JPS5825330B2 - 磁気記録材料用ポリエステルフイルムの製造法 - Google Patents

磁気記録材料用ポリエステルフイルムの製造法

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JPS5825330B2
JPS5825330B2 JP2013076A JP2013076A JPS5825330B2 JP S5825330 B2 JPS5825330 B2 JP S5825330B2 JP 2013076 A JP2013076 A JP 2013076A JP 2013076 A JP2013076 A JP 2013076A JP S5825330 B2 JPS5825330 B2 JP S5825330B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気記録材料用ポリエステルフィルムの製造法
に関する。
更に詳しくは、走行性がよく、信号の記録・再生等が優
れた磁気記録材料用ポリエステルフィルムの製造法を提
供しようとするものである。
一般に磁気記録テープ、磁気記録カード等の磁気記録材
料は、基材フィルムの片面上に磁性層を積層することに
より得られる。
磁気記録材料に要求される重要な要件の一つは、記録及
び再生時における信号の脱落(以下、ドロップアウトと
いう)のないことである。
基材として用いる高分子フィルムに著しい凸部が存在す
ると、基材フィルムに磁性層を積層する際に磁性層が積
層されない部分を生じ、或は記録もしくは再生時にその
凸部のために記録再生ヘッドが磁性層に接触できない部
分を生じて信号の記録や再生ができなくなり、ドロップ
アウトを生ずる。
それ故に基材フィルムの表面は凹凸がなくできるだけ平
滑なことが必要である。
特に近頃、磁気記録材料の単位体積当シの記録量を増大
させるためにその極薄化が要望され、このためには基材
フィルムの厚さを薄くするのみならず、磁性層の厚さを
も薄くすることが必要である。
そして磁性層を薄くする場合には基材フィルム表面の僅
かな凸部でもドロップアウトの原因となり、基材フィル
ムに対する平滑性の要求はますます強まる。
一方、高分子フィルムが磁気記録材料の基材フィルムと
して用いられるためには、そのフィルムの表面にしわや
傷が生じてはならない。
そのためには、基材フィルムの滑り性がよいこと、即ち
、摩擦係数が小さい事が必要である。
何故ならば、滑り性のよくないフィルムは、フィルムの
製造時や磁性層の塗布時、その他フィルムを取扱う時に
、フィルム表面が傷ついたシ、しわが発生したシし易く
、基材フィルムとして用い得ないか、敢えて無理に使用
しても製品歩留シが極めて悪いからである。
更に磁気記録材料に加工された後も、テープをリールや
カセット等から引出したり巻上げたりする際に円滑に走
行させるためには、良好な滑シ性が必要である。
フィルムの滑り性を改良するには、フィルム面に凹凸を
付与すればよい。
そのためにはフィルム原料として用いる高分子に無機微
粒子を添ヵ[]したり、高分子中に不溶性残渣を生成せ
しめたものを用いたりする。
そして、かかる凹凸の付与はドロップアウトの原因とな
り易い。
従って、従来基材フィルムからドロップアウトをなくす
こと払良好な滑シ性を付与することとは両立しなかった
のである。
更に磁気記録テープの巻姿に影響する重要な因子として
、テープに切断するときの切口の形状がある。
図1には磁気記録テープを巾方向に切断した場合の横断
図を示す。
該図において、1は磁性層、2は高分子フィルムである
3はテープに切る時に変形し、突出した高分子フィルム
部分を示す。
切断の条件が良い、特に切断刃が鋭利であれば、3の突
出部分は発生しないか、又は小さい。
しかし、最初は鋭利な切断刃を使用していても数万mも
の磁気テープを切断すれば、次第に鋭利でなくなり突出
部が発生する。
この突出部が存在する磁気記録テープを巻けば、突出部
に対応する端面ば巻きの外径が他の部分より犬きくなシ
、テープが変形し、テープを引出した時にテープの平面
性が悪くなシ、信号の記録再生ヘッドに接触できなくな
る。
そして、切断刃を頻繁に取替えるのは、生産コストや生
