JPS5942287Y2 - 車両用ワイパ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用ワイパ構造に関する。

通常のワイパでは、車両ボディに揺動可能に取付けられ
た揺動アームの先端部にワイパアームの内端部を枢着し
、ワイパアームと揺動アーム間に引張りばねを張設して
この引張りばねのばね力によりワイパアームの外端部に
取付けられたワイパブレードをガラス窓上に押圧せしめ
るようにしている。

このようなワイパにおいて、上述の引張りばね力を強く
しすぎると掃拭作用時にワイパブレードがビビリ振動を
発生すると共にワイパブレードの早期摩耗を招き、一方
引張りばね力を弱くしすぎると高速走行時或いは強風下
における運転時にフロントガラスに衝突してフロントガ
ラスの中央部から両側に向って流れる空気流により発生
するワイパブレードをフロントガラスから浮き上がらせ
る力によってワイパブレードの押圧力が弱められ、その
結果良好な掃拭作用が確保できない。

従って通常のワイパではこれらのことを考慮して最適な
ワイパブレードの押圧力が得られるように引張りばね力
を設定している。

しかしながら実際には部品の精度にばらつきがあるため
に各車両毎にワイパブレードの押圧力がばらつき、その
結果、全車両に対して等しく最適なワイパブレード押圧
力を確保するのが困難となっている。

これに対して、最適なワイパプレード押圧力を確するた
めにワイパアームと揺動アーム間に張設された引張りば
ねのばね力を調節できるようにしたワイパ装置が実公昭
４７−１２１１号公報に記載されている。

このワイパ装置では揺動アーム内に螺子の先端部と係合
する傾動可能な調節板を設け、引張りばねをワイパアー
ムと調節板間に張設し、螺子を回転させることによって
調節板を傾動せしめて引張りばねのばね力を調節するよ
うにしている。

しかしながらこのように螺子の先端部を調節板に係合さ
せることによって引張りばねのばね力を調節するように
した場合には調節板の寸法をさほど大きくすることがで
きないことから引張りばねの調整移動量を大きくするこ
とができず、筐た引張りばねの張力を高めるには何度も
螺子を回転させなければならないという問題がある。

更に、実公昭４７−１２１１号公報に記載されたワイパ
装置では螺子を戻しすぎると螺子が調節板からはずれ、
再び螺子をねじ込んでもそのま渣では螺子と調節板と係
合させることができず、この場合に螺子と調節板とを再
び係合させるには引張りばねをはずさなければならない
との問題を生ずる。

本考案は少しの回転動作でもって引張りばねの張力を大
巾に変えることができ、しかも引張りばねの調節作用が
不能になることのないワイパ装置を提供することにある
。

以下、添付図面を参照して本考案を詳細に説明する。

第１図を参照すると、１は車両ボディ、２は車両ボディ
１表面から突出しかつ図示しない駆動モータにより揺動
運動せしめられる揺動軸、３は揺動軸の突出先端部に形
成されたねじ部、４はねじ部３上に螺着されたキャップ
ナツト、５はキャップナラ）４によって揺動軸２上に固
定された揺動アーム、６は揺動アーム５を覆うようにし
て揺動アーム５に取付けられた揺動アームカバー、７は
揺動アーム５の外端部８にアームビン９により回動可能
に取付られたアームカバー、１０はリベット１１により
アームカバー７の先端部に固定されたワイパアームを夫
々示す。

このワイパアーム１０は第１図に釦いて右方に延び、そ
の先端部に図示しないワイパブレードが取付けられる。

第１図並びに第２図に示されるように揺動アーム５は揺
動軸２から外方に向けて揺動軸２の軸線に対して直角方
向に延びる。

この揺動アーム５は揺動軸２から揺動アーム外端部８に
向けて互に間隔を隔てて平行に延びる一対の側壁５ａ
、５ｂと、これら側壁５ａ 、ｓｂを互に橋絡する上壁
５Ｃとにより構成されたコ字形断面形状を有する。

