JPS5949194B2 - 美粧防滑性段ボ−ルシ−トの製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は表ライナーに耐摩性樹脂を塗布し、表ライナー
表面に樹脂の濃淡皮膜を現出せしめてなる美粧性と防滑
性とを有する段ボールシートの製法に関する。

従来段ボールシートは表ライナーが製紙段階でカレンダ
ーコートされ、更にコルゲーター内でも熱板上で摩擦さ
れるためライナー表面が滑り易くなつている。

この事は前記段ボールシートを次の５ 印刷工程乃至製
画工程に至らしめる間多数積重ねて貯蔵し、搬送する場
合に荷崩れが生じ、作業能率の低下及び往々にして作業
中不慮の事故を誘起する原因となつている。更に前記段
ボールシートの製函後の箱組立て前後の作業においても
同様の“０不利点を有する他、荷崩れによる箱内収納物
の破損を来す欠点がある。前記欠点を防止するため最近
、表ライナーにケイ酸を塗沫した段ボールケースが市場
に出現しているが、これは段ボールケースの美観を害す
るの−５みならず、ケイ酸が段ボールケース使用中すぐ
剥離するので初期防滑性はあるが長期防滑目的は達成し
得ず、しかも積重ね安定性を欠きケースの多数積重ねが
できない。

而してこの段ボールケースは多量積重ね、長期貯蔵及び
長期搬送に適さない’０欠点がある。また本出願人の出
願に係る発明（特願昭５１一２００９６）も製造物の美
粧防滑効果を記述しているが、これは表ライナーに発泡
剤を配合した樹脂組成物を塗工して浮彫模様を作り、該
浮彫模様’５を以つて防滑効果を意図するものであるか
ら浮彫部分が欠け易く、従つてこれも初期美粧防滑性は
あるが長期美粧防滑性はない。

そこで本発明者等は前記欠点を解消せんものとして種々
の研究の結果表ライナーに摩擦係数の大なる樹脂を濃淡
模様、１０文字、図形、記号等を作るよう塗工して平担
面を形成せしめ、樹脂皮膜自体の性質により美粧並びに
防滑効果を得るのがよいとの結論に至つた。従来かかる
段ボールケースはなく、従つてかかる点に着目した段ボ
ールシートの製法はない。１５而して本発明は表ライナ
ーに防滑性樹脂の平担な濃淡皮膜を形成してなる美粧防
滑性段ボールシートの製法を提供するものである。

以下図面により本願製法を説明する。

図において１は表ライナー用ミルロールであり該ミルロ
ール１から引出された表ライナー２はその表面にダプル
フエーサ一（図中省略）の手前、例えばダブルハッカー
８の下に位置するロールコーター３において１イ当りウ
エツトで５〜２０ｇ量の防滑性樹脂エマルジヨン４が塗
布される。

表ライナー２の塗布部位は製函時の上フラツプ部、下フ
ラツプ部、胴部のいずれか１又は２又は全部いずれにす
るも任意である。前記ロールコーター３の塗布ロール３
ａは表面に文字、図形、記号、模様等を表わした彫刻ロ
ール或いは腐蝕ロールであるが、その彫刻或いは腐蝕は
前記表ライナー２へ塗布した樹脂の濃淡皮膜５が可及的
平担なる様浅い凹凸形状をなしている。

また前記塗布ロール３ａは速乾性樹脂の塗布に便宜なる
様、これをモーター（図中省略）に連動して自転する様
作られているが、別法として前記塗布ロール３ａは前記
モーターを用いず表ライナー２の移動により生ずる摩擦
を利用して回転する様にすることもできる。前記防滑性
樹脂エマルジヨン４の樹脂は本発明の目的からして前記
樹脂皮膜５が平担面を形成する事は勿論、その摩擦係数
が大なる事が必要とされるので、熱可塑性樹脂、特に、
ＳＢＲ、ポリビニルアルコールが好適である。

而して本発明に用いる樹脂エマルジヨン省組成は次のと
おりであるが、本発明製法が下記例に限定されないこと
はいうまでもない。

実施例 なお前記例の組成に、更に必要に応じて使用樹脂と相溶
性のある任意の顔料を適量混入せしめる様にしてもよい
。

また本願発明の実際においては前記表ライナー用ミルロ
ール１とロールコーター３の間にプレヒータ一９を設置
し前記表ライナー２の樹脂エマルジヨン４塗布面を予熱
するとよい。

