JP2712996B2 - 連続焼鈍用ストリップ冷却装置 - Google Patents

連続焼鈍用ストリップ冷却装置

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JP2712996B2 JP4035791A JP3579192A JP2712996B2 JP 2712996 B2 JP2712996 B2 JP 2712996B2 JP 4035791 A JP4035791 A JP 4035791A JP 3579192 A JP3579192 A JP 3579192A JP 2712996 B2 JP2712996 B2 JP 2712996B2
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    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D11/00Process control or regulation for heat treatments
    • C21D11/005Process control or regulation for heat treatments for cooling

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は連続焼鈍用に冷却ロー
ルによってストリップの急冷を行なうストリップ冷却装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍設備で実施されるストリップの
ロール冷却法では、通常内部にスパイラル状の溝を持
ち、その溝の中を冷却水等の冷媒が通る構造を有する冷
却ロールが使用される。
【0003】図13に複数の冷却ロール1a乃至1eを使用
したストリップXの連続焼鈍用急冷設備の構造の一例を
示す。該急冷設備では、ストリップパスラインに直交す
る方向に各冷却ロール1a乃至1eが移動できる構造を有し
ており、これらの移動でストリップXとの接触面積を変
え、所定の温度降下量を得ることができるようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上の様なロ
ール冷却設備では、ストリップエッジ部の温度が高くな
る等冷却ムラを発生し易く、ストリップ幅方向の温度分
布が不均一になっていた。この板幅方向の温度分布不均
一が生ずると、該ストリップXの形状崩れを起こし、そ
の後段の過時効処理炉中で蛇行や絞り等を発生して、炉
の安定操業を著しく損ねることになる。又この様な温度
分布不均一が生ずると、一般冷延鋼板の材質の中で重要
な時効指数がエッジ部等で部分的に劣り、幅方向の材質
不均一な製品しか製造できないという問題を抱えてい
た。
【0005】本発明は従来技術の以上の様な問題に鑑み
創案されたもので、ストリップ連続焼鈍用のロール冷却
を実施する冷却装置において、ストリップ幅方向の温度
プロフィルの改善を図ると共に、均一な材質の製品を安
定的に得られるようにせんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため本発明の連続焼
鈍用ストリップ冷却装置は、冷却ロール群の入側と出側
に夫々ブライドルロールを配し、冷却ロールに接触する
ストリップの背面冷却を行なう背面ガスジェットノズル
を各冷却ロール毎に設けると共に、該冷却ロール群出側
と出側ブライドルロールの間に、ストリップ幅方向に冷
却量調整可能な後段ガスジェットノズルを設け、更に出
側ブライドルロール側にストリップ幅方向の温度プロフ
ィル測定可能な板温計を設置し、且つこの板温計の測定
値に基づいて前記背面ガスジェットノズル及び/又は後
段ガスジェットノズルのストリップ幅方向冷却量調整を
行なう制御演算装置を備えたことを基本的特徴としてい
る。
【0007】以上の構成は、本発明者等による従来技術
の問題発生原因の解明に基づいてなされたもので、以下
解明された原因につき詳述する。
【0008】従来の構成で冷却ムラの発生は、主に冷却
ロールとストリップとの接触面圧が低いために起こるも
のと推定される。特に、図6に示される様にストリップ
Xを冷却ロールに巻き付けて曲率Rを与えることによ
り、ストリップXのロール接触側にはロール軸方向の引
張応力を受け、又その反対側は圧縮応力を受けることに
なり、その結果、図7に示される様に、ストリップXの
エッジ部には冷却ロール1と完全に接触しない部分Hが
発生することになる。このエッジ浮上り量Hは図8に示
される様に、冷却ロール部のストリップ張力が少ないと
増大する傾向にある。以上の様な現象が原因となって図
9に示される様にストリップエッジ部が高い温度分布と
なり、更に図10に示される様に時効指数がエッジ部に
おいて劣る等幅方向の材質不均一な製品が製造された
り、ストリップ形状崩れによる炉内蛇行や絞りが発生
し、安定操業ができなくなるという結果を生じていた。
【0009】上記課題は、冷却ロール群前後にストリッ
プへ張力付加できるブライドルロール等の張力付加装置