各側壁５ａ、５ｂ上には夫々揺動軸２から揺動アーム外
端部８に向けて延びる案内溝１２．１３が形成され、こ
れら両案内溝１２．１３内には両案内溝１２．１３を貫
通する支持ピン１４が摺動可能に挿入される。

更に揺動アーム５には側壁５ａ 、 ｓｂを貫通して延
びるカムシャフト１５が回動可能に枢着され、このカム
シャフト１５上に一体成形の一対の偏心カム１６．１７
が固着せしめられる。

支持ピン１４には連結ばね１８の一端部が掛止めされ、
この連結ばね１８の他端部は引張りばね１９の内端部に
掛止めされる。

更に、引張りばね１９の外端部はワイパアーム１０の屈
曲内端部に掛止めされる。

従って、ワイパアーム１０の外端部に取付けられたワイ
パブレードはこの引張りばね１９のばね力によりフロン
トガラス２０上に押圧せしめられる。

また、このとき支持ピン１４は偏心カム１６．１７のカ
ム而２１に当接して釦り、従って偏心カム１６．１７を
回動せしめることによって支持ピン１４が案内溝１２．
１３内を左右に移動して引張りばね１９のばね力を調整
できることがわかる。

第２図に示されるようにカムシャフト１５の一端部には
拡大頭部２２が形成されて釦り、この拡大頭部２２１／
ｉ：形成された溝２３内にドライバーの先端部を挿入し
てカムシャフト１５を回転させることによって圧縮ばね
１９のばね力を外部から容易に調整することができる。

な釦、カムジャスト１５の拡大頭部２２上に偏心カム１
６．１７の回動位置を示す印を付けておけばばね力の調
整量がより一層判るようになる。

第１図に示す実施例はワイパブレードの交換並びにフロ
ントガラスの清掃を容易にするためにアームカバー７を
回動できるような構造となって釦り、そのために連結ば
ね１８が挿入されている。

しかしながら他の構造のワイパでは連結ばね１８を用い
ることなく圧縮ばね１９の内端部を支持ピン１４に直接
連結することもできる。

以上述べたように本考案によれば、偏心カムを用いて引
張りばねの張力を調節するようにしているので偏心カム
をわずかばかり回動させることによって引張りばねの張
力を大巾に変えることができ、斯くして張力の調節を極
めて容易に行なうことができる。

また、偏心カムと支持ピンとの係合がはずれることがな
いので常時確実に引張りばねのばね力を調節することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るワイパの側面断面図、第２図は第
１図の■−■線に沿ってみた拡大断面図である。 １・・・・・・車両ボディ、２・・・・・・揺動軸、５
・・・・・・揺動アーム、１０・・・・・・ワイパアー
ム、１２．１３・・・・・・案内溝、１４・・・・・・
支持ピン、１５・・・・・・カムシャツ）、１６，１７
・・・・・・偏心カム、１９・・・・・・圧縮ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両ボディ表面から突出する揺動軸に該揺動軸から外方
   に向けて該揺動軸の軸線に対し直角方向に延びる揺動ア
   ームを固定すると共に該揺動アームの外端部にワイパア
   ームの内端部を枢着シ、該ワイパアームと該揺動アーム
   間に引張りばねを張設して該引張りばねのばね力により
   該ワイパアームの外端部に取付けられたワイパブレード
   をガラス窓上に押圧せしめるようにしたワイパにおいて
   、上記揺動アームが上記揺動軸から揺動アーム外端部に
   向けて互に間隔を隔てて平行に延びる一対の側壁を具備
   し、各側壁上に夫々揺動軸から揺動アーム外端部に向け
   て延びる案内溝を形成すると共に両案内溝内に両案内溝
   を貫通する支持ピンを摺動可能に嵌着し、上記引張りば
   ねの外端部を上記ワイパアームに連結すると共にその内
   端部を該支持ピンに連結し、更に該支持ピンと常時当接
   して該引張りばねのばね力を調整するための偏心カムを
   該揺動アームに回動可能に取付けたことを特徴とする車
   両用ワイパ構造。