JPS5946292B2 - 連続焼鈍炉用冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は連続焼鈍炉内で加熱された鋼板を所定温度まで
冷却する連続焼鈍炉用冷却装置に関する。

連続焼鈍炉に用いられる冷却装置では所定間隔をへだて
た一対のキャリアロールが複数組設けられており、これ
らのロールへ連続的に通板される鋼板の両側にはプレナ
ムチャンバーが設けられている。

これらのプレナムチャンバーからは冷却ガスが鋼板の表
裏へ噴射されて所定温度まで鋼板を冷却するようになっ
ている。

ところがこのような冷却装置においては、一対のキャリ
アロール間の鋼板に冷却むら等によって鋼板の変形が生
じて通板中の鋼板がプレナムチャンバーへ接触する不具
合を有している。

本発明は上記事実を考慮し、一対のキャリアロール間の
鋼板の変形を最小限にしつつ鋼板の振れを防止して鋼板
がプレナムチャンバーへ接触する不具合を解消すること
ができる連続焼鈍炉用冷却装置を提供することが目的で
ある。

本発明に係る連続焼鈍炉用冷却装置は一対のキャリアロ
ール間にガイドロールを設けてキャリアロール間の鋼板
へ接触して振れ止めを成し、さらにこのガイドロールに
は鋼板との接触により両者間において熱の授受が生じな
いよう鋼板温度の予測演算装置または、鋼板の温度検出
器により制御される加熱装置が設けられ、ガイドロール
の温度が鋼板温度に接近されて鋼板の形状を確保するよ
うになっている。

以下本発明の実施例を図面に従い説明する。

第１図において箱状に形成されたケーシング１０は上下
方向に配置されて竪型となっており、上部に＆明示しな
ｔ’７７０熱帯、均熱帯と連通される入口開口１２が設
けられており、下端部には図示しない他の冷却帯に連通
される出口開口１４が設けられている。

このケーシング１０の上端部付近に設けられた入口キャ
リアロール１６には図示しない加熱帯、均熱帯で均熱さ
れた鋼板１８が巻き掛けられている。

この鋼板１８はケーシング１０の中間部を垂下した後に
ケーシング１０の下端部に設けられた出口キャリアロー
ル２０へ巻き掛けられており、出口開口１４から図示し
ない他の冷却帯へ通板されるようになっている。

ケーシング１０の内部には鋼板１８の表裏面に接近して
上部プレナムチャンバー２２及び下部プレナムチャンバ
ー２４が設置されている。

これらのプレナムチャンバー２２，２４には図示しない
クーラーで冷却された冷却ガスが充填されて、鋼板１８
に面する側に穿設された複数の開口から鋼板１８へ噴射
されて鋼板１８を冷却するようになっている。

ケーシング１０の中間部にはキャリアロール１６．２０
０間に一対のガイドロール２６，２８が設げられている
。

これらのガイドロール２６゜２８は軸方向から見た場合
に第２図に示される如く鋼板１８がこれらのガイドロー
ルの接線となる位置から鋼板に対して前後各１００ｉｉ
移動できるように配置されている。

またガイドロール２６はガイドロール２８よりもその軸
心が若干上方とされている。

また予測演算器３４は与えられた焼鈍炉の操業条件に基
づいてロール２６，２８へ接触している部分の鋼板１８
の温度を予測演算し、電力調節器３２を制御してロール
２６．２Ｂの温度を予測温度に近づけるようになってい
る。

すなわち、予測演算器３４には焼鈍仕様発生器、処理装
置、律速選択器、プレナムチャンバー圧力設定器、鋼板
温度演算器等が内蔵されており、焼鈍仕様発生器では鋼
板の寸法、ヒートパターン等の焼鈍仕様を処理装置へ送
り、この処理装置でケーシングの人出口開口の各温度及
びクーリングレート（一例として３０℃／ ｓｅｃ〜４
５℃／ ｓｅｅ ）に基づいてこのケーシング内の鋼板
１８を移動できる最大のライン速度を演算するようにな
っている。

処理装置では前記焼鈍仕様に基いて、加熱帯、均熱帯等
の合否における鋼板の最大ライン速度を算出し、律速選
択器が合否の最大ライン速度のうち最も低いライン速度
をこの連続焼鈍炉の律速として選択し、これに基いてプ
レナムチャンバーのゾーン数選択、圧力設定がなされ、
これと共に鋼板温度演算器が律速時のクーリングレート
、プレナムチャンバー冷却仕様、冷却帯人出口温度等に
基いてロール２６，２８に接する鋼板温度を演算するよ
うになっている。