産性を悪くする。
磁気記録カード等でも、製造に際して巻取りや、製品寸
法に切断することが必要であシ、テープの場合と同様に
平面性悪化により問題を生ずる。
磁気記録材料の基材フィルムとして更に重要な特性は、
磁気記録媒体の接着性の良否である。
磁気記録媒体との接着性が充分でなければ、使用中に記
録媒体が脱落して使用に耐えなくなるが、二軸配向ポリ
エステルフィルムと磁気記録媒体との接着性は、ポリエ
ステルフィルムの表面が平滑な程良好であり、テープの
走行性等を改良するために不活性な無機微粒子を添加す
る等の方法でフィルム表面に凹凸を付与すると接着性が
悪くなる傾向がある。
このように、磁気記録材料において、基材フィルムに起
因するド田ノブアウトを減少させ、走行性及び巻姿が良
好で、しかも磁気記録媒体と基材フィルムとの接着性の
良好な磁気記録材料を製造するに適した基材フィルムを
得ることは困難であった。
本発明者は、磁気記録材料用基材フィルムのこのような
問題点を解決すべく鋭意研究の結果、特定の微細凹凸を
有する二軸配向ポリエステルフィルムに特定の強さの放
電処理をすればよいことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、高さが0.5μないし1.5μの微細
突起が500個/d以上、高さが4μをこえる突起が2
低/−未満であり、密度が1.381/dないし1.4
10g/m3である二軸配向ポリエステルフィルムに対
し、100ジユール/m2ないし50000ジユール/
77L2の放電処理をすることを特徴とする磁気記録材
料用ポリエステルフィルムの製造法である。
本発明にいうポリエステルとは、ポリエチレンテレフタ
レート及びエチレンテレフタレート単位を主たる繰返し
構造単位とする共重合ポリエステル、並びにかかるポリ
エステルが主成分であるようなポリマー・ブレンドより
なる群から選ばれたポリマーを意味する。
該共重合体ポリエステルは、ポリエステルの酸成分の9
0モル%以上をテレフクル酸成分が占め、グリコール成
分の90モル%以上をエチレングリコール成分が占める
ようなものが用いられる。
また該ポリマー・ブレンドは前記ポリエステルが90重
量%以上(好ましくは95重量%以上)を占め他の重合
体が10重量%以下(好ましくは5重量%以下)である
ようなものが用いられる。
該ブレンドに用いられる他の重合体としてはポリアミド
、ポリオレフィン、ポリカーボネート他種ポリエステル
等が例示される。
本発明方法に用いるポリエステルは、必要に応じて安定
剤、着色剤、酸化防止剤、滑剤、その他添加剤等を含有
したものであってもよい。
本発明方法で用いるフィルムは二軸配向したものである
ことが必要である。
該フィルムの配向の程度は、フィルム平面における屈折
率楕円体の長軸方向及び短軸方向の屈折率が共に1.5
9以上であることが好ましい。
配向されていないポリエステルフィルムはその物理的性
質がよくないので磁気記録材料の基材フィルムとして用
いることは適当ではない。
未配向ポリエステルフィルムの屈折率は1.57程度で
ある。
本発明方法で用いるフィルムは、高さが0.5μないし
1.5μの微細突起が500個/d以上のものである。
好ましくは、かかる突起が1000個/crrt以上、
特に好ましくは、かかる突起が3000個/CIIt以
上である。
かかる突起が500個/(’77fよりも少いと、フィ
ルムの滑り性が悪化するのみならず、巻姿の悪化、即ち
巻上げロールの端部の盛9上シが発生し易くなる。
通常、かかる突起が10万個/crA以下のものが製造
される。
更に、本発明方法で用いるフィルムは、高さが4μをこ
える突起が2個/cyif、未満でなければならない。
かかる突起が0.5個/−以下、特に0.05個/cr
t’を以下であることが好ましい。
かかる突起が2個/d以上になるとドロップアウトが無
視できない程にふえてくるので好ましくない。
高さ4μ以上の突起が実質上0個/dであるようなフィ
ルムが最も望ましいのみならず、かかるフィルムを製造
することも可能である。
本発明者が検討したところによれば、図1の「切断によ
る突出部」3は通常、高さ0.1〜0,8μ程度で高さ
05μ前後のものが多い。
