JPS5941158Y2 - 安全ベルト装置におけるガイドハンガ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等に使用される安全ベルト装置における
案内部材の構造に関するものである。

従来、自動車等の車輛の乗員の安全を確保するための安
全ベルト装置においては、ベルト案内部材（ガイドハン
ガー）を駆動機構により、車輛の中央部又は側方部に設
けたガイドレールに沿わせて往復動させることによって
肩ベルト、腰ベルトからなる乗員拘束用安全ベルトを前
方の開放位置との間で移動させる形式のものが多く提案
されてお・す、前記駆動機構と安全ベルトとの連結を行
なうために前記ガイドハンガーが使用されている。

ところで、前記駆動機構と、安全ベルトとは自動車の組
立の際には別個に車体に取付けられるものであり、いず
れか一方が車体に取付けられた後に前記ガイドハンガー
を介して両者の連結が行なわれるものである。

従って、ガイドハンガーの機能としては前記両者の連結
の迅速化を図ることができるものであることが要求され
る。

又、経年変化に基づく補修のために取替えの必要が生じ
た際には簡単に分離可能になっていることが必要となる
。

しかるに、従来のガイドハンガーは連結、分離に時間が
かかるものが多く、前記要請を十分に満足するものがな
かった。

本考案は前記事情に鑑みてなされたものであり、駆動機
構と安全ベルトとの連結を迅速に行なうことができ、か
つ、取替え時には容易に両者を分離することができるガ
イドハンガーを提供することを目的とするものである。

以下実施例により本考案を具体的に説明する。

第１図は本考案ガイドハンガーを含む安全ベルト装置の
一実施例斜視図である。

図において１は車体、２はドア、３はシート、４は肩ベ
ルト４ａ及び腰ベルト４ｂからなる連続ベルトであり、
このＪ続ベルト４は図示のものにおいては下方端がドア
２の内面開放側下端に取着された緊急ロック式リトラク
タ５に巻着され、上方端がドア２の内面開放側上部にバ
ックル６、トング７により緊急離脱可能に係着されてい
る。

前記連続ベルト４は更にその中間部においてベルト案内
部材としてのガイドハンガー８に係挿されている。

前記ガイドハンガー８は、適宜駆動部材１４によって進
退動する可撓性のラツクドワイヤ１５に取付けられたス
ライダー（図示せず）に連結されており、このため、ド
ア２の内面に設けられたガイドレール９に沿ってスライ
ダーを移動させることによって、連続ベルト４を拘束位
置と退避した解放位置との間で転位し得るようになって
いる。

次に、第２図及び第３図を参照して前記ガイドハンガー
８の構造の一実施例を詳細に説明する。

第２図ａ及びｂはガイドハンガーの正面図及び側面図で
ある。

このガイドハンガー８は、上部にスライダーとの接続部
８Ａを、下部にベルトを案内するガイドローラの支持部
８Ｂを備えている。

前記スライダー接続部８Ａは、ガイドハンガー８の中央
連結部２１上に所定間隔をおいて立設された一対の肩部
２２．２３と、同じく中央連結部２１上の一側部に立設
され、これらを覆うカバ一部２５に連結された支持部２
４と、この支持部２４と肩部２３との間に配置され支持
部２４の側壁部に固着されたスピードナツト２６とを備
えている。

カバ一部２５の図示右側の側壁部２５Ａには貫通孔２５
ａが、支持部２４には貫通子Ｌ２４ａが、肩部２２．２
３にはそれぞれ貫通孔２２ａ。

２３ａが設けられており、これらの貫通孔は略同等の径
を有しており、それぞれ中心軸が水平線上に一致するよ
うに配置されている。

前記スピードナツト２６は、例えば第３図ａに示すよう
に長方形状の枠部２６ａと、上下に対向するように折曲
形成された一対の係止片２６ｂ、２６ｂと、中央開口部
２６ｃとを有しており、一対の係止片２６ｂ、２６ｂが
肩部２３側に向い、かつ中央開口部２６ｃの中心が支持
部２４の貫通孔２４ａの中心に一致するようにして取付
けられている。

