JPH1088249A - ステンレス鋼帯の冷却方法及び装置 - Google Patents

ステンレス鋼帯の冷却方法及び装置

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JPH1088249A
JPH1088249A JP24652096A JP24652096A JPH1088249A JP H1088249 A JPH1088249 A JP H1088249A JP 24652096 A JP24652096 A JP 24652096A JP 24652096 A JP24652096 A JP 24652096A JP H1088249 A JPH1088249 A JP H1088249A
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Masatake Kikuyama
正剛 菊山
Genichi Ishibashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、鋼帯幅方向に折れの発生がないステ
ンレス鋼帯の冷却方法を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】冷間圧延が施され、焼鈍後酸洗前の冷却帯
内を走行中のステンレス鋼帯に、上下から冷却流体を吹
き付け、該鋼帯を冷却するに際し、上記冷却帯内に鋼帯
を支持する複数個のサポート・ロールを設け、上側から
吹付ける冷却流体量を下側からの量より大きくし、該鋼
帯を該サポート・ロールに押しつけ、水平且つ平滑に走
行させて冷却することを特徴とするステンレス鋼帯の冷
却方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼帯の
冷却方法及び装置に関し、特に、冷間圧延されたステン
レス鋼帯の焼鈍後、酸洗前に行う冷却技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステンレス鋼帯(以下、単に鋼
帯という)の製造に際しては、冷間圧延後に、一定の品
質を確保するため、焼鈍及び酸洗を連続して行ってい
る。従って、焼鈍後の鋼帯は、酸洗する前に冷却する必
要があるが、その冷却は、図4の焼鈍酸洗ラインに示す
ように、焼鈍装置1の下流で酸洗装置2の上流に位置す
る場所に冷却帯3を設け、そこで、空冷及び/又は水冷
方式で行われるのが通常である。つまり、冷却帯3内を
走行する鋼帯4に、図3に示すように上下から冷却流体
5(空気又は水)を吹き付け、該鋼帯4から抜熱して冷
却するのである。なお、冷却帯3では、通常鋼帯4に疵
がつくのを回避するため、サポート・ロールを設けない
ことが多い。
【0003】また、普通鋼の場合ではあるが、上記冷却
をより強力にするため、冷却帯を走行する鋼帯のサポー
ト・ロールを金属製の水冷ロールとした所謂ロール冷却
も提案されている(特開昭59−54374号公報、特
開昭61−243128号公報参照)。しかしながら、
そのようなロール冷却は、鋼帯を水冷ロールに巻つける
ように配置するので、冷却帯の長さが長くなり、また水
冷ロール設置にかなりのコストがかかる。さらに、ステ
ンレス鋼においては、表面品質の要求が高いので、鋼帯
がこのような金属ロールに接触することを好まない。こ
のような理由から通常、ステンレス鋼の冷却は、上記し
たように空冷(ガス冷却を含む)または水冷によるもの
が一般的なのである。
【0004】しかしながら、通常ステンレス鋼帯の冷却
に採用している空冷あるいは水冷では、板厚の薄い鋼帯
4(板厚0.4mm以下)の冷却に際し、幅方向の温度
分布で生じた熱歪みに起因する座屈応力で、鋼帯幅方向
に折れが発生することが多い。この折れは、その後の工
程で矯正できないので、せっかく製造した鋼帯4がスク
ラップとなり、製造歩留の低下、ひいては製造コストの
増大をもたらしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、鋼帯幅方向に折れの発生がないステンレス鋼帯
の冷却方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究し、鋼帯が走行中に上方に向けて反
