JPS5953032B2 - 微生物培養法 - Google Patents

微生物培養法

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JPS5953032B2
JPS5953032B2 JP16990179A JP16990179A JPS5953032B2 JP S5953032 B2 JPS5953032 B2 JP S5953032B2 JP 16990179 A JP16990179 A JP 16990179A JP 16990179 A JP16990179 A JP 16990179A JP S5953032 B2 JPS5953032 B2 JP S5953032B2
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microorganisms
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JP16990179A
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進 伊藤
恵雄 井上
「まん」造 金田
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Kao Corp
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Kao Soap Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は炭化水素或いは炭化水素誘導体を主炭素源とし
て微生物を培養するに際し、その培地中にトルロプシス
(Torulopsis)属酵母が産生する糖脂質を化
学変換した糖脂質化合物を添加して微生物を培養する方
法に関する。
炭化水素又はその誘導体を主炭素源とする発酵生産研究
は近年者しい進歩を遂げ、微生物菌体蛋白質の生産が実
用化段階に達しているのを筆頭に、各種アミノ酸、核酸
関連物質、ビタミン、有機酸、糖質或いは抗生物質等の
生理活性物質の生産等幅広く多岐に渡っており、従来、
糖質を主炭素源とする発酵により生産されていたものは
殆んどその糖質を炭化水素に代替することが可能になっ
てきている。
一方炭化水素又はその誘導体は、炭素と水素のみを構成
元素とするが、或いはこれらを主構成元素とし、その他
の若干の元素、例えば酸素、ハロゲン等を含むものであ
り、多数の酸素を含む糖質に比べて、単位重量当りの有
効炭素の存在量が約2倍であり、発酵炭素源としては、
糖質より明らかに有利である。
しかしながら、炭化水素又はその誘導体を炭素源として
発酵を行う場合には、その物理的、化学的性質から、次
に掲げるような問題点を有する。
その1つは、炭化水素又はその誘導体は分子中に酸素を
含まないか、含んでも僅かであるために、微生物を生育
させるためには非常に多量の酸素の供給を必要とするこ
とであり、もう1つは、炭化水素又はその誘導体は水に
不溶性であるために、微生物による取り込み様式が糖質
等の水溶性炭素源とは異なっており、取り込み速度が小
さく、生育速度は一般的には糖質炭素源による場合の約
半分であると言われている。
第1の酸素供給の問題に対しては、近年、培養工学の著
しい進歩によって、効率の良い酸素供給を行える発酵槽
の工夫改良によって解決されつつある。
しかし第2の問題である炭化水素又はその誘導体を微生
物に効率良く取り込ませる点については、水不溶性基質
と微生物との単純な機械的接触チャンスの頻度に依るも
のと考えられ、水不溶性基質のi機械的物理的乳化分散
方法、ii界面活性剤等による物理化学的乳化分散方法
の工夫にその努力が集中されてきたが、いずれも限定さ
れた微生物に応用できるにすぎない。
このような炭化水素又はその誘導体のような水不溶性基
質を強制的に微生物に取り込ませる人為的な方法は、微
生物自体の生理的性質を無視した方法であり、実用的に
はあまり成果のないものであった。
これら結果は、水不溶性基質の微生物による取り込み機
構は、主として、微生物自身の生理的性質に基づくもの
