JPH0726332A - 金属帯冷却装置 - Google Patents

金属帯冷却装置

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JPH0726332A
JPH0726332A JP19389093A JP19389093A JPH0726332A JP H0726332 A JPH0726332 A JP H0726332A JP 19389093 A JP19389093 A JP 19389093A JP 19389093 A JP19389093 A JP 19389093A JP H0726332 A JPH0726332 A JP H0726332A
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Masayuki Yamazaki
雅之 山崎
Koji Omori
宏次 大森
Hiroshi Sawada
弘 澤田
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Nippon Kokan Ltd
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノズルヘッダによる金属帯の冷却の際、板幅
変更部の進入時にも上記板幅方向不均一温度分布が発生
しないようにせんとするものである。 【構成】 金属帯Xの板幅変更における最大板幅Wma
xのエッヂ部と同最小板幅Wminのエッヂ部に亘る範
囲で、金属帯Xの幅よりも狭く金属帯幅方向に連結され
た複数のヘッダ本体10a〜10iで構成される冷却ガス噴出
用のノズルヘッダ10を有するガス冷却装置1aと、各ノズ
ルヘッダの(例えば弁20a〜20i等から成る)冷却ガス供
給及び圧力・流量調整を個別に行うガス調整装置2aとを
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は連続熱処理ライン等に
おける金属帯冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば連続焼鈍炉におけるガスジェット
冷却及びロール冷却設備では、しばしば金属帯幅方向で
図13に示すように、w型の温度分布の不均一な部分が
発生し、材質不均一、座屈・形状不良等の品質或いは通
板性において問題を生じている。そのため、平面構成の
ガスジェットノズルを金属帯幅方向に複数分割して設け
られたガスジェット冷却装置が用いられている。或いは
図14に示される様に複数の冷却ロールα1〜α4にかけ
回しつつその接触面で金属帯Xの冷却を行う装置に、冷
却ロールα1〜α4と対向して配置されたガスジェット装
置13a〜13dを図15に示される様に金属帯Xの全板幅方
向に複数個に分割14a〜14eし、かつその分割区分毎にガ
ス流調弁26a〜26eを備え、前図に示す金属帯Xの板幅方
向の温度分布を検知する板温計5a〜5dから板幅方向の平
均温度に対する板幅方向の個々の点における温度差を演
算し、この温度差が許容限度を超えたとき、その板幅方
向の位置を検出し、この位置に対応するガス流調弁26a
〜26eを調整する板温制御装置6a〜6dとで構成された金
属帯の冷却装置が用いられている(特開昭60−169
524号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の構成を実機設備
に適用してガス冷却のみを行った場合、冷却すべき位置
とノズル口の位置が一致しなかったり、ノズル口間にお
けるガス噴出のない領域では冷却効果の弱い部分が発生
する場合があり、効果的な金属帯板幅方向の不均一温度
分布の解消が望めないことが多かった。
【0004】そのためこのような固定ノズルヘッダの金
属帯全幅に亘る複数分割構成ではなく、幅狭のノズルヘ
ッダを複数用意し、これらを金属帯板幅方向に自由に移
動できる構成とし、温度分布の不均一な箇所に該ノズル
ヘッダを移動させてホットポイント等を集中的にガス冷
却せしめる構成の検討がなされた。
【0005】このような構成によって、金属帯板幅方向
の不均一温度分布がある程度解消できることになった
が、板幅が変わる金属帯接続部の進入した直後に、板両