かくすれば塗布樹脂の乾燥が早くなる。かくして表ライ
ナー２の表面に前記樹脂エマルジヨン４を塗布した後、
前記樹脂エマルジヨン４の加熱乾燥を行なうが、該エマ
ルジヨン４は文字、図形、模様等が濃淡差を以つて表わ
されているから塗布表面からの乾燥は適当でない。

而して本願発明者らの結果によれば前記表ライナー２の
裏面、即ち樹脂エマルジヨン４の非塗布面方向から該ラ
イナー２の表面を加熱するのが明瞭な図形、模様等の表
われた濃淡皮膜５を現出するのに適当である。従つて本
願発明は前記エマルジヨン４の塗布後、表ライナー２の
裏面に加熱ロール６を当接せしめて該エマルジヨン４を
乾燥せしめ、表ライナー表面に防滑性樹脂の光沢のある
平担な濃淡皮膜５を形成せしめる。尚この工程における
加熱は加熱ロールに限らず熱風或いは赤外線加熱乾燥に
よつてもよい。次に、表面に平担な濃淡皮膜５を形成し
た前記表ライナー２は常法により片面段ボールシール７
と段頂接着されて両面段ボールシートとなるが、この時
前記表ライナー２は熱板８ａに摺擦されるので前記濃淡
皮膜５は一層の光沢を帯びてくる。

本願発明は以上の如き構成のものであるからこれを用い
る事により以下の効果が得られる。（１）本発明による
段ボールシートは防滑性に優れてい偏本発明による段ポ
ールシート（全表ライナー処理）と防滑処理をしていな
いシートおよびケイ酸塗沫段ボ＝ルシートとの防滑効果
比較の結果は以下の通りである。尚前記夫々のシートを
製函した段ボールケースについても同じ結果が得られて
いる。

（２）本願発明は彫刻ロール或いは腐蝕口〒ルを用いて
防滑性樹脂エマルジヨンを塗布することにより、文字、
図形、記号、模様等が表われた防滑性樹脂の平坦な濃淡
皮膜を形成せしめるから、表ライナ一表面に美粧性を与
える。

すなわち前記樹脂エマルジヨン中に顔料を添加すれば彩
色による美粧効果を得れる他、その濃淡差は明瞭に表わ
れる。

また顔料非添加エマルジヨン使用の場合には視線を変化
せしめる事により皮膜の濃淡差を認識できる。１（３）
本願発明は樹脂エマルジヨンが塗布された表ライナー表
面を表ライナーの裏面方向から加熱するから、塗布樹脂
の濃淡差が崩れる事はなく、而して微細な点、線、記号
、文字等であつても明瞭に認識できる。

（４′ 本願発明は表ライナーに摩擦係数の大なる樹脂
を塗工し１膜とし、しかも皮膜は平担面を形成している
から皮膜が剥離せず、樹脂自体の性質により防滑効果を
得ているので前記浮彫模様の場合の如く浮彫部分が欠け
る恐れは全くなく、従つで本願に係る段ボールシートは
初期防滑性は勿論、長期防滑性をも有しており、該シー
トおよびこれを用いたケースの長期搬送並びに作業性の
向上が可能である。

（５）本願発明は表ライナーに平担な皮膜を形成するも
のであるから段ボールシート又はこれを用いての段ボ→
レケースを積重ねても安定しており、従つてケースを多
数重ねて貯蔵、搬送することが可能である。

（６）本願発明による樹脂の濃淡皮膜は、樹脂自体の性
質により、そして更に前記皮膜が熱板上で摺擦される事
により・光沢を帯び段ボールシートの美粧性を高める。

（７）本発明製法は表ライナーに平担な樹脂皮膜を形成
するからその上にフレキソ印刷が良好にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願発明に用いる装置の模式図、第２図は本願
発明による段ボールシートである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 表ライナーの表面を加熱し； 該表ライナーの表面に、文字、図形、記号、模様等を表
   面に表わした塗布ロールを用いて、ポリビニルアルコー
   ルとＳＢＲを含む水性エマルジョンからなる防滑剤を塗
   布し；該表ライナーを表ライナーの裏面方向から加熱し
   て前記表ライナー表面に防滑性樹脂の平坦な光沢のある
   濃淡皮膜を形成せしめ；事後常法により前記表ライナー
   と片面段ボールシートとの段頂接着を行なうことを特徴
   とする美粧防滑性段ボールシートの製法。