るのを、物理的な力で強制的に平滑にしながら冷却する
と、鋼帯幅方向の折れが防止できることを知見した。本
発明は、この知見を具現化したもので、冷間圧延が施さ
れ、焼鈍後酸洗前の冷却帯内を走行中のステンレス鋼帯
に、上下から冷却流体を吹き付け、該鋼帯を冷却するに
際し、上記冷却帯内に鋼帯を支持する複数個のサポート
・ロールを設け、上側から吹付ける冷却流体量を下側か
らの量より大きくし、該鋼帯を該サポート・ロールに押
しつけ、平滑に走行させて冷却することを特徴とするス
テンレス鋼帯の冷却方法である。
【0007】また、本発明は、冷間圧延が施され、焼鈍
後酸洗前の冷却帯を走行中のステンレス鋼帯に、上下か
ら冷却流体を吹き付け、該鋼帯を冷却するに際し、上記
冷却帯に、昇降自在な複数個のサポート・ロールを設
け、板厚に応じて上記サポート・ロールと鋼帯の接触を
調整して該鋼帯のサポート間隔を変化させ、該鋼帯を平
滑に走行させて冷却することを特徴とするステンレス鋼
帯の冷却方法である。
【0008】また、上記鋼帯のサポート間隔を、鋼帯の
板厚に応じて変化させることを特徴とするステンレス鋼
帯の冷却方法である。加えて、本発明は、冷間圧延を施
され、焼鈍後酸洗前の冷却帯内を走行するステンレス鋼
帯を挟み、上下から該鋼帯に冷却流体を吹付けるノズル
群からなるステンレス鋼帯の冷却装置において、上記冷
却帯内に、走行する鋼帯を支持する昇降自在なサポート
・ロールを複数個設けてなることを特徴とするステンレ
ス鋼帯の冷却装置でもある。
【0009】本発明では、冷却帯内を走行する鋼帯の冷
却方法及び装置を、上記のようにしたので、走行中の鋼
帯は、熱歪を有していても、常に平滑を維持できるの
で、鋼帯幅方向に平面座屈に起因する折れは生じなくな
る。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係るステンレス鋼
帯の冷却方法を実施する装置を図1に示す。それは、冷
却流体5が吹出すノズル群からなる冷却装置7を備えた
冷却帯3の内部に、昇降自在な複数個のサポート・ロー
ル6を設け、該ロール6で走行する鋼帯4を支えるよう
にした。サポート・ロール6を昇降自在にした理由は、
鋼帯4は、その厚みによって冷却帯内での垂れ下がり状
態が異なる、つまり板厚が厚い鋼帯4は垂れ下がりが小
さく、薄いと大きいので、鋼帯4の支持数を板厚で変更
するためである。通常、0.4mm以上と板厚の厚い鋼
帯4を通板する時には、サポート・ロール6をほとんど
使用しないでも良いが、板厚の薄い鋼帯4を通板する時
には、該サポート・ロール6で支持できるようにしたの
である。なお、図1には、サポート・ロール6の昇降手
段を図示していないが、それは公知の油圧シリンダを利
用した機構を利用して、冷却帯3の側面から上記ロール
6を支持、昇降させるようにすれば良い。また、本発明
では、各サポート・ロール6を、個別に昇降可能にする
必要がある。
【0011】そして、第1の本発明は、鋼帯4が比較的
薄い場合に有効な方法であるが、図1に示すように、鋼
帯上面の上方に位置した冷却装置7からの冷却流体5の
量を、下方から鋼帯下面に吹き付ける量に比べて大きく
することで、鋼帯4を同一高さ調整した複数個のサポー
ト・ロール6に接触させ、鋼帯面を水平且つ平滑にして
冷却するものである。
【0012】次に、第2の本発明は、冷却流体5の吹き
付けを従来通り上下で均等にした条件下で、板厚に応じ
てサポート・ロール6を昇降させ、鋼帯4との接触数
(鋼帯のサポート間隔)を変えて、鋼帯4の水平とその
面の平滑を維持するようにして冷却するものである。な
お、接触させるロール6数は、板厚に応じて変更させる
が、その変更は従来の板厚と垂れ下がり量の経験データ
から容易に決められる。
【0013】また、第3の本発明は、上記の2つの発明
を組み合わせたもので、冷却流体5の量調整と、サポー
ト・ロール6との接触数の変更とを同時に行わせるよう
にしたものである。これらの実施状況を図2に示す。図
2(a)は、非常に板厚の厚い鋼帯4の場合であるが、
すべてのサポート・ロール6の位置を降下させ、該ロー
ル6と鋼帯4との接触が皆無の状態で、鋼帯4の水平と
面の平滑が維持された例である。この場合には、本発明
を用いることなく従来通りの冷却で十分である。ここ