エッヂ部並びに板中央部が板幅方向平均板温に対し高く
なるw型の板温プロフィルからなる不均一温度分布が再
び現れ、ノズルヘッダの移動が完了するまでの間、この
ような不均一温度分布によって発生する材質不均一、座
屈・形状不良等が放置されたままとなっていた。この傾
向は、特に前記ロール冷却設備において顕著に現れてい
る。
【0006】本発明は以上のような板幅変更部の進入時
におけるノズルヘッダの移動遅れ(レスポンスの悪さ)
の無い構成を検討した結果創案されたもので、新たな金
属帯冷却装置の構成を提供し、これにより板幅変更部の
進入時にも上記板幅方向不均一温度分布が発生しないよ
うにせんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため本発明の金属帯
冷却装置は、図1に示されるように、金属帯Xの板幅変
更における最大板幅Wmaxのエッヂ部と同最小板幅W
minのエッヂ部に亘る範囲で、金属帯Xの幅よりも狭
く金属帯幅方向に連結された複数のヘッダ本体10a〜10i
で構成される冷却ガス噴出用のノズルヘッダ10を有する
ガス冷却装置1aと、各ノズルヘッダの(例えば弁20a〜2
0i等から成る)冷却ガス供給及び圧力・流量調整を個別
に行うガス調整装置2aとを有することを基本的特徴とし
ている。
【0008】上記構成では、ガス調整装置2aによるガス
供給切換えによって、板幅変更時に即座に変更後の金属
帯エッヂ部に相当する位置にあるノズルヘッダ10に冷却
ガスが供給され、ノズルヘッダを移動させることで発生
していたエッヂ部冷却タイミングの遅れをなくすことが
できるようになる。その際のより望ましい制御方法とし
ては、板幅の異なる金属帯の接続点近傍において、幅広
材から幅狭材へ移行する場合は、図2(a)に示すよう
に、幅広材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10cと予め幅
狭材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10dを使用し、板幅
変更部通過後は幅狭材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10
dのみを使用するものとし、反対に幅狭材から幅広材へ
移行する場合は、同図(b)に示すように、幅狭材エッ
ヂ部冷却用のノズルヘッダ10dの他に予め幅広材エッヂ
部冷却用のノズルヘッダ10cを使用し、板幅変更部通過
後は幅広材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10cのみを使
用することによって、金属帯長手方向の板温外れの長さ
を最小化でき、且つそれによって本金属帯冷却装置以降
の熱処理炉での金属帯の蛇行等の防止を図ることができ
る。尚金属帯エッヂ部がノズルヘッダの最外側付近にあ
る時は最外側のノズルヘッダの他更にその内側のノズル
ヘッダを使用する場合もある。
【0009】以上の構成は更に金属帯板幅方向における
w型の温度分布不均一でエッヂ部以外で温度の高い板幅
方向中央部の冷却を妨げるものではなく、そのため第2
発明では、上記ガス冷却装置として、前記ノズルヘッダ
と共に、それと同一構成の中央ノズルヘッダ(該中央ノ
ズルヘッダは1つのヘッダ本体だけで構成することも可
能である)を、金属帯板幅方向略中央部に配置させ、ま
た前記ガス調整装置についても、エッヂ部側に配された
各ノズルヘッダの冷却ガス供給及び圧力・流量調整を個
別に行うと共に、前記中央ノズルヘッダの冷却ガス圧力
・流量調整も併せて行う構成とする。
【0010】また上記w型の温度分布不均一が発生する
ポイントが、金属帯を冷却ロールに接触させて冷却する
ロール冷却設備でのロール冷却中に集中しており、その
ため上記構成は、該冷却ロール背面に前記ガス冷却装置
のノズルヘッダ又は該ノズルヘッダと中央ノズルヘッダ
を配して適用されることになる。その場合接触長調整の
ために冷却ロールは移動するので、その移動方向に該ノ
ズルヘッダ又はこのノズルヘッダと中央ノズルヘッダを
移動自在な構成とする必要がある。
【0011】更に上記構成は、ロール冷却設備の背面冷
却ばかりではなく、該設備の入側及び/又は出側に設け
