JPH0447381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ホークリフト等の産業車両に用いら
れる縦型消音器の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の縦型消音器としては、例えば第
３図及び第４図に示すものが知られている。

これを図に基づいて説明する。縦型消音器１は
ホークリフト８の排気系（図示せず）後部に連結
され、ホークリフト８の後部に立設されている。
そして、この消音器１は、側壁に多数の小孔３を
設けたインレツトパイプ２と、このインレツトパ
イプ２の途中に設けられたプラグ４と、インレツ
トパイプ２を所望の間隔を隔てて支持するバツフ
ルプレート５と、消音器１の底部には内部に溜ま
つた凝縮水を排出するための水抜き６とから構成
されている。

斯くして構成された消音器１は、エンジンから
吐出される排気ガスが、排気系を経てインレツト
パイプ２から導入されると、インレツトパイプ２
の側壁に設けた多数の小孔３から消音器１内部に
吐出される。この際、インレツトパイプ２には内
部にプラグ４が設けられているから、排気ガスは
プラグ４より下方で消音器１内に吐出され、消音
器１内部を通つてアウトレツトパイプ２に設けた
多数の小孔３に流入する。そして、この間に消音
され、アウトレツトパイプ７から外部に排気され
る。

然し、この消音器１は、プラグ４がほぼ中央に
設けられてインレツトパイプ２とアウトレツトパ
イプ７とを区画しているので、アウトレツトパイ
プ７が長尺に形成され、アウトレツトパイプ７の
下方の排気上流部で発生した水滴が排気汚水とな
つて外部に飛散する虞があつた。

さらに、第５図に示すように、インレツトパイ
プ２とアウトレツトパイプ７とを分断すると共に
両者間に仕切体９を設けたものも提案されている
実開昭55−83214号公報）。

第５図に示す消音器では、インレツトパイプ２
を介して導入された排気ガスは、仕切体９に設け
た多数の小孔（図示せず）を通つて消音器内に吐
出され、そして、アウトレツトパイプ７の壁面に
設けた多数の小孔（図示せず）からアウトレツト
パイプ７に流入し、次いで外部に排気される。

この際、仕切体９の上下面に付着した凝縮水は
溝部（図示せず）を介して下方の水抜き（図示せ
ず）へ流下する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然し、この公知例でも、仕切体９に連設したア
ウトレツトパイプ７が長尺に形成されるので、ア
ウトレツトパイプ７の下方の排気上流側で発生し
た水滴が排気汚水となつて外部に飛散する虞があ
る。

〔考案の目的〕

本考案は係る問題点を解決するために為された
もので、その目的は、アウトレツトパイプ内部に
水滴が付着し難い構造とすると共に消音器内部に
発生した水滴が外部に飛散し難い構造にすること
を目的とする産業車両用縦型消音器を提供するこ
とにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る産業車両用縦型消音器は、消音器本
体と、排気ガス流入側がエンジンに連結し、流出
側が前記消音器本体の下方から該消音器本体内に
挿入されるインレツトパイプと、前記消音器本体
から外部に突出するアウトレツトパイプと、前記
消音器本体の下部に設けた水抜きとを有する産業
車両用縦型消音器に於て、前記インレツトパイプ
は、前記消音器本体内に挿入される管壁に小孔を
設けると共に、先端を閉塞して管壁の小孔から排
気ガスを排気するように構成され、前記アウトレ
ツトパイプは、前記消音器本体の上方側壁から外
部に突出する短管で構成されると共に、前記消音
器内の端部が前記インレツトパイプの先端より上
方に固定されているものである。

〔考案の作用〕

本考案に於ては、エンジンから突出される排気
ガスが、インレツトパイプに導入されると、イン
レツトパイプの壁面に設けた小孔から消音器本体
内部に吐出される。

この際、インレツトパイプの先端は、閉塞され
ているので、排気ガスは先端の閉塞部よりも下方
で消音器本体に吐出される。

そして、排気ガスは、消音器本体内部を通つて
上昇する。

この際、消音器本体内部に発生した水滴は、排
気ガス流れに沿つてバツフルプレート又は消音器
本体内壁に激突して篩落され、排気ガスのみが消
音器本体の上方壁面に設けたアウトレツトパイプ
から外部に排出される。

しかも、アウトレツトパイプが短管で構成され
ているから、アウトレツトパイプでの凝縮水の発
生はほとんどないと共に、水滴が付着し難くな
り、水滴が排水汚水として吐出する虞がなくな
る。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図に基づいて説明
する。

