JPS599087Y2 - 内燃機関の吸気消音装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関の消音装置に関する。

一般に、内燃機関の吸気側には吸気ボックスが接続され
ているが、該吸気ボックスは軽量化および低廉化のため
、薄肉鋼板もしくは合或樹脂或形物等が使用されている
。

従って、吸気ボックス自体が内燃機関の吸気圧の変動と
共振し易く、騒音発生の原因となっている。

かかる騒音に対して従来は、吸気ボックスを複数の室に
分け、吸気音を各室で反射吸収せしめることによって、
吸気騒音の低減化を行なっていた。

しかし、この方法では、前記各室の壁面が、管楽器にお
けるパイプのような働きをして吸気音と共振する場合が
多く、特にその吸気ボックス壁面の共振が大きくて充分
な消音効果を得るのが困難であった。

本考案は、かかる点に鑑み、吸気ボックス内に吸気通路
を形或する複数の吸気拡張室を設け、該吸気拡張室内に
、該吸気拡張室の長手方向を複数の室に仕切る簡単な仕
切板を吸気ボツクセ内壁面に固定して設けることによっ
て、吸気拡張室自体が吸気音と共振するのを防ぎ、消音
効果の優れた吸気消音装置を提供することを目的とする
。

以下、本考案の構或を実施例につき図面に基づいて説明
する。

〈実施例 １〉 吸気消音装置１は、吸気ボックス２に隔壁３および隔壁
４を、該吸気ボックスの内壁面５に直交して設けること
によって、それぞれ同一方向（第２図において左右方向
）に長くなった複数の吸気拡張室６，７．８が第１図に
おいて上下左右に並列に設けられてあり、該吸気拡張室
６には空気流入管９が、吸気拡張室８には気化器へ空気
を流出せしめる空気流出管１０が連設されている。

前記隔壁３には円形の通気孔１２が３箇所に、隔壁４に
は同様に４％孔１１が穿設されて各吸気拡張室６，７，
８を連通して前記空気流入管９から空気流出管１０に至
る吸気通路が形或されている。

吸気拡張室８の長手方向の中央には仕切板１３が吸気ボ
ックス内壁面に固定して前記内壁面５と平行に設けられ
てあり、吸気拡張室８は仕切板１３によって長平方向が
２つの室に仕切られ、仕切板１３の上端縁１５と隔壁３
との間には隙間１４が設けられている。

上記空気流出管１０は、第３図に示す如く吸気拡張室８
の仕切板１３で隔てられた一方の室に連設されている。

仕切板は平行して複数枚設けてもよく、また、吸気拡張
室８のみならず、他の吸気拡張室にも設置してよい。

例えば、吸気拡張室７に仕切板を設ける場合は、仕切板
と隔壁４との間に隙間を設けてもよい。

尚、吸気拡張室は、多数の隔壁を設けることによって、
その数を増やすことができる。

また、前記通気孔１１．１２は、それぞれ吸気拡張室の
長手方向に、一端より他端へほぼ等間隔に穿設するのが
好ましい。

このようにすると、吸気音が吸気拡張室内で共振するの
を防ぐことができる。

次に、仕切板の有無によって吸気音の強さがどのように
違うかを比較測定した結果について説明する。

実施例１の装置Ａと該装置から仕切板を取り除いた装置
Ｂとを、それぞれ同じエンジンに接続し、同条件の下に
おいてエンジン回転数７５０Ｏ ｒ．ｐ．ｍ．で吸気音
の強さを測定した。

測定結果を第４図に示す。

実線で示す方が装置Ａで、破線で示す方が装置Ｂである
。

本考案の装置Ａでは吸気音の強さが著しく低減している
ことがわかる。

特に１ＫＨ２附近の消音効果は優れている。

尚、測定結果は実施例１によるものであって、仕切板の
位置、大きさ、枚数等を変えることによって吸気音に対
する消音特性を調節することができる。

また、仕切板はその仕切板が取り付けられている吸気ボ
ックス壁の動的な制振体（ダイナミックダンパ）として
も利用でき、さらに、吸気拡張室８において、仕切板１
３で仕切られた２つの室のうち、気化器流出管１０が接
続されていない方の室は吸気共鳴室としても作用せしめ
ることができる。

空気流出管は気化器が２つある場合、仕切板で仕切られ
たそれぞれの室に連設せしめることもできる。

〈実施例 ２〉 本例は第５図に示すように、吸気ボックス２の壁に特徴
をもつもので他は実施例１と同様に形戊されている。

すなわち、吸気ボックス２の外壁に補強用のリブ１４が
形或されている。

該リブによって吸気消音装置自体が補強されるとともに
、吸気ボックス２の外壁が内燃機関の吸気圧の変動と共
振することを抑制することができるため、一段と優れた
消音効果が得られるものである。

本考案は、以上の構或により、吸気拡張室内に、仕切板
が設けられているため、吸気音が吸気拡張室の長手方向
において共振するのを防ぐことができ、また、吸気音は
仕切板によって反射吸収される等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は吸気消音装置の
縦断面図、第２図は第１図ＩＩ − ＩＩ線における断
面図、第３図は第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線における断面
図、第４図は仕切板の有無による吸気音の強さを比較測
定した結果を示す図、第５図は吸気消音装置の他の実施
例を示す縦断面図である。 １・・・吸気消音装置、２・・・吸気ボックス、３，４
・・・隔壁、５・・・内壁面、６，７．８・・・吸気拡
張室、９・・・空気流入管、１０・・・空気流出管、１
３・・・仕切板、１４・・・隙間、１５・・・端縁。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）吸気ボックスに空気流入管と気化器へ空気を流出
   せしめる空気流出管とが接続されており、吸気ボックス
   内には、それぞれ同一方向に長くなった複数の吸気拡張
   室が隔壁を存して並列に設けられ、前記隔壁に通気孔が
   穿設されて空気流入管から各吸気拡張室を経て空気流出
   管に至る吸気通路が形威され、これら吸気拡張室のうち
   の少なくとも１つの吸気拡張室は吸気ボックス内壁面に
   固定した仕切板によってその吸気拡張室の長手方向が複
   数の室に仕切られ、仕切板の端縁とこの仕切板を設けた
   吸気拡張室を構或する隔壁との間に隙間が形或されてい
   ることを特徴とする内燃機関の吸気消音装置。
2. （２）通気孔は、各吸気拡張室の長手方向に一端より他
   端に向けて等間隔に複数個穿設されてなる実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の内燃機関の吸気消音装置。