られて、そのロール冷却構成の補助冷却として適用する
こともできる。冷却負荷が大きな条件(板厚、速度或い
は冷却温度量が大きな条件)下で、上記ロール冷却設備
のロール背面冷却構成にて板幅方向板温偏差の解消が困
難な場合に、そのような補助冷却構成を用いると良い。
特にロール冷却設備における金属帯エッヂ部や中央部の
冷却不足の原因として該金属帯の鞍型変形があるが、ロ
ール冷却設備の入側でこのような補助ガス冷却構成によ
り予め金属帯エッヂ部を冷却しておくことによって鞍型
変形を小さくすることができ、ロール冷却設備での板幅
方向不均一温度分布を改善することができる。
【0012】一方金属帯の両エッヂ部に生ずる板幅方向
平均板温に対する板温偏差部分の長さは、比較的狭い。
また次式数4で定義される金属帯エッヂ部の平均板温偏
差ΔTは、図3に示される様に冷却幅および板厚によっ
て大きく変化する。そのため同図より次式数1及び数2
に示されるように、板厚t(mm)に応じてエッヂ部冷
却用のノズルヘッダの個々の幅Beを設定することによ
り、板温偏差を最小にすることができる(尚金属帯の板
厚が一定でなく、1.0mm〜2.0mmのようにある範囲を
持っている場合は最大板厚の場合を基にこのノズルヘッ
ダの幅Beを決定する)。
【0013】
【数4】
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】金属帯中央部に生ずる板幅方向平均板温に
対する板温偏差部分の長さは図4に示される範囲内にあ
り、冷却ロールのロール背面に設置された中央ノズルヘ
ッダやロール冷却設備入側及び/又は出側に設置された
中央ノズルヘッダの各ノズルヘッダの幅合計Bc(1つ
のヘッダ本体で構成される場合の中央ノズルヘッダの幅
を含む)は、下式数3の式で得られるものを選定するこ
とにより、板幅方向中央部に生ずる板温偏差を最小限に
収めることができ、板温分布の均一化が図られる。
【0017】
【数3】
【0018】また本発明では、金属帯板幅変更部の情報
を予め得ておき、それを基にしたフィードフォワード制
御で、上記構成の制御を実施することができる。即ち上
記構成を備える他、金属帯エッヂ部を検出する金属帯端
部検出器と、該検出信号に基づいて冷却ガス供給のなさ
れるノズルヘッダの選定を行い前記ガス調整装置を制御
する選定制御装置とを装備することによって、板幅変更
があった時に選定制御装置により、冷却ガス供給のなさ
れるべきノズルヘッダの選定を瞬時に行い、該ノズルヘ
ッダへの冷却ガス供給変更ができるようになる。
【0019】以上の板幅変更時のノズルヘッダの冷却ガ
ス吹き出し位置制御は、上述のようにフィードフォワー
ド制御により行わなければならないが、前記w型の板幅
方向不均一温度分布を改善するための手段は、フィード
フォワード制御でも或いはフィードバック制御でも実施
することができる。即ち板幅方向平均板温に対するホッ
トポイントの板温偏差を解消するためには、その板温偏
差に応じて冷却ガス圧力及び/又は流量調整を行う必要
があるが、その調整は板温偏差を求める位置によって、
フィードフォワード方式でもフィードバック方式でも実
行できる。従って本発明では、上記構成を備えると共
に、前記ノズルヘッダや中央ノズルヘッダの入側(フィ
ードフォワード式)及び/又は出側(フィードバック
式)に配した金属帯板幅方向の温度分布を測定する板温
計と、該測定値から平均板温を演算して更に該平均板温
との板幅方向板温偏差を算出し、該板温偏差に応じて冷
却ガス供給の行われているノズルヘッダや中央ノズルヘ
ッダの冷却ガス圧力・流量調整を前記ガス調整装置に行
わしめる板温制御演算装置とを備えるものとし、以上の
構成で板温分布均一化が達成されることになる。
【0020】従来技術として示した冷却ロールに対向さ
せ金属帯幅方向に1つのノズルヘッダ全体を単に複数個
に分割して設置されたガスジェット装置の構成を用いて
冷却した場合と本発明のそれとの比較を図5に示す。同
図は金属帯エッヂ部近傍の板温分布を描いたものである
が、本発明は従来技術に比べ過冷却の領域も少なく板温
分布の均一化が図られていることがわかる。尚、この時