であることを示唆するものであり、本発明者らは、この
観点から検討を加えた結果、水不溶性基質を資化する微
生物は、次のいずれかの水不溶性基質を取り込む固有の
機構を有していることがわかった。
即ち、i微生物自身が細胞表層に水不溶性基質と親和性
の大きな組織体を有していること。
ii微生物自身が菌体外に水不溶性基質を取り込み運搬
(transport)する機能を有する物質を産生し
、積極的な取り込みを行っていることである。
iの機構はその微生物の本来の機能であって、人為的に
調整することのできないものと考えられるが、iiの機
構は、その物質を把えてコントロールすれば調整可能で
あると考えられる。
本発明者らは以上の考察をもとにさらに検討した結果、
炭化水素或いはその誘導体を主炭素源として微生物を培
養する際に、培地に下記の一般式(I)で表わされる糖
脂質化合物を添加すれば、これらの炭素源がすみやかに
取りこまれ、微生物の生育が著しく促進されることを見
出し本発明を完成した。
(式中R1はH又はCH3を示し、R1がHのときR2
は炭素数12〜16の飽和又は不飽和の炭化水素基を示
し、R1がCH3のときR2は炭素数11〜15の飽和
又は不飽和の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜20の
アルキル基又はオレイル基を示す) 式(I)で表わされる糖脂質化合物は文献既知であり
(特開昭54−109913号、同54−109914
号)、トルロプシス(Torulopsis)属のある
種の酵母、例えば、トルロプシス・マグノリエ(T、
magnoliae )、トルロプシス・アピコーラ(
T、apicola)、トルロプシス・グロツペンギー
ゼリ (T、 gropengiersseri)、ト
ルロプシス・ボンビコーラ(T、 bombicola
)等の産生ずる糖脂質(以下ソホロリピツド:SLと
略すことがある)から誘導される。
ソホロリピツドは次の式(II)で表わされるもの及び
その末端カルボキシル基と糖水酸基とがラクトン結合し
たものの混合物である。
(J、 F、T、 5pencer et a
l、 CanadianJournal of Che
mistry39.846 (1961))。
(式中R1及びR2は式(I) と同じであり、R3、
R4はH又はCOCH3である) ソホロリピツドから式(I)で表わされる糖脂質誘導体
(以下本明細書中ではアルキルソホロリピツドと称する
ことがある)を得るには、ソホロリピツド中から式(I
I)で表わされるもののうちR3及びR4が水素のもの
(以下本明細書中ではアシツドソホロリピツドと称する
ことがある)を分離して末端カルボキシル基をアルコー
ルでエステル化することによっても得られるが、ソホロ
リピツドは多数の成分からなる混合物であるので分離操
作が困難であるため、ソホロリピツドのグリコシド結合
を分解せずに機上のアセチルエステル結合及びラクトン
結合のみを切断(加水分解)してほぼ全量をアシツドソ
ホロリピツドに変換した後、末端カルボキシル基をエス
テル化するか、アセチルエステル結合及びラクトン結合
の切断と末端カルボキシル基のエステル化を同時に行う
方法による方が操作が容易である。
例えば具体的には、ソホロリピツドを適当量のメタノー
ル、エタノール等のアルコール性水溶液に溶解させ、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ試薬をソ
ホロリピツドの約3倍モル添加し、一定時間加温又は還
流を行い、ソホロリピツドのほぼ全量がアシツドソホロ
リピツドに変った時点(クロロホルム:メタノール:酢
酸=75:20:5の展開溶媒を用いシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーで追跡するのが適当である)で反応を
終了させ、反応液を塩酸、硫酸等の鉱酸で中和し、次い
でろ過し、ろ液を留去すればアシツドソホロリピツドが
得られる。
これを常法によりアルコールで末端カルボキシル基をエ
ステル化すればアルキルソホロリピツドが得られる。
またこれとは別に、ソホロリピツドの所望量を目的とす
