JPS596300Y2 - ダイヤフラム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は燃料タンクの蓋等に内装されるダイヤフラム
の改良に関する。

（背景技術） ガソリン等を貯蔵する燃料タンクの給油口に施される蓋
は、該タンク内の燃料が蒸発して発生する有害な蒸気が
外部に漏洩するのを防止するとともに、タンク内の燃料
が使用にともなって減少し、タンク内の圧力が低下した
場合には該タンク内に外気を導いてエンジン等への燃料
供給を円滑に行なわせる必要がある。

上述のような作用を効率よく確実に行なわせることを目
的として本考案者等は先に燃料タンク用キャップを考案
（実開昭５２−１２７１１７号）した。

このキャップは第１図に示すように、上板１ａと下板１
ｂとから或り外気を下板１ｂの下側に連通させる通路を
設けた蓋体１の下部に、平板部２ａに通孔３を該平板部
２ａの中心部からずらせて穿設した座板２を設け、更に
この座板２の下面にゴム等の軟質材料で作られ中心部に
通孔４を穿設し上面の該孔４の囲りの部分に環状の突条
５を形或したダイヤフラム６を設け、これらの座板２と
ダイヤフラム６との周縁部を下板１ｂと底部に通孔７を
穿設した覆体８との間で挾持し、更に該ダイヤフラムの
下面にばね９により常に上方に弾圧されダイヤフラムの
通孔４と合致する通孔１０ａを穿設した弁板１０を設け
て戒るものである。

燃料タンクの内圧が燃料の使用にともなって低下すると
、ダイヤフラム６の上面にまで導入された大気が該ダイ
ヤフラム６を広い面積で下方に押圧して該ダイヤフラム
６をばね９に抗して下降させ、タンク内に空気を導入す
る。

反対に燃料タンク内のガソリン等の蒸発により該タンク
内の圧力が上昇すると、ダイヤフラム６の下面に該圧力
が作用して該ダイヤフラム６上面の突条５を座板２の下
面に押圧し、有害な蒸発ガスが外部に漏洩するのを防止
する。

ところで、このような先考案に係る燃料タンク用キャッ
プに使用されるダイヤフラム６は、第２図に示すように
、円形の薄肉部６ａの中心部に形威した厚内部６ｂの中
心に通孔４を穿設し、厚内部６ｂの上面の該通孔４の周
囲に環状の突条５を突設したもので、燃料タンク内外の
気密はすべて該突条５によって保つように構威されてい
る。

このため、ダイヤフラム６を形或するゴム等の弾性材料
が、ガソリン等の蒸気に曝されたり、或は燃料タンク以
外のタンクの蓋に使用する場合で高温に曝されたりして
老化し硬くなると、突条５の上端面と座板２の下面との
密着性が悪くなり、タンクの内圧が上昇した場合に該タ
ンク内に発生した蒸気を外部に逃がすことになり好まし
くない。

（本考案の目的） 本考案は上述のような欠点を解消するためダイヤフラム
６を形或する弾性材料が老化し硬くなった場合でも十分
な気密を保持することのできるタイヤプラムの形状を提
供せんとするものである。

（本考案の構或） 本考案は、上記従来のダイヤフラムの環状の突条５内に
ある通孔４の内周側に、断面が略三角形で先端部程薄く
なる環状の舌状部１２を、その薄い先端縁１２ａが突条
５の上端面と同一平面に位置するか、少し突出して位置
するようにしてダイヤフラムを形或することを特徴とす
るものである。

（本考案の実施例） 以下、実施例を示す図面により本考案を説明する。

第３〜５図は本考案によるダイヤフラム１１を示してい
る。

該ダイヤフラム１１は円板状の薄肉部１１ ａの中心部
に厚肉部１ｌｂを形或し、該厚肉部１１ ｂの中央に該
部１１ ｂを上下に貫通する通孔４を設け、更に厚肉部
１１ ｂの上面の通孔４の周囲に環状の閉鎖突条５を突
設した点は従来のダイヤフラム６と同様であるが、本考
案のダイヤフラム１１に於いては、通孔４の内周側に断
面が略三角形で先端部（内周側端部）程厚さの薄くなる
環状の舌状部１２を形或している。