の実験条件を下記表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】また従来技術と本発明の運転費の比較を図
6に示す。冷却ガス風量の大幅な削減及び弁等の数量削
減により、同図に示される様に運転費の削減が可能とな
る。
【0023】
【実施例】本発明の金属帯冷却装置の一実施例構成を図
7乃至図11より説明する。
【0024】図7は本発明の一実施例に係る金属帯冷却
装置を側面から見た説明図である。加熱均熱後徐冷され
た金属帯Xは、金属帯冷却装置の前後に設置したブライ
ドルロールε1〜ε2とε3〜ε4により、この冷却装置部
分にある金属帯Xに張力が付与される。
【0025】この張力の付与された金属帯Xは、該金属
帯Xと接触長変更可能な冷却ロールα1及びα2に巻き付
けられながら冷却される。本ロール冷却設備では金属帯
幅方向に不均一温度分布が生じ易く、またその前段のガ
スジェット帯(図示無し)でそのような不均一温度分布
が生じていた場合はこのロール冷却設備でそれが助長さ
れることになるため、本実施例では以下に示す金属帯冷
却装置の構成でロール背面冷却を行う。
【0026】本実施例構成では、冷却ロールα1、α2
背面に設置されて板エッヂ部及び中央部冷却用のノズル
ヘッダ群10a〜10s、11a〜11sを有するガス冷却装置1a
と、冷却ロール群α1、α2の出側に設置された同じく板
エッヂ部及び中央部冷却用のノズルヘッダ群12a〜12sを
有する補助ガス冷却装置1bと、これらのノズルヘッダへ
の冷却ガス供給及びそのガス圧力調整を各別に行う圧力
調整弁20a〜20s、21a〜21s、22a〜22s並びにガス供給ブ
ロワ23a〜23dを有するガス調整装置2a〜2dと、本金属帯
冷却装置の入口および出口付近に設置された金属帯端部
検出器3a、3bと、金属帯端部検出器3a、3bの検出信号に
基づいて前記圧力調整弁20a〜20s、21a〜21s、22a〜22s
の中のガス噴出を行うべきものの選定を行いその弁の開
閉を制御する選定制御装置4と、冷却ロール群の出側に
配置し、金属帯幅方向の温度分布を検出する板温計5
と、この板温計5からの測定信号に基づいて上記ガス調
整装置1a、1bの圧力調節弁20a〜20s、21a〜21s、22a〜2
2sの開度或いはガス調整装置のガス供給ブロワ23a〜23d
の回転数のうち少なくともその一方の制御を行なう板温
制御演算装置6a、6bとを有している。その他本実施例で
は、冷却ロールの移動で金属帯Xとの接触長調整を行う
というロール冷却設備の特殊性から、各冷却ロール
α1、α2の位置並びに冷却ロール接触長調整装置7a、7b
からの信号により、上記ノズルヘッダ群10a〜10s、11a
〜11sを冷却ロール移動方向で位置調整する進退調整装
置8a、8bを備えている。
【0027】以上の構成で使用すべきノズルヘッダを選
定する選定制御装置4は、前記金属帯端部検出器3a、3b
からの信号に基づいて上記ノズルヘッダ群10a〜10s、11
a〜11s、12a〜12sの金属帯エッヂ部側に位置するノズル
ヘッダの圧力調整弁20a〜20s、21a〜21s、22a〜22sの選
定を行い、且つ選定された弁に対してその開閉指令を送
る。
【0028】一方、冷却ロールα1、α2の金属帯接触長
の調整については、ロール冷却装置の出側に設置された
板幅方向の温度分布の検知が可能な板温計5からの測定
信号に基づいて、板幅方向の平均温度が板温制御演算装
置6aにより求められ、金属帯Xに対し所定の熱処理を実
施するために設定された目標温度とこの平均温度とが板
温制御演算装置6aで比較され、その偏差に対応して該板
温制御演算装置6aから冷却ロール接触長調整装置7a及び
7bに信号が送られ、その接触長調整がなされることにな
る。
【0029】更に、本実施例構成では金属帯Xの板幅の
異なる接続部近傍を除いた領域において、板温計5から
の測定信号を入力した板温制御演算装置6a、6bによっ
て、板両エッヂ部温度及び板中央部温度を求め、これら
と前記板幅方向平均板温とが比較される。そしてその偏
差に対応して板温制御演算装置6a、6bはガス供給ブロワ
23a〜23dの回転数制御或いは圧力調節弁20a〜20s、21a
〜21s、22a〜22sの開度調整のうち少なくとも一方を用
いて各ノズルヘッダ内部冷却ガス圧力(圧力計は省略)
