JPS59806B2 - 液晶表示装置の液晶注入方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液晶表示装置のサンドイッチ形セル構造の外
囲器に液晶を注入する液晶注入方法に関するものである
。

液晶表示装置は、導電性板材を２枚平行に配して、その
間に液晶の薄層をはさみ、その電気光学効果により、文
字、数字その値の任意の図柄等を表示する装置として、
既に知られている。

このような液晶表示装置の外囲器の細隙内に液晶を注入
する方法には、従来、次の方法が知られている。

１、一方のガラス板の上に、液晶を滴下し、そのうえか
ら、電気絶縁性のスペーサーを介して、もう一枚のガラ
ス板を重ね、サンドイッチ形セル構造にする方法。

２、予めサンドイッチ形セル構造とした外囲器に、板材
間の細隙に通ずる透孔を２個以上設けて、その少なくと
も１個から毛細管現象を利用して注入する方法。

３、液晶を注入する気密容器を加熱しかつ内部を排気し
ながら液晶を封入する方法。

４、液晶外囲気と液晶を入れた容器を排気系に接続して
、前記液晶外囲器を排気するとともに前記容器内の液晶
中の溶存空気を排除したのち、前記容器器内の液晶を前
記液晶外囲器内に気体で加圧注入する方法。

しかしながら、上記のような従来の液晶表示装置の液晶
注入方法には、次のような欠点がある。

すなわち、１の方法は、サンドイッチ形セル構造の容器
内に気泡が残らないように液晶をはさむには、作業が煩
雑で、実験室的には実施可能であつても、工業的に実施
するには不適当である。残存する気泡は、表示装置の外
観を損なうのは勿論駆動寿命を著しく短かくする。毛細
管現象を利用する。２の方法では、細長いサンドイツチ
形セルに注入するには、非常に難かしくなり、また、殊
にガラス板面に電極物質が設けられている表示装置では
、ガラス面と電極物質の表面とでは、液晶との親和力が
異なるため、液晶が一様に入らず、気泡が残りやすい。

３の方法は、液晶を外囲器に均一に入れるには適するが
、液晶自体は、外気と接触があり同時に液晶中の溶存空
気を排除することはできない欠点がある。

４の方法は、液晶を外囲器に均一に入れるに適し、かつ
同時に、液晶中の溶存空気を排除することも考慮に入れ
られているが作業性に問題があつた。

本発明は、４の方法を改良した新規な方法を提供しよう
とするものである。

本発明は、吸排気系に接続され、外部から内部の物体の
移動を操作することのできる手段を備え、かつ加熱器を
内蔵する気密性の耐圧容器を用い、この耐圧容器内にお
いて、漏斗形の受け器に連続して一つの注入孔を設けた
互いに対向する容器壁が近接する気密性の液晶外囲器を
加熱状態におき、一方、外部から操作できる液晶を入れ
ち液晶だめ容器を、前記液晶外囲器の注入孔の上部に置
いた状態で前記耐圧容器内の空気を排気するとともに、
前記液晶外囲器の空気および液晶中の溶存空気を排除し
たのち、前記液晶だめ容器中の液晶を前記液晶外囲器の
受け器に流下し、耐圧容器の減圧状態を元に（大気圧に
）戻すことにより、液晶を前記液晶外囲器中に加圧注入
することを特徴とするものである。

本発明が、４の方法と異なる点は、４の方法では、移送
管中の液晶の液面にかかる圧力の差を利用して、液晶の
移送を行なうのに対し、本発明の方法は、耐圧溶器内で
、設けられた液晶だめ容器を移動操作して、液晶の自重
で外囲器に導く点にある。

また、本発明の方法では、液晶は、容器との接触が少な
く、容器との接触により汚染される心配が少ない。また
、４の方法と同等の機能を果たすことができ、（液晶を
一様に注入することができ、液晶中の溶存空気を取除く
ことができる）更に、（４）の方法より作業がより簡単
となるものである。以下、本発明の一実施例について詳
述する。

