JPS6210004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動旋盤等の工作機械に付設して、
棒材の自動供給を行なう自動棒材供給装置に関す
る。

（従来の技術及びその問題点） 従来、上記自動棒材供給装置としては、主機た
る工作機械の構造に応じて、種々のものが提案さ
れているが、そのいずれもが、長尺の棒材を収納
した収納部後端より後方に延出する長寸法の送出
し装置が不可欠であるため、全長が著しく長くな
つて、広い据付け面積を占め、特に中小工場等に
おいてはその利用が制約されているのが現状であ
つた。

本考案は上記に鑑み、自動棒材供給装置の全長
を合理的に短縮して、利用範囲を拡大することを
目的として案出されたものである。

（問題を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成するため、長尺の棒
材の後端部をフイードパイプのフインガーで把持
して該棒材を前方に押出して逐次加工機に送り出
す自動棒材供給装置において、この自動棒材供給
装置は、この装置の後部において、フイードパイ
プとこれに並列配置され新たな棒材を供給すると
きに前記棒材の後部を受けるための棒材収納用凹
溝のいずれか一方が棒材送出中心線上に位置する
ように前記フイードパイプと棒材収納凹溝を棒材
送出中心線とは直交する方向に移動させる偏倚機
構と、前記棒材収納用凹溝の後方に配置され前記
凹溝内に収納された棒材の後端をフイードパイプ
がチヤツクする位置まで前方に押出すための押出
し部材と、前記フイードパイプ又は押出し部材が
棒材送出中心線上に位置するときにそれらを前進
及び後退させるための移送機構とを備え、フイー
ドパイプを偏倚させた状態で棒材収納用凹溝内に
棒材を供給し、移送機構を介して押出し部材を前
進させることにより棒材を加工機方向に前進せし
めた後、押出し部材を後退せしめ、フイードパイ
プを偏倚機構を介して棒材送出中心線上に復帰せ
しめ、しかる後、移送機構を介してフイードパイ
プを前進せしめて棒材のフイードパイプによる送
出しを行うようにしたことを特徴とする自動棒材
供給装置ものである。

（作 用） 而して、フイードパイプを偏倚させた状態で棒
材収納用凹溝内に棒材を供給し、移送機構を介し
て押出し部材を前進させることにより棒材を加工
機方向に前進せしめた後、押出し部材を後退せし
めることにより、棒材の先端を加工機内部に位置
せしめ、これにより、この押出し部材で前進させ
た分だけ棒材供給装置としての全長を合理的に短
縮し、しかる後にフイードパイプを偏倚機構を介
して棒材送出中心線上に復帰せしめ、移送機構を
介してフイードパイプを前進させることにより、
このフインガで棒材を把持して、通常のフイード
パイプによる棒材の送り出しを行うものである。

（実施例） 図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
及び第２図の右方が工作機械（図示せず）への接
続方向であり、棒材送出中心線に平行してビーム
１が延長され、このビーム１は複数のスタンド２
（図では１つを示す）で支持されているととも
に、このビーム１の上部にはビーム１の軸に直交
する方向に向かつて徐々に下降する傾斜付き材料
棚３及び複数の補助棚３′が備えられ、各材料棚
３及び補助棚３′にはシユート４が夫々連続して
接続されている。また、上記材料棚３の下部には
複数の棒材取上げ腕５が配設され、この取上げ腕
５の一端は軸７に回転自在に支承されているとと
もに、他端は油圧シリンダ６に連結され、この油
圧シリンダ６の作動に伴つて全ての取上げ腕５が
連動して上方に揺動して棒材Ｍの供給が行われる
よう構成されている。