を調整する。以上の調整により冷却ロールに対向して設
置されたガス冷却装置のノズルヘッダ群10a〜10s、11a
〜11s及び冷却ロール群α出側に設置された補助ガス冷
却装置1bのノズルヘッダ群12a〜12sから噴出されるガス
により金属帯Xの板両エッヂ部並びに板中央部が冷却さ
れることになる。
【0030】これらのノズルヘッダ群10a〜10s、11a〜1
1sは、冷却ロールα1、α2の位置並びに冷却ロール接触
長調整装置7a、7bからの信号により、前記進退調整装置
8a、8bによって冷却ロール移動方向で位置調整される。
尚上記ノズルヘッダ群10a〜10s、11a〜11sは冷却ロール
α1、α2の最大巻付角の位置において金属帯Xとノズル
ヘッダ間の距離を適切に確保できる位置に固定されてい
てもよい。
【0031】金属帯Xの板幅の異なる接続部近傍では、
金属帯Xの両端部ならびに中央部に対して前述した板温
計5からの信号に基づく板温制御演算装置6a、6bによる
板温制御を行なうと共に、前記金属帯端部検出器3a、3b
の検出信号から選定制御装置4は次サイズの金属帯情報
(換言すればサイズ変更情報)を得、それに基づいて冷
却ガス供給のなされるエッヂ側ノズルヘッダ及び中央ノ
ズルヘッダの選定を行い(本実施例の場合中央ノズルヘ
ッダは1つしかないので当然この1つが選定される)、
前記ガス調整装置2a〜2dを制御する。従って上記構成で
は、板幅変更があった時に選定制御装置4により、冷却
ガス供給のなされるべきノズルヘッダの選定を瞬時に行
い、選定されたヘッダの前記圧力調整弁20a〜20s、21a
〜21s、22a〜22s(但し20j、21j、22jの弁を除く)の開
閉操作を行うことで該ノズルヘッダへの冷却ガス供給変
更ができるようになる。より具体的には、幅広材から幅
狭材へ移行する場合は、前述した図2(a)に示すよう
に、幅広材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10cと予め幅
狭材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10dを使用し、板幅
変更部通過後は幅狭材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10
dのみを使用するものとし、反対に幅狭材から幅広材へ
移行する場合は、同図(b)に示すように、幅狭材エッ
ヂ部冷却用のノズルヘッダ10dの他に予め幅広材エッヂ
部冷却用のノズルヘッダ10cを使用し、板幅変更部通過
後は幅広材エッヂ部冷却用のノズルヘッダ10cのみを使
用するものとする。
【0032】尚図7においては、ノズルヘッダへ供給す
る冷却源25a〜25dとして、炉内雰囲気ガスを使用してい
る。該冷却源25a〜25dから供給されたガスは、熱交換器
24a〜24dを通り、冷却ガス供給ブロワ23a〜23dで所定の
圧力に昇圧される。場合によっては熱交換器やブロワの
代わりに高圧冷却ガス供給源(例えばレシーバタンク)
をそのまま使用しても良い。
【0033】図8及び図9は冷却ロールに対向して配置
されたガス冷却装置1aのノズルヘッダ群10a〜10s、11a
〜11sの斜視図である(尚この図面では前記進退調整装
置8a、8bは省略)。このうち、図8及び図9(a)に示
された中央ノズルヘッダ10j、11jは金属帯中央部の冷却
に用いられ、又、図8及び図9(b)に示されたエッヂ
部用のノズルヘッダ10a〜10g及び11a〜11gは金属帯エッ
ヂ部の冷却に用いられるものである。
【0034】金属帯Xの両エッヂ部冷却用のノズルヘッ
ダ群と中央部冷却用の中央ノズルヘッダとの間は、構造
的に連結されてはいるが、金属帯Xに吹き付けられた冷
却ガスの排出口になる開口部13が設けられており、前記
冷却ガスはノズルヘッダ後面に抜け出ることができる。
このような開口部を設けることで冷却効率が向上し、冷
却ガスの削減が更に図れる。
【0035】またエッヂ部側冷却用のノズルヘッダ群の
設置個数は、単に最大幅と最小幅の金属帯Xを冷却可能
な個数だけに絞られて設置されているわけではない。金
属帯Xは本来ロール冷却設備の中央位置のみを走行する
のが理想であるが、板形状、冷却ムラ、絞り等の理由で
