JPS6012702Y2 - フロ−テイングビツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は定置式のドライバー、殊に増給めに使用するド
ライバーに好適するところのフローティングビットに関
する。

この種増給め用の定置式のドライバーは一般に第１図に
示すように、支柱１に取付けられた支持プレート２にエ
ヤーシリンダ３を設け、このシリンダ３の伸縮ロッド４
に昇降プレート５とキャッチャ−プレート６とを取付け
、昇降プレート５上にはモーター７を据付け、一方キャ
ッチャープレート６にはドライブ軸８を保持するスリー
ブ９を貫通固定し、前記モーター７の主軸１０とドライ
ブ軸８とを２つのユニバーサルジヨイント１１゜１２を
介して連結た構成をしている。

前記２つのユニバーサルジヨイント１１．１２は、ワー
クの種類によってねじ締め位置が異なるので、それに応
じてキャッチャ−プレート６へのスリーブ９の取付位置
を破線で示すように変更しても主軸１゜からドライブ軸
８へのトルク伝達が行ない得るよう保証するために使用
されている。

ところで、この定置式ドライバーにおいてドライブ軸８
をスリーブ９に緊密に挿入するとドライブ軸先端に取着
されたビットとワークのねじ締め位置とが僅かでも位置
ズレ（芯ズレともいう。

以下芯ズレという。

）を起しているならねじ締めをすることができないとい
う不都合を来す。

その為現在は第２図に示すように内径の大きなスリーブ
９を用いてドライブ軸８をスリーブ９に遊挿し、ユニバ
ーサルジヨイント１２を中心としてスリーブ内で揺動で
きるようにして上記芯ズレを吸収すべくなしている。

しかし乍らこの現行手段においては、芯ズレを吸収する
ことができるもののワーク上のねじ１４に対しビット１
３が傾斜して作用することとなり、その結果ビットがね
じに十分に作用せず、ねじの頭部を破損して締付けるこ
とができない。

またビットがねじに喰いつき、締付は作業が行なわれて
も締付は完了後にドライバーの上昇動に伴なってワーク
も持上がってしまう等といった支障を来たすものである
。

本考案はかかる点に鑑み、芯ズレを吸収することができ
ると共に、それでいてビットがワーク上のねじに対して
垂直に作用し得てねじ頭部の破損やねじへの喰いつきが
ないという使用価値高いフローティングビットを提供す
るものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

第３図は本考案の一実施例としてのフローテイングビッ
トを示し、図中３０はドライブ軸でその上端は第１図の
ドライブ軸８と同様ユニバーサルジヨイント１２に連結
されている。

このドライブ軸３０の先端には、ダブルジヨイント３１
を介してビット３２が連結されている。

ここにダブルジヨイント３１とは、実質的に２つのユニ
バーサルジヨイントを直列連結した構成のものをいい、
通常は図示例のようにドライブ軸３０に連結されるドラ
イブヨーク３３とビット３２に連結されるビットヨーク
３４と、両者３３．３４間に存在するダブルヨーク３５
と、ドライブヨーク３３とダブルヨーク３５の一端及び
ダブルヨーク３５の他端とビットヨーク３４とを夫々２
つの直交する軸芯で枢支連結するコマ３６．３７とから
構成されている。

また前記ビット３２として図示例では６角穴の穿設され
たボツククスビットを用いている。

３８は、前記ドライブ軸３０を回転自在に保持するスリ
ーブで第１図のスリーブ９と同様キャッチャ−プレート
６に取付けられている。

但し、このスリーブ３８は第２図に示したもののように
ドライブ軸３０を遊嵌する必要はない。

前記ダブルジヨイント３１によってビットとワークのね
じ締め位置との位置ズレが吸収されるからである。

このスリーブ３８には前記ビット３２の一部を外套する
位置まで延出されたガイド筒部３９が形威してあり、そ
の内径はビット３２の外径よりも大きくしである。

この大きさ、特に即ちガイド筒部３９の内径とビット外
径との差は芯ズレを吸収し得る最大限を定めるものであ
り、従ってドライバーが適用される作業毎に適宜に設定
される。