図に於て、２０は消音器、２００は、消音器本
体を表す。２１はインレツトパイプであり、排気
ガスの流入側がエンジンに連結し、流出側が消音
器本体２００内に挿入されている。インレツトパ
イプ２１は消音器本体２００内に於て、側壁に多
数の小孔２２を設け、先端にプラグ２３が設けら
れている。２４は孔明きバツフルプレートであ
り、インレツトパイプ２１を消音器本体２００内
に支持すると共に消音器本体２００内部の凝縮水
を流下させる。２５は短管で構成されたアウトレ
ツトパイプであり、消音器本体２００の側壁２０
１の上部に設けてある。２６は水抜きパイプであ
り、消音器本体２００の底板２０２に設けてあ
る。

次に、斯くして構成された本実施例の作用を説
明する。

消音器２０は第３図と同様にホークリフト等の
産業車両の排気系後部に立設される。そして、エ
ンジンから吐出される排気ガスは、インレツトパ
イプ２１を介して消音器本体２００内に導入さ
れ、インレツトパイプ２１の上部に設けたプラグ
２３によつて流路を遮られるため、側壁に設けた
多数の小孔２２から吐出される。そして、排気ガ
スは消音器本体２００内部を上昇して天板２０３
に衝突した後、アウトレツトパイプ２５を介して
外部に排気される。又、排気ガス流れに伴つて篩
落された水分は、底板２０２に流下して凝縮水と
して溜まり、水抜きパイプ２６を介して外部に排
出される。

以上のように本実施例によれば、アウトレツト
パイプ２５が短管によつて構成されているため、
アウトレツトパイプ２５内に水滴が付着する面積
が小さくなり、排気ガス流れによつて汚水として
吐出する虞がない。又、アウトレツトパイプ２５
の向きがインレツトパイプ２１からの排気ガス流
れの方向とは異なつているため、排気ガス流れの
過程で消音器２０内部に生じた水滴が消音器本体
２００の内壁によつて一旦篩落され、アウトレツ
トパイプ２５から吐出する時には水滴を含まず、
周囲を汚染することがない。

第２図は本考案の別の実施例を示すもので、上
記実施例に於けるインレツトパイプ２１の上方に
多孔バツフル３０を設けたものである。

この実施例によれば、排気ガス流れが多孔バツ
フル３０を通過する時に、水分の篩落しが更に行
なわれることになり、消音器本体２００内部の水
分の吐出が確実に防止できる。

尚、本考案は上記実施例に限定するものではな
く、例えばバツフルプレートを多段にするとか、
インレツトパイプ２１の長さを長くするとか、イ
ンレツトパイプ２１に設けた小孔２２の数を増減
させる等の変更は任意である。又、多孔バツフル
３０は第２図に示すように湾曲状を為しているも
のに限らず、平板状を為していても良い。

〔考案の効果〕

上述のように本考案によれば、消音器本体と、
排気ガス流入側がエンジンに連結し、流出側が前
記消音器本体の下方から該消音器本体内に挿入さ
れるインレツトパイプと、前記消音器本体から外
部に突出するアウトレツトパイプと、前記消音器
本体の下部に設けた水抜きとを有する産業車両用
縦型消音器に於て、前記インレツトパイプは、前
記消音器本体内に挿入される管壁に小孔を設ける
と共に、先端を閉塞して管壁の小孔から排気ガス
を排気するように構成され、前記アウトレツトパ
イプは、前記消音器本体の上方側壁から外部に突
出する短管で構成されると共に、前記消音器内の
端部が前記インレツトパイプの先端より上方に固
定されているものであるから、消音器内部に発生
した水滴が確実に篩落され、外部に飛散すること
がなくなると共に、アウトレツトパイプ内に水滴
が付着する虞がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は本考案の別の実施例を示す断面図、第３図は
ホークリフトの斜視図、第４図及び第５図は従来
の縦型用消音器の断面図である。 ２０……消音器、２１……インレツトパイプ、
２２……小孔、２３……プラグ、２４……孔明き
バツフルプレート、２５……アウトレツトパイ
プ、２６……水抜きパイプ、３０……多孔バツフ
ル、２００……消音器本体、２０１……消音器本
体２００の壁面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 消音器本体と、 排気ガス流入側がエンジンに連結し、流出側
   が前記消音器本体の下方から該消音器本体内に
   挿入されるインレツトパイプと、 前記消音器本体から外部に突出するアウトレ
   ツトパイプと、 前記消音器本体の下部に設けた水抜きと を有する産業車両用縦型消音器に於て、 前記インレツトパイプは、前記消音器本体内
   に挿入される管壁に小孔を設けると共に、先端
   を閉塞して管壁の小孔から排気ガスを排気する
   ように構成され、 前記アウトレツトパイプは、前記消音器本体
   の上方側壁から外部に突出する短管で構成され
   ると共に、前記消音器内の端部が前記インレツ
   トパイプの先端より上方に固定されている ことを特徴とする産業車両用縦型消音器。 (2) インレツトパイプとアウトレツトパイプとの
   間には、湾曲した多孔バツフルが設けてあるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の産業車両用縦型消音器。