蛇行する場合があることが良く知られている。このため
本実施例ではこの蛇行代として、片側50〜100mm
冷却幅拡大を見込んでその個数を選定している。
【0036】図10及び図11は冷却ロール群の直後に
設置され、且つ金属帯Xに対向して配置された補助ガス
冷却装置1bのノズルヘッダ群12a〜12sの斜視図である。
このうち中央ノズルヘッダ12jは金属帯中央部の冷却に
用いられ、又両エッヂ部側のノズルヘッダ12a〜12i及び
12k〜12sは金属帯エッヂ部の冷却に用いられるものであ
る。尚この構成においても、両エッヂ部側ノズルヘッダ
と中央ノズルヘッダとの間には開口部14が設けられてお
り、一旦金属帯Xに吹き付けられた冷却ガスの排出が効
率的になされることになる。
【0037】上記実施例構成では、金属帯板幅変更が生
じた時に、即座に変更後の金属帯エッヂ部に相当する位
置にあるノズルヘッダに冷却ガスが供給され、ノズルヘ
ッダを移動させることで発生していたエッヂ部冷却タイ
ミングの遅れをなくすことができるようになる。
【0038】図12は、ロール冷却設備の入側に補助ガ
ス冷却装置1bを備えた第2実施例構成を示す説明図であ
る。この構成によれば、ロール冷却設備に進入する直前
に板幅方向温度分布を制御することが可能であり、進入
初期の段階で鞍型変形が起き、更にそれを原因としてそ
の後助長される板幅方向不均一温度分布及び板変形も、
該進入直前に温度分布が制御されることで軽減されるこ
とになり、より優れた効果が得られることになる。
【0039】
【発明の効果】以上の本発明に係る金属帯冷却装置によ
れば、板幅変更部の進入時にも上記板幅方向不均一温度
分布が発生せず、材質不均一、座屈・形状不良、及び蛇
行等が生じなくなって、広範囲な金属帯のサイズに対し
て板幅方向に均一且つ急速な冷却が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す説明図である。
【図2】金属帯の板幅が異なる接続部近傍におけるエッ
ヂ部のノズルヘッダの配置を示す説明図である。
【図3】金属帯エッヂ部の冷却幅とエッヂ部付近の平均
板温偏差の関係を示すグラフである。
【図4】金属帯中央部の板温偏差とその範囲を示すグラ
フである。
【図5】金属帯エッヂ部の板温分布を示すグラフであ
る。
【図6】本発明と従来技術の使用電力量による運転費の
相対比較を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例を示す金属帯冷却装置の側面
図である。
【図8】冷却ロールに対向して配置されたガス冷却装置
のノズルヘッダの斜視図である。
【図9】上記ノズルヘッダの部分拡大断面図である。
【図10】冷却ロール群の出側に設置された補助ガス冷
却装置のノズルヘッダの斜視図である。
【図11】上記ノズルヘッダのガス噴出面側の状態を示
す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す説明図である。
【図13】冷却ロールのみで冷却した場合の板幅方向の
板温分布を示すグラフである。
【図14】従来技術の一例を示す金属帯の冷却装置の側
面図である。
【図15】従来例で用いられるガスジェット装置の構成
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1a ガス冷却装置 1b 補助ガス冷却装置 2a、2b ガス調整装置 3a、3b 金属帯端部検出器 4 選定制御装置 5 板温計 6 板温制御演算装置 7a、7b 接触長調整装置 8a、8b 進退調整装置 10a〜10s、11a〜11s、12a〜12s ノズルヘッダ 13、14 開口部 20a〜20s、21a〜21s、22a〜22s 圧力調整弁 23a〜23d 冷却ガス供給ブロワ 24a〜24d 熱交換器 25a〜25d 冷却ガス供給源 X 金属帯 α1、α2 冷却ロール ε1〜ε4 ブライドルロール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯最大板幅のエッヂ部と同最小板幅
    のエッヂ部に亘る範囲で、金属帯の幅よりも狭く金属帯
    幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成される冷却
    ガス噴出用のノズルヘッダを有するガス冷却装置と、各
    ノズルヘッダの冷却ガス供給及び圧力・流量調整を個別
    に行うガス調整装置とを有することを特徴とする金属帯
    冷却装置。
  2. 【請求項2】 金属帯最大板幅のエッヂ部と同最小板幅
    のエッヂ部に亘る範囲で、金属帯の幅よりも狭く金属帯
    幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成される冷却
    ガス噴出用のノズルヘッダを有すると共に、金属帯板幅
    方向略中央部に配置され、金属帯の幅よりも狭く1つの
    又は金属帯幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成
    されるガス噴出用の中央ノズルヘッダを有するガス冷却
    装置と、エッヂ部側に配された各ノズルヘッダの冷却ガ
    ス供給及び圧力・流量調整を個別に行うと共に、前記中
    央ノズルヘッダの冷却ガス圧力・流量調整も併せて行う
    ガス調整装置とを有することを特徴とする金属帯冷却装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項第1項乃至第2項記載の金属帯冷
    却装置において、金属帯を冷却ロールに接触させて冷却
    するロール冷却設備における該冷却ロール背面に、前記
    ガス冷却装置のノズルヘッダ又は該ノズルヘッダと中央
    ノズルヘッダを配し、且つ接触長調整のために移動する
    冷却ロールの移動方向にこれらを移動自在としたことを
    特徴とする請求項第1項乃至第2項記載の金属帯冷却装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項第1項乃至第2項記載の金属帯冷
    却装置において、金属帯を冷却ロールに接触させて冷却
    するロール冷却設備の入側及び/又は出側に、前記ガス
    冷却装置のノズルヘッダ又は該ノズルヘッダと中央ノズ
    ルヘッダを配したことを特徴とする請求項第1項乃至第
    2項記載の金属帯冷却装置。
  5. 【請求項5】 請求項第1項乃至第4項記載の金属帯冷
    却装置において、前記ガス冷却装置の1つのノズルヘッ
    ダの幅Beを下記数1又は数2に示す幅にしたことを特
    徴とする請求項第1項乃至第4項記載の金属帯冷却装
    置。 【数1】 6≦Be≦45 但し t<1.3mm 【数2】 12t−9.6≦Be≦16.4 但し t≧1.3mm Be:1つのノズルヘッダ幅(mm) t :金属帯板厚(mm)
  6. 【請求項6】 請求項第2項乃至第4項記載の金属帯冷
    却装置において、前記ガス冷却装置の中央ノズルヘッダ
    の幅合計Bcを下記数3に示す幅にしたことを特徴とす
    る請求項第2項乃至第4項記載の金属帯冷却装置。 【数3】 0.09B≦Bc≦0.27B 但し Bc:中央ノズルヘッダ幅の合計値(mm) B :金属帯の幅
  7. 【請求項7】 金属帯最大板幅のエッヂ部と同最小板幅
    のエッヂ部に亘る範囲で、金属帯の幅よりも狭く金属帯
    幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成される冷却
    ガス噴出用のノズルヘッダを有するガス冷却装置と、各
    ノズルヘッダの冷却ガス供給及び圧力・流量調整を個別
    に行うガス調整装置と、金属帯エッヂ部を検出する金属
    帯端部検出器と、該検出信号に基づいて冷却ガス供給の
    なされるノズルヘッダの選定を行い前記ガス調整装置を
    制御する選定制御装置とを有することを特徴とする金属
    帯冷却装置。
  8. 【請求項8】 金属帯最大板幅のエッヂ部と同最小板幅
    のエッヂ部に亘る範囲で、金属帯の幅よりも狭く金属帯
    幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成される冷却
    ガス噴出用のノズルヘッダと、金属帯板幅方向略中央部
