JP2575873B2 - 薄鋼板連続焼鈍設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、冷却ロール冷却帯を有する薄鋼板連続焼鈍
設備に関するものである。

［従来技術］ 薄鋼板連続焼鈍設備は、自動車用鋼板などを大量にか
つ迅速に熱処理する方法であるが、鋼板を一旦加熱し、
中間で急冷却、更に、徐冷又は再加熱後徐冷するのが一
般的な方法である。この中間冷却の方法において、ガス
ジェット冷却、水中で冷却する水冷却、内部を水冷等冷
媒で冷却されたロールを使用するロール冷却があり、本
発明はロール冷却に関するものである。ロール冷却は、
内部を冷媒で冷却されたロールの表面に鋼板を接触せし
め、接触伝熱によって鋼板を冷却する方法である。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、従来技術においては下記の問題点があ
る。すなわち、水冷等ロール冷却帯において、水冷ロー
ルに接触する薄鋼板の形状不良、巾方向張力の不均一分
布、薄鋼板の剛性、水冷ロールの巾方向表面粗度の不均
一などが原因となって、薄鋼板と水冷ロール間の巾方向
接触が不均一となり、その結果、薄鋼板から水冷ロール
に伝達される熱量が巾方向に不均一となって、水冷ロー
ル冷却帯から出た薄鋼板の巾方向温度分布は不均一とな
る（温度偏差50〜100℃）。これによって、薄鋼板に
皺、耳波などの形状不良が発生し、次工程である徐冷又
は再加熱後徐冷鋼板において、薄鋼板に蛇行などの通板
不良が発生し、通板速度を下げるか、場合によっては破
断が発生し操業不良となる。また、材質の巾方向分布も
不均一となる。本発明は上記の問題点を解決し、常時通
板安定性が得られる薄鋼板連続焼鈍設備を提案すること
をその目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る、薄鋼板連続焼鈍設備は、冷却ロール冷
却帯を有する薄鋼板連続焼鈍設備において、該冷却ロー
ル冷却帯直後に、ガス供給ブロワーとガスクーラーと巾
方向ガス量調整機を備えた巾方向冷却分布調整型噴流冷
却装置を配設し、その出側にプロフィル温度計を配設
し、前記プロフィル温度計の結果に基づく巾方向ガス量
調整指令装置と、薄鋼板の条件変更に基づくガス供給ブ
ロワーとガスクーラーの条件変更指令装置とを設けたこ
とを特徴とする薄鋼板連続焼鈍設備である。

［作用］ 本発明における薄鋼板連続焼鈍設備は、巾方向冷却分
布調整型噴流冷却装置直後の巾方向温度分布に応じて、
噴流冷却装置の所定の巾位置の風量および又は風速を変
えて、薄鋼板の温度分布を均一にするとともに、薄鋼板
の条件変更にのある場合には巾方向冷却分布調整型噴流
冷却装置に供給するガス供給ブロワーとガスクーラーの
条件を変えて冷却能力を変更しつつ薄鋼板の温度分布を
均一に出来るものである。これによって、薄鋼板の形状
は常時平坦となり、次工程における通板を安定化する。

［実施例］ 第１図は本発明の一実施例を示す説明図である。第２
図は第１図の要部拡大図である。第１図において、薄鋼
板４は、ガスジェット冷却帯３、冷却ロール冷却帯２を
経由して巾方向冷却分布調整型噴流冷却装置１に入り、
薄鋼板の巾方向温度分布が均一となって、再加熱帯15に
導入される。

第２図（ａ）は巾方向冷却分布調整型噴流冷却装置を
示す説明図、第２図（ｂ）は第２図（ａ）の要部拡大図
である。第２図（ａ）において、薄鋼板４は冷却ロール
冷却帯２を経て、巾方向冷却分布調整型噴流冷却装置１
によって冷却され、巾方向温度分布を均一化される。こ
の際、同装置の出側には、薄鋼板の巾方向の温度分布を
計測するプロフィル温度計５が設置され、その信号は巾
方向冷却分布調整型噴流冷却装置にフィードバックされ
る。第２図（ｂ）において、冷却用ガスは、ブロワー
６、ガスクーラー７を経て、巾方向多分割ヘッダー８に
流入し、各ヘッダーの流量制御弁９は前記プロフィル温
度計からの信号に基づいてその開度を調整する。第３図
は巾方向冷却分布調整型噴流冷却装置の制御を示すフロ
ーチャートである。主計算機10よりの薄鋼板の条件変更
指令（板厚、速度、温度）に基づく、変更指令発生器11
よりの信号は判定器12に入力され、又同判定器には継ぎ
目位置検出器13よりの変更タイミング指令によって同判
定器はブロワー６、ガスクーラー７に大きく冷却能力の
変更をする場合の指令を発する。またプロフィル温度計
５よりの信号は判定器14に入力され、同判定器には主計
算機10より目標巾方向温度偏差信号が入力され、判定器
は流量制御弁９に指令を発し、これによって、巾方向多
分割ヘッダー８から薄鋼板の巾方向温度分布を均一にす
る冷却用ガスが薄鋼板４に噴出される。

本発明の実施によって、従来頻発していた通板不良は
皆無となった。

［発明の効果］ 以上のように、本発明によれば、薄鋼板連続焼鈍設備
における冷却ロール冷却帯直後に巾方向冷却分布調整型
噴流冷却装置を配設し、次工程における通板安定性を確
保することが可能となるので、ラインの能率が向上する
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す説明図、第２図は第１
図の要部拡大図、第３図は巾方向冷却分布調整型噴流冷
却装置の制御を示すフローチャートである。 １……巾方向冷却分布調整型噴流冷却装置、２……水冷
ロール冷却帯、３……ガスジェット冷却帯、４……薄鋼
板、５……プロフィル温度計、６……ブロワー、７……
ガスクーラー、８……巾方向多分割ヘッダー、９……流
量制御弁、10……主計算機、11……変更指令発生器、12
……判定器、13……継ぎ目位置検出器、14……判定器、
15……再加熱帯。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 大屋 晴男 審判官 山田 充 審判官 原 健司

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷却ロール冷却帯を有する薄鋼板連続焼鈍
   設備において、該冷却ロール冷却帯直後に、ガス供給ブ
   ロワーとガスクーラーと巾方向ガス量調整機を備えた巾
   方向冷却分布調整型噴流冷却装置を配設し、その出側に
   プロフィル温度計を配設し、前記プロフィル温度計の結
   果に基づく巾方向ガス量調整指令装置と、薄鋼板の条件
   変更に基づくガス供給ブロワーとガスクーラーの条件変
   更指令装置とを設けたことを特徴とする薄鋼板連続焼鈍
   設備。