JPS5941281Y2 - カム軸 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はエンジンの動弁機構中に配設され、吸。

排気弁の開閉作動を行なわせるカム軸の改良に関する。

一般に、この種のカム軸は、炭素鋼の鍛造品であって、
カム面を高周波焼入れし、硬度を高めているが、摩耗し
易し、耐久性に問題があった。

そこで、カム面を異種金属材料で形成したり、タベント
の摺動向ともども摺動面の滑面仕上度を向上し、潤滑手
段を改善して問題の解決を図るなどしてきたため、コス
ト高となることを避けられなかった。

本案は上述のような観点に基き、比較的安価で耐久性、
特に耐摩耗性に富むカム軸を提供するもので、その要旨
は「両側面に段差部を設けたセラミック製カム片をカム
軸に遊嵌せしめ、且つ上記カム片の両側部にあってカム
軸にスリーブ部を固着したリテーナの半径方向に伸延し
た７ランノ部を上記カム片の段差部に係合せしめると共
に、そのフランジ部のフランジ向をカム片の各側面に固
着して成るカム軸」にある。

以下、その実施例を図について説明する。

第１図、第２図は本案による第１の実施例を示すもので
あり、エンジンの動弁機構中に配設され、吸、排気弁の
開閉作動を行なわせるカム軸の一部を示すもので、１は
カム軸で炭素鋼の直杆状部材より成り、その外周部にア
ルミナや窒素化珪素を主成分とするセラミック製品であ
るカム片２が、極く僅かな間隙Ｓをもって遊嵌される。

カム片２のカムノーズ２１の下方の両側面にはカム片の
厚みを僅かに縮少して水平方向に直線的に伸びる段差部
２２が形成されている。

３はカム片２をカム軸１に保持させるためのリテーナで
、カム片２０両側部に夫々配設されている。

このリテーナ３はそのスリーブ部３１でもってカム軸１
の外周に溶接等により固着され、且つそのカム片２に対
向する側の端部を半径方向に伸延して７ランノ部３２が
形成されていて、その７ランノ部３２の上部は水平方向
に直線的に切欠かれてカム片の段差部２２に係合される
。

また、フランジ部３２のカム片２の側面部に対向するフ
ランジ向３２ａは上記側面部にろう着され、これによっ
て、カム片２はカム軸１に保持されるようになっている
。

本案実施例におけるカム軸は上述のようにして成るので
、カム軸１の駆動力はリテーナ３を介してカム片２に伝
達され、カム片２のカム作用によってエンジンの吸、排
気弁の開閉作動が行なわれる。

また、作動中に炭素鋼より成るカム軸１が熱膨張を生じ
ても、極めて熱膨張係数の小さい上２ミンク製のカム片
２との間には間隙８が設けであるので、カム軸の膨張が
カム片２に直接及びすことがないからカム片２の破壊は
防止される。

更に、カム片２はセラミック材であるため、材料費も安
く、その製作も従来の炭素鋼による鍛造品のものに比ら
べ著しく容易で、且つそのカム面の硬度も大幅に向上で
き、耐摩耗性も極めて向上させることができる利点があ
る。

第３図、第４図は本案による他の実施例を示すもので、
カム片２０両側面に適度の巾をもって切欠部２５が形成
され、その下方に切欠部２５の両側に水平方向に直線的
に伸びる段差部２６．２７を設けるようにしたものであ
る。

他の構成においては、第１の実施例のものと同様である
。

この実施例におけるカム片の第１の実施例のカム片に比
べての利点はカム軸の駆動力の伝達がより確実になると
いう点であり、他の効果は上述した第１の実施例のもの
と全く同様である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の第１実施例の要部を示す縦断面図、第２
図は同実施例の側面断面図、第３図は本案の他の実施例
の要部を示す縦断面図、第４図は同実施例の側面断面図
である。 １；カム軸、２；カム片、２２；段差部、３；リテーナ
、３１；スリーブ部、３２：フランジ部、２５；切欠部
、２６，２７；段差部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側面に段差部を設けたセラミック製カム片をカム軸に
   遊嵌せしめ、且つ上記カム片の両側部にあってカム軸に
   スリーブ部を固着したリテーナの半径方向に伸延した７
   ランノ部を上記カム片の段差部に係合せしめると共に、
   そのフランジ部のフランジ面をカム片の各側面に固着し
   て成るカム軸。