JPS5942624B2 - 石膏化粧ボ−ドの成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は石膏ボードを活用した化粧板、殊に石膏ボー
ドの特質である良好な成形性に着眼し、凹凸模様を有す
る新しい化粧ボードの成形手法の開示に係わるものでる
る。

而して、この種の石膏ボードを利用した化粧ボード類は
、この石膏ボード自体に引つ張り強度めるいは曲げ強度
特性等が期待し得ないことより概ねボード原紙を着色め
るいは木目その他の柄着きとした平滑端面を呈したもの
であり、化粧ボードとしての立体的特性、質量感あるい
は重量感の伸出は殆ど不可能とされたものでるる。

又、かゝる石膏ボードに於ける凹凸模様による立体感、
質量感の伸出は、石膏ボードが概ね耐衝撃性に著しく弱
い焼石膏を主素材としていること並びに表面のボード原
紙をもつて、この焼石膏素材を保持しているのと構造面
より特に困難とされたものでめる。

即ち、従前石膏ボードは両面のボード原紙をもつて其の
強度が保持されていることよりして、このボード原紙を
切除することは石膏ボードそのものゝ形状保持を困難と
したものでめり、又ボード原紙の存しない石膏素材部分
の剥離を誘起したものであり、使用に耐え得るものでは
なかつた。又、この石膏ボードに於けるボード原紙の介
在は、石膏ボードを切削する場合に特に障害となつたも
のでめつて、通例このボード原紙の切除の為にする押圧
切削に際し石膏ボードに於ける肉ズレを誘起し、切削縁
が不正確なものとされ、更にボード原紙の切断縁が往々
にしてキサキサ状とされ、これ又正確なボード面の切削
を困難としたものでるる。本発明は斯かる従前石膏ボー
ドに於ける不都合を有効に回避し、石膏ボードに於ける
強度を極力損しないものとし、しかも比確的深寸の凹凸
模様の伸出を可能とし、更に切削縁の縁切れを良好とし
て切削時に於ける肉ズレを確実に防止すると同時に切削
面に露呈したボード芯材の肉崩れを確実に防止したもの
であつて、その発明の要旨を石膏ボード表面に樹脂系塗
料を斑状に膠着せしめるようになすと共に該膠着塗料に
於ける隆起部を適宜押圧、平滑端面とし、次いでこの樹
脂系塗料をもつて補強されたボード原紙を切除し、所定
の凹凸形状にボード石膏部分を穿ち削るようになすと共
に汎餘樹脂塗料を該ボード処理表面に均一に塗着せしめ
るようにした点に置き、又か＼る構成の要旨に附随する
相当の設計変更が予定されたものである。

以下本発明の詳細を図面に示す典型的な一実施例につい
て説明するに、１，１は石膏ボードであつて通常オガク
ズ等を混和材とした焼石膏を芯素材１ａとし、その両端
面をボード原紙１ｂ〜１ｂをもつて被装したものである
。

か＼る通常の石膏ボード１，１をそのボード原紙１ｂ，
１ｂに於いて接着し、二層又は多層の積層版構造として
、以下の切削処理等に伴う強度劣化を補足するようにし
たものでろる。か＼るボード１に於けるボード原紙１ｂ
面上にエポキシエマルジヨン又は酢酸ビニルエマルジヨ
ンに骨材としての顔料を該エマルジヨンに於ける流動性
を完全に無くす程度に混入した下地塗料塊２をガン吹き
し、該ボード原紙１ｂ面上に斑状に凹凸を設けたもので
ろる。

次いで、この膠着された下地塗料塊２の隆起部分上より
ローラー等のナラシ器具をもつて該塗料塊２を押圧し、
その頂端のレベルを均一として、平滑頂端を有する凹凸
模様をボード１面上に作出したものである。

かくして前処理の施されたボード１面上より適宜のカツ
タ一刃をボード原紙１ｂに当接、押圧して、該ボード原
紙１ｂを切断し、次いでこの切断されたスリツト３を見
当としてスリツタ一その他の適宜の回転切削具をもつて
ボード１の芯素材１ａに所期の凹凸４模様を穿ち、更に
これらの処理されたボード１面上に上塗り用のエポキシ
系又は酢酸ビニル系ペイント５を塗着したものである。