    に配置され、金属帯の幅よりも狭く1つの又は金属帯幅
    方向に連結された複数のヘッダ本体で構成されるガス噴
    出用の中央ノズルヘッダとを有するガス冷却装置と、エ
    ッヂ部側に配された各ノズルヘッダの冷却ガス供給及び
    圧力・流量調整を個別に行うと共に、前記中央ノズルヘ
    ッダの冷却ガス圧力・流量調整も併せて行うガス調整装
    置と、金属帯エッヂ部を検出する金属帯端部検出器と、
    該検出信号に基づいて冷却ガス供給のなされるノズルヘ
    ッダの選定を行い前記ガス調整装置を制御する選定制御
    装置とを有することを特徴とする金属帯冷却装置。
  9. 【請求項9】 金属帯最大板幅のエッヂ部と同最小板幅
    のエッヂ部に亘る範囲で、金属帯の幅よりも狭く金属帯
    幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成される冷却
    ガス噴出用のノズルヘッダを有するガス冷却装置と、各
    ノズルヘッダの冷却ガス供給及び圧力・流量調整を個別
    に行うガス調整装置と、金属帯エッヂ部を検出する金属
    帯端部検出器と、該検出信号に基づいて冷却ガス供給の
    なされるノズルヘッダの選定を行い前記ガス調整装置を
    制御する選定制御装置と、前記ノズルヘッダの入側及び
    /又は出側に配した金属帯板幅方向の温度分布を測定す
    る板温計と、該測定値から平均板温を演算して更に該平
    均板温との板幅方向板温偏差を算出し、該板温偏差に応
    じて前記ガス調整装置におけるノズルヘッダの冷却ガス
    圧力・流量調整を行わしめる板温制御演算装置とを有す
    ることを特徴とする金属帯冷却装置。
  10. 【請求項10】 金属帯最大板幅のエッヂ部と同最小板
    幅のエッヂ部に亘る範囲で、金属帯の幅よりも狭く金属
    帯幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成される冷
    却ガス噴出用のノズルヘッダと、金属帯板幅方向略中央
    部に配置され、金属帯の幅よりも狭く1つの又は金属帯
    幅方向に連結された複数のヘッダ本体で構成されるガス
    噴出用の中央ノズルヘッダとを有するガス冷却装置と、
    エッヂ部側に配された各ノズルヘッダの冷却ガス供給及
    び圧力・流量調整を個別に行うと共に、前記中央ノズル
    ヘッダの冷却ガス圧力・流量調整も併せて行うガス調整
    装置と、金属帯エッヂ部を検出する金属帯端部検出器
    と、該検出信号に基づいて冷却ガス供給のなされるノズ
    ルヘッダの選定を行い前記ガス調整装置を制御する選定
    制御装置と、前記ノズルヘッダ及び中央ノズルヘッダの
    入側及び/又は出側に配した金属帯板幅方向の温度分布
    を測定する板温計と、該測定値から平均板温を演算して
    更に該平均板温との板幅方向板温偏差を算出し、該板温
    偏差に応じて前記ガス調整装置におけるノズルヘッダ及
    び中央ノズルヘッダの冷却ガス圧力・流量調整を行わし
    める板温制御演算装置とを有することを特徴とする金属
    帯冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998041661A1 (fr) * 1997-03-14 1998-09-24 Nippon Steel Corporation Dispositif de traitement thermique par jet de gaz
JP2019094519A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 Primetals Technologies Japan株式会社 金属板の冷却装置及び金属板の連続熱処理設備
JP2022509424A (ja) * 2018-10-30 2022-01-20 タタ、スティール、アイモイデン、ベスローテン、フェンノートシャップ 鋼ストリップのためのアニーリングライン

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