で、板厚の厚い鋼帯4でサポート・ロール6を下降させ
て鋼帯4との接触を断つのは、不用意にロール疵が発生
する確率を下げるためである。
【0014】一方、図2(b)は、板厚の極薄い鋼帯4
の場合であるが、第3の本発明を利用し、冷却帯内でサ
ポート・ロール6の高さを変更し、すべてのロール6に
鋼帯4を接触させて、ロール6の間隔を短くすると共
に、鋼帯面の上方に吹き付ける冷却流体量を下面への量
より大きくして、鋼帯4の水平と面の平滑を維持した場
合である。
【0015】これらの本発明をSUS304ステンレス
鋼帯の生産で実施した。使用した装置は、冷却帯内に
2.5m間隔で3個の昇降自在なサポート・ロール6を
設置したものである。表1に、板厚、冷却流体の上下風
量差、鋼帯4とサポート・ロール6との接触数、座屈発
生状況を一括して示す。表1には、同一板厚を従来法で
冷却した場合も記載してあるが、問題になっていた鋼帯
幅方向の座屈発生を皆無とし、ステンレス鋼帯の生産性
が大幅に向上したことが明らかである。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、冷間
圧延後のステンレス鋼帯の焼鈍後酸洗前の冷却で、平面
座屈による鋼帯幅方向の折れ発生が抑制できるようにな
った。その結果、ステンレス鋼帯の生産が、安定して且
つ円滑に実施できるようになり、生産性の向上が達成さ
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却帯を示す側面図である。
【図2】冷却帯内での鋼帯の冷却状況を示す側面図であ
り、(a)は板厚の極端に厚い鋼帯を従来法で冷却し、
(b)は、板厚の薄い鋼帯に本発明を適用した場合の例
である。
【図3】従来の冷却帯を示す側面図である。
【図4】ステンレス鋼帯の焼鈍酸洗設備の概略を示す側
面図である。
【符号の説明】
1 焼鈍装置 2 酸洗装置 3 冷却帯 4 鋼帯(ステンレス鋼帯) 5 冷却流体 6 サポート・ロール 7 冷却装置 8 ルーパー 9 シャー 10 テンション・リール 11 出側デフレクタ・ロール 12 溶接機 13 ペイオフ・リール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間圧延が施され、焼鈍後酸洗前の冷却
    帯内を走行中のステンレス鋼帯に、上下から冷却流体を
    吹き付け、該鋼帯を冷却するに際し、 上記冷却帯内に鋼帯を支持する複数個のサポート・ロー
    ルを設け、上側から吹付ける冷却流体量を下側からの量
    より大きくし、該鋼帯を該サポート・ロールに押しつ
    け、平滑に走行させて冷却することを特徴とするステン
    レス鋼帯の冷却方法。
  2. 【請求項2】 冷間圧延が施され、焼鈍後酸洗前の冷却
    帯を走行中のステンレス鋼帯に、上下から冷却流体を吹
    き付け、該鋼帯を冷却するに際し、 上記冷却帯に、昇降自在な複数個のサポート・ロールを
    設け、板厚に応じて上記サポート・ロールと鋼帯の接触
    を調整して該鋼帯のサポート間隔を変化させ、該鋼帯を
    平滑に走行させて冷却することを特徴とするステンレス
    鋼帯の冷却方法。
  3. 【請求項3】 上記鋼帯のサポート間隔を、鋼帯の板厚
    に応じて変化させることを特徴とする請求項1記載のス
    テンレス鋼帯の冷却方法。
  4. 【請求項4】 冷間圧延を施され、焼鈍後酸洗前の冷却
    帯内を走行するステンレス鋼帯を挟み、上下から該鋼帯
    に冷却流体を吹付けるノズル群からなるステンレス鋼帯
    の冷却装置において、 上記冷却帯内に、走行する鋼帯を支持する昇降自在なサ
    ポート・ロールを複数個設けてなることを特徴とするス
    テンレス鋼帯の冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134951A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 Jfeスチール株式会社 冷却制御装置および冷却制御方法

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