舌状部１２の先端縁１２ａは、第５図に示すように、厚
肉部上面の突条５の上端面と同一平面に位置するか、或
は突条５の上端面よりも少しく上に突出する程度に形戒
する。

１３は薄肉部１１ ａの周縁部に一体に形威された環状
の厚肉部で、例えばダイヤフラムの燃料タンクの蓋に内
装する場合、該厚肉部１３によりダイヤフラム１１の周
縁部を座板２の下面と覆体８の上面との間にしっかりと
保持できるように作用する。

上述のように形戒されたダイヤフラム１１は、例えば燃
料タンクの蓋に装着する場合、第６図に示すように座板
２と覆体８との間に、突条５及び舌状部の先端縁１２ａ
を座板２に対向させて扶持固定する。

その他の構或及びタンクの内圧が低下した場合に該タン
ク内に大気を導入する作用については前述の従来例の場
合と同様であるため詳しい説明は省略し、燃料の蒸発等
によりタンクの内圧が上昇した場合の本考案のダイヤフ
ラム１１の作用について説明する。

タンクの内圧が上昇すると該圧力はダイヤフラム１１の
下面に作用して該ダイヤフラム１１を上方に向けて押圧
し、該ダイヤフラム上面の突条５を座板２の下面に押圧
する。

タンクの内圧は同時に舌状部１２の下面にも作用するた
め該舌状部１２の先端縁１２ ａは座板２の下面に圧着
される。

（本考案の効果） このように本考案のダイヤフラムを、例えばガソリンタ
ンクの蓋に使用すれば、突条５と舌状部１２との二重の
気密作用によりタンク内の気密が完全に保たれるだけで
なく、舌状部１２は先端に行くに従って薄く形威され、
先端縁１２ａは極めて薄くなっているため、使用にとも
なってダイヤフラム１１の材料が老化し、多少弾力性を
失うことがあっても、該舌状部１２は座板２の下面にし
っがつと密着し、ダイヤフラムの下面と上面との間の気
密を確実に保ち、有害な燃料の外部への漏洩を効果的に
防止することができる。

舌状部１２の薄い先端縁１２ ａは、座板２の下面に小
凹凸があっても小凹凸になじんで座板に密着し、漏洩阻
止作用を良好に発揮することができる。

なお、以上の説明に於いてはダイヤフラム１１を燃料タ
ンクの蓋に使用した例を中心にして述べたが、本考案の
ダイヤフラムの用途はこのようなものに限定されるもの
ではなく、熱交換器の蓋等の種々の蓋、或は蓋以外でも
気体を一方向にのみ流通させるように構或した弁等に使
用できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は従来のダイヤフラムを使用した燃料タンクの蓋
を示す縦断側面図、第２図は従来のダイヤフラムを示す
縦断側面図、第３〜５図は本考案のダイヤフラムを示し
、第３図は平面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図、第
５図は第４図のＢ部拡大断面図、第６図は本考案のダイ
ヤフラムの使用例を示す第１図同様の図である。 ４：通孔、１１：ダイヤフラム、１１ａ：薄肉部、１１
ｂ：厚肉部、１２：舌状部、１２ａ：先端縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円盤上の薄肉部１１ ａの中心部に形或した厚肉部１ｌ
   ｂの中央に該厚肉部１ｌ ｂを上下に貫通する通孔４
   を設け、厚肉部１ｌ ｂ上面の該通孔４の周囲には環状
   の突条５を突設して或るダイヤフラム１１に於いて、前
   記通孔４の内周側に断面が略三角形で先端部程厚さの薄
   くなる環状の舌状部１２を、該舌状部１２の先端縁１２
   ａが前記突条５の上端面と同一平面に位置するか、少し
   突出して位置するように設けたことを特徴とするダイヤ
   フラム。