上記ビーム１の後端上面には、第３図乃至第５
図に示すように、前ブラケツト８と後ブラケツト
９が前後に間隔を置いて固着され、この前後ブラ
ケツト８，９間及びその延長上には、棒材送出中
心線に平行してレール１０が装架されている。ま
た、ビーム１の下部には、第１図に示すように、
電装品箱１１及び駆動モータやパウダクラツチを
収容するためのケース１２が夫々装備され、該ケ
ース１２内の駆動モータの回転力は、パウダクラ
ツチを経て上記ビーム１上の後端に装着されたチ
エン駆動部１３に強弱調整可能に伝達され、該駆
動部１３から棒材送出中心線の直角方向に突出し
た軸上のスプロケツト１４と、ビーム１の右端の
スプロケツト（図示せず）の間に掛渡された駆動
用チエン１５を正逆方向に移動自在に構成されて
いる。前記前ブラケツト８及び後ブラケツト９の
上面の棒材送出中心線の直角方向には、夫々スラ
イド溝８′，９′が形成され、このスライド溝８′
及び９′内には前偏倚スライド１６及び後偏倚ス
ライド１７が夫々嵌合され、各溝８′，９′の第４
図における右端において、両スライド溝８′，
９′内に夫々装着されたストツパ１８に当接して
停止するよう構成されている。また、前後ブラケ
ツト８，９間には、棒材送出中心線に平行して軸
１９が貫通して軸支され、該軸１９にはレバー２
０が固着され、ビーム１に左ブラケツト板２１と
右ブラケツト板２１′を介して揺動自在に装着さ
れた油圧シリンダ２２のピストンロツド２３が、
上記レバー２０の下部にピン２４を介して接続さ
れているとともに、レバー２０の上部に設けた割
り溝には、前偏倚スライド１６の側面から突出し
たガイドピン２５が係合して、ピストンロツド２
３の作動によつてレバー２０を介して前偏倚スラ
イド１６をビーム１と直交する横方向に摺動さ
せ、軸１９に固着した上部割り溝付きのレバー２
６を介して、後偏倚スライド１７も同時に同方向
に摺動するよう構成されている。

なお、上記軸１９には、レバー２０の左に隣接
してドツグ２７が装着されている。このドツグ２
７は軸１９の回転にともなつて、左ブラケツト板
２１に備えたリミツトスイツチ２８に作用するも
のである。前後偏倚スライド１６，１７の各上面
の棒材送出中心線高さ位置には、該中心線に平行
して半円状溝２個が夫々所要偏倚寸法の間隔で設
けられ、前偏倚スライド１６の前方の半円状溝に
は、取扱う棒材径に従つて内径が決定される棒材
収納用凹溝を構成する半円ブツシユ２９が交換可
能に装着されている。

前偏倚スライド１６及び後偏倚スライド１７の
第４図の右側の半円状溝は、先端にフインガ３
０′を回転自在に支承したフイードパイプ３０を
支持するための前支持スライド３１及び後支持ス
ライド３２のパイプ受け部を嵌合させるためのも
のであり、前支持スライド３１のパイプ受け部の
内部にフイードパイプ３０が摺動自在に挿着さ
れ、該フイードパイプ３０の後端部は後支持スラ
イド３２のパイプ受け部の内部に収納固定されて
いる。

なお、前後支持スライド３１，３２の摺動面に
は、夫々後述する飛込みピン３９が飛込む位置決
め穴３１′，３１″が偏倚寸法に相当する間隔で穿
設されている。

上記前後支持スライド３１，３２は、上記レー
ル１０に接触しつつ回転しこれに沿つて移動する
複数のローラ３３，３３′を夫々備えた前搬送フ
レーム３４及び後搬送フレーム３５の上面に夫々
配設され、該前搬送フレーム３４及び後搬送フレ
ーム３５の上面には、棒材送出中心線の直角方向
にスライド溝（図示せず）が設けられ、該スライ
ド溝内に前後支持スライド３１，３２の下面が
夫々嵌入されているとともに、上面は前搬送フレ
ーム押え板３６及び後搬送フレーム押え板３７で
夫々押え付けられて、前後支持スライド３１，３
２は該スライド溝に沿つて棒材送出中心線の直角
方向に摺動するよう構成されている。

前後搬送フレーム押え板３６，３７の夫々に
は、上方突出部１００が設けられ、この突出部１
００内には縦方向に貫通孔１０１が穿設されてい
るとともに、この貫通孔１０１内には、飛込みピ
ン３９がスプリング４０により下方に付勢された
状態で設けられ、この飛込みピン３９には横方向
の突出ピン３８が設けられ、上記突出ピン３８の
両端は前後搬送フレーム押え板３６，３７の突出
部１００の両側面に穿設された長穴ｈ，ｈを貫通
して外部に露出するよう構成されている。また、
後搬送フレーム押え板３７の上面後端には、棒材
Ｍの後端面に当接して、これを下記のバイス４９
まで送出するための押出し部材４１が固着されて
いる。

上記前ブラケツト８及び後ブラケツト９の最上
面には、アーム４２が夫々固着され、該アーム４
２の突出部下面には、棒材送出方向に前後に勾配
面５を有する夫々一対のピン抜きガイド４３が対
向して固着されている。

