JPS6010987Y2 - シ−ト搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、駆動軸に固定された駆動ローラと、従動軸に
固定された従動ローラとを有し、前記駆動ローラと従動
ローラとによってシートを搬送するようにしたシート搬
送装置に関する。

複写機、印刷機等において用いられる上記形式のシート
搬送装置は従来より周知である。

従来のこの種の装置においては、駆動ローラと従動ロー
ラとがそれぞれ複数個設けられ、これらローラのうち少
なくとも一対の駆動ローラと従動ローラとがシート搬送
装置における通紙範囲外に配設されている。

この構成によって、シートがシート搬送装置によって搬
送されているときにも、通紙範囲外に存する駆動ローラ
と従動ローラとが直接接触し、この駆動ローラの回転力
が従動ローラに直接伝達される。

このため従動ローラは駆動ローラによって直接且つ強制
的に回動駆動されるので、シートは駆動ローラのみなら
ず従動ローラからも積極的な送り作用を受け、シートの
確実な搬送が行われるようになっている。

ところがこの構成では、搬送されるシートの厚さが薄い
ときには通紙範囲外に存する駆動ローラと従動ローラと
が確実に当接して、従動ローラへ駆動力が伝えられるも
のの、シートの厚さ厚い場合には通紙範囲外にある駆動
ローラと従動ローラが確実に当接せず又はこれらが互に
離れてしまい、駆動ローラから従動ローラへの駆動力の
伝達が行われず、シートの搬送性が低下する恐れがある
。

特に２枚のシートを重ね合せた重合シートを搬送する場
合、この重合シートの厚さが厚く、従動ローラが重合シ
ートに積極的な送り作用を及ぼし得ないと、重合シート
の各シートが互にずれ動き、シートの確実な搬送が望み
得なくなる恐れがある。

これは、重合シートの互に接触するシート面の摩擦係数
が低い場合に生じやすい。

この不都合を除去するために、従動ローラの方も駆動装
置によって回転駆動させることも考えられるが、このよ
うにすればシート搬送装置の構成が複雑化するだけでな
く、互に接触するローラの摩耗が激しくなる不都合も生
ずる。

本考案は上述した従来の欠点を軽減したシート搬送装置
を提供しようとするものであり、以下に本考案の実施例
を図面に従って説明する。

第１図及び第２図において、駆動軸１には複数個の駆動
ローラ２が固定支持され、駆動軸１が図示していない駆
動モータにより駆動されることによって駆動ローラ２が
矢印Ｐ方向に回転駆動されるようになっている。

駆動軸１の上方にはこれと平行に従動軸３が配置され、
この従動軸３には従動ローラ４が固設されている。

本例における従動ローラ４は、それぞれ対向する駆動ロ
ーラ２と対を戊して互にころがり接触できるように配設
されている。

従動軸３は駆動軸１と平行状態を維持しつつ、ガイド板
（図示せず）によって上下動可能に支承され、一方、本
例における駆動軸１はその位置を不動に支承されている
。

シート、例えば二枚のシートを重ね合せた重合シート５
は、駆動ローラ２と従動ローラ４との間に挟まれつつ搬
送されるようになっており、その場合シートは第２図に
Ｑで示す通紙範囲内の領域を搬送される。

駆動軸１の各端領域、即ち上述した通紙範囲Ｑ外の駆動
軸部分には、本考案により第１駆動力伝達ローラ（以下
単に第１伝達ローラという）６゜６ａがそれぞれ固着さ
れ、一方、従動軸３における通紙範囲外の領域には第２
駆動力伝達ローラ（以下単に第２伝達ローラという）Ｌ
７ａがそれぞれ固設され、これら第１及び第２伝達ロー
ラは図示する如く互にころがり接触している。

この場合、本例では第１伝達ローラ６．６ａは駆動ロー
ラ２と同一直径を有しているが、第２伝達ローラ７．７
ａは従動ローラ４よりも若干大きな直径を有している。

しかも、第２伝達ローラ７．７ａの少なくとも周囲部は
弾性体、例えばゴムにより構成され、第１伝達ローラ６
．６ａは剛質材料で作られている。

従動軸３にはリング状の軸受８が回転自在に嵌合され、
この軸受８には第３図に示すように環状の段部８ａが形
成されている。

そしてこれらの段ｉ８ａにはレバー９の先端部が載って
おり、このレバー９の基部は軸１０にねじにより固定さ
れている。

この軸１０は装置の機枠に回転可能に支承され、軸１０
の一端には回動レバー１１が固着されている。

回動レバー１１の先端には引張はね１２が係止され、こ
のばね１２の他端は機枠に係留されている。

このばね１２の引張作用によって、回動レバー１１は第
１図における時計方向の回動力が与えられ、従ってレバ
ー９は軸受８を下方へ押し付ける。

このため、第１伝達ローラ６．６ａと第２伝達ローラ７
．７ａは互に圧接され、弾性体で構成された第２伝達ロ
ーラ７．７ａは、第１伝達ローラ６．６ａとの接触部分
Ｒで弾性変形し、この状態で駆動ローラ２と従動ローラ
４とが互にころがり接触する。

