JPS6010939Y2 - 自動車の車体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料タンクの取付構造を改良した自動車の車体
構造に関する。

自動車は燃料タンクを備え、この燃料タンクからエンジ
ンへ燃料を供給するが、上記燃料タンクの取付構造とし
ては従来、たとえば第１図乃至第３図に示すようなもの
が知られている。

すなわち、第１図に示すものはトランクルーム１の内部
に燃料タンク２を収納し、第２図および第３図に示すも
のはトランクルーム３の下面に燃料タンク４を取付けて
いる。

しかしながら、前者は燃料タンク２を車内に設けるため
、燃料が漏れた場合には火災を発生する危険がある。

また、エンジンルーム等への燃料配管は車内から車外へ
貫通させなければならず、配管作業が室内作業と室外作
業とに分かれ手間取るとともに貫通孔をシールしなけれ
ばならず面倒なものとなっていた。

また、燃料の補給時にはガスの臭いが室内に侵入し、乗
員に不快感を与えてしまう。

さらに、燃料タンク２の塔載作業が困難であるとともに
タンク２の取付作業も車内のため作業しにくいといった
不都合がある。

一方、後者の場合には燃料タンク４を車外に取付けるた
め、前者のような欠点はないが、燃料タンク４の地上高
さｈｌ、デフレンシャルギャ５との間の間隙Ｎおよびマ
フラー６との間の間隙ｈ３を確保しなければならず、燃
料タンク４の取付スペースが規制される。

このため、容量の大きな燃料タンクを取付ける場合には
フロア面を高くしなければならず、トランクルーム３の
深さ民が浅くなってしまう欠点があった。

なお、図中７・・・・・・はスペアタイヤである。

本考案は上記事情に着目してなされたもので、その目的
とするところは、車体を構成するフロアパネルにシート
の背部に沿って上方へ突出し下面が外部に開放する凹陥
部を一体に成形し、この凹陥部内に燃料タンクを収納し
、かつ車体フレームにおける上記凹陥部と対向する分断
部位に燃料タンクの取付部材を着脱自在に固着し、一体
化したことにより、上述した欠点を解消でき、加えて車
体全体の剛性及び強度の向上を図るようにした自動車の
車体構造を提供しようとするものである。

以下、本考案の一実施例を第４図乃至第７図にもとづい
て説明する。

第４図は自動車の後部を示すもので、図中１１．１２は
車体フレームである。

これら車体フレーム１１．１２の上面部にはフロアパネ
ル１３が溶着されている。

そして、前記車体フレーム１１と１２との間に位置する
フロアパネル１３にはリヤシート１４の背部に沿って上
方へ突出し下面が外部に連通ずる凹陥部１５が一体に成
形されていて、この凹陥部１５内は後述する燃料タンク
２０を収納するための空間部になっている。

なお、この凹陥部１５の一側面はトランクルーム１６の
仕切壁になっている。

一方、１７は取付部材で、この取付部材１７は第６図に
も示すように、互いに平行に配設された縦、横一対のフ
レーム材１９，１９，１８，１８によって構成されてい
る。

これらフレーム材１８．１８，１９．１９は断面コ字型
に構成されている。

そして、前記縦フレーム材１９．１９の上面部には燃料
タンク２０が載置され、このタンク２０はバンド２１．
２１によって固定されている。

しかして、上記燃料タンク２０は第５図に示すように、
上記凹陥部１５内に収納され、第７図に示すように取付
部材１７の縦フレーム材１９゜１９は上記車体フレーム
１１．１２に固定ねじ２２．２２によって固定され、ま
た、横フレーム材１８．１８はホイルハウスインナ２３
，２３に溶着されたフレーム２４，２４に固定ねじ２５
，２５によって固定されている。

この取付部材１７の取付けにより、フレーム１１，１２
．２４は一体化され車体の強化が計られている。

なお、上記凹陥部１５の上面両側部は内板２６，２６に
あらかじめ溶接された結合部材２７．２７にスポット溶
接されている。

また、２８は燃料タンク２０の上面角部に接続された給
油パイプで、この給油パイプ２８の先端部は給油口２９
に延出されている。

前記給油口２９を構成する内板２６と外板３０とは互い
に溶着されていて給油時において油が内板２６と外板３
０との間に流入することがないようになっている。

上述したように、フロアパネル１３に凹陥部１５を形威
し、この凹陥部１５内に燃料タンク２０を収納するため
、燃料タンク２０は室外に取付けられることになる。

したがって、燃料タンク２０から燃料が漏れても室内に
流入することがなく、また、燃料タンク２０からエンジ
ンルームへの配管も室外作業だけでよい。

さらに、燃料供給時においてガスが室内に侵入するとい
ったこともない。

また、上記凹陥部１５はリヤシート１４の背面部に沿っ
て上方へ突出されるため、トランク室１６のフロア面を
上昇させて浅くさせるといったこともない。

本考案は以上説明したように、車体を構成するフロアパ
ネルにシートの背面部に沿って上方へ突出し下面が外部
に開放する凹陥部を一体に形威し、この凹陥部内に燃料
タンクを収納するようにしたから、燃料タンクは室外に
取付けることができる。

したがって、燃料タンクから燃料が漏れても火災を発生
する心配がないとともに給油時においてはガスを室内に
侵入させることがなく乗員に不快感を与えることもない
。

また、燃料タンクの取付部材を車体フレームと一体的に
固着したので、後車軸のサスペンション装置が取付けら
れ、もつとも車体用及び強度が必要とされる該部分の車
体剛性及び強度を強化することができる。

さらに、燃料タンクからエンジンルームへの配管は室外
作業だけでよく、配管作業が容易になり、しかも貫通孔
のシール作業が不要である。

また、燃料タンクをトランクルームの下面に取付けるも
のと異なり、タンクの容量を大としてもトランクルーム
の深さを浅くしてしまうこともないという効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の従来例を示す概略的構成図、第２図は第
２の従来例を概略的に示す側面図、第３図はその背面図
、第４図乃至第７図は本考案の一実施例を示すもので、
第４図は自動車の後部および取付部材に取付けられた燃
料タンクを示す縦断側面図、第５図はフロアパネルの凹
陥部内に燃料タンクを取付けた状態を示す縦断面図、第
６図は取付部材を示す斜視図、第７図は第５図の矢視図
である。 １１．１２・・・・・・車体フレーム、１３・・・・・
・フロアパネル、１４・・・・・・シート、１５・・・
・・・凹陥部、１７・・・・・・取付部材、２０・・・
・・・燃料タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フレームの上にフロアパネルが配置され、このフロ
   アパネルにシートが取付けられてなるものにおいて、上
   記フロアパネルに上記シートの背部に沿って上方へ突出
   し下面が外部に開放する凹陥部を一体に成形し、この凹
   陥部内に燃料タンクを収納し、かつ上記車体フレームに
   おける上記凹陥部と対向する部位を分断し、この分断部
   位に前記燃料タンクの取付部材を着脱自在に固着してこ
   の取付部材と前記車体フレームとを一体化したことを特
   徴とする自動車の車体構造。