而して、前後搬送フレーム押え板３６，３７が
移動してアーム４２の下方に来るに従い、スプリ
ング４０の弾性力に抗して、ピン抜きガイド４３
に沿つて突出ピン３８を介して飛び込みピン３９
を上昇させ、これによつて位置決め穴３１′又は
３１″からこれを抜き出して前後支持スライド３
１，３２が棒材送出中心線と直交方向にスライド
自在となる。この状態で油圧シリンダ２２を作動
するとスライド３１，３２は横方向に偏倚可能に
なる。スライド３１，３２をアーム４２の下方位
置から前方に移動するに従い、スプリング４０の
弾性力でピン抜きガイド４３に沿つて飛び込みピ
ン３９の下端を一方の位置決め穴３１′又は３
１″に入り込ませることにより前後搬送フレーム
押え板３６，３７と前後支持スライド３１，３２
が夫々横移動することなく、一体となつて前後進
するよう構成されている。

上記後搬送フレーム３５は、その両側面に固着
した連結具４４によつて上記駆動用チエン１５に
連結され、前搬送フレーム３４は、その全面に装
着した作動金具４５を介して、該駆動用チエン１
５に係合離脱が可能に連結されている。

上記ビーム１の後部には、第１図及び第２図に
示すように、油圧シリンダ４６が棒材送出中心線
に平行して装着され、この油圧シリンダ４６と並
んでビーム１に装着された案内管４８内のスライ
ダ（図示せず）と、このシリンダスロツド４７と
が連結され、スライダ内に装備した対向爪の一対
が後搬送フレーム３５に係合離脱可能になされて
いる。

この油圧シリンダ４６は、駆動用チエン１５の
駆動に加えてこれを作動させることにより、後搬
送フレーム３５を強力に前後進させ、これによつ
てフイードパイプ３０のフインガ部３１′への棒
材Ｍの押し込み及び引き抜きを確実に行うための
ものである。

なお、第１図及び第２図に示すように、前ブラ
ケツト８の右方には、棒材Ｍの把持及び開放を行
う公知の自動調心バイス４９が棒材送出中心を把
持中心としてビーム１に装置され、このバイス４
９の操作を行うための油圧シリンダ５０が備えら
れている。また、上記バイス４９の右側に接近し
て、排出された加工済みの棒材Ｍを受け入れるた
めのシユート５１が配設され、更に右方には公知
の開閉式棒材振止め装置が複数組配置されている
（図示せず）。

次に本実施例の作動について、第６図を参照し
て説明する。

先ず、取出し釦（図示せず）を押すことによ
り、油圧シリンダ２２を作動させて、フイードパ
イプ３０を棒材送出中心位置から偏倚させ、この
中心位置に半円ブツシユ（棒材収納用凹溝）２９
が位置するようにする（ステツプS₁）（第４図）。
この偏倚の終了をリミツトスイツチ２８を介して
検知し、油圧シリンダ６を作動させて、棒材取上
げ腕５を旋回させ、材料棚３上の棒材Ｍを一本だ
け取上げ、シユート４上に運ぶことにより、棒材
Ｍをシユート４上の斜面に沿つて転落させ、前偏
倚スライド１６の棒材収納用凹溝としての半円ブ
ツシユ２９、その他棒材振止め内に収納する
（S₂，S₃）。

つぎに自動運転釦（図示せず）を押すことによ
り（S₃₄）、又は自動運転中は、この釦を押すこと
なく、駆動用チエン１５を駆動させて前後搬送フ
レーム３４，３５を前進させ、同時に押出し部材
４１を前進させて、この前面を棒材Ｍの後端面に
当接させてこれを押圧し、棒材Ｍの後端がバイス
４９の右端付近にくるまで前進させた後停止させ
る（S₄）。このとき、フイードパイプ３０も同時
に前進する。次に駆動用チエン１５を上記と逆作
動させて押出し部材４１、フイードパイプ３０を
元の位置まで復帰させる（S₅）。

なお、この前進の際、上記のように飛び込みピ
ン３９の下端が一方の位置決め穴３１′に入り込
んでロツクされ、また復帰端において、この飛び
込みピン３９はこの位置決め穴３１′から抜き出
される。

次に、油圧シリンダ２２を作動させ、フイード
パイプ３０を棒材送出中心線上に復帰させる
（S₆）。この時、上記のように、飛び込みピン３９
は位置決め穴３１′から抜き出されているため、
この移動が阻害されることはない。

これと平行して、棒材Ｍをバイス４９等で把持
して材料をクランプした後（S₇）、駆動用チエン
１５を作動させて後搬送フレーム３５、ひいては
フイードパイプ３０を前進させ、同時に油圧シリ
ンダ４６を作動させて、これを強力に前進させる
ことにより、フイードパイプ３０の先端のフイン
ガ３０′に棒材の後端を押し込んでこれを確実に
保持する（S₈）。