従って、図1における「ポリエステルフィルム」2の平
均凹凸よりも前後突出部3の高さが高いと、この磁気テ
ープを巻くとき突出部3を有する端の直径が大きくなり
、テープを引出した時にテープの平面性が悪くなる。
逆にポリエステルフィルムに0.5μ以上の突起が多数
あれば0.5μ程度である突出部3の存在によっても、
その側の直径が大きくなることもなく、テープを引出し
た時の平面性も悪くならない。
従って、0.5〜1.5μの微細突起が成る程度以上多
数存在すると、テープが均一に巻き上げられることが理
解できよう。
一方、基材フィルムを磁気記録材料に力ロエし、基材フ
ィルムに基因するドロップアウトを調べたところ、高さ
4μ以上の突起が見出された。
逆に、基材フィルムの高さ4以上の突起が、すべてドロ
ップアウトを生ずるわけではない。
実際に信号を記録するのに用いられる部分の面積は、磁
気記録材料の表面積にくらべて小さい。
また突起の高さが4μ以上でも、その幅が信号を記録す
るトラックの幅より著しく小さければドロップアウトを
生じないからである。
しかし、前述の如く、高さ4μをこえる突起がドロップ
アウトの直接原因となることができるのみならず、磁気
記録材料製造中にこの突起がロール等に接触して脱落し
たり削られたりして凝集し、フィルムに付着すると、塗
布される磁性層中に混入してドロップアウトの原因とな
り、更に磁気テープに力n工された後にあっては、かか
る凝集物が磁性層と記録再生ヘッドとの接触を妨げてド
ロップアウトの原因となる。
本発明方法で用いるフィルムは、放電処理前において、
その密度が1.38097cm3以上1.410g/i
以下のものである。
フィルム密度が1.380 g/cm3未満であると放
電処理の際にフィルムにしわが入ることがあるのみなら
ず、磁気記録材料に力ロエした後で寸法が経時変化して
ビデオ録画の再生の際に画面のゆがみ(スキューともい
う)が発生し易いので好ましくない。
かかる観点から、フィルム密度は1.390 g/cr
n3以上、特に1.395 g/Ca13以上が好まし
い。
一方、フィルムの密度が1.410 g/am3 より
も犬であると放電処理の際に処理面に付着する白粉が多
くなり、磁性層を積層したとき、この白粉に基くドロッ
プアウトが多くなるので好ましくない。
かかる観点から、フィルム密度は1.4 Q 597c
m3以下が好ましい。
本発明方法では、磁性層をフィルム面に強力に接着せし
めるために、基材フィルムに放電処理を行なう。
放電処理の強さは基材フィルム面1m2当りの放電電力
量が100ジユール/m 2以上50000ジユール/
m 2以下となるようにする。
放電電力量が100ジユール/ m 2未満であると接
着力が不光分であるので好ましくない。
より好ましい接着力を得るには、500ジユ一ル/m2
以上、特に1000ジユール/m2以上にするのが好ま
しい。
一方、放電電力量が50000ジユ一ル/m2 より
も多くなると基材フィルムの加熱収縮が起るので好tL
<ない。
かかる観点からは放電電力量が30000ジユール/
m 2以下、特に20000ジュール/、2以下が好ま
しい。
本発明方法で用いる放電処理は、いわゆるグロー放電処
理、接触放電処理、火花電電処理、コロナ放電処理等の
処理方法(電極間に放電を起し、その放電雰囲気に誘電
体フィルムを晒すことで処理する方法)を含む。
放電処理はフィルムの片面(磁性層を積層する側の面)
のみに行なうのみで充分であるが、必要あれば両面に実
施してもよい。
前記放tX力量はフィルムの片面当りに値である。
コロナ放電処理の場合には、処理を均一に行なうために
50Hz以上、特にlKH2以上の交流を用いるのが好
ましい。
通常、5〜200KHzがよく用いられる。
放電処理雰囲気は常圧の空気中でよいが、必要あれば減
圧下、或は空気以外の蒸気やガス中で放電処理してもよ
い。
処理時間はフィルムを放電領域に0.001〜10秒晒
す程度にするのが通常である。
本発明方法で放電処理に供する二軸配向フイルムは、例
えば次のような方法で製造できる。
〔ポリマーの製造〕
少くとも1種の芳香族二官能性カルボン酸低級アルキル
エステルと、少くとも1種のグリコールとをエステル交
