JPS5942374B2 - ジキキロクザイリヨウ - Google Patents

ジキキロクザイリヨウ

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JPS5942374B2
JPS5942374B2 JP14845075A JP14845075A JPS5942374B2 JP S5942374 B2 JPS5942374 B2 JP S5942374B2 JP 14845075 A JP14845075 A JP 14845075A JP 14845075 A JP14845075 A JP 14845075A JP S5942374 B2 JPS5942374 B2 JP S5942374B2
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茂 塩崎
幸夫 三石
重嘉 升田
伊通 長谷
欣治 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気記録材料に関する。
更に詳しくは、ドロップアウトが起らず、走行性が良好
で、しかも信号の記録・再生の優れた磁気記録材料を提
供。しようとするものである。 一般に磁気記録テープ
、磁気記録カード等の磁気記録材料は、基材フィルムの
片面上に磁性層を塗布することにより得られる。
磁気記録材料に要求される重要な要件の一つは、記録及
び再生時における信号の脱落(以下、ドロップ、アウト
という)のないことである。 基材として用いる高分子
フィルムに著しい凸部が存在すると、基材フィルムに磁
性層を塗布する際に磁性層が塗布されない部分を生じ、
或は記録もしくは再生時にその凸部のために記録再生ヘ
ッドが磁性層に接触できない部分を生じて信号の記録や
再生ができなくなり、ドロップアウトを生ずる。
それ故に基材フィルムの表面は凹凸がなくできるだけ平
滑なことが必要である。特に近頃、磁気記録材料の単位
体積当りの記録量を増大させるためにその極薄化が要望
され、このためには基材フィルムの厚さを薄くするのみ
ならず、磁性層の厚さをも薄くすることが必要である。
そして磁性層を薄くする場合には基材フィルム表面の僅
かな凸部でもドロップアウトの原因となり、基材フィル
ムに対する平滑性の要求はますます強まる。 一方、高
分子フィルムが磁気記録材料の基材フィルムとして用い
られるためには、そのフィルムの表面にしわや傷が生じ
てはならない。
そのためには、基材フィルムの滑り性がよいこと、即ち
、摩擦係数が小さい事が必要である。何故ならば、滑り
性のよくないフィルムは、フィルムの製造時や磁性層の
塗布時、その他フィルムを取扱う時に、フィルム表面が
傷ついたり、しわが発生したりし易く、基材フィルムと
して用い得ないが、敢えて無理に使用しても製品歩留り
が極めて悪いからである。更に磁気記録材料に加工され
た後も、テープをリールやカセット等から引出したり巻
上げたりする際に円滑に走行させるためには、良好な滑
り性が必要である。 フィルムの滑り性を改良するには
、フィルム面に凹凸を付与すればよい。
そのためにはフィルム原料として用いる高分子に無機微
粒子を添加したり、高分子中に不溶性の触媒残渣を生成
せしめたものを用いたりする。そして、かかる凹凸の付
与はドロップ・アウトの原因となり易い。従つて、従来
基材フィルムからドロップ・アウトをなくすることと、
良好な滑り性を付与することとは両立しなかつたのであ
る。更に磁気記録テープでは、リール等に巻いた時の巻
姿も重要な要素である。
リールに巻上げた時にフィルム端面が揃わず、テープが
一ないし数層にわたり、端面からはみ出して巻かれるこ
とがある。このはみ出た部分は、テープ取扱中に傷つき
易く、信号の記録や再生ができなくなる傾向があつた。
巻上げテープの端面不揃いは、巻上げ速度が速い程起り
易くなるので、電子計算機等でテープ速度を高くしてゼ
ータの処理速度を高めるための障害にもなつていた。磁
気記録テープの巻姿に影響する重要な因子として、テー
プに切断するときの切口の形状がある。
図1には磁気記録テープを巾方向に切断した場合の横断
図を示す。該図において、1は磁性層、2は高分子フィ
ルムである。3はテープに切る時に変形し、突出した高
分子フィルム部分を示す。
切断の条件が良い、特に切断刃が鋭利であれば、3の突