図示例では２ｗｎに設定し、ビット３２を図示位置から
左右前後位置方向に１１１ｒＩｎの範囲で移動（フロー
ティング）できるようにしている。

前記スリーブ３８のガイド筒部３９の下端は図示する位
置に限られるものではなく、ビット先端まで延出しても
良いし、またもつと短かくすることもできる。

但し、ガイド筒部３９はビット３２の移動範囲を規制す
る作用をなすものであるから少なくともビットの一部は
外套していることが必要である。

更に図示された前記スリーブ３８は段付穴形状であるが
、ドライブ軸３０の径をビット３２の外径とほぼ等しい
直径にすれば、このような段付穴形状にする必要がなく
スリーブ３８には均一円筒のパイプの使用が可能となる
。

４０は前記ダブルジヨイント３７の両端間に套嵌された
弾機として例えばコイルスプリングである。

このスプリグはそれのもつ弾性復元力によってビット３
２を常にドライブ軸３０の軸芯の延長線上に存在するよ
うビットの姿勢矯正を行なっている。

この構成によれば、ビット３２とワーク上に締付けられ
たねじとが芯ズレを起していても、そのズレ量がガイド
筒部３９によって規制されるビットの移動範囲内である
限り吸収し得て、当該ねじの環線めを行なうことができ
る。

この点は第２図に示した現行の手段と変わりはない。

しかし乍ら、ビット３２がダブルジヨイント３１を介し
てドライブ軸３０に連結されているために、ビット３２
がワーク上のねじを掴まえ当該ねじに環線めする場合に
おいてビット３２はダブルジヨイント３１の２つのコマ
３６．３７を中心とした屈曲作用により第４図に示すよ
うにねじＡと軸芯を一致させた無理のない姿勢でねじＡ
を掴まえ環線めすることができる。

従って締付中にねじへの喰いつきやねじ頭部の破損がな
くなり、締付は完了後のねじ離れが頗る良好となる。

尚、ねじへの喰いつき解消とねじ離れの良さとはダブル
ジヨイント３１の屈曲作用だけでなく、弾機４０による
ダブルジヨイント３１の姿勢矯正作用も大きな役割を果
している。

また、ビット３２が無理のない姿勢でねじＡを掴まえ環
線めずことができるのもダブルジヨイント３１の屈曲作
用だけでなく、ビット３２がガイド筒部３９内壁と当接
することによってその姿勢が正されることも大きな役割
を果しているといえる。

本考案に係るフローティングビットは以下説明したよう
に、スリーブにて保持されたドライブ軸の先端に、実質
的に２つのユニバーサルジヨイントを直列連結した構成
のダブルジヨイントを介してビットを取付けると共に、
前記スリーブにこのビットの外径よりも大きな内径を有
するガイド筒部を形威し、このガイド筒部を少なくとも
ビットの一部を外套する位置まで延出してビットの移動
範囲を規制せしめ、一方前記ダプルジヨイントの両端間
に弾機を套嵌して常にビットをドライブ軸の軸芯延長線
上に存在するよう姿勢矯正せしめてなるものであるから
、ビットとワークの締付は位置とが芯ズレを起していて
もそれを確実に吸収できるものであり、また締付姿勢も
無理のない姿勢となし得てねじへの喰いつきかない、従
ってねじ離れの良いねじ締め作業を行なうことができる
と共にねじの頭部を破損することがなくなるといった効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の適用され得る定置式ドライバーを示す
図、第２図は現行装置が採用しているドライブ軸及びビ
ット周辺の構造を示す図、第３図は本考案の一実施例と
してのフローティングビットを示す断面図、第４図は第
３図のビットの動作を模式的に示す図である。 ３０・・・・・・ドライブ軸、３１・・・・・・ダブル
ジヨイント、３２・・・・・・ビット、３８・・・・・
・スリーブ、３９・・・・・・ガイド筒部、４０・・・
・・・弾機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スリーブにて保持されたドライブ軸の先端に、実質的に
   ２つのユニバーサルジヨイントを直列連結した構成のダ
   ブルジヨイントを介してビットを取付けると共に、前記
   スリーブにこのビットの外径よりも大きな内径を有する
   ガイド筒部を形威し、このガイド筒部を少なくともビッ
   トの一部を外套する位置まで延出してビットの移動範囲
   を規制せし７め、一方前記ダプルジヨイントの両端間に
   弾機を套嵌して常にビットをドライブ軸の軸芯延長線上
   に存在するよう姿勢矯正せしめてなることを特徴とする
   フローティングビット。