換反応させ、次いでエステル交換反応生成物を重縮合反
応せしめてポリエステルを製造する方法において、下記
式(1)〜(4)0.03≦Ca≦0.50 ・・
・・・・(式1)0.10≦Li≦0.80 ・・
・・・・(式2)0.30≦0.5Ca≦1.oo
・−−−C式3)〔但し、Ca、 Li、及びPはそ
れぞれカルシウム分、リチウム分、リン分の、芳香族二
官能性カルボン酸成分に対するモル%の数値を示す。
〕を同時に満足するように、エステル交換反応の際に触
媒としてカルシウム化合物及びリチウム化合物を添力口
すると共に、ポリエステル重縮合反応の完結までなるべ
くポリエステル交換反応完了後に次の一般式 〔但し、Rはアルキル基、アリール基またはヒドロキシ
アルキル基。
nはOまたは1゜lはO〜2の整数。
nは1〜3の整数。、i?+m=3)で表わされるリン
化合物を添カロしてポリエステルを製造する。
更に該ポリエステル製造の際にポリエステル製造反応の
完結までにリン酸リチウム(Li2PO4)を添加する
が、このリン酸リチウムは、式1〜4のリン分やリチウ
ム分には算入しない。
ここで、エステル交換反応の触媒として使用するカルシ
ウム化合物は、エステル交換触媒能を有するものであれ
ば例でもよい。
例えば酢酸プロピオン酸、酪酸等の如き脂肪族カルボン
酸の塩、安息香酸、p−メチル安息香酸、ナフトエ酸等
の如き芳香族カルボン酸の塩、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、メチルアルコール
等の如キアルコールのアルコラード、エチレングリコー
ル、プロピレンクリコール等ノ如きグリコールのグリコ
ラート、塩化物等が挙げられる。
リン酸系化合物は触媒能が劣るので、通常は触媒として
は使用されない。
一般式aで表わされるリン化合物にあってはRがアルキ
ル基である場合は炭素数1〜4のものが好ましく、Rが
アリール基である場合には炭素数6〜10のものが好ま
しい。
またRがヒドロキシアルキル基である場合は炭素数2〜
10のものが好ましい。
このリン化合物の添力ロ時期はポリエステル重縮合反応
の完結前であればいつでもよいが、エステル交換反応の
完了する前に添カ目すると、エステル交換反応速度が低
下するので、該反応終了後に添加するのが好ましく特に
エステル交換反応終了後で重縮合反応の開始までに添力
口するのが特に好ましい。
リン酸リチウム塩の添加時期はポリエステル重縮合反応
の完結前であればいつでもよい。
しかし、エステル交換反応に使用するグリコールに分散
させ、平均粒径を1μ以下としてエステル交換反応の際
に添加するのが好ましい。
添カロ割合は、得られるポリマーに対して0.01〜0
.3重量%が好ましい。
リン酸リチウムはエステル交換触媒能が小さく、式1〜
4のリチウム分やリン分には含めない。
このような方法で得られるポリエステルをマスター・バ
ッチとして他のポリエステルと混合してフィルム原料に
用いる場合には、リン酸リチウムは、前記ポリエステル
(マスター・バッチ用)と他のポリエステルとの合計に
対して0.01〜0.3重量%となるように、前記ポリ
エステルに対して添力目するのが好ましい。
混合に用いる他のポリエステルは実質上粒径1μ以上の
粒子が析出ないし添加されていないもの(例えばマンガ
ン化合物をエステル交換触媒として用いたもので、カオ
リン等の如き無機粒子が添力口されていないもの)が好
ましい。
〔製膜〕
このようにして得られた原料ポリエステルを常法により
溶融押出して薄膜状に固化させ、実質的に非晶の未延伸
フィルムを作成する。
このフィルムを、一軸延伸した後のフィルム面内におけ
る延伸方向と垂直の方向(例えば縦延伸後であれば横方
向)の屈折率nsDが1.560以下となるように、延
伸倍率2.5〜5.0倍、好ましくは3.0〜4.5倍
に一軸延伸(例えば縦延伸)する。
nsDを1.560以下にするには、延伸倍率延伸温度
及び未延伸フィルムの結晶性等が影響するが延伸温度を
できるだけ低下させるようにして、予備実験により他の
条件を決めるとよい。
次に、得られたnsD が1.560以下の一軸延伸フ
イルムを、前記延伸方向と直角の方向に延伸温度50〜
80°C1延伸倍率2.5〜5.0倍、好ましくは3.