るアルキルソホロリピツドと同じアルキル鎖長のアルコ
ールに溶解させ、金属ナトリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ触媒を触媒量加え、加温下
でアルコリシス反応を行なわせ、得られる反応液を中和
、ろ過し、ろ液を留出するか、若しくはろ液をn−ヘキ
サデカン等のアルキルソホロリピツド非溶解性の有機溶
媒で抽出洗浄し、共存する脂肪族アルコール及び酢酸エ
ステルを除去し、アルキルソホロリピツドを得ることも
できる。
後者の方法では、アルキルソホロリピツド留分に、アシ
ツドソホロリピツドが共存するので、クロロホルム−エ
タノール−水系等によりアルキルソホロリピツドとアシ
ツドソホロリピツドの溶媒への溶解度の違いを利用して
液−液抽出により分離精製するか、シリカゲル等の抗体
を用いたカラムクロマトグラフィーによって分離精製す
ることによってアルキルソホロリピツドを精製すること
ができる。
さらに後者の方法で使用するアルカリ触媒に代えて、塩
酸、硫酸等の酸触媒を用いて同様に、アルコリシス反応
を行ない、アセチルエステル結合及びラクトン結合と同
時に末端カルボキシル基のエステル化を行ない、目的と
するアルキルソホロリピツドのみを得ることができる。
また別に例えば特開昭54−109913号及び同54
−109914号に示されているように、先づメチルソ
ホロリピツドを製造し、その後エステル交換により炭素
数2以上のアルキル基を有するアルキルソホロリピッド
に変換することによっても得ることができる。
以下本明細書では、式(I)のRがメチル基のものをメ
チルソホロリピツド、Rがエチル基のものをエチルソホ
ロリピツド等と呼ぶことがある。
アルキルソホロリピツドのアルキル基(R)は、炭素数
1〜20のアルキル基、即ち、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサ
デシル基、オクタデシル基、エイコシル基などのアルキ
ル基又はオレイル基の範囲で微生物の生育促進効果が見
られるが、トルロプシス酵母の場合は特に炭素数1〜5
のアルキル基、ピヒア属酵母の場合は炭素数1〜20の
アルキル基及びオレイル基を有するアルキルソホロリピ
ツドによる生育促進効果は顕著である。
これらの事実は試験例にテ゛−夕をもって示す。
本発明のアルキルソホロリピツドによる微生物の炭化水
素又はその誘導体を主炭素源とする培地における生育促
進の機構は、通常の合成界面活性剤による炭化水素又は
その誘導体を乳化分散させる機能によるものとは全く異
なるものであると考えられる。
即ち、n−パラフィン培地で微生物の培養を行う際にそ
の乳化剤として慣習的に用いられているポリオキシエチ
レンアルキル(Ci。
−C22)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(C
8−C9)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン高級
脂肪酸(炭素数12〜18、以下同じ)エステル、ソル
ビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビト
ール高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノグリセリド及
び高級脂肪酸ショ糖エステル等を同条件で添加しても、
本発明のアルキルソホロリピツドによるような微生物生
育促進効果は得られない。
主炭素源として用いられる炭化水素又はその誘導体には
、一般に水不溶性炭素源として使用されるものはいずれ
も含まれるが、炭素数8〜20の炭化水素又はその誘導
体が適当であり、特に炭素数10〜18のn−アルカン
又はその誘導体が好適である。
炭素数12〜18のn−アルカンを使用した場合に特に
著しい生育促進効果が見られる。
炭化水素は単品として用いても良く、それらを含有する
混合物である石油留分(例えば灯油、ケロシン留分等)
でも良いことは勿論である。
さらに不飽和結合を有する炭化水素類(アルケン、α−
