロッド側の圧
力）は、復帰に要する最少限度の圧力で充分なはずであ
る。

しかし、通常の使用例によると、圧力調整を行なった後
は、方向切換弁により、ヘッド側ロッド側とも、同じ圧
力を加えており、従って、ロッド側の復帰圧力としては
無駄なエネルギを消費していることになる。

この考案の目的は、上記例におけるような場合に採用し
て、エネルギ損失を可及的に防止することができるよう
にした流量圧制御弁付シリンダを提供することである。

図において、１はアクチュエータのシリンダ体であって
、このシリンダ体１内には、ピストン２がこのシリンダ
体１の内壁に沿って気水密に摺動可能に嵌装され、この
ピストン２にとりつけたピストン・ロッド３は、前記シ
リンダ体１の外に突出されて、このピストン・ロッド３
の動きカ、必要とする仕事に変換されるのである。

前記ピストン２によってヘッド側の第一の室４と、ロッ
ド側の第二の室５とに仕切された前記シリンダ体１の両
端部はそれぞれカバー６．７によって閉塞されており、
これらカバー６．７のうち、ヘッド側のカバー６に設け
た流体の供給ポート８と排出ポート９とはそれぞれ前記
室４への連通口１０に各別に連通ずるようになっており
、これは前記供給ポート８に形成した弁座１１と、前記
カバー６内に形成した中空筒片１２とに選択的に就座す
る弁部材１３によって行なうものであり、この弁部材１
３は板弁状の弁体１４とこの弁体１４の周縁に形成され
る可撓性環状壁１５とから構成されるものである。

前記中空筒片１２に形成した弁座１６に就座するピスト
ン状の弁部分１７と、この弁部分１７内に形成した通孔
１８内に挿通される絞り弁１９とで複合弁２０を構成し
、前記弁部分１７と前記カバー６にねじ込まれたばね受
け２１との間にばばね２２を縮設すると共に、前記絞り
弁１９の弁桿２３は、延長して前記ばね受け２１にねじ
込まれ、その末端はばね受け２１を貫通して突出し、こ
のばね受け２１と弁桿２３との関係変位によって絞り弁
１９の開度は変更調節可能であり、前記ばね受け２１の
回動による進退によって前記ばね２２の弾性力は変更調
節可能である。

前記ロッド側のカバー７内には、流体圧によって供給ポ
ート２４から前記ロッド側の室５へ、この室５から排出
ポート２５への流体の流通を切り換える弁部材２６を配
設するものとし、この弁部材２６は前記弁部材１３と同
じように板弁状の弁体２７とこの弁体２７の周縁に形成
される可撓性環状壁２８とから構成されるものである。

この弁部材２６は前記カバー内に形成された中空筒片２
９と供給ポート２４側の弁座３０とに選択的に係合する
のであるが、前記中空筒片２９内に形成した通孔３１は
絞り弁３２によって狭窄されており、この絞り弁３２の
開度は、この絞り弁３２を末端に形成した桿３３の端面
に形成した溝３４に、ドライバなどの先端を挿入して回
動することにより、前記通孔３１内にねじ込まれている
桿３３を進退動させて調節することができる。

前記室５と前記弁部材２６との間には、通路３５（第２
図参照）が形成されるが、この通路３５内には、前記室
５から流体が排出される際には容易に前記室５と前記弁
部材２６とを容易に導通可能となるようなばね３６によ
って弁座３７に圧接されている弁体３８と、この弁体３
８から突出してうる桿３９と、この桿３９の末端が係合
しているピストン状側壁４０と、この側壁４０とばね受
４１との間に縮設されるばね４２とで構成される圧力制
御弁としての弁部分４３が設けられ、この弁部分４３に
おいては、供給ポート２４から前記室５内に流通する際
には、前記室５内の圧力が前記ばね４２で設定された所
定圧を超えたときには、弁体３８は弁座３７に就座して
前記室５を閉塞し、減圧調整を可能とするものである。

上記構成において、先ず、供給ポート８を介して圧力流
体がカバー６内に導入されると、この圧力によって弁部
材１３は中空筒片１２側に就座し、排出ポート９側への
流通を阻止し、流体は連通口１０から室４に入り、ピス
トン２を図において左方向へ押し動かし、この動きはピ
ストン・ロッド３を介して外部へ取り出されて所定の仕
事に利用される。