尚、肩部２２と２３との間の間隔衣は後述するスライダ
ーの厚さよりも広くなるように形成されている。

そして、前述のように中心線が一致するように配置され
た各貫通孔２５ａ、 ２４ａ。

２３ａ、 ２２ａ内にはスライダー接続ピン２７が挿通
されるようになっている。

図においては、スライダー接続ピン２７の先端が貫通孔
２３ａ内に停止しており、頭部がカバ一部２５の側壁部
２５Ａの外方に突出している状態を示している。

このスライダー接続ピン２７は、例えば第３図すに示す
ように中間部にネジ部２７ａを有し、頭部に切欠溝２７
ｂを有するものであり、そのネジ山の径は前記各貫通孔
の径よりも僅かに狭く形成されていると共に、ネジ溝の
径は前記スピードナツト２６の開口部２６ｃの径と同等
となるように形成されており、更に、全長が図示左側の
肩部２２から図示右側のカバー側壁部２５Ａ迄の距離と
略同等となるように形成されている。

前記ガイドローラ支持部８Ｂは、ガイドハンガー８の中
央連結部２１の両端から垂下する一対の脚部２８Ａ、
２８Ｂと、これら脚部に形成された貫通孔２８ａ、２８
ｂとからなり、貫通孔２８ａ、２８ｂ内に回動自在に挿
通されるガイドローラピン２９を介してガイドローラ３
０が回動自在に取付けられるようになっている。

前記ガイドローラピン２９は、第３図Ｃに示すように係
合凹部２９ａを有する段付の第１のピン部材２９Ａと、
この第１のピン部材の係合凹部２９ａに係合し得る係合
突部２９ｂを備えた段付きの第２のピン部材２９Ｂとか
らなり、係合凹部２９ａ内に挿入されたスプリング２９
ｃを介して第１と第２のピン部材を連結することによっ
て組立てた状態で円筒状のガイドローラ３０の中空部３
０ａ内に収容されるようになっている。

このとき、ガイドローラ３０の両端からはガイドローラ
ピン２９の段差突出部２９Ａ１．２９Ｂ１がそれぞれ突
出するように形成される。

従って前記段差突出部２９Ａ１．２９Ｂ１を両側から押
圧することによってピン部材２９Ａ、 ２９Ｂ間に介挿
されているスプリング２９Ｃの力に抗して前記段差突出
部２９Ａ１．２９Ｂ１をガイドローラ３０内に押し込ん
だ状態で前記ガイドローラ３０の中心を両端の脚部２８
Ａ、 ２８Ｂに形成された貫通孔２８ａ、２８ｂの位置
に合せると、スプリング２９Ｃの力によってピン部材２
９Ａ、 ２９Ｂが元の状態に戻り、段差突出部２９Ａ１
．２９Ｂ、が脚部２８Ａ、 ２８Ｂの貫通孔２８ａ、２
８ｂ内に挿入されることになり、このようにしてガイド
ローラ３０が回動自在に取付けられることになる逆に、
ガイドローラ３０を取り外す場合には、脚部２８Ａ、
２８Ｂの貫通孔２８ａ、２８ｂの外側からドライバー等
の工具を用いてピン２９の段差突出部２９Ａ１゜２９Ｂ
１を押し込めば容易に取り外すことができる。

次に、前記ガイドハンガーの使用態様を第４図及び第５
図を用いて説明する。

スライダー３１は第４図に示すように、前記スライダー
接続ピン２７の径よりも大きな径を有する開口部３１ａ
を備えたリング状頭部と杆状基端部３１ｂとによって構
成され基端部３１ｂにはピン３１ｄを介して一対のロー
ラ３１ｃが連結されており、このローラ３１ｃは車体又
はドア２に取付けられた断面コ字状のガイドレール９内
に収納されでいる。

このようなスライダー３１の頭部をガイドハンガー８の
前記一対の肩部２２．２３の間に挿入した状態で第５図
に示すようにスライダー接続ピン２７を矢印Ａ方向から
押し込んで先端部がスライダー３１の開口部３１ａを介
して肩部２２の貫通孔２２ａ内に達するようにする。

このとき、スピードナツト２６の係止片２６ｂの先端と
スライダー接続ピン２７のネジ部２７ａとが噛み合い、
これによってスライダー接続ピン２７の固定が行なわれ
、スライダー３１とガイドハンガー８との連結が行なわ
れるこの状態で連続ベルト４を連結する場合は、前述の
ように工具等によってガイドハンガー８の脚部２８Ａ、
２８Ｂの外側からガイドローラピン２９の両端部を押
圧して押し込み、ガイドローラ３０を取り外して連続ベ
ルト４を掛は渡し、その後再びガイドローラピン２９の
両端部を押し込みながらガイドハンガー８の脚部２８Ａ
、 ２８Ｂ内にガイドローラ３０を挿入配置すればよい
。