0〜4.5倍に延伸し、更に185〜215°Cで3〜
100秒間熱固定する。
前記重合方法で得られたポリエステル中には前記のカル
シウム化合物、リチウム化合物、リン化合物(式aで表
わされるもの)、及びリン酸リチウムとポリエステルの
オリゴマーとからなる粒子が析出し、これと延伸条件と
の組合せによって、本発明で用いる基材フィルムに要求
される表面特性が得られる。
このようにして得られたフィルムが、単に無機微粒子を
添加したものと異なるのは。
析出粒子の構成要素としてオリゴマーが含まれることで
あシ、この析出粒子が製膜延伸工程で変形や分裂をして
、丁度本発明で要求する表面特性を有するフィルムにな
ると考えられる。
しかしながら、本発明で基材フィルムとして用いるもの
は、このような方法で得られたもののみには限られない
ことは言うまでもない。
本発明方法で放電処理に供するポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの厚さは特に限定されないが、通常3〜5
0μの厚さのものがよく用いられる。
本発明方法で得られるポリエステルフィルムを用いた磁
気記録材料はドロップアウトが無視できる程小さく、走
行性がすぐれ、巻上げ時の巻姿もよく、磁気記録媒体と
の接着性もよいという特長がある。
従って、本発明方法で得られるフィルムはドロップアウ
トと走行性に対する要求が特に厳しいビデオ用途に好ま
しく用いられる。
また表面に粗大突起が少いので磁性層を薄くすることが
でき、カセット、カートリッジ等の形成の如きコンパク
ト化されたビデオ、オーディオ、計測、電算機用途にも
適する。
なお、本発明における主な特性の測定法は次の通りであ
る。
・滑り性: ASTM D1894−63による静摩擦係数で表わす
・フィルム面の突起の高さと数: 高さの測定は可視単色光による多重反射干渉式の表面あ
らさ測定器を用いる。
フィルム表面にはアルミニウム等の如き反射能の高い金
属を薄く蒸着してから測定する。
顕微鏡を用いるから測定視野が狭いので、試料フィルム
につき測定視野をランダムに選び、高さ05〜1.5μ
の突起については合計約0.1crIL2 にわたって
測定し、ICrrL2当りに換算する。
一方、高さ4μをこえる突起は非常に数が少いので、測
定面積を約100cm”程度にし、ICIrL2当りに
換算する。
・ドロップアウト: ビデオテープとして録画を行い(ビデオ録画装置として
ソニー・U−ma t i c装置を使用)、巾19m
mのテープの長さ5.7m当りのドロップアウトの数を
測定した。
更に、このドロップアウトのうち、基材フィルムに起因
するものを数えた。
ドロップアウト測定装置としては、日本自動制御(株)
製のドロップアウト・カウンターを使用した。
検出レベルは−14db、検出時間は15μ・sec・
である。
・巻上げテープの巻姿: 巾19朋、長さ200mの磁気記録テープをテンション
100g、速度5.7 m/ m i nでリールに巻
き、これを1週間室温に放置した後、テープを引出し、
平面上に置き、テープが完全に平面状かどうかを検討し
た。
評価は完全に平面状のものを◎、やや平面状でないが実
用上差支えのないものを○、実用上問題を生ずるものを
×とした。
・屈折率: アツベの屈折計を用いて25°Cで測定した、NaのD
線に対する値を採用する。
・密度: 25°Cにおけるフィルムの密度である。
四塩化炭素・n−へブタン混合系を用いた密度勾配管に
より測定した。
・接着強度: 磁気記録テープに力ロエし、これにセロテープ(スコッ