第１図は、本発明方法を実施するための装置の概略構成
を示し、１は液晶が注入される細隙を有する気密性の外
囲器で、ガラス板２枚をスペーサにより平行に気密保持
されており予め電極付けが終つている。この外囲器１は
、注入孔２に連通して、漏斗形の受け器３が連結されて
いる。この外囲器１は、耐圧容器４に内蔵される加熱器
５上に置かれる。１０は断熱性の台である。

更に、上記漏斗形の受け器３の上部に、液晶６を入れた
液晶だめ容器７に配置する。この液晶だめ容器は、連動
軸８を介して耐圧容器４の外部から回転操作することの
できる把手９に接続し、把手９を回転することにより、
液晶だめ容器７中の液晶６を、その自重により、液晶外
囲器の受け器３に流下するようにしてある。この工程で
、液晶外囲器は、液晶を注入する際には、あらかじめ加
熱器により加熱しておく。

加熱しておくことにより、液晶外囲内で液晶の粘度は低
下するので、速やかにかつ気泡が残らないようにするこ
とができる。この耐圧容器４は、バルブ１１および１２
を用いて、排気系および吸気系が設けられる。

上記実施例において、まずバルブ１１を開いて排気系を
作動させ、耐圧容器４と外囲器１を排気する。

これによつて外囲器１内は真空状態となり、また液晶だ
め容器中の液晶６中に溶存していた空気も除去される。
十分排気したのち、バルブ１１を閉じ、把手９を回転し
て、液晶だめ容器７中の液晶６を外囲器の受け器３に流
下する。液晶が充分に注入孔２をおｋつたのち、バルブ
１２を開く。除塵フイルタ一１３を通して、耐圧容器中
に、空気が流入し、注入孔２にある液晶の液面を加圧す
る。これによつて、液晶は外囲器１内に流入し、ガラス
板間に一様に拡がつていく。このようにして、液晶注入
を終えてから、耐圧容器４から取り出し、次の外囲器を
配置する。

以下この操作を繰返す。さらに大量の液晶表示装置を同
時に製造しようとする場合には、第２図に示すように多
数個の液晶だめ容器を同時に回転できるようにすればよ
い。

なお第２図においては１本の連動軸１４に、多数個の液
晶だめ容器１５を取り付け、また、これら一体の多数個
を並置し、更にこれらを回転ベルトあるいは回転ギア１
６を用いて把手１７により同時に作動するものである。
以上のように、本発明によれば、液晶を封じ込めるため
外囲器の排気過程で、液晶中の溶存空気を排除している
ことから、液晶中に気泡が存在することもなく、また有
害な空気の溶存を防止することもできる。

これによつて、液晶表示装置、特に最も実用化に問題の
あつた液晶の特性劣化を防止することができ、表示装置
を長寿命とすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明方法を実施するための装置の概略構成
図、第２図は本発明方法を実施するための他の装置の要
部上面図である。 １・・・・・・液晶外囲器、２・・・・・・注入孔、３
・・・・・・受け器、４・・・・・・耐圧容器、５・・
・・・・加熱器、６・・・・・・液晶、７，１５・・・
・・・液晶だめ容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液晶が注入される細隙を有する気密性の液晶外囲器
   の注入孔に漏斗状の受け器を連結し、この外囲器、受け
   器および液晶が入れられた液晶だめ容器および上記外囲
   器を加熱する加熱器を気密性の耐圧容器内に入れ、上記
   加熱器により上記外囲器を加熱状態において、上記耐圧
   容器内の空気を排気した状態で上記液晶だめ容器内の液
   晶を上記漏斗状の受け器に流下し、次に上記耐圧容器内
   の減圧状態を元に戻すことにより、上記漏斗状の受け器
   内の液晶を加圧して、この液晶を上記液晶外囲器の細隙
   に注入することを特徴とする液晶表示装置の液晶注入方
   法。