尚、スライダー３１をガイドハンガー８から分離するに
は、スライダー接続ピン２７の頭部溝部にドライバーを
当てて回すことによりスピードナツト２６とネジ部２７
ａとの係合位置を元に戻すことができるので容易にスラ
イダー３１からの分離が行える。

このようなガイドハンガーを用いると、スライダーへの
取付けをスライダー接続ピンを押し込むだけで容易に行
なうことができると共に、工具を用いてスライダー接続
ピンを回すことにより取り外しを容易に行なうことがで
きることになる。

又ベルト取付用ガイドローラも外部からの押圧動作だけ
で取付け、取外しを容易に行なうことができるので、ベ
ルトの取付は及び取外しが極めて容易になる。

尚、この実施例のように、３点式パッシブベルトシステ
ムの場合にあっては、ベルト駆動機構が故障した場合等
には前記ガイドローラを取り外すことにより従来タイプ
の手動式安全ベルト装置として使用することも可能にな
る。

更に、前記実施例のように、スライダーの開口部の径を
大きくし、スライダー接続ピンの径を小さくして両者間
のクリアランスを大きくした場合には、ガイドハンガー
がベルト引張り方向に自由自在に動くことができるとい
う利点もある。

本考案は前記実施例に限定されず、種々の変形が可能で
ある。

第６図乃至第１１図は種々の変形例を示すものであり、
前記実施例と同一部分については同一符号を付し、異な
る部分についてのみ説明する。

第６図に示したものは、一端部にＥリング３２ａを備え
たスライダー接続ピン３２を肩部２３とＥリング３２ａ
との間に取付けたスプリング３３によって図示右側に付
勢しておき、スライダー３１への接続を行なうときには
、肉厚に形威したカバ一部２５の右側壁２５Ａに設けた
ネジ穴り５ａ内に外部からネジ３４を螺合させることに
よって、ネジ３４で前記スライダー接続ピン３２をスプ
リング３３の力に抗して押し込みスライダー３１との接
続を行なうようにしているものである。

第７図に示したものは、図示右側の肩部とカバ一部の側
壁部２５Ａを肉厚に形威し、この肉厚部と肩部２３とに
ネジ穴２５ａを設け、これに前記第５図に示したような
構造のスライダー接続ピン２７をドライバー等によって
螺合させてスライダー３１との接続を行なう・ようにし
たものである。

第８図に示したものは、先端が横Ｕ字状に折曲したスラ
イダー接続ピン３６を肩部２３とカバ一部の右側壁部２
５Ａの共通底部に設けられた横穴２５ａ内に摺動自在に
配置すると共に、スプリング３７によって、先端折曲部
が肩部２２．２３の貫通孔内に配置されるように常時付
勢しておき、スライダーへの接続時には工具によって図
示矢印の如くピン３６を押して、スプリング３７の付勢
力に抗して図示左側に移動させた状態でスライダー３１
を両肩部２２．２３間に介挿し、その後、ピン３６を元
の位置に戻すことによりスライダー３１との接続を行な
うようになつている。

第９図に示したものは、スライダー接続ピン３８の中間
部に設けたＥリング３８ａと肩部２３との間に挿入した
スプリング３９によってピン３８を常時図示右方向に移
動させてピン３８の右端がカバ一部の側壁２５Ａの貫通
孔２５ａを介して外部に突出するように付勢しておきス
ライダーへの接続時にはスプリング３９の力に抗してピ
ン３８を押し込んで先端部がスライダー３１を介して肩
部２２に達するようにした状態で、中央連結部２１上に
取付けられた板バネ４０の先端折曲部とピン３８のＥリ
ング３８ａとを係合させて接続を行なうようになってい
る。

スライダー３１から分離する場合にはカバ一部の側壁部
２５Ａの下方に設けた貫通孔２５ｂを使って、外部から
工具を差し込み、板バネ４０の先端折曲部を下方に押圧
することにより、ピン３８のＥリング３８ａと板バネ４
０との係合を外せばよい。

第１０図に示したものは、スライダー接続ピン４１の中
間部に設けたＥリング４１ａと支持部２４との間に設け
たスプリング４２によってピン４１の先端が常時左側肩
部２２に達するように付勢しておき、スライダーへの接
続時には支持部２４の貫通孔２４ａを介して図示右側に
突出しているピン４１の先端部を把持して引っ張った状
態でスライダー３１を挿入し、ピン４１を元の状態に戻
すことによって持続が行われるようになっている。

