JPS595786Y2 - 空気調和機の風向き制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、室内側空気吹出口に風向変更装置として流体
吹出し素子を具備した空気調和装置の改良に関するもの
で、流体吹出素子による変向送風のねじれ現象および変
向角度の不均一化を防止することを目白勺とするもので
゛ある。

従来の流体吹出素子を具備した空気調和機は、流体吹出
素子上流の送風機・風胴・吹出流路の構或により、正面
吹出し状態時に風が吹出口長手方向において上部は右方
向へ下部は左方向へ偏向するいわゆるねじれ現象が発生
したり、また一方向へかたよった吹出流となる欠点があ
った。

本考案は、上記従来の空気調和機にみられる欠点を除去
するものである。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面を参考に説
明する。

第１図において、１は空気調和機本体１で、前面グリル
２、リモコン装置３、本体外箱４より構威されている。

さらに前記空気調和機本体１の内部には、圧縮機５、本
体１内を室外側と室内側とに区画する区画壁６、および
送風機用モータ７がそれぞれ配設され、そのモータ７の
両軸端には室外ファン８と室内ファン９とが同軸に取り
つけられている。

１０は室外熱交換器、１１は前記室外ファン８のエアガ
イダである。

１２は室外側の吹出窓、１３は前記前面グリル１に設け
られた室内空気吸込用穴、１４は室内吹出口である。

１５は室内熱交換器１６の前面に設けられたエアフィル
タである。

１７は室内ファン９の吸込み流路、１８は室内ファン９
の吹出流路である。

１９は前記区画壁６の一部からなり、前記吹出流路１８
を構威する傾斜部である。

２０は前記吹出口１４に設けられ送風方向を変更する流
体吹出素子で、左右方向の風向きを制御する。

この流体吹出素子２０は、第３図に示す如く整流板２１
および内外区割壁６の傾斜部１９の角度θ１より大なる
角度θ２にて取付けられた偏向制御板２２を具備してい
る。

ここで偏向制御板２２は、第５，６図に示すように上辺
が下辺より長く、その風上側端辺が上方から下方へ向け
て吹出口側へ傾斜する四角形に形或されている。

したがって、この偏向制御板２２は、上方へ向うにつれ
て風向偏向を行うため面積（以下遮蔽面積の称す）が大
きい。

２３．２４はそれぞれ右、左側制御口で、前記吹出流路
１８と連通している。

この制御口２３．２４はノズル形戒部２５と案内壁２６
に漏れのないよう囲まれている。

次に上記吹出口１４に設けられた流体吹出素子２０の駆
動構造および動作について第４図および第５図をもとに
説明する。

第５図において外周に歯車を有する閉塞板２８は駆動モ
ータ３３に連結された歯車３４により回転運動を与えら
れており一定の周期にて回転している。

そして閉塞板２８の連通口２９が、素子カバー３０に設
けられた左側連通口３２に重なり、制御口２３が、これ
ら両連通口２９ ． ３２を介して大気に開放した状態
になると、室内ファン９により送られる空気は吹出流路
１８を通り第４図に示す如く前記流体吹出し素子２０の
上流偏向室２７に流入する。

ここでツズル２５の急激な絞りのため縮流を生じ、矢印
ａ，ｂにて示される方向の流れにより制御室２３．２４
の空気が巻込まれ、制御室２３．２４内の圧力低下を生
じようとする。

しかし、今閉塞板２８が素子カバー３０の左側連通口３
１を塞ぎ、右側制御口２３が前記巻込みを補うに充分な
程度に開口され、連通路２３に通じているため、ほぼ大
気圧に保持されることから左側偏向を生じるように圧力
差が発生する。

ここで流れは矢印Ｃに示す方向に偏向する。

次に閉塞板２８の回転がさらに進み左右の連通口３１．
３２がともに閉塞された時、左右の制御口２３．２４の
圧力は同じ値となり矢印ｄで示される流れとなる。

さらに、閉塞板２８の回転が進み、右側連通口３１を塞
いだ時は、左側制御口２４は大気圧に開放され、右側制
御口２３は負圧となることから矢印ｅで示される流れと
なる。

今、閉塞板２８は前記のように駆動モータ３３により一
定周期にて回転させられているため、この閉塞板２８の
回転に伴い、空気流はｃ，ｄ，ｅ，ｄ，ｃとなめらかに
連続して偏向する。