を設置すること(例えばこれによりストリップ張力を1
kgf/mm2から3kgf/mm2にすること)で、約半分までエ
ッジ浮上量を低下できる。又張力をストリップへ付加す
るだけではエッジの完全な冷却は期待できないため、冷
却ロール群出側に、ストリップ幅方向の冷却量調整可能
な後段ガスジェットノズルを配し、且つ冷却ロールにお
いてロールと接触したストリップの背面を冷却する背面
ガスジェットノズルを、冷却ロール群の夫々に配し、出
側ブライドルロール側に設置された幅方向温度プロフィ
ルを測定する板温計によりその温度を測定し、その測定
信号を制御演算装置に送って後段ガスジェットノズル及
び/又は背面ガスジェットノズルのストリップ幅方向の
冷却量を制御することで、均一な温度分布を冷却装置出
側において得ることができるようになる。
【0010】一方、図11(a)に示すように、複数個の
冷却ロールにおいて、ストリップと接触する順番の遅い
ロールの冷却量を、その順番の早いロールの冷却量より
大きくすると、同図(b)に示すようなエッジの高温部分
が板幅中央部まで及び、上記冷却ロール群の出側に設置
された後段ガスジェットノズルや背面ガスジェットノズ
ルでの冷却負荷も大きくなり、かつ時効性の劣った部分
が板幅中央部まで入ることになる。その為、本発明では
図12(a)に示すようなストリップと接触する順番の早
いロールの冷却量をその順番の遅いロールの冷却量より
大きくすることで、同図(b)に示すようにエッジの高温
部が板幅中央部まで及ぶのを防止できるようにした。
【0011】尚、エッジ冷却のガスジェットノズルの冷
却能力を向上させる為、吹付ガスはH2 40〜90%、N2
10〜60%の範囲で使用すると良い。
【0012】
【実施例】以下本発明の具体的実施例を添付図面に基づ
き説明する。
【0013】図1はストリップ連続焼鈍設備における横
型ロール冷却装置において、本発明の一実施例構成が適
用された状態のものを示す説明図である。
【0014】加熱・均熱され更に徐冷されてきたストリ
ップXは本ロール冷却装置に進入して冷却ロール1a乃至
1eで冷却され、次の過時効処理へと送り出されることに
なる。このうち、本ロール冷却装置では入側デフレクタ
ロールの前に入口板温を測定する板温計40を設け、その
測定値を後述する制御演算装置5に入力すると共に、該
制御演算装置5では、この入口板温、予め入力されてい
た目標出口板温、更にはストリップサイズやラインスピ
ード等からロール冷却量を演算する。この演算に基づい
て制御演算装置5は各冷却ロール1a乃至1eのロール巻付
角調整器10a乃至10eに夫々指令を与え、各ロールの冷却
量を調整できるようになっている(尚、本実施例では該
制御演算装置5は、後述する背面ガスジェットノズル3a
乃至3eの位置調整装置36a乃至36eにも夫々指令を出し、
これらのノズル3a乃至3eがストリップXに接触しないよ
うにしている)。
【0015】本実施例では、上記冷却ロール1a乃至1eの
入側と出側に夫々ブライドルロール2a、2bを配すると共
に、冷却ロールに接触するストリップXの背面冷却を行
なうわん曲した背面ガスジェットノズル3a乃至3eを各冷
却ロール1a乃至1e毎に設け、又冷却ロール1e(正確には
デフレクタロール61)と出側ブライドルロール2bの間に
後段ガスジェットノズル3f、3gを設置している。更に出
側ブライドルロール2b側に、多重反射温度計及び放射温
度計よりなるストリップ幅方向の温度プロフィル測定可
能な板温計4を設置し、その出口板温プロフィルを制御
演算装置5に入力している。この制御演算装置5では、前
述の様なロール冷却量調整を行なう他、出口板温プロフ
ィルの入力によって背面ガスジェットノズル3a乃至3e及
び後段ガスジェットノズル3f、3gの幅方向の冷却量を決
定し、バルブ30乃至35へ指令を出して出口板温プロフィ
ルが一定になる様にこれらのノズル3a乃至3gの幅方向冷
却量を制御している(もちろんこれらのノズル3a乃至3g
によるガスジェット冷却の結果、ストリップXの板温が
目標出口板温になる様に、全体の冷却量調整も行なって
いる)。
【0016】更に前記制御演算装置5によるロール冷却
量制御については、図2に示される様にストリップXと
接触する順番の早い冷却ロールの冷却量を、その順番の
遅いロールの冷却量より大きくなるように制御してい
る。
【0017】この様に本実施例構成ではブライドルロー
ル2a、2bによってストリップXに所定の張力を与えるこ
とによって、各冷却ロール1a乃至1eに接触しているスト
リップエッジ部の浮き上り量を抑えることができ、又こ
れによってストリップXのバタツキが少なくなって、後
段ガスジェットノズル3f及び3gとストリップXとの接触
によるスリ疵の発生もなくなるため、該ノズル3f及び3g
とストリップXとの距離を縮めることができ、効率よく
エッジ部を冷却することができる。尚、吹付ガスとして
はH2 40〜90%、N2 10〜60%の高熱伝達率のガスを
使用している。
【0018】又、各冷却ロール1a乃至1eに接触するスト