尚、第１図中１３はシート５を案内するためのガイド板
である。

第１図に示すようにシート５がガイド板１３に案内され
つつ矢印Ｓ方向へ送り込まれ、第２図に示す通紙範囲Ｑ
内で駆動ローラ２と従動ローラ４との間に挟み込まれる
と、このシート５は矢印Ｐ方向に回転駆動される駆動ロ
ーラ２のみならず、従動ローラ４からも積極的な送り作
用を受ける。

即ち、通紙範囲外に設けられた第１伝達ローラ６．６ａ
と第２伝達ローラ７．７ａが直接接触しているので、第
１伝達ローラ６．６ａの回動力は第２伝達ローラ７．７
ａに確実に伝達され、従動ローラ４が強制的に回転駆動
され、かく回転駆動された従動ローラ３がシート５に対
し積極的な送り作用を及ぼすのである。

この場合、第２伝達ローラ７．７ａは元々弾性変形しつ
つ第１伝達ローラ６．６ａに接触しているので、搬送さ
れるシート５の厚さが厚く、従って駆動ローラ２と従動
ローラ４とがそのシートの厚さ分だけ比較的大きく離間
しても、第１伝達ローラ６．６ａと第２伝達ローラ７．
７ａとの接触は解除されず、駆動軸１の駆動力が伝達ロ
ーラ６．６ａ；Ｌ ？ａを介しテ従動ローラ３に伝え
られ、厚手のジ−トモ確実に従動ローラ４から送り作用
を受けることができる。

正確に言えば、第２伝達ローラ７．７ａの弾性変形が無
くなって第１伝達ローラ６．６ａから第２伝達ローラ７
．７ａへ駆動力が伝達できなくなる程、シート５の厚さ
が厚くならない以上、シートの厚さに関係なく従動ロー
ラ４がシートに搬送力を及ぼすことができるのである。

従って、シート５が図示するように重合シートであって
も、その各シートにずれを生せしめることなく、これを
搬送することができる。

尚、上記実施例では二対の伝達ローラ６．６ａ；７ｔ７
ａを設けた構成を示したが、この伝達ローラは一対又は
二対よりも多くともよいことば当然である。

更に、第２伝達ローラ７．７ａを弾性体で構成し且つこ
のローラ７．７ａを従動ローラ４よりも大径としたのは
、シートの厚さが厚くなっても伝達ローラ６．６ａ；７
，７ａにより駆動力を確実に伝達できるようにするため
であり、従ってこの目的を遠戚できれば上記実施例の構
成に限定されず各種形態で伝達ローラを構成できる。

例えば、第１伝達ローラ６．６ａの方の少なくとも一部
を弾性体で作り、或いは第１及び第２伝達ローラを共に
弾性体で作ることもできる。

また第１伝達ローラ６．６ａの直径を駆動ローラ２の直
径よりも大きくし、第２伝達ローラ７．７ａの直径を従
動ローラ４の直径と等しくてもよい（要するに、駆動ロ
ーラ及び従動ローラの直径に係わりなく、弾性体で作ら
れた伝達ローラが弾性変形されるように、第１及び第２
伝達ローラの直径を適宜選択すればよい）。

以上の説明からも判るように、本考案によればシートの
厚さが厚いときも従動ローラに駆動力を与えることがで
き、シートを確実に搬送することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシート搬送装置の断面側面図、第
２図は同搬送装置の斜視図、第３図は従動軸に嵌合され
た軸受の断面図である。 １・・・・・・駆動軸、２・・・・・・駆動ローラ、３
・・・・・・従動軸、４・・・・・・従動ローラ、５・
・・・・・シート、６，６ａ・・・・・・第１駆動力伝
達ローラ、７，７ａ・・・・・・第２駆動力伝達ローラ
、Ｑ・・・・・・通紙範囲。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動軸に固定された少なくとも１つの駆動ローラと、従
   動軸に固定された少なくとも１つの従動ローラとを有し
   、前記駆動ローラと従動ローラとによってシートを搬送
   するようにしたシート搬送装置において、前記駆動軸に
   少なくとも１つの第１駆動力伝達ローラが固着され、前
   記従動軸に少なくとも１つの第２駆動力伝達ローラが固
   着され、前記第１及び第２駆動力伝達ローラの少なくと
   も１方のローラが、少なくともその一部を弾性体により
   構成され、第１及び第２駆動力伝達ローラは互に圧接さ
   れて、弾性体により構成された駆動力伝達ローラが弾性
   変形されるように構成され、第１及び第２駆動力伝達ロ
   ーラは、シート搬送装置における通紙範囲外の領域に配
   設されていることを特徴とする前記シート搬送装置。