出部分は発生しないか、又は小さい。しかし、最初は鋭
利な切断刃を使用していても数万mもの磁気テープを切
断すれば、次第に鋭利でなくなり突出部が発生する。こ
の突出部が存在する磁気記録テープを巻けぱ、突出部に
対応する端面は巻きの外径が他の部分より大きくなり、
テープが変形し、テープを引出した時にテープの平面性
が悪くなり、信号の記録再生ヘッドに接触できなくなる
。そして、切断刃を頻繁に取替えるのは、生産コストや
生産性を悪くする。磁気記録カード等でも、製造に際し
て巻取りや、製品寸法に切断することが必要であり、テ
ープの場合と同様に端面の不揃いや平面性悪化により問
題を生ずる。
これらの問題を解決するために、フィルム原料には、フ
ィルムにドロップ・アウトが発生しない程度に無機微粒
子の添加量を減らし、フィルムの滑り性の低下を、フィ
ルムの磁性層を設けた面の背面に易滑性の層(例えばカ
ーボンブラックを含む層)を塗布する方法が提案されて
いる。
しかし、この方法では塗布のために工程が増え、しかも
該易滑性層が剥れて記録・再生ヘッドとの接触を妨げた
り、フィルムの平面性を悪化させたりする欠点がある。
本発明者はこのような欠点のない磁気記録材料について
鋭意研究の結果、磁気記録材料の基材として、高さ0.
5μないし1.5μの微細突起が4000/粛以上、高
さ2.0μないし4.0μの微細突起が5個/一以上1
00個/C−111未満、高さ4μをこえる突起が2個
/(I−771未満であり、空気の漏れ指数が3000
秒以下である高分子フィルムを用いるならば、ドロップ
・アウトを無視できる程度に低下させ、しかも良好な滑
り性を保持し、巻姿をよくし、テープの巻土げ時の端面
の不揃が改良されることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、高さ0.5μないし1.5μの微細突
起が4000個/一以上、高さ2.0μないし4.0μ
の微細突起が5個/一以上100個/一未満、高さ4μ
をこえる突起が2個/d未満であり、空気の漏れ指数が
3000秒以下である高分子フィルムに磁性層を塗布し
てなる磁気記録材料である。本発明で基材として用いる
高分子フィルムは、高さ4μ以上の突起が2個/粛未満
のものである。
かかる突起が0.5個/d以下、特に0.1個/(V7
I以下であることが好ましい。かかる突起が2個/Cl
!l以上になるとドロップ・アウトが無視できない程に
ふえてくるので好ましくない。高さ4μ以上の突起が実
質上o個/(V7Iであるようなフィルムが最も望まし
いのみならず、かかるフィルムを製造することも可能で
ある。本発明者が検討したところによれば、基材フィル
ムを磁気記録材料に加工し、基材フィルムに基因するド
ロップ・アウトを調べたところ、高さ4μ以上の突起が
見出された。
逆に、基材フィルムの高さ4μ以上の突起が、すべてド
ロップ・アウトを生ずるわけではない。実際に信号を記
録するのに用いられる部分の面積は、磁気記録材料の表
面積にくらべて小さい。また突起の高さが4μ以上でも
、その幅が信号を記録するトラックの幅より著しく小さ
ければ、ドロップ・アウトを生じないからである。しか
し、前述の如く、高さ4μをこえる突起がドロップ・ア
ウトの直接原因となることができるのみならず、磁気記
録材料製造中にこの突起がロール等に接触して脱落した
り削られたりして凝集し、フィルムに付着すると、塗布
される磁性層中に混入してドロップ・アウトの原因とな
り、更に磁気テープに加工された後にあつては、かかる
凝集物が磁性層と記録再生ヘッドとの接触を妨げてドロ
ップ・アウトの原因になる。本発明で用いる基材フィル
ムは、高さ0.5μないし1.5μの微細突起が400
0個/CTil以上のものである。好ましくは、かかる
突起が8000個/d以上、特に好ましくは1200個
/C−111以上である。かかる突起が4000個/d
よりも少いと、フィルムの滑り性が低下するのみならず
、巻姿、とりわけ巻き上げたテープ端面の揃い方がよく
ないし、テープ状に切断したときの切断部の突出による
テープの平面性悪化を防止できないので好ましくない。
通常、かかる微細突起が4000〜100000個/C
nlのものを得ることができる。図1に示す「切断によ
る突出部」3は、通常高さ0.1〜0.8μ程度で0.