オレフィン)、酸素を有する誘導体(アルコール、脂肪
酸、脂肪酸エステル等)、ハロゲン原子を有する誘導体
(アルキルハライド等)を主炭素源として用いても微生
物生育促進効果は見られる。
これらの炭素源は培地中に0.2〜10%wt/v存在
させるのが適当で゛ある。
式(I)で表わされるアルキルソホロリピッドは、培地
中に約0.0075%wt/v以上添加すれば有効であ
り、その量を増した場合漸時促進効果が向上するが、実
用上アルキルソホロリピツド添加による微生物生育促進
効果を得るためには、約0.01〜約0.5%程度の量
を添加するのが良い。
式(I)で表わされるアルキルソホロリピツドの添加に
よる炭化水素又はその誘導体を主炭素源とする微生物発
育促進効果は、広く炭化水素又はその誘導体を資化する
微生物に見られるが、具体例を挙げれば、酵母では、子
のう菌酵母に属する炭化水素資化性酵母の例としては、
メチニコビア(Metshnikowia)属に属する
メチニコビア・プルヒエリ? (Metschniko
wia pulcherrima)、ピヒア(Pich
ia)属に属するピヒア・ファリノーザ(Pichia
farinosa)ピヒア・オーメリ (Pichi
aohmeri)等があり、またウステイラジイナーレ
ス(Ustilaginales)酵母に属する炭化水
素資化性酵母の例としては、ロドスポリデイウム (Rhodosporidium)属酵母があり、また
無胞子酵母に属する炭化水素資化性酵母の例としては、
キャンデイダ(Candida)属に属するキャンテ゛
イダーモギー(Candida mogii)、トルロ
プシス(Torulopsis)属に属するトルロプシ
ス・ボンビコーラ(Torulopsis bombi
cola )、トルロプシス・グロツペンギーゼリ (
Torulopsisgropengiesseri
)、トルロプシス・アビコーラ(Torulopsis
apicola)、トルロプシス・マグソリ工(To
rulopsis magnoliae)等がある。
本発明による微生物の培養にあたって、その他の培養条
件は、炭化水素又はその誘導体を主炭素源とする微生物
培養に採用される通常の条件で行うことができる。
例えば窒素源としてはペプトン、酵母エキス、肉エキス
、コーンスチーブリカー、アミノ酸、カザミノ酸、硝酸
アンモニウム等を用いることかで゛き、またカリウム、
ナトリウム、マグネシウム、リン等の無機イオン等も通
常使用されるものを使用することができる。
培養温度も通常の温度で良いが、18〜37℃程度が好
適である。
本発明によれば、従来炭素源として炭化水素又はその誘
導体を使用した場合、その取り込みが遅く、従って微生
物の生育速度が遅いために、培養に長時間を要していた
ものが、大いに短縮されることとなった。
以下に本発明を参考例、試験例及び実施例をもってさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
参考例 1 ソホロリピツドの調整 グルコース500g、酵母エキス25gを51の脱イオ
ン水に入れ、均一に溶解したのち、サフラワー油500
gを加えた培地を101容量のジャーファメンターに入
れ、ジャーファメンターの中で滅菌をして培地液を調整
した。
ついであらかじめ滅菌しであるグルコース2.5gと酵
母エキス0.25gとで調製した50m1の培養液の入
った振盪フラスコに、トルロプシス・ボンビコーラAT
CC22214を接種し、25℃の温度で2日間振盪培
養し、充分菌が生育した培養液を全量接種菌液として、
上記のジャーファメンターに無菌的に接種した。
接種後、温度30℃、攪拌数300Orpm、通気量l
vvm(1分間に培地と同量の空気)の培養条件下で7
日間発酵を行った。
発酵終了後、発酵液を取り出し、101容量の内径15
cmの円筒型分相分離管に移し、50℃で発酵液中のソ
ホロリピツド留分の沈降分別を行った。
必要に応じて、数百mlの酢酸エチルを添加し、ソホロ
リピツドの沈降分別を早めた。
次いで下層に沈降したソホロリピツド留分を抜き取り、
ロータリーエバポレーターで大部分の含有する水を留出
させ、ソホロリピツド濃縮物を750m1の酢酸エチル