チ#600を使用)を貼付け、180のT型ピールテス
トを行ない、磁性層を基材フィルムより料理するに要す
る荷重を測定した。
引剥速度は100mm/min であった。
比較例 1 ジメチルテレツクレートとエチレングリコールとを原料
とし、エステル交換触媒として酢酸マンガン0,05%
、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.02モル%、
安定剤としてトリメチルホスフエート0.05モル%を
使用して、ポリエチレンテレフタレートを製造した。
該ポリエチレンテレフタレートを常法にしたがって溶融
押出して未延伸フィルムに製膜し、延伸温度95℃、延
伸倍率3.5倍で縦延伸し、n5D1.572の一軸延
伸フイルムを得た。
これを延伸温度100°C1延伸倍率3.6倍で横延伸
し、200℃で熱固定して、厚さ25μ、密度1.39
8g/crfL3の二軸配向フィルムを得た。
このフィルムについて、高さ0.5〜1.5μの微細突
起を数えたところ、0個/cr?tであった。
またこのフィルムの静摩擦係数は4以上で測定できず滑
り性は悪かった。
このフィルムは製膜時ロールに巻上げる時にしわや傷が
入り、磁気記録材料用基材フィルムとしては到底使用で
きないものであった。
実施例1及び比較例2 ジメチルテレツクレートとエチレングリコールとを原料
とし、エステル交換触媒として酢酸リチウムを0.40
モル%、酢酸カルシウムを0.10モル%添加してエス
テル交換反応を行なった後、トリメチルホスファイトを
0.16モル受、リン酸リチウムを0.05重量%、及
び三酸化アンチモン(重縮合触媒)を0.03モル%添
加して重縮合反応させ、ポリエチレンテレフタレートを
製造した。
このポリマーを用いて常法に従って溶融押出し、実質上
非晶の未延伸フィルムに製膜し、延伸温度75°C1延
伸倍率3.5倍で縦延伸し、n5D1.558の一軸延
伸フイルムを得た。
これを延伸温度78°C1延伸倍率3.6倍で横延伸し
、200℃で熱固定して密度1.398 g10WL3
、厚さ25μの二軸配向フィルムを得た。
このフィルムの高さ0.5〜1.5μの突起の数は43
00個/c1rL3、高さ4μをこえる突起の数はO個
/C1?Lであった。
このフィルムに、表1に示す条件でコロナ放電処理した
(春日電機(株)製、HF−301型放電処理装置を使
用)。
周波数はI 10I’G(Z である。放電処理後のフ
ィルムに、全固形分に対して針状γ型酸化第二鉄微粉末
75重量係、ウレタン系結合剤25重量%、厚さ4μの
磁性層を常法により塗布して磁気記録材料とし、これを
19mrn巾にスリック−(西村製作所製TD−II型
を使用)で切断し、磁気記録テープとした。
この磁気記録テープの特性を表1に示す。
一方、比較のため、同じ基材フィルムを放電処理するこ
となく、磁気記録テープにした場合の特性も併記する。
以上の結果から、基材フィルムが同一であるのでド田ノ
ブアウトの数は差がないが、放電処理により磁性層のフ
ィルムとの接着力が著しく向上することが判る。
なお、本実施例及び本比較例に用いたフィルムの巻姿は
◎であった。
また、19間巾にスリットする前の状態でフィルムと磁
性層との静摩擦係数はいずれも0,4で滑り性は良好で
あり、録画装置における走行性も問題なかった。
実施例2及び比較例3 フィルムの熱固定温度を変えてフィルムの密度を変化さ
せる以外は実施例1と同様にして、二軸配向フィルムに
し、コロナ放電処理しく比較例の中にはコロナ放電処理
しないものもある。
)磁気記録テープに力1工した。