5μ前後のものが多い。従つて、図1における「高分子
フィルム」2の平均凹凸よりも前記突出部3の高さが高
いと、この磁気テープを巻くと、突出部3を有する端の
直径が大きくなり、テープを引出した時にテープの平面
性が悪くなる。逆に高分子フィルムに0.5μ以上の突
起が多数あれば0.5μ程度である突出部3の存在によ
つても、その側の直径が大きくなることもなく、テープ
を引出した時の平面性も悪くならない。かかる理由によ
り、高さが0.5μないし1.5μの突起がある程度以
上多数存在することが、テープが均一に巻き上げられる
のに必要であることが理解できよう。更に本発明で用い
る基材フィルムは、空気の漏れ指数が3000秒以下の
ものである。
該指数は2000秒以下が好ましく、特に1000秒以
下が好ましい。該指数が3000秒より大きいものは、
巻取りの際にフィルムとフィルムの間から空気が逃げに
くく、フィルムが空気に乗つて左右に流れて端面が不揃
いになり易いので好ましくない。空気の漏れ指数は、後
に詳述する如く、フィルムとガラス板との間隙を1C?
1Lの空気が流れるのに要する時間であり、指数が小さ
い程、空気が漏れ易いことを意味する。磁気記録材料等
をも含め、一般にフィルムを巻取る際にフィルムとフィ
ルムとの間に空気が巻込まれる。フィルムの巻取速度が
速くなると、フィルムに随伴する空気の量が多くなるの
で、フィルムの間にできる空気層が厚くなる。巻取時に
この空気層を素早く減少させてフィルム面が接触するよ
うにしないと、空気が逃げ出す時にフィルムが空気層に
乗つた状態で左や右に流れ、巻上げ7イルムの端面が不
揃いになる。従つて巻上げ時に空気の逃げ易いフィルム
であることが大切なのである。通常、空気漏れ指数20
0〜3000秒のものを得ることができる。本発明で用
いる高分子フィルムは、磁気記録材料の基材フィルムは
、磁気記録材料の基材フィルムとして用いることのでき
るものであれば何でもよく、配向されていないものでも
、一軸または二軸に配向したものでもよい。代表的なも
のとしてセルロース・アセテート・フィルム(通常、延
伸配向されていない)や線状芳香族ポリエステル・フィ
ルム(通常、一軸または二軸に延伸配向させて用いる)
が例示される。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンー2,6ーナフタレンジカルボキシレート、
或はこれらに少量の第Ξ成分を共重合させたポリエステ
ル等のフィルムを二軸延伸し、熱固定したものが、磁気
記録材料基材として優れている。基材フィルムとして、
縦方向の強度を特に大きくした、いわゆるテンシライズ
ド・フィルムを用いる場合、本発明の要件を充たした基
材フィルムを用いると特に効果的である。
単位体積当りの記録密度を高めるために薄くして、しか
も縦方向の強度を高く保つためテンシライズドフイルム
を用いるのであるが、これを基材とした磁気テープは特
に巻姿が悪くなり易く、端面が不揃いになつたりテープ
の平面性が悪化したりし易いからである。本発明で基材
として用いられる高分子フィルムは、例えば次のような
方法で製造できる。少くとも一種の芳香族二官能性カル
ボン酸の低級アルキルエステル、および少くとも一種の
グリコールをエステル交換反応せしめ、次いでエステル
交換反応生成物を重縮合反応せしめてポリエステルを製
造する方法において、下記式(1)〜(4) 0.03≦Ca≦0.50゛゜゜゜゜(式1)0.10