で抽出を行い、酢酸エチル抽出液を無水硫酸ソーダで脱
水したのち、ロータリーエバポレーターで大部分の酢酸
エチルを留去し、ついでn−ヘキサン200m1で2回
洗浄抽出したのち、n−ヘキサン不溶分であるソホロリ
ピツドをシャーレの中に皮膜状に広げ、真空乾燥機の中
で、恒量に達するまで減圧乾燥した。
この操作により約380gのソホロリピツド(式(I)
、(II)及び(III)であられされるものの混合物
であり、その脂肪酸部分の炭素数が16及び18のもの
を主体とする)を得た。
尚、発酵液の量が11以下であれば上記操作のうち分相
管による沈降分別操作を省略し、直接当量の酢酸エチル
で抽出し、得られる酢酸エチル層を上記の方法で処理し
ても同様のソホロリピツドを得ることができる。
参考例 2 アシツドソホロリピツドの調整 参考例1で得たソホロリピツド5gを100m1丸底フ
ラスコに採り、ついで水10m1及びエタノール25m
1を加え均一溶解したのち、水酸化カリウム0.5gを
加えて、2時間還流反応をさせる。
反応終了後希硫酸水溶液で沖和し、析出する硫酸カリウ
ムを戸別し、P液をロータリーエバポレータで減圧留去
し、残分として4.3gを得た。
本反応物質をシリカゲル薄層クロマト分析〔展開剤、ク
ロロホルム−メタノール−酢酸(70:25:5))を
行うとRf値0.33にアンスロン発色試薬にて青緑色
に発色する単一スポットを与える。
ついで、本物質全量を5mlのクロロホルムに溶かし、
シリカゲル50gを充てんした内径1cm長さ50cm
のカラムクロマトにてクロロホルム−エタノール(クロ
ロホルム100部から0部エタノール0部から100部
)の溶出溶媒にてクロマト分離を行い、上記の薄層クロ
マト分析にて、Rf値0.33に相当する溶出留分を集
め、溶媒を留去し、精製物4.1gを得た。
本精製物は白色固形状物質であり、これがアシツドソホ
ロリピツドである。
本アシツドソホロリピツドをKBr錠剤法にて赤外スペ
クトル分析を行うと、3380〜3200cm ”にか
けて糖の水酸基に由来する幅広い吸収帯、2800cm
−1前後に脂肪族のメチレン及びメチル基に由来する強
い吸収帯、1700cm ”に遊離カルボキシル基に由
来する吸収帯及び900〜750cm ”にかけてグル
コビラノース環に特有な吸収帯を与える。
ピリジン溶媒中での核磁気共鳴スペクトル分析に於いて
、65.5前後に不飽和脂肪酸に特有な二重結合の吸収
スペクトル、δ3.5〜5.0にかけ糖構造に由来する
幅広い吸収スペクトル及びδ1.1〜1.6にかけてメ
チレン基に由来する強い吸収スペクトルを与えた。
ついで、本精製物0.1gを10m1の5規定のHC1
=メタノール溶液中で1時間還流反応させ、メチルグリ
コキサイドとヒドロキシメチルエステルとなし、その各
々をガスクロマトグラフィー分析で定量分析した結果、
メチルグリコキサイドとヒドロキシ脂肪酸メチルエステ
ルが2モル対1モルの比であることを確認した。
以上の結果より、本精製物はアシツドソホロリピツドで
あることを支持された。
参考例 3 アルキルソホロリピツドの調整 i メチルソホロリピツド: 参考例1で得たソホロリピツド5gを100m1容量の
丸底フラスコに取り、メタノール60m1を加え均一に
溶解したのち、金属ナトリウム0.24gを加え、40
℃、30分間加温したのち、一晩室温にて放置したのち
、−反応溶液を戸別した。
得られたP液100m1を300m1容量の分液ロート
に採り、ついで石油エーテル50m1を加え、よく振盪
したのち、上層の石油エーテル分を除去した。
ついで、クロロホルム150m1を加え、再びよく振盪
したのち、上層の水層部を除去し、ついで、50%メタ
ノール水溶液30m1を加え再びよく振盪し、静置後、
下層のクロロホルム層をとり、無水硫酸ナトリウムを加
え、脱水したのち、クロロホルムを留去した。
クロロホルムで抽出して得られた物質は約1.5gであ
った。
本物質は白色固形物質で、上記のアシツドソホロリピツ
ドの項で述べた分析に従って、構造分析を行った結果、
薄層クロマトグラフ分析にて、ヨード蒸気発色剤及びア
