JPS598862Y2 - ウエルドナツトの自動溶接装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はウエルドナットの自動溶接装置に関し、その目
的は、１台のスポット溶接ガンによって所定間隔でウエ
ルドナットを連続自動的に溶接するようにしたことであ
る。

従来、板状ワーク上に複数個のウエルドナットを所定間
隔でスポット溶接する場合、１台のスポット溶接ガンの
固定電極上にナット用チップを置き、このナット用チッ
プ上にワークに開設された孔を対応位置してナット供給
装置によりウエルドナットを供給し、可動電極の加圧に
よってウエルドナットをワークに溶接していた。

従って作業者はスポット溶接ガンを手で持ってワークに
対して所定間隔位置に移動するか、又は固定されたスポ
ット溶接ガンに対しワークを手で持って移動する何れか
の作業を必要としていた。

本考案は上記従来の不具合を解消した連続自動溶接装置
を提供するもので、作業者はワークの搬入搬出の作業の
みで能率的且つ省力化した溶接作業を可能としたもので
ある。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図において１はガイドレール、２はガイドレール１
に沿って進退移動する移動プレートである。

この移動プレート２にはガイドレール１の上面に倣って
回転するカムフオロア３と側面に倣って回転するカムフ
オロア４とが設けられている。

また移動プレート２の進退作動装置は図示省略してある
が、前進方向Ａは重錘の重力によって移動させ、原位置
の後退方向Ｂはシリンダ装置によって移動させる。

さらに、移動プレート２の平面には第３図に示すように
穴５が所定の間隔で複数個開設されている。

６は前記移動プレート２上にガイドボルト８とスプリン
グ９とによって上下動可能に弾機支持された保持プレー
トである。

この保持プレート６にも移動プレート２に開設された穴
５と同一位置に保持穴７が開設されていて、この保持穴
７にナット用チツプ１０が嵌脱自在に保持されている。

前記ナット用チツプ１０は第２図に示すように電導材に
よって形或されたフランジ付の筒状ホルダＩＯＣに絶縁
材よりなるピン１０ ａを上下方向に摺動自在に設け、
このピン１０ａをスプリング１０ｂによって弾機支持し
た構造のものである。

１０ ｅは絶縁材よりなるスプリング受けを示す。

１１はスポット溶接ガンであり、移動プレート２の下位
に固定電極１４を、また保持プレート６の上位に可動電
極１２を有している。

１３は可動電極１２の作動軸であり、図略のシリンダ装
置と連結されている。

尚スポット溶接ガン１１はガイドレール１の側方の一定
位置に固設してある。

前記移動プレート２の裏面には保持プレート６に装着さ
れている各ナット用チツプ１０が固定電極１４と可動電
極１２との軸線Ｏ−Ｏ位置上に位置決めするストツパ１
５が複数個突設されている。

さらに、前記ストツパ１５の移動軌跡線上には該ストツ
パ１５と係脱する係部材１６が揺動可能に設けられてい
る。

この係止部材１６はスプリング１７によって前記ストツ
パ１５と当接する上方位置に付勢されている。

前記上方位置にある係止部材１６をストツパ１５との当
接係合を解除させ、移動プレート２の前進動を許容させ
るために、スポット溶接ガン１１の可動電極１２の作動
軸１３に横杆１８を一体的に結合し、これに作動レバー
１９を枢着させ、作動レバー１９の下端をし字状に折り
曲げた係合部２０を係止部材１６に接触している。

２１はウエルドナツ｝Ｎをナット用チツプ１０のピン１
０ａに自動供給するナット供給装置である。

次に本考案装置の作動について説明する。

図略のシリンダ装置によって後退方向Ｂに移動し原位置
に置かれた移動プレート２は最前端のストツパ１５が係
止部材１６に当接して停止している。

この原位置でウエルドナツ｝Ｎを溶接するワークＷを第
３図に示すように保持プレート６に保持したナット用チ
ツプ１０上に支持し加工開始の起動釦を作動する。

これによりナット供給装置２１によってウエルドナツ｝
Ｎを最初に固定電極１４と可動電極１２との軸線０−Ｏ
位置上に位置決めされているナット用チツプ１０のピン
１０ ａに嵌装しワークＷ上の定位置にセットする二然
る後にスポット溶接ガン１１の可動電極１２が下降動し
てウエルドナツ｝Ｎに当接し押圧する。

この可動電極１２の押圧力によってワークＷ、ナット用
チツプ１０を介して保持プレート６が下降動し、ナット
用チツプ１０の底面が移動プレート２の穴５を貫通して
固定電極１４上に当接する。

ナット用チツプ１０が固定電極１４上に当接することに
より、前記した通りナット用チツプ１０を構或する筒状
ホルダ１０ Ｃは導電材であるためにワークＷ並びにウ
エルドナツ｝Ｎを介して可動電極１２との間に通電回路
を作り、可動電極１２の加圧力が作用してウエルドナツ
｝ＮをワークＷにスポット溶接するのである。

