JPS6030198Y2 - 燃料タンクの蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車の燃料タンクの燃料供給口に取付け
られる蓋のように、燃料の使用に伴ってタンク内に空気
を進入させるが、タンク内の燃料の蒸気等は外へ出さな
いようにする燃料タンクの蓋に関し、製作が容易であっ
て生産費を低減できる該蓋を得ることを目的として考案
されたものである。

第１図は従来使用されて来た燃料タンクの蓋を例示する
。

１はバンドル２を取付けた円形のキャップで、下面に上
部を塞いだ円筒状のブラケット３を点溶接して結合し、
キャップ１とブラケット３の段部３ａとの間に弾性金属
板の輪状のリテーナ４とバッキング５，６とを介在させ
ている。

ブラケット３の基部には、キャップ１とリテーナ４との
接合面に向いた空気孔７を穿設する。

ブラケット３の円筒状になった下部には、弁座板８、ゴ
ムのダイヤフラム９、カバー１０を重ねて挿入し、且つ
カバー１０の周囲部をブラケット３に固く嵌合させるこ
とにより弁座板８、ダイヤフラム９の周縁部をブラケッ
ト３の段部３ａに押付けて固定している。

弁座板８の周縁部とブラケット３の内面との間は、ダイ
ヤフラム９の周縁（図示してないが周縁は肉厚にされる
）を挟むため気密を保たれる。

弁座板８には空気孔１１が穿設され、ダイヤフラム９の
中心の肉厚部１２には空気孔１３が形成され、これを囲
んで閉隆条１４が形成されている。

肉厚部１２の下には、空気孔１３に重なる孔を持つ座板
１５があり、この座板１５はカバー１０に支えられたば
ね１６により肉厚部１２の下面を押上げて閉隆条１４を
弁座板８に密着させている。

１７はブラケット３の下部から側方に突出させてタンク
の燃料供給口１８に係止する突起、１９はカバー１０に
穿設した空気孔である。

この従来の蓋は、上記のように構成されるから、タンク
内の燃料が消費されてタンク内圧力が大気よりも低くな
ると、キャップ１とリテーナ４との微小間隙を通り空気
孔７，１１からダイヤフラム９の上面に達していた大気
が該ダイヤプラム９を下方へ押して閉隆条１４を弁座板
８から離し、空気孔１３を通った空気がタンク内に進入
し、タンクからの燃料流出を円滑にする。

タンク内圧力が上昇する場合は、またダイヤフラム９が
上方へ押されて閉隆条１４が弁座板８に密着するため、
空気孔１３が塞がれてタンクの内圧は外に漏れないよう
になる。

このように構成され作用する従来の燃料タンクの蓋の欠
点の一つは、ダイヤフラム９の製作が面倒なことである
。

即ち、ダイヤフラム９はゴムで薄肉に成型されるため、
肉厚が一様にできなかったり、薄くなり過ぎて孔が出来
たりして歩留りが悪く、この型の蓋を製作する上でのネ
ックとなっていた。

また座板１５、ばね１６等を組立てるのも面倒な作業で
ある。

本考案は、このようなダイヤフラムを使用しないで同様
に作用し、組立も容易な燃料タンクの蓋を得たものであ
る。

第２図は本考案の蓋の実施例を示す。

第１図の従来例と同等部分は同符号を付して説明を省略
する。

本考案はブラケット３の下部の円筒状部に弁座板２０を
気密に嵌着し、該弁座板２０に吸気弁を装置したもので
ある。

即ち中央部に空気孔２１を設けた弁座板２０をブラケッ
ト３に固く嵌着し、ブラケット３の上部と弁座板２０の
周縁部との間でバッキング２２を挟んで弁座板２０の周
囲を気密にし、弁座板２０の下面に空気孔２１を囲んで
弁座となる輪状のバッキング２３を固着している。

バッキング２２は弁座板２０の周縁部にゴムを焼付けた
ものでも、別体のＯリングでもよい。

またバッキング２３は、下面に閉突条２３ａを形成した
ゴム製とし、弁座板２０に焼付け、又は弁座板２０に設
けた孔に上面に形成した突起を嵌合させる。

２４は空気孔２１に装着された吸気弁で、上端に鍔２５
を形成した弁杆２６を空気孔２１に挿通し、下端に弁板
２７を固着し、弁座板２０と鍔２５との間に挿入したば
ね２８で上方に押し上げられて弁板２７をバッキング２
３の閉突条２３ａに弾性させている。

本考案の燃料タンクの蓋は、以上のように構成されるの
で、ブラケット３の下側部の突起１７により通常のよう
に燃料タンクの燃料供給口１８に取付けると、弾性のあ
るリテーナ４、バッキング５により燃料供給口１８の縁
との間は気密になる。

燃料の消費に伴ってタンクの内圧が減少すると、キャッ
プ１とリテーナ４との合せ目にある微細な間隙から空気
孔７および弁座板２０の空気孔２１を通って弁板２７の
上面に達していた大気が、ばね２８に抗して弁板２７を
押下げ、タンク内に空気が進入する。

従って燃料の取出しは円滑にできる。

タンク内の圧力が上昇した場合は、弁板２７が押上げら
れてバッキング２３に弾接し、弁座板２０の空気孔２１
を塞ぐから、タンク内は外気と遮断され、タンク内の燃
料の蒸気等が漏出することはない。

本考案の燃料タンクの蓋は、以上のように構成され作用
するものであって、製作時の歩留りが悪い従来のダイヤ
フラム９を使用しないから、製作を容易にし、製作コス
トを低減する効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃料タンクの蓋を例示する縦断面図、第
２図は本考案の燃料タンクの蓋を例示する縦断面図であ
る。 １：キャップ、２：ハンドル、３ニブラケツト、３ａ：
段部、４：リテーナ、５，６：バッキング、７：空気孔
、１７：突起、１９：空気孔、２０：弁座板、２１：空
気孔、２２，２３：バッキング、２４：吸気弁、２５：
鍔、２６：弁杆、２７：弁板、２８：ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バンドル２を外面に取付けたキャップ１の内面に、下部
   を円筒状とし突起１７を側方に突出させたブラケット３
   を結合し、キャップ１とブラケット３の上面との間でリ
   テーナ４、バッキング５を挟持させ、ブラケット３の上
   部にキャップ１、リテーナ４の微細な間隔に通じる空気
   孔７を穿設し、空気孔２１を穿設した弁座板２０をブラ
   ケット３に嵌着すると共にブラケットの上面との間に輪
   状バッキング２２を介装し、空気孔２１を囲んで弁座板
   ２０の下面に輪状のバッキング２３を固着し、上端に鍔
   ２５を形成した弁杆２６の下端に弁板２７を固着した吸
   気弁２４を、弁杆２６を弁座板２０の空気孔２１に挿通
   し、弁板２７をバッキング２３に下方から対向させ、且
   つ鍔２５と弁座板２０との間にばね２８を挿入して、弁
   座板２０に装置して成る燃料タンクの蓋。