ンスロン発色剤で、RfO,48の単一スポットのみを
検出した。
ついで、赤外スペク1〜ル分析で、アシツドソホロリピ
ツドの1700cm ’の吸収が、メチルエステルのケ
トン基の吸収として1740cm ”に移動した以外は
総ての吸収帯はアシツドソホロリピツドと同じであった
核磁気共鳴スペクトル分析では、アシツドソホロリピツ
ドのスペクトルとは、δ3.6にメチルエステルの0−
CH3吸収スペクトルを新たに与えた以外同じであった
糖とヒドロキシ脂肪酸との構成比はグルコース対ヒドロ
キシ脂肪酸のモル比は2対1であった。
以上の結果より、本物質はメチルソホロリピツドである
ことが支持された。
ii エチルソホロリピッド: ソホロリピツド5.0gを上記メチルソホロリピツド調
整に従ってエタノール60m1に溶かし、反応させた。
得られたクロロホルム抽出物1.6gは白色固形物質で
あり、上記の分析に準じて構造を分析した結果、薄層ク
ロマト分析でRfo、 48に単一のスポットを与え、
赤外スペクトル分析ではメチルソホロリピツドと全く同
じスペクトルを与え、核磁気共鳴スペクトル分析で゛は
、アシツドソホロリピツドとほは゛同じスペクトルを与
え、ついで、糖とヒドロキシ脂肪酸との構成比は2対1
であった。
iii その他のアルキルソホロリピツド:その他の
アルキルソホロリピツドは相当するアルキル鎖長のアル
コールを用い、総て、上記メチノD−ソホロリピツド及
びエチルソホロリピツドを得る操作で行い目的物を得た
試験例 1 参考例3で得たアルキルソホロリピツドを0.75wt
/v%酵母用の炭素化合物同化試験用乾燥培地(Bac
to Nitrogen base ; Difco
Lab、社(米国ミシガン州)の商標)酵母エキス及び
5 v/v%のn−ヘキサデカンを配合した滅菌培地に
、無菌操作で添加し、次いでYM寒天培地に生育してい
るトルロブ−シス・ボンビコーラ(Torulopsi
sbombicola) KSM−36のコロニーを白
金耳で採り、生理食塩水中で菌体濃度が55Qnmの吸
光々変針で測定したときの吸光度が0.5〜0.6にな
るように調製した菌懸濁液を接種し、30℃で培養し、
菌体の生育を観察した。
生育度の観察は、培養液の一部或いは全部を採取し、必
要に応じて鉱酸、例えば希塩酸或いは希硫酸により採取
した培養液のpHを2〜3に調整したのち、2倍量の酢
酸エチルで2回培養液を洗い、得られた菌体を含む水相
部を55Qnmの吸光々変針で測定できる濃度に脱イオ
ン水で希釈したのち、水相部の吸光度を測定して行った
同一条件でアルキルソホロリピッドを添加しない場合と
の比較を表1に示す。
試験例 2 0.75%酵母用炭素化合物試験用乾燥培地(試験例1
で使用したものに同じ)、5%n−ヘキサテカン及び0
.2%酵母エキス培地を用いてアルキルソホロリピツド
0.2%を添加し、試験例1と同様な条件で培養を行い
、表2に示す結果を得た。
試験例 3 0.75%酵母用炭素化合物試験用乾燥培地(試験例1
で用いたものに同じ)、0.2%酵母エキス及び1〜5
%の各種炭化水素又はその誘導体からなる培地を用い、
エチルソホロリピッドを添加して又は添加せずに試験例
1と同様に培養を行い、表3に示す結果を得た。
試験例 4 アルキルソホロリピツドとしてエチルソホロリピツドを
用いて、その添加濃度を種々に変え、その他は試験例2
と同様な条件で4日間培養を行い、表4に示す結果を得
た。
この結果からエチルソホロリピツドは培地中に約0.0
075%wt/v以上添加すれば有効であり、0.1%
までは添加量の増加とともに効果が増大することがわか
る。
試験例 5 0.75%酵母用炭化水素化合物試験用乾燥培地(試験
例1で用いたものに同じ)、0.2%酵母エキス及び5
%n−ヘキサデカンからなる培地を用い、試験例1と同
様に5日間培養を行ない、次表に示す結果を得た。
(生育度) 上記の結果から、本発明のアルキルソホロリピツドによ
る微生物生育促進効果は、合成界面活性以下同様の意味
を有する。
上記の結果から、本発明のアルキルソホロリピツドによ
る微生物生育促進効果は、合成界面活性剤による乳化効
果によるものとは全く異なるものであることがわかる。