前記可動電極１２の下降時に作動軸１３に横杆１８を介
して取付けられている作動レバー１９が一体になって下
降運動するが、この作動レバー１９の下降時には係止部
材１６に接触している匡字状に折り曲げた係合部２０は
係止部材１６の上面のテーパ面を滑って係止部材１６の
下面へまわり込み、係止部材１６に対しては何等作用は
付与しない。

前記ウエルドナツ｝Ｎの溶接後に可動電極１２が上昇し
原位置に戻される。

このとき加圧下降していた保持プレート６はスプリング
９によってボルト８の頭部に当接する位置に上昇復帰し
、ナット用チツプ１０は固定電極１４上より離れる。

この可動電極１２の上昇時に前記係止部材１６の下面へ
まわり込んだ作動レバー１９の下端の係合部２０は係止
部材１６の下面を引っ掛けて上昇する。

これにより係止部材１６をスプリング１７の引張力に抗
して下方に旋回揺動し、ストツパ１５との当接を解脱す
る。

ストツパ１５が係止部材１６から外れると、原位置復帰
の時点でシリンダ装置はフリーとされている移動プレー
ト２は重錘の重力によって前進方向Ａに移動力が付与さ
れているので直ちにガイドレール１に沿って前進移動す
る。

しかし、ストツパ１５が下方に旋回揺動した係止部材１
６の上方を通過した時点では、作動レバー１９の下端の
係合部２０は係止部材１６の下面より外れるので、係止
部材１６はスプリング１７の張力により再び上方に旋回
揺動し、次のストツパ１５がこれに当接して二つ目のウ
エルドナツ｝Ｈの溶接位置を軸線Ｏ−０位置に位置決め
するのである。

このようにして複数個のウエルドナットＮを順次溶接を
繰り返して行い、最終位置の溶接完了後にシリンダ装置
により移動プレート２を後退方向Ｂに移動して原位置戻
しが行われ、原位置にてワークを搬出搬入し再び加エサ
イクルを開始するものである。

本考案は上記の通りワーク上へ複数個のウエルドナット
を溶接するにおいて、連続自動的に行うものであるから
、従来のようにワーク又はスポット溶接ガンを作業者が
手で持って移動させる不具合が一挙に解消され、省力化
並びに作業能率の向上が得られる。

また、ワークの搬出搬入の自動を図ると完全な全自動化
が得られる利点も有している。

さらに、ウエルドナットの溶接位置が直線的に列んでい
なくとも、ガイドレールを溶接位置に倣った形状とする
ことにより曲線上の溶接位置でも作業が可能であり、ま
た移動プレートの間歇送り移動は重錘による重力に基く
ものであるから、定位置決めを行っているストツパと係
止部材に無理な負荷をかけることがなく破損の問題を解
消している。

さらに加えて、前記移動プレートの間歇的定位置決めを
順次割出しする機構は、スポット溶接ガンの可動電極と
一体運動する作動レバーと、これによって揺動ずる係止
部材との簡単な構造の機械的連繋機構であるから、ドッ
グ及びリミットスイッチによる電気的割出し位置検出装
置や、これの信号に基いて作動されるシリンダ送り装置
等に比較して安価に提供することができ、保守、点検も
容易で故障のない作動が得られる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の斜視図、第２図はナット用チップ
の断面図、第３図は第１図ＩＩＩ−ＩＩＩ線部分の断面
図である。 １・・・ガイドレール、２・・・移動プレート、３，４
・・・カムフオロア、５・・・穴、６・・・保持プレー
ト、７・・・保持穴、８・・・ガイドボルト、９・・・
スプリング、１０・・・ナット用チップ、１１・・・ス
ポット溶接ガン、１２・・・可動電極、１３・・・作動
軸、１４・・・固定電極、１５・・・ストツパ、１６・
・・係止部材、１７・・・スプリング、１８・・・横杆
、１９・・・作動レバー、２０・・・保合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガイドレールに案内されて作動装置により進退移動する
   移動プレートに所定間隔で複数個の穴を開設し、この移
   動プレート上に保持プレートを上下動可能に弾機支持さ
   せ、保持プレートは前記移動プレートに開設された穴と
   同一位相位置にワークとウエルドナットとをセットする
   ナット用チップを嵌脱自在に有し、前記移動プレートの
   下位に固定電極を、また固定電極と対向する可動電極を
   保持プレート上位に位置するスポット溶接ガンを設置し
   、移動プレートの裏面に保持プレートに嵌合された各ナ
   ット用チップを前記両電極間に順次位置決めする複数個
   のストツパが突設され、このストツパに係脱する揺動可
   能な係止部材を設け、前記可動電極と一体運動し前記係
   止部材を揺動する作動レバーを設けたウエルドナットの
   自動溶接装置。