JPS5951090B2 - 誘電体磁器材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は誘電体磁器材料に関するものであり、比誘電率
（εに）が大きく、無負荷Ｑが大きく、さらに共振周波
数の温度係数（τ、）の優れたマイクロ波誘電体共振器
用磁器材料を提供しようとするものである。

従来から、マイクロ波領域において、マイクロ波回路の
インピーダンスマッチングや、誘電体共振器などに誘電
体が応用されてきている。

近年、特にマイクロ波回路の集積化の技術が進歩するに
ともない、小型で安価なマイクロ波用装置を作るために
、誘電率が大きくて損失が小さく、さらに温度安定性の
優れたマイクロ波誘電体共振器用磁器材料が要望されて
いる。従来、これらの誘電体材料としては、ＢａＯ一Ｔ
ｉＯ。

系磁器およびこの系の元素の一部を他の元素で置換した
磁器、さらには容量の温度係数が負・の値をもつＴｉＯ
。と正の値をもつ誘電体磁器やガラスとを組合せたもの
を使用する場合が多い。しかし、これらの材料では誘電
体損失が大きかつたり、容量の温度係数のばらつきが大
きかつたり、あるいは誘電体共振器としたときの共振周
波数の温度係数が大きすぎたりするという欠点がある。
また、共振周波数の温度係数を変化させようとすると、
Ｑがいちぢるしく低下するなど、実用上の問題点が多い
。本発明はこれらの欠点を除いたものであり、ａＰｂ０
−ｂＣａＯ−ＣＮｂ２Ｏ５−ｄＴａ２０５で表わされる
組成において、７０．０≧ａ≧１４．０モル％、５７．
４≧ｂ≧１．４モル％、２７．６≧ｃ≧０．５モル％、
２８．１≧ｄ≧１．０モル％（ただしａ ＋ ｂ ＋
ｃ ＋ ｄ＝１００モル％）の範囲にある組成の磁器が
マイクロ波周波数において優れた特性を持つことを見出
したことによるものである。

以下に、実施例にもとづいて、本発明について説明する
。まず、化学的に高純度のＰｂＯ、ＣａＣＯ３、Ｎｂ。

Ｏ。、およびＴａ。Ｏ。の出発原料を所定の組成に″な
るよう秤量し、めのうボールを備え、かつゴム内張りし
たボールミルで、純水とともに混式混合した。この混合
物をボールミルから取り出して乾燥した後、成形圧力４
００ｋｇ／ｃｍ２で、直径５０ｍｍ、厚さ約２５ｍｍの
円板状に成形し、空気中において８５０℃、の温度で２
時間仮焼した。仮焼物を純水とともにボールミル中に入
れて湿式粉砕した。粉砕泥しようを脱水乾燥した後、粉
末にバインダーとして濃度３％のポリビニールアルコー
ル溶液を８重量％添加して均質にしたのち、３２メツシ
ユのふるいを通した。このようにして得られた整粒原料
を用いて、成形圧力８００ｋｇ／ＣＩｎ２で直径２１ｍ
ｍ、厚さ９ｍｍの円板を金型を用いて成形した。成形体
は高純度のアルミナ匣鉢中に入れ、組成に応じて１４０
０〜１１５０℃の範囲内の温度で２時間、空気中で焼成
して下表に示す組成の誘電体磁器を得た。マイクロ波周
波数（３ＧＨｚ）における特性の測定にはマイクロ波誘
電体共振器法を用いた。

すなわち磁器の厚さｔと直径Ｄとの比の値ｔ／Ｄがほぼ
０．４となる大きさの円板状磁器を切り出し、この磁器
のマイクロ周波数におけるＴＥＯｌ，モードの共振周波
数と無負荷Ｑおよび共振周波数の温度係数τ，を測定し
た。温度係数は−３０℃から７０℃の温度範囲で測定し
た。それらの結果を下表に示す。下表において、米印を
付した試料番号のものは本発明範囲外の比較例であり、
これ以外の試料が本発明範囲内のものである。上表より
明らかなように、本発明の範囲内の誘電体共振器用磁器
材料は、マイタロ波周波数において、無負荷Ｑが大きく
、比誘電率（ε．）が大．きく、さらに共振周波数の温
度係数（τｆ）が改善された優れた特性をもつている。

また、組成比を変えることにより、比誘電率を大きく保
ちながら、τ，を正から負の間の任意の値とすることが
できるので、マイタロ波回路の温度係数を補償すること
が容易である。なお、本発明の誘電体磁器は、単に誘電
体共振器用だけでなく、マイクロ彼回路の基板用または
濾波器用としても適した材料である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ａＰｂＯ−ｂＣａＯ−ｃＮｂ＿２Ｏ＿５−ｄＴａ＿
   ２Ｏ＿５で表わされる組成において、７０．０≧ａ≧１
   ４．０モル％、５７．４≧ｂ≧１．４モル％、２７．６
   ≧ｃ≧０．５モル％、２８．１≧ｄ≧１．０モル％（た
   だしａ＋ｂ＋ｃ＋ｄ＝１００モル％）の範囲にあること
   を特徴とする誘電体磁器材料。