JPS5943459Y2 - 自動車用マフラの排水構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用マフラの排水構造に関するものである
。

自動車用マフラは通常筒状本体の内部を仕切板により複
数の区画室に区画し、インレットパイプより本体内に入
った排気ガスが各区画室を通過する間に順次膨張し圧力
と湿度が低下して行き、アウトレットパイプより外部に
排出するようになっているのが普通である。

このようなマフラにおいて、マフラ本体内には排気ガス
中の水分が凝縮分離したり或は洗車略等水がアウトレッ
トパイプより入ったりして水分がたまり、マフラの腐蝕
の原因となるばかりか、冬期における駐車時たまってい
る水が凍結して排気ガス通路を閉塞しエンジン起動が不
能となる等の事故を発生させることもあり、極めて不都
合である。

本考案は新たな部品の追加等は一切なしに上記のように
マフラ本体内にたまった水分を的確に排出し得る構造を
提供することを目的とするもので、以下対置実施例につ
き説明する。

図において１は筒状のマフラ本体、２，２′は該本体１
内を区画する仕切板で、該仕切板２，２′等により本体
１内は複数の区画室Ａ、Ｂ、Ｃ等に区画される。

３はインレットパイプ、４はアウトレットパイプで、該
インレットパイプ３より区画室Ａに入った排気ガスが仕
切板２に設けた連通孔２ａよりＢ室に入り、更に連通パ
イプ５を通ってＣ室に入り各室にて膨張を繰り返して圧
力及び温度を低下させ、Ｃ室よりアウトレットパイプ４
を通って外部に排出されるようになっている。

本考案では仕切板２，２′の下底部分に各区画室を連通
する水通路６，６′を形成すると共に、アウトレットパ
イプ４のマフラ本体１内部分を下方に湾曲させて湾曲部
４ａを形成し、該湾曲部４ａの一番低い部分がマフラ本
体１の下底部１ａに近接して対向するよう構成し、該湾
曲部４ａのマフラ本体下底部１ａに近接した部分に小穴
４ｂを設けたものである。

上記の構成を採る本考案によれば、矢印の如く排気ガス
が流れているエンジン運転中は、マフラ本体１の下底部
にたまった凝縮水等の水分はアウトレットパイプ４内を
流れる排気ガス流により小穴４ｂよりアウトレットパイ
プ４内に吸い上げられ排気ガスと共に外部に排出される
ので水分がマフラ本体内にたまることはない。

また水を吸い上げる小穴４ｂは湾曲管の流れの上からも
背面の圧力降下部に設けられているので、水の吸い上げ
機能は極めて良好であり、排水機能の著しい向上をはか
り得る。

湾曲部４ａに設けた小穴４ｂ部とマフラ本体１の下底部
１ａとはできるだけ近接していることが必要であるが、
実験上小穴４ｂ部と下底部１ａとの隙間δを１０ＷＩ＋
以下程度とし、小穴４ｂの径を８ｒｒｒＩｎ前後とした
場合的確に水を吸い上げ、マフラ本体１内の水のたまり
が確実に防止され得ることが判明した。

尚厳寒期において洗車等によりアウトレットパイプ４か
らマフラ本体１内に水が入り、そのまま放置したような
場合、マフラ本体１内にたまった水が凍結することがあ
るが、図示のように湾曲部４ａの管内上面のレベルａａ
よりアウトレットパイプ４の出口部４ｃの下縁部が下方
に位置する構成としておけば、凍結によりアウトレット
パイプ４が詰ってエンジン起動が不能になるような不具
合は完全に防止することができる、 又レイアウト上、上記のようにアウトレットパイプ４の
出口部４ｃを下げることができない場合は、アウトレッ
トパイプ４の湾曲部４ａより後流側の上面部のＸ部及び
又はＹ部等に排気ガスの流通穴を設け、湾曲部４ａが凍
結により詰ったときは、区画室Ａ及び又はＢに入った排
気ガスが上記流通穴よりアウトレットパイプ４内に入っ
て排出されるよう構成する。

以上のように本考案によればマフラ本体内を仕切る仕切
板の下底部に各区画室を連通する水通路を形成すると共
に、アウトレットパイプのマフラ本体内部分に下方に湾
曲する湾曲部を設け、該湾曲部の最下部に小穴を設けて
該小穴がマフラ本体内下底部に近接対向する構成とする
ことにより、新たな部品の追加等は一切なしに、マフラ
本体内の水分はアウトレットパイプに吸い上げ排出され
、水の溜すを的確に防止することができるもので、水の
吸い上げ機能が極めて良好であり、構造簡単でコスト低
置なる点等、実用上多大の効果をもたらし得るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

対置は本考案の実施例を示す断面図である。 １・・・・・・マフラ本体、２，２′・・・・・・仕切
板、３・・・・・・インレットパイプ、４・・・・・・
アウトレットパイプ、４ａ・・・・・・湾曲部、４ｂ・
・・・・・小穴、４ｃ・・・・・・出口部、６・・・・
・・水通路。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） マフラ本体内を仕切板により複数の区画室に
   区画し、インレットパイプよりマフラ本体内に入った排
   気ガスが各区画室を順次通りアウトレットパイプより排
   出されるようにしたマフラにおいて、仕切板下底部に各
   区画室を連通する水通路を設け、アウトレットパイプの
   マフラ本体内部分に下方に湾曲した湾曲部を形成すると
   共に、該湾曲部の最下部に小穴を設け、該小穴がマフラ
   本体内下底部に近接対向する構造としたことを特徴とす
   る自動車用マフラの排水構造。
2. （２） アウトレフトパイプは、七の出口部下縁が湾
   曲部の管内上面のレベルより下方に位置する構造となっ
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範囲ＩＡＩ
   項記載の自動車用マフラの排水構造。
3. （３） アウトレットパイプは、湾曲部より後流側の
   上面部に、マフラ本体内区画室と連通ずる排気ガス流通
   穴を有していることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項又は第２項記載の自動車用マフラの排水構造。