≦Li≦0.80゜゜’’゜(式2)0.30≦0.5
Ca+Li≦1.00・・・・・(式3)PO.lOく
≦0.55・・・・・ (式4)一0.5Ca+Li
〔但し、Ca,Li)及びPはそれぞれ、カルシウム分
、リチウム分、リン分の芳香族二官能性カルボン酸成分
に対するモル%の数値を示す。
〕を同時に満足するように、エステル変換反応の際に触
媒としてカルシウム化合物及びリチウム化合物を添加す
ると共に、ポリエステル重縮合反応の完結までなるべく
エステル交換反応完了後に次の一般式〔但し、Rはアル
キル基、アリール基またはヒドロキシアルキル基。
nはOまたは1。1は0〜2の整改mは1〜3の整数。
l+m二3〕で表わされるリン化合物を添加してポリエ
ステルを製造する。
更に該ポリエステル製造の際にポリエステル製造反応の
完結までにリン酸リチウム(Li3PO4)を添加する
が、このリン酸リチウムは、式1〜4のリン分やリチウ
ム分には算入しない。ここで、エステル交換反応の触媒
として使用するカルシウム化合物は、エステル交換触媒
能を有するものであれば、何でもよい。
例えば酢酸、プロピオン酸、酩酸等の如き脂肪族カルボ
ン酸の塩、安息香酸、P−メチル安息香酸、ナフトエ酸
等の如き芳香族カルボン酸の塩、メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ル等の如きアルコールのアルコラート、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール等の如きグリコールのグリ
コラート、塩化物等が挙げられる。リン酸系化合物は触
媒能が劣るので通常は使用されない。またリチウム化合
物も、エステル交換触媒能を有するものであれぱ何でも
よい。
例えば、上述のカルシウム化合物に類似の脂肪族カルボ
ン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アルコラート並びに塩化
物、水素化物等が挙げられる。リン酸系化合物は触媒能
が劣るので、通常は触媒としては使用されない。一般式
aで表わされるリン化合物にあつては、Rがアルキルで
ある場合は炭素数1〜4のものが好ましく、Rがアリー
ル基である場合には炭素数6〜10のものが好ましい。
またR力化ドロキシアルキル基である場合は炭素数2〜
10のものが好ましい。このリン化合物の添加時期はポ
リエステル重縮合反応の完結前であればいつでもよいが
、エステル交換反応の完了する前に添加すると、エステ
ル交換反応速度が低下するので、該反応完了後に添加す
るのが好ましく特にエステル交換反応終了後で重縮合反
応の開始までに添加するのが特に好ましい。リン酸リチ
ウム塩の添加時期はポリエステル重縮合反応の完結前で
あれぱいつでもよい。
しかし、エステル交換に使用するグリコールに分散させ
、平均粒径を1μ以下としてエステル交換反応の際に添
加するのが好ましい。添加割合は、得られるポリマーに
対して0.5〜0.01重量%が好ましい。リン酸リチ
ウムはエステル交換触媒能が小さく、式1〜4のリチウ
ム分やリン分には含めない。このような方法で得られる
ポリエステルをマスター・バッチとして他のポリエステ
ルと混合してフィルム限料として用いる場合には、リン
酸リチウムは、前記ポリエステル(マスター ・バッチ
用)と他のポリエステルとの合計に対して0.5〜0.