前記ガイドロール２６，２８には中空部３６が形成され
ており、この中空部３６の内周面に側温体である熱電対
３８が固着されている。

この熱電対３８はガイドロール２６，２８の軸心部を軸
方向に案内された後に第２図に示される切換スイッチ４
４、電力調整器４６へ接続されている。

なおガイドロール２６．２８の内部には第３図に示され
る如く熱電対３８が通過する為の開口が設けられた円板
状の支持板４０が固着されている。

第２図に示される如（ロール２６．２８の上流側にある
鋼板１８の付近には鋼板の温度検出器４２が設げられて
おり、この出力信号を切換スイッチ４５を介して電力調
整器３２へ送るようになっている。

ここに鋼板の温度検出器４２は必要に応じて予測演算器
３４に代えて電力調整器３２を制御できるようになって
おり、温度検出器４２０入力をセットポイント値として
電力調節器３２を制御するようになっている。

すなわち温度検出器４２で計測されたセットポイントで
ある鋼板温度とロール温度とが比較され、その偏差に応
じて出力信号を電力調節器３２へ送るようになっている
。

従って電力調節器３２はヒータ３０を加熱してロール２
６，２Ｂをこれらのロールに通板される鋼板温度と等し
くなるように加熱することができるようになっている。

このように構成された本実施例は第１図に示される如く
鋼板１８が図示しない加熱帯、均熱帯で加熱された後に
入口開口１２を通って冷却装置へ通板され、入口キャリ
アロール１６と出口キャリアロール２０との間でプレナ
ムチャンバー２２゜２４からの冷却ガスによって冷却さ
れて所望の熱処理を受けるようになっている。

ここに入口キャリアロール１６と出口キャリアロール２
０との間の鋼板１８は鋼板と同温度に調節された一対の
ガイドロール２６，２８へ接触しながら通過する為キャ
リアロール１６，２０間の鋼板に変形が生じることはな
く、鋼板１８がプレナムチャンバー２２．２４に接触す
ることを防止できる。

すなわち、本実施例においては第２図で示される回路図
によりガイドロール２６，２８が通板される鋼板１８の
温度と等しくなるように予測演算された、又は実測され
た鋼板温度に基づいてヒータ３０で加熱される為、ガイ
ドロールに２６，２８と鋼板１８との間に熱の授受がな
（鋼板１８はその幅方向に歪を発生することがなく良好
な形状が保証される。

即ち鋼板１８がガイドロール２６゜２８の軸方向に偏倚
した場合、または鋼板の幅寸法が変更された場合にも鋼
板はその軸方向において均一な温度が確保されることに
なり、従来の如（鋼板の幅方向両端部がロールの両端低
温部に接触することによる鋼板のバックリング発生を防
止することができる。

なお上記実施例においては一対のガイドロール２６．２
８の軸心が上下にずれた配置について説明したが、本発
明はこれに限らず、一対のガイドロールが一対のキャリ
アロール間において鋼板に接触して鋼板の変形を吸収で
きる配置であれば全て適用可能である。

また、温度検出器４２による測温結果を予測演算器３４
へ入力して学習制御をさせることにより、より迅速にロ
ール温度を鋼板温度に近づけることが可能である。

なお上記ガイドロールは上下のキャリアロール間の距離
によって一本あるいは複数本であってもよい。

さらに上記実施例において入口キャリアロール１６及び
出口キャリアロール２０にも予測演算器、鋼板の温度検
出器、熱電対、ヒータ、温度制御装 。

置等を設けて通板される鋼板の温度に接近するべく加熱
することが望ましい。

以上説明した如く本発明に係る連続焼鈍炉用冷却装置は
キャリアロール間にガイドロールを設けたので通板され
る鋼板の変形が解消されて適切に鋼板を案内することが
でき、更にガイドロールは鋼板と接触するがガイドロー
ルには加熱装置を設けると共に鋼板温度を予測してガイ
ドロールを通板する鋼板温度に近づける為に鋼板の幅方
向の歪を防止し冷却処理を確実、かつ高品質に行なうこ
とが可能となる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る連続焼鈍炉用冷却装置の実施例を
示す断面側面図、第２図は本実施例の温度制御用の回路
図、第３図はガイドロールの一部断面図である。 １６．２０・・・・・・キャリアロール、２６，２８・
・・・・・ガイドロール、３０・・・・・・ヒータ、３
２−・−・・・電力調節器、３４・・・・・・予測演算
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所定間隔をへだてて上下に配置されるキャリアロー
   ルへ鋼板を巻き掛けて通板しながら連続焼鈍を行う連続
   焼鈍炉用冷却装置において、前記キャリアロールの間に
   配置されて通過する鋼板に接触し振れ止めをなすガイド
   ロールと、このガイドロールの加熱装置と、前記ガイド
   ロールの入側の鋼板温度を予測する予測演算装置と、こ
   の予測演算装置の出力信号に基づいて前記加熱装置の電
   力を制御しガイドロールを鋼板温度に近づける電力制御
   装置と、を設げた連続焼鈍炉用冷却装置。