第１１図に示すものは、スライダー接続ピン４３の図示
左側に設けたＥリング４３ａとカバ一部の側壁２５との
間に設けた皿状スプリング４４によって、ピン４３の先
端が常時左側肩部２２に達するように付勢しておき、ス
ライダーへの接続時には、カバ一部の側壁部２５Ａの底
部に設けた貫通孔２５ｂを介して外側から工具を挿入し
て、回動軸４５ａを中心として回動するレバー４５の下
端部を押し込むことによってスプリング４４の力に抗し
てピン４３を右側に移動させた状態でスライダー３１を
挿入し、レバー４５への抑圧を解除することにより接続
を行なうようになっている。

以上詳述した本考案ガイドハンガーによれば、駆動機構
と安全ベルトとの連結を極めて容易に、かつ迅速に行な
うことができると共に、取替時には通常の工具を用いて
極めて容易に分離することができるから、作業能率の向
上を図ることができる。

尚、前記実施例では３点式安全ベルト装置に適用した場
合を説明したが、２点式安全ベルト装置にも適用できる
ものであることは言う迄もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ガイドハンガーを用いた安全ベルト装置
の一実施例斜視図、第２図ａ及びｂは本考案ガイドハン
ガーの一実施例を示す正面図及び側面図、第３図ａ乃至
Ｃはそれぞれ前記ガイドハンガーに用いられるスピード
ナツト、スライダー接続ピン、ガイドローラピンの分解
斜視図、第４図及び第５図はそれぞれ本考案ガイドハン
ガーとスライダーとの接続状態を示す側面図及び正面図
、第６図乃至第１１図はそれぞれ本考案ガイドハンガー
の他の実施例を示す一部切欠断面を含む正面図である。 ４・・・・・・安全ベルト、８・・・・・・ガイドハン
ガー、８Ａ・・・・・・スライダー接続部、８Ｂ・・・
・・・ガイドローラ支持部、２１・・・・・・中央連結
部、２２．２３・・・・・・肩部、２４・・・・・・支
持部、２５・・・・・・カバー、２２ａ、 ２３ａ、
２４ａ、 ２５ａ・・・・・・貫通孔、２６・・・・・
・スピードナツト、２７・・・・・・スライダー接続ピ
ン、２８Ａ、 ２８Ｂ・・・・・・支持脚部、２９・・
・・・・ガイドローラピン、３０・・・・・・ガイドロ
ーラ、３１・・・・・・スライダー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１） ドアの開閉に応動する電気的又は機械的な駆
   動装置により、ドア又は車体に沿って設けたガイドレー
   ル内を移動するスライダーを含む駆動機構と、この駆動
   機構によって乗員を拘束する位置と解放する位置との間
   を移動する安全ベルトとを有する安全ベルト装置におい
   て、前記駆動機構と安全ベルトとを連結するものであっ
   て上部に前記スライダーとの接続部を、下部に安全ベル
   トを案内するガイドローラの支持部をそれぞれ備え、前
   記スライダー接続部は前記スライダー先端部を挿入し得
   る間隔を持って配置され、スライダー挿入方向に対して
   直交する方向にピン挿入孔が設けられた一対の肩部と、
   先端部が前記一対の肩部のピン挿入孔の双方に亘って介
   挿されるスライダー接続位置と、いずれか一方の肩部の
   ピン挿入孔内に挿入されるスライダー離脱位置との間を
   移動可能なスライダー接続ピンと、このスライダー接続
   ピンがスライダー接続位置にあるとき、その移動を規制
   する規制部材とからなり、前記一対の肩部間にスライダ
   ーを介挿した状態で前記スライダー接続ピンを外方から
   押し込んでスライダーとの接続を行なうようにしたこと
   を特徴とするガイドハンガ（２）前記規制部材は適宜手
   段による外部からの操作によって規制の解除を行なうこ
   とができるものであることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のガイドハンガー。 （３）前記ガイドローラ支持部は、一対の支持脚部と、
   この支持脚部間に回動自在に支持されてガイドローラを
   保持するガイドローラピンとからなり、ガイドローラピ
   ンは外部からの抑圧操作によって支持脚部からの係合、
   離脱が可能となっていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のガイドハンガー。