この際ｂラド側の室５内の流体は弁体３８を押し開き、
弁部材２６が弁座３０に就座し、供給ポート２４側の流
通を阻止され、前記中空筒片２９内に入り、絞り弁３２
によって流量を調整されて排出ポート２５から直接大気
に放出される。

逆に、ロッド側の室５に流体を供給してピストン２に戻
り行程を行なうときは、前記弁部分４３によって制御さ
れた圧力によって供給ポート２４からの流体が室５に流
入し、ピストン２の図における右行により、室４内の流
体は前記絞り弁１９によって流量を調整されながら排出
ポート９から大気へ放出されるのである。

なお当初は室４内の圧力が高いため、ピストン状の弁部
分１７がばね２２の力に抗して後退させられ、排出ポー
ト９に開放されるので、流体は急速排気が可能となる。

以上に説明したように、ヘッド側カバー６では、弁部材
１３によって室４内の流体を排出する際に、エアシリン
ダを駆動させるべく切換弁からの流体の排出を必要とせ
ず、直接、カバー６内に設けられた排出ポート９からの
排出を可能とする機能及び前述した急速排気の機能を有
している。

またロッド側カバー７内では、前記弁部材１３と同じ弁
部材２６により、直接、カバー７内に設けられた排出ポ
ート２５からの排出を可能とし、更に供給ポート２４か
ら室５内への流体の流入の際に、前記弁部分４３による
圧力制御の機能を有し、圧力制御機能はピストン２の戻
り行程時の室５内への流入の圧力を調整することにより
、この考案の目的である省エネルギを可能とし、また急
速排気機能は、室４と室５の圧力差による戻り行程時の
始動時の遅れの問題を解消するものである。

なお弁部分１３．２６によりカバー６，７に設けられた
排出ポー）９．２５から直接、流体を排出可能であるか
らピストン２の高速化を可能とするものである。

【図面の簡単な説明】

図中第１図はこの考案のシリンダの竪断面図で、第２図
は第１図の■−■線に沿う断面図である。 なお図において、１・・・・・・シリンダ体、２・・・
・・ゼストン、４．５・・・・・・室、６．７−−−−
−−カバー、８・・・・・・供給ポート、９・・・・・
・排出ポート、１０・・・・・・連通口、１３・・・・
・・弁部材、１７・・・・・・弁部分、１９・・・・・
・絞り弁、２０・・・・・・複合弁、２４・・・・・・
供給ポート、２５・・・・・・排出ポート、２６・・・
・・・弁部材、３２・・・・・・絞り弁、３５・・・・
・・通路、４３・・・・・・弁部分。 である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部でピストンが気水密に摺動するシリンダ体を有し、
   このピストンによってヘッド側とロッド側の二つの室に
   仕切られた前記シリンダ体の両端部をそれぞれカバーで
   閉塞するものにおいて、これらカバーにそれぞれ流体の
   供給ポートと排出ポートを設けると共に、ヘッド側のカ
   バー内には、流体圧によって供給ポートから前記ヘッド
   側の室へ、この室から排出ポートへの流体の流通を切換
   えるべく板弁状の弁体とこの弁体の周縁に形成される可
   撓性環状壁とから形成されかつ前記供給ポートに形成し
   た弁座と前記カバー内に形成した中空筒片とに選択的に
   就座する弁部材を配設し、この弁部材と前記排出ポート
   との間には前記中空筒片に形成した弁座に就座するピス
   トン状の弁部分とこの弁部分内に形成した通孔内に挿入
   される絞り弁との複合弁を設け、前記ロッド側のカバー
   内には、流体圧によって供給ポートから前記ロッド側の
   室へ、この室から排出ポートへの流体の流通を切換える
   弁部材を配設し、この弁部材と前記排出ポートとの間に
   は絞り弁を配設し、この弁部材と前記室との間には、供
   給ポートからの前記室内への流入の際は、この室内の圧
   力がこの所定圧力を越えた場合に閉塞され、また前記室
   の圧力の流出の際は容易に導通可能な弁部分を配設して
   成る流量圧力制御弁付シリンダ。