この保持後、上記バイス４９等によるクランプ
を解いて（S₉）、フイードパイプ３０を前進さ
せ、チヤツク通過位置をリミツトスイツチで確認
し（S₁₁）、主機ストツパまで材料の送り出しを行
い、トツプカツトを後退させる（S₁₂，S₁₃）。

この状態で通常の加工、すなわち、主機チヤツ
クを閉じて製品加工を施し、主機チヤツクを開い
て材料を送出し、この送出し中に前進端を確認し
つつ、順次この加工を繰り返し、加工の終了をす
べての主機チヤツクの開きで検知する（S₁₄乃至
S₁₈）。

この検知後、フイードパイプ３０を後退させ
（S₁₉）、バイス４９で残材をクランプした後
（S₂₀）、油圧シリンダ４６を作動させて、これを
強力に引き抜き（S₂₁）、フイードパイプ３０を元
の位置まで復帰させる（S₂₂）。

しかる後、上記残材クランプの解除を行い、こ
の残材の排出を確認したあと、上記動作を繰り返
すのである（S₂₃，S₂₄）。

〔考案の効果〕

本考案は、上記のように、棒材を送出位置に供
給するときにフイードパイプを棒材送出中心線に
直角横方向に偏倚させ、この状態で押出し部材を
介して棒材をその後端がバイス付近まで位置する
まで送出した後、フイードパイプを送出中心位置
に戻して正規に棒材を主機に送り込むよう構成し
たもので、材料棚の後端部の後端部から最後退位
置にあるフインガの先端までの長さの分だけ従来
のものより全長を短縮することができる（例え
ば、上記実施例においては約１ｍの短縮を行うこ
とができる）ので、据付面積を縮小させて、利用
範囲を著しく拡大させることができるといつた効
果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は正面
図、第２図はフイードパイプが棒材送出中心位置
にある状態を示す平面図、第３図はフイードパイ
プが偏倚位置にある状態を示す一部切断の要部拡
大正面図、第４図は第３図の右側面図、第５図は
第３図の平面図、第６図は作動の概略を示すブロ
ツク図である。 １……ビーム、３……材料棚、６，２２，４
６，５０……油圧シリンダ、４……シユート、８
……前ブラケツト、８′……同スライド溝、９…
…後ブラケツト、９′……同スライド溝、１０…
…レバー、１５……駆動用チエン、１６……前偏
倚スライド、１７……後偏倚スライド、２０，２
６……レバー、２５……ガイドピン、２９……半
円ブツシユ（棒材収納用凹用溝）、３０……フイ
ードパイプ、３０′……同フインガ、３１……前
支持スライド、３１′，３１″……位置決め穴、３
２……後支持スライド、３４……前搬送フレー
ム、３５……後搬送フレーム、３６……前搬送フ
レーム押え板、３７……後搬送フレーム押え板、
３９……飛込みピン、４１……押出し部材、４２
……アーム、４３……ピン抜きガイド、４９……
バイス、Ｍ……棒材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺の棒材の後端部をフイードパイプのフイン
   ガーで把持して該棒材を前方に押出して逐次加工
   機に送り出す自動棒材供給装置において、この自
   動棒材供給装置は、この装置の後部において、フ
   イードパイプおよびこれに並列配置され新たな棒
   材を供給するときに前記棒材の後部を受けるため
   の棒材収納用凹溝のいずれか一方が棒材送出中心
   線上に位置するように、前記フイードパイプと棒
   材収納凹溝を棒材送出中心線と直交する方向に移
   動させる偏倚機構と、前記棒材収納用凹溝の後方
   に配置され前記凹溝内に収納された棒材の後端を
   フイードパイプがチヤツクする位置まで前方に押
   出すための押出し部材と、前記フイードパイプ又
   は押出し部材が棒材送出中心線上に位置するとき
   にそれらを前進及び後退させるための移送機構と
   を備え、フイードパイプを偏倚させた状態で棒材
   収納用凹溝内に棒材を供給し、移送機構を介して
   押出し部材を前進させることにより棒材を加工機
   方向に前進せしめた後、押出し部材を後退せし
   め、フイードパイプを偏倚機構を介して棒材送出
   中心線上に復帰せしめて棒材の後端をチヤツク
   し、しかる後、移送機構を介してフイードパイプ
   を前進せしめて棒材のフイードパイプによる送出
   しを行うようにしたことを特徴とする自動棒材供
   給装置。