周、叙上に於ける凹凸４の深さ寸法を自在に変更するこ
とによつてボード１に於ける立体感あるいは質量感に変
化をもたらし得るものであることは当然として、この凹
凸４はボード１に於ける化粧表面となるボード原紙１ｂ
と、接着面となつている他方のボード原紙１ｂ間に於い
て任意に決定され、ボード１が単板構造である場合に於
いては特に其の穿ちの深さに一定の限界を設けるように
したものである。周又、開穿される凹凸４は目的とする
化粧面に即応した各種のものが予定され、円孔、角孔等
の独立凹窪は勿論縦溝、横溝あるいは格子模様等特に製
作上の制約の存しないものである。

本発明は叙上に於ける特長ある構成よりして前記せる諸
特性の具体的な奏効を期し得たものである。

即ち、ボード原紙１ｂに酢酸ビニル系又はエポキシ系エ
マルジヨンよりなる下地塗料塊２を膠着したことによつ
て該原紙１ｂに於ける切断性を良好とし、切断縁のキサ
キサの発生を無くすと共に切断時に於ける芯素材１ａの
肉ズレの発生を防止し得たものである。このことは塗料
塊２がボード原紙１ｂの絡み合つているセルロースの引
き離れに伴う切断不良を無くし、ボード原紙１ｂを比較
的硬い伸縮しない構造としたことに由来するものである
。次いで、この塗料塊２はボード原紙１ｂの補強を計つ
たものであつて、切断端縁のホツレるるいは外部衝撃に
よる切断の防止と耐水、耐風化特性の著しい向上を期し
得たものである。

又、この塗料塊２の介在をもつて凹凸４面を特に切削端
面としてイメージづけ得たものであつて、凹凸４の有す
る質量感めるいは立体感を更に助長せしめる特性を有し
たものである。

か＼る塗料塊２と共にスリツト３の介在をもつてボード
原紙１ｂの確実な切断と、凹凸４の良好な切削とを更に
助けたものであつて、ボード原紙１ｂの切断に伴う芯素
材１ａの肉崩れを確実に防止すると共にボード原紙１ｂ
の切削刃に対する絡みつきの危惧、特に斯かる切断ボー
ド原紙１ｂの絡みつきに伴う切削不良による切削面の荒
れを確実に防止し得たものである。

次いで、これ等の切削面を含むボード１の処理表面にエ
ポキシ系又は酢酸ビニル系ペイント５を塗着したことに
よつて前記塗料塊２に於けると同様にボード原紙１の補
強を可能とし、同時に切削凹凸４面の肉崩れを確実に防
止し、外部衝撃あるいは乾湿に伴う芯素材１ａの膨張、
収縮に起因する肉崩れの危惧を完全に防止するようにし
たものである。

勿論、このペイント５の使用は、か＼る強度補充あるい
は耐候、耐水特性の向上と共に塗料塊２並びにボード原
紙１ｂ、切削凹凸４面の質的感覚の相違等を緩和し、均
一の質量感の作出を特に可能としたものである。

叙上に於けるように本発明は表面を粗面状とし、しかも
切削凹窪部を平滑切削端面として、切削化粧ボードの特
質を充分に活かすようにした極めて斬新的な石膏化粧ボ
ードの成形方法の開示に係わるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図乃至第５図は本発明の典型的な一実施例である製
作過程を示す断面図、第６図並びに第７図は製品の要部
斜視図である。 周、図中１・・・石膏ボード、２・・・塗料塊、３・・
・スリツト、４・・・凹凸、５・・・ペイントを示した
ものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 石膏ボード表面に樹脂系塗料を斑状に膠着せしめる
   ようになすと共に該膠着塗料に於ける隆起部を適宜押圧
   、平滑端面とし、次いでこの樹脂系塗料をもつて補強さ
   れたボード原紙を切除し、所定の凹凸形状にボード石膏
   部分を穿ち削るようになすと共に別途樹脂塗料を該ボー
   ド処理表面に均一に塗着せしめるようにしたことを特徴
   とする石膏化粧ボードの成形方法。 ２ 前記石膏ボードを二層構造としたことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載に係る石膏化粧ボードの成形
   方法。 ３ 前記石膏ボード表面に膠着される樹脂塗料を混入顔
   料をもつて流動性を防止されたエポキシ系又は酢酸ビニ
   ル系エマルジョンとしたことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載に係る石膏化粧ボードの成形方法。 ４ 前記石膏ボード処理表面に塗着される上塗用樹脂塗
   料をエポキシ系又は酢酸ビニル系ペイントとしたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載に係る石膏化粧ボ
   ードの成形方法。