得られた結果を表2に示す。
なお、実験//62は放電処理の際にフィルムにしわを
生じ、平面性が悪くて磁気記録材料に用いることができ
なかった。
実験涜1..3.,4,5,6,7のフィルムの磁性層
との静摩擦係数はいずれも0.4で走行性は良好であっ
た。
また高さ0.4μをこえる突起は実験/161〜7のど
のフィルムも0個/iであった。
また実験扁1の磁気記録テープは、基材フィルムの密度
が低すぎるため、録画再生の際に画面の5ゆがみ(スキ
ュー)が大きくて実用にならない。
実験扁7の磁気記録テープは、基材フィルムの密度が高
すぎるため、放電処理の際の白粉の付着が著しく、ドロ
ップアウトが著しく増力口りでいる。
実施例3及び比較例4 実施例1で製造したポリマーと、比較例1で製造したポ
リマーとを混合して使用することによりリン酸リチウム
含有率を変える以外は実施例1と同様にし、二軸配向フ
ィルムへの製膜、熱固定及び磁気記録テープへのカロエ
を行なった。
基材フィルムの密度は何れも1.398 g/CrrL
3で、高さ4.0μをこえる突起の数はいずれもO個/
dであった。
実験/I61及び2の基材フィルムの、磁性層との静摩
擦係数は0.6で滑り性が悪く、フィルムの巻姿も悪く
Xであった。
なお実験涜3及び4の基材フィルムの、磁性層との静摩
擦係数は0.45で滑り性は良好であり、また巻姿は◎
であった。
比較例 5 フィルム原料用ポリマーとして、比較例1で製造したポ
リエチレンテレフタレートに、木版により分粒した平均
粒径5μのカオリンを0,03重量%添力口したものを
用いる以外は実施例1と同様にして、二軸配向フィルム
への製膜、熱固定、及び磁気記録テープへの力ロエを行
なった。
得られた基材フィルムの密度は1.398g厘、高さ0
.5〜1.5μの突起数は4600個/crtt、高さ
4μをこえる突起の数は7個/d、フィルムと磁性層と
の静摩擦係数は0.4で、滑り性は良好であった。
この基材フィルムより得られた磁気記録テープのドロッ
プアウトの全数は95個で、その殆んどが基材フィルム
に起因するものであった。
またコロナ放電処理しないときの磁性層の接着強度は2
0g/19mm巾、放電電力量2000ジユール/ m
2のコロナ放電処理後の磁性層の接着強度は110g
/l 9mm巾であった。
なおテープの巻姿は◎であった。
実施例3(表3の実4験扁4)や実施例1(表1の実験
/f62〜4)と、比較例1や比較例4の実験/161
〜2とを比較すると高さ0.5〜1.5の微細突起が少
なすぎるフィルムは滑り性が悪く、巻姿もよくないこと
がわかる。
また実施例1〜3と比較例5とを比較すると高さ4.0
μをこえる粗大突起が目立つものは、ドロップアウトが
著しく多くなり、磁気記録材料として用いると好ましく
ないことが判る。
【図面の簡単な説明】
図1は磁気記録テープを巾方向に切断したときの断面図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 高さが0.5μないし1.5μの微細突起が500
    個/crj、以上、高さが4μをこえる突起が2個/c
    rIt未満であり、密度が1.3809/crAないし
    1.41097crt’tである二軸配向ポリエステル
    フィルムに対し100ジユール/m2ないし50000
    ジユ一ル/m2の放電処理をすることを特徴とする磁気
    記録材料用ポリエステルフィルムの製造法。
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