01重量%となるように、前記ポリエステルに対して添
加するのが好ましい。混合に用いる他のポリエステルは
実質土粒径1μ以上の粒子が析出ないし添加されていな
いもの(例えばマンガン化合物をエステル交換触媒とし
て用いたもので、カオリン等の如き無機粒子が添加され
ていないもの)が好ましい。このような方法で重縮合さ
れたポリエステル(単独)、或はそれに他のポリエステ
ルと混合したものをフィルム原料とし、これを溶融押出
して未延伸フィルムとし、二軸延伸し、熱固定する。
原料ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合
には、延伸温度800C〜130℃、延伸倍率2.5〜
5倍で縦及び横方向に延伸し(縦倍率は横倍率より小さ
くても大きくても等しくてもよい)、1300C〜25
0℃で熱固定するのが好ましい。また原料ポリエステル
がポリエチレンー2,6ーナフタレンジカルボキシレー
トの場合には、延伸温度110℃〜150′C延伸倍率
2.5〜5倍で縦及び横方向に延伸し(縦倍率は横倍率
より小さくても大きくても等しくてもよい)、150℃
〜260℃で熱固定するのが好ましい。前記重合方法で
得られたポリエステル中には、前記のカルシウム化合物
、リチウム化合物、リン化合物(式aで表わされるもの
)、及びリン酸リチウムと、ポリエステルのオリゴマー
とからなる粒子が析出し、これによつて本発明で用いる
基材フィルムに要求される表面特性が得られる。
このようにして得られたフィルムは、単に無機微粒子を
添加したものと異なるのは、析出粒子の構成要素として
オリゴマーが含まれることであり、この析出粒子が製膜
延伸工程で変形や分裂をして、丁度本発明で要求する表
面特性を有するフィルムになると考えられる。しかしな
がら、本発明で基材フィルムとして用いるものは、この
ような方法で得られたもののみには限られないことは言
うまでもない。
基材フィルムから磁気記録材料を製造するには、常法に
従い、磁性材料粉末をバインダー中に分散させたものを
基材フィルム面に塗布すればよい。
磁性材料粉末としては、r型Fe2O3、Fe3O4、
CO含有Fe2c3、Fe3O4、CrO2、Fe−C
O−Ni等の如き強磁性体粉末が挙げられる。バインダ
ーとしては、通常、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、
セルロース誘導体(例えばニトロセルロース、セルロー
スアセテートプロピオネート等)、ニトリルゴム、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン等の高分子が使用される。これ
らと共に通常分散剤(例えばレシチン、各種界面活性剤
等)、滑剤(例えばシリコン、ワックス等)、帯電防止
剤(例えばカーボンブラック、各種界面活性剤等)、可
塑剤(例えばDOP,.TCP等)、安定剤等の如き添
加剤が配合されることが多い。通常、磁性粉末をバイン
ダー、各種添加剤、有機溶剤等と共にボールミルに仕込
み、磁性粉末が均一に分散するまで混合し、得られた塗
料から粗大粒子を濾過した後、該塗料をドクタープレー
ト方式、グラビア方式、リバースロール方式等の塗布方
法で基材フィルム土に均一に塗布し、乾燥前に磁場中を
通過させて磁性粉末を配向させ、乾燥する方法が採用さ
れる。
基材フィルムには磁性層との接着を改良するために必要
あれば適当な下塗を行なつてもよい。ドロップ・アウト
や出力雑音が特に問題になる用途(例えばビデオテープ
、コンピューターテープコンパクトカセットテープ等)
では、磁性塗料を塗布後、カレンダーロールを用いて表
面を更に平滑にするのが通例である。塗布工程は、通常
無塵室で行なわれる。磁性層の厚さは、通常3〜20μ
の範囲内にするが5〜15μ、特に5〜10μにするの
が好ましい。本発明の磁気記録材料はドロップ・アウト
が無視できる程少く、走行性がすぐれ、巻き上げ時の端
面もよく揃い、信号の記録・再生が優れ高速走行させる
ことができるという特長がある。
なお、本発明における主な特性の測定法は次の通りであ
る。