しかしながら、前面より吸込み前面へ吹出す構造の空気
調和機の室内ファン９として多く用いられているシロツ
コファンの吐出空気流は第３図の矢印Ｂで示すごとく、
流体吹出素子２０に対し、斜めより注入する。

また、吐出口１４より見て下方向のベクトルを持ちやす
く、この空気流が内外区割壁６の傾斜部１９に激突し、
整流板２１を左方向のベクトルを保ったまま通過し、流
体吹出素子２０のノズル２５で縮流された後、正面より
見て左方向の流れとなり、吹出口１４下部より吹出され
る。

一方シロツコファン上部より吐出された比較的速度の遅
い空気流は、傾料部１９に沿って流れ流体吹出素子２０
のノズル２５で縮流された後、正面より見て右にかよっ
た流れを程する。

結果として、流体素子２０の吹出口１４から吹出される
風は正面より見て、上層部は右寄りの、また、下層部は
左向きのそれぞれの流れとなり全体的にねじれた吹出流
となる。

この時、流体素子整流板２１上流に上部より下部に向っ
て遮蔽面積の減少するごとく構威した偏向制御板２２を
傾斜部１９の角度Ｑ１より大なる角度Ｑ２にて配設する
と、室内ファン９による吹出流は上部では偏向制御板２
２の遮蔽面積が大きい上方部によって左向のベクトルが
与えられ結果として流体素子吹出口１４の上部より均一
なる正面吹出流が得られる。

また下部では偏向制御板２２の遮蔽面積が小さい下方部
によって室内ファン９による吐出流の傾斜部１９への激
突が押えられ、これによっても流体素子吹出口１４下部
より均一なる正面吹出流が得られるものである。

上記実施例より明らかなように、本考案における空気調
和機の風向き変更装置は、流体吹出素子を具備した前面
吸込み前面吹出し型の空気調和機において、室内側ファ
ンの送風路に上部より下部へ断面積が直線的に減少する
ごとく形或した台形状の偏向制御板を送風路に設けた傾
斜壁の傾斜角度より大なる角度にて流体吹出素子の入口
側（風上側）に固定したもので、この台形状の偏向制御
板により遠心型送風機特有のねじれ現象を有する送風を
全体にわたって一方向に整流することができるため、均
一なる吹出流が得られ、又均一流となるため体感的にも
非常に快適な送風効果が得られるとともに到達距離の長
い吹出流を得ることができ、しかも前記偏向制御板は流
体吹出素子に取付けるため、生産時点で取付け角度が安
定し、より精度の高い正面吹出し流が得られる等の効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例をおける風向き制御装置を具
備した空気調和機の斜視図、第２図は同空気調和機の断
面正面図、第３図は第２図の要部拡大断面図、第４図Ａ
，Ｂは同風向き制御装置である流体吹出素子の動作説明
図、第５図は同流体吹出素子の分解斜視図、第６図は流
体吹出素子に設けられた偏向制御板の側面図である。 １・・・・・・空気調和機本体、９・・・・・・室内フ
ァン、１３・・・・・・室内空気吸込用穴、１４・・・
・・・吹出口、１８・・・・・・吹出流路、１９・・・
・・・傾斜部（傾斜壁）、２０・・・・・・流体吹出素
子、２２・・・・・・偏向制御板、２３．２４・・・・
・・制御口、２５・・・・・・ノズル形或部、２８・・
・・・・閉塞板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に吸込口と吹出口を有する空気調和機本体内に、少
   なくとも遠心型送風機からなる室内ファン、室内ファン
   による上方への送風を下方へ規制して前記吹出口へ導く
   送風路およびこの送風路内において前記室内ファンから
   の送風方向に対して一定角度吹出側へ傾斜した傾斜壁を
   設け、さらに前記吹出口に、前記送風路からの送風をそ
   の方向を変更して吹出す風向き変更装置を設け、この風
   向き変更装置を、前記送風路からの送風を絞って流入さ
   せるノズル部と、このノズル部を通過した風の流れにそ
   の流れ方向に対して直角方向に圧力を印加させる制御口
   部と、この制御口部に圧力を生じさせる閉塞板とより構
   威された流体吹出素子とし、さらに前記ノズル部の風上
   側に、前記傾斜壁の傾斜角度より大きい角度で傾斜した
   偏向制御板を設け、この偏向制御板を、その風上側端辺
   が、上方から下方へ向けて吹出口側へ傾斜する上辺が下
   辺より長い四角形状とした空気調和機の風向き制御装置
   。