実施例 1 あらかじめ、酵母用炭素化合物同化試験用乾燥培地(B
acto −Nitrogen −base、以下DN
Bと略す。
米国Difco社製)を0.75%、酵母エキス(Ye
ast extract、以下YEと略す。
大玉栄養■製)0.2%を配合した液体培地(以下DN
B−YE培地と略す。
)を調製し、内径2cm長さ20cmの各試験管に4m
lずつ入れた。
次いでn−ヘキサデカンを0.5ml加えたのち、11
5℃、30分間蒸気滅菌した。
次にあらかじめ滅菌しである脱イオン水10m1にエチ
ルソホロリピツドを無菌的に加え、加温して均一に分散
し、上記n−ヘキサテ勿ンーDNB−YE培地にその0
.5mlを無菌的に加えた。
ついでグルコース−酵母エキス−麦芽エキス(YM培地
、米国Difco社製)寒天培地で30℃、2日間生育
させたトルロプシス・ボンビコーラ (Torulopsis bombicola)を白金
耳で採取し、あらかじめ滅菌しである生理食塩水10m
1に無菌的に加え、その菌懸濁液の55Qnm波長の吸
光々変針で測定したときの吸光度が0.5〜0.6にな
るよう調剤による乳化効果によるものとは全く異なるも
のであることがわかる。
製した菌懸濁液をつくり、その0.5mlを採取して無
菌的に上述のn−ヘキサテ勿ンーDNB−YE−エチル
ソホロリピツド培地に加えた。
温度30℃、毎分120回往復振盪する振盪培養機で5
日間菌体を生育させた。
培養終了後、培養液の液性を測定し、必要に応じて希塩
酸でpH2’−3に調整し、振盪試験管に培養液の2倍
量の酢酸エチルを入れて抽出を行った。
抽出操作を2回行った後、培養液水相部をよく振って均
一な菌懸濁液にし、その0.5mlを採取し、15m1
容量の試験管に移し、脱イオン水で10倍に希釈し、6
50nmの波長の吸光度を測定し菌の生育度を求めた。
結果は表5に示す通りであった。
実施例 2 トルロプシス・ボンビコーラに代えてメチニコビア属酵
母を用い、培養日数を5田こ代えて6日にした点以外は
実施例1と同様な条件で培養を行い、生育度を測定し、
表6に示す結果を得た。
実施例 3 トルロプシス・ボンビコーラに代えて種々のトルロプシ
ス(Torulopsis)属酵母を用い、その他は実
施例1と同様な条件で培養を行い、生育度を測定し、表
7に示す結果を得た。
実施例 4 トルロプシス・ボンビコーラに代えて、キャンデイダ属
酵母を用い、培養日数を5日から7田こ変えた以外は実
施例1と同様に培養を行い、生育度を測定し、表8に示
す結果を得た。
実施例 5 トルロプシス・ボンビコーラに代えてピヒア属酵母を用
い培養日数を2田こ代える以外は実施例1と同様に培養
をおこない生育度を測定し表9に示す結果を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (式中、R1はH又はCH3を示し、R1がHのときR
    2は炭素数12〜16の飽和又は不飽和の炭化水素基を
    示し、R1がCH3のときR2は炭素数11〜15の飽
    和又は不飽和の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜20
    のアルキル基又はオレイル基を示す)で表わされる糖脂
    質化合物を添加することを特徴とする微生物培養法。 2 式(I)中、Rが炭素数1〜3のアルキル基である
    特許請求の範囲第1項記載の微生物培養法。 3 主炭素源が炭化水素である特許請求の範囲第1項記
    載の微生物培養法。 4 微生物が酵母である特許請求の範囲第1項記載の微
    生物培養法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01107326U (ja) * 1988-01-13 1989-07-19
JPH0240978Y2 (ja) * 1985-03-19 1990-10-31
JPH0335324Y2 (ja) * 1986-07-24 1991-07-26

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