・滑り性:ASTMDl894−63による静摩擦係数
で表わす。
・空気の漏れ指数:JISP8ll9−1963に規定
されたベツク(Bekk)平滑度試験器を用い、押え金
の圧力を0.25kg/(V7Iとし、温度20℃、湿
度60%PH)大気圧の下で1m1の空気が通過するに
要する時間を秒数で表わしたものである。
押え金の圧力と空気量を変更する以外は前記JISの規
定に従う。なお、試験器自体に空気漏れがある場合はそ
れがJIS規定内であつても、フィルムの場合は無視で
きないので、次式により補正した値を採用する。
20x y= 20−Ax y:補正された空気の漏れ指数(単位:秒)x:補正前
の測定値 (単位:秒)a二試験器自体の漏れによる水
銀柱の下降量(単位:Mm/秒)aの測定には、円形試
料台に真空グリースを用いてゴム製押え板を押しつけて
円形試料台中央の孔をふさぎ水銀柱を約370mmに上
げて、24時間での水銀柱の下降量(通常、数n程度で
ある)を求め、1秒当りの下降量に換算する。
(JISP8ll9−1963のままの方法ではフィル
ムの場合測定時間が1日以上になることがあるので、以
上のように変更したものである。)・フィルム面の突起
の高さと密度:高さの測定は可視単色光による多重反射
干渉式の表面あらさ測定器を用いる。
フィルム表面にはアルミニウム等の如き反射能の高い金
属を薄く蒸着してから測定する。顕微鏡を用いるから測
定視野が狭いので、試料フィルムにつき測定視野をラン
ダムに選び、高さ0.5〜1.5μの突起については合
計約0.1(−77iにわたつて測定し、1crIL当
りに換算する。一方、高さ4μをこえる突起は非常に数
が少いので、測定面積を約100(V7I程度にし、1
c−d当りに換算する。・ドロツプアウトニ電算機用磁
気テープとして1600bit/Inch)8トラック
で書込を行ない、信号出力50%以下のものをドロップ
アウトとし、そのうち、基材フィルムに起因するものの
みを教えた。幅12.7m、長さ730mを1巻として
、50巻測定し、1巻当りの個数で表示する。・巻上げ
テープの端面の揃い方及びテープの平面性:磁として電
子計算機の磁気テープ装置にかけ、リールに巻き戻し、
その外観で端面の揃い方を判断した。
この巻上げテープを一週間室内に放置した後、テープを
引き出し、平面上に置き、テープが完全に平面状かどう
かを検討した。評価は、完全に端面が揃つたものや、完
全に平面状のものを◎とし、やや端面に不揃いがあつた
り、やや平面状ではなかつたりするが実用上差支えのな
いものを○とし、実用上問題を生ずるものを×とした。
比較例1 ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを原料
とし、エステル交換触媒として酢酸マンガン0.05モ
ル%、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.02モル
%、安定剤としてトリメチルホスフェート0.05モル
%を使用して、ポリエチレンテレフタレートを製造した
該ポリエチレンテレフタレートを常法にしたがつて溶融
押出して未延伸フィルムに製膜し、延伸温度90〜11
0℃で縦方向倍率3.5倍、横方向 ・倍率3.6倍に
二軸延伸し、200℃で熱固定して、厚さ25μのフィ
ルムを得た。
このフィルムについて、高さ0.5〜1.5μの微細突
起を数えれところ、o個/C−171であつた。
また、このフィルムの静摩擦係数は4以上で測定できず
、・滑り性は悪かつた。また、空気の漏れ指数は100
00秒以上であつた。このフィルムは製膜時ロールに巻
上げる時にしわや傷が入り、磁気記録材料の基材フィル
ムとしては到底使用できないものであつた。
実施例1 ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを原料
とし、エステル交換触媒として酢酸リチウムを0.40
モル%、酢酸カルシウムを0.10モル%添加してエス
テル交換反応を行つた後、トリメチルホスファイトを0
.16モル%、リン酸リチウムを0.2重量%及びΞ酸