リップXの背面に設けられた前記背面ガスジェットノズ
ル3a乃至3eによって、該ストリップXのエッジ側の高温
な部分を中心に冷却しているため、これらの冷却ロール
1a乃至1eでの温度ムラは小さく抑制でき、後方に設置さ
れている後段ガスジェットノズル3f及び3gの冷却負荷を
小さくすることができる。
【0019】更にガスジェットノズル3a乃至3gは、板温
計4で測定されたストリップXのエッジを中心とする高
温部分に対し、積極的に冷却を行なうため、均一冷却が
望めることになる。
【0020】加えて本実施例では、冷却ロール1a乃至1e
の冷却量制御につき、ストリップXと接触する順番の遅
いロールの冷却量を、その順番の早いロールの冷却量よ
り、等しいか、小さくするようにしているため、冷却さ
れないエッジ部分が板幅中央部まで及ぶことがなくな
り、各冷却ロール1a乃至1eの背面ガスジェットノズル3a
乃至3e及びこれら冷却ロール群出側に配された後段ガス
ジェットノズル3f及び3gの冷却負荷が小さくて済むこと
になる。
【0021】図3に本実施例の実施によって得られた幅
方向板温プロフィルを、又図4に同じくストリップX幅
方向の時効指数の検査結果を示す。これらの図に示され
る様にロール冷却装置出側の幅方向板温プロフィルは均
一となり、形状崩れは発生しなかった。又エッジ部の時
効指数の劣った部分が板幅中央部に及ぶのを防止できる
ため、材質についてもより均一な製品を製造することが
できた。
【0022】更に、図5にストリップ連続焼鈍設備の横
型ロール冷却装置に本発明の装置構成が用いられた場合
の他の実施例構成を示している。
【0023】
【発明の効果】以上の様な本発明のストリップ冷却装置
の構成によれば、冷却ロール群で発生する幅方向の冷却
ムラを最小限にくい止めることができ、又ガスジェット
ノズルの冷却負荷を小さくでき、設備費、操業コスト面
でも安価にできる一方で、幅方向で均一な材質が得られ
るとともに、操業面においても、冷却ロール群出口での
ストリップ形状崩れが発生せず、安定した生産を行なう
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明構成の適用されたロール冷却装置構成の
一実施例を示す説明図である。
【図2】本実施例におけるロール冷却量を示すグラフで
ある。
【図3】本実施例構成で得られたストリップエッジ部の
温度分布を示すグラフである。
【図4】本実施例構成で得られたストリップエッジ部の
時効指数分布を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施例構成を示す説明図である。
【図6】ロール巻付時のストリップ変形モデルを示す斜
視図である。
【図7】ロール巻付時のストリップエッジ部に生ずる浮
上り部の説明図である。
【図8】ロール巻付時のストリップエッジ部に生ずる浮
上り量と張力の関係を示すグラフである。
【図9】従来構成によって得られるストリップエッジ部
の温度分布を示すグラフである。
【図10】従来構成によって得られるストリップエッジ
部の時効指数分布を示すグラフである。
【図11】従来構成によって冷却された時に得られる温
度降下量とストリップエッジ部の温度分布を示すグラフ
である。
【図12】本発明構成によって冷却された時に得られる
温度降下量とストリップエッジ部の温度分布を示すグラ
フである。
【図13】従来のロール冷却構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1a〜1e 冷却ロール 2a、2b ブライドルロール 3a、3b、3c、3d、3e 背面ガスジェットノズル 3f、3g 後段ガスジェットノズル 4 板温計 5 制御演算装置 X ストリップ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却ロール群の入側と出側に夫々ブライ
    ドルロールを配し、冷却ロールに接触するストリップの
    背面冷却を行なう背面ガスジェットノズルを各冷却ロー
    ル毎に設けると共に、該冷却ロール群出側と出側ブライ
    ドルロールの間に、ストリップ幅方向に冷却量調整可能
    な後段ガスジェットノズルを設け、更に出側ブライドル
    ロール側にストリップ幅方向の温度プロフィル測定可能
    な板温計を設置し、且つこの板温計の測定値に基づいて
    前記背面ガスジェットノズル及び/又は後段ガスジェッ
    トノズルのストリップ幅方向冷却量調整を行なう制御演
    算装置を備えたことを特徴とする連続焼鈍用ストリップ
    冷却装置。
  2. 【請求項2】 請求項第1項記載の連続焼鈍用ストリッ
    プ冷却装置において、前記冷却ロール群のうち、ストリ
    ップと接触する順番の遅いロール程、その順番の早いロ
    ールより冷却量を小さくするか又は等しくすることを特
    徴とする請求項第1項記載の連続焼鈍用ストリップ冷却
    装置。
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