化アンチモン(重縮合触媒)を0.03モル%添加して
重縮合反応させ、ポリエチレンテレフタレートを製造し
た。
このポリマーを用いて、比較例1と同様にして厚さ25
μの二軸延伸フィルムを製膜した。
製膜は問題なく順調に行なうことができた。このように
して得られたフィルムに、常法にしたがつて、針状Y型
酸化第二鉄と結合剤(塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体
)より成る磁性層を厚さ5μになるように塗布して、磁
気記録材料に加工した。
ついで、これを12.7mm巾にスリツター(西村製作
所製・TD型を使用)を使用して切断し、長さ730m
をリールに巻きあげた。このフィルムの高さ0.5〜1
.5μの突起の数は26500個/粛、高さ4μをこえ
る突起の数は0.05個/一、空気の漏れ指数は810
秒、滑り性(静摩擦係数)は0.4であつた。また、こ
のフィルムより得られた磁気記録材料のドロップアウト
の数はoと極めて少なく、端面のそろい方は◎、テープ
の平面性は◎であつた。
実施例2〜3および比較例2実施例1で製造したポリエ
チレンテレフタレートと比較例1で製造したポリエチレ
ンテレフタレートとを混合して使用することによりリン
酸リチウム含有率を変える以外は実施例1と同様にして
二軸延伸フィルムに製膜および磁気記録テープに加工し
た。
リン酸リチウム含有率は実施例2では0.1重量%、実
施例3では0.02重量%、比較例2では0.005重
量%にした。
得られたフィルムおよび磁気記録テープの特性を表1に
示す。
実施例4および比較例3 実施例1で製造したポリエチレンテレフタレートに水簸
により分粒した平均粒径5μのカオリンを添加して、実
施例1と同様に製膜し、磁気記録テープに加工した。
該ポリエチレンテレフタレートに対するカオリンの添加
割合は、実施例4の場合0.01重量%、比較例3の場
合0.1重量%にした。得られたフィルムおよび磁気記
録テープの特性を表2に示す。
比較例4 フィルム原料として、比較例1で製造したポリエチレン
テレフタレートに水簸により分粒した平均粒径5μのカ
オリンを0.03重量%添加したものを用いる以外は実
施例1と同様にして、製膜および磁気記録テープに加工
した。
得られたフィルムの高さ0.5〜1.5μの突起の数は
4900イV粛、高さ4.0μをこえる突起の数は7個
/粛、空気の漏れ指数は3420秒、滑り性は0.4で
あつた。また、このフィルムより得られた磁気記録テー
プのドロップアウトの数は4という多数で端面の揃い方
は×、テープの平面性は〇であつた。
比較例5比較例1の方法にしたがつて、ポリエチレンテ
レフタレートを製造する際に、さらにシリカの超微粉末
(商品名アエロジール。
日本アエロジール株式会社製品)を0.2重量%添加し
て重合した。得られたポリマーを、実施例1と同様の方
法で、製膜および磁気テープに加工した。得られたフィ
ルムの高さ0.5〜1.5μの突起の数はo個/(V7
I)高さ4μをこえる突起の数もo個/(V7I)空気
の漏れ指数は10000秒以上、滑り性は0.6であつ
た。
また、このフィルムより得られた磁気記録テープのドロ
ツプテウトの数は零できわめて優れていたが、端面の揃
い方は×、テープの平面性も×であつた。
【図面の簡単な説明】
図1は磁気記録テープの横断面を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 高さ0.5μないし1.5μの微細突起が4000
    個/cm^2以上、高さ2.0μないし4.0μの微細
    突起が5個/cm^2以上100個/cm^2未満、高
    さ4μをこえる突起が2個/cm^2未満であり、空気
    の漏れ指数が3000秒以下である高分子フィルムに磁
    性層を塗布してなる磁気記録材料。
JP14845075A 1975-12-15 1975-12-15 ジキキロクザイリヨウ Expired JPS5942374B2 (ja)

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