JPS5940450Y2 - 絹毛コ−マにおけるスライバ供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は編毛コーマ（絹紡コーマあるいは梳毛コーマの
略様）において、コームシリンダの後方に２対のフィー
ドローラーを設け、これらのフィードローラーの間で編
毛スライバ（絹紡スライバあるいは梳毛スライバの略様
）を送出しながら上下方向に往復動することにより、編
毛スライバ中の繊維を相互に開繊してかさ高にし、コー
ムシリンダによる開繊と夾雑物の除去を良好にすること
を目的とするものである。

従来の編毛コーマにおいては、ケンスから引出された１
０数本の編毛スライバがスライバガイドを経て１対のフ
ィードローラーによう送出され、フィードプレートを経
てフィードグリッドに突刺され、ニッパ−に把持されて
コームシリンダの回転によりコーミングされる。

編毛スライバの繊維はきわめて長く、特に絹の繊度は約
１デニールできわめて細く、クリンプもなく、シかも溶
融したセリシンで１部の繊維は相互に付着している。

したがって編毛スライバ中の繊維には、未開繊のまま束
状になってコームシリンダのハーフラップに取付けた１
０数列（一般には１８列）のコームの針間隙に挿入され
るものが多い。

そのため従来の編毛コーマでは、繊維相互間に挾った短
繊維、小節、踊片（絹のみ）などの夾雑物が十分に除去
できないばかりでなく、繊維相互の開繊が不十分のため
、繊維のもつれ、切断、長繊維のノイルなどが多くなう
、また度々停台してコームシリンダの針間隙に残ったノ
イルを取除く必要が生じるなどの欠点があった。

本考案は従来の上記のような欠点を改良する目的でなさ
れたものであって、下記のごとくである。

すなわち、第１，２図に示すように編毛コーマにおいて
変速回転を可能とした回転軸１に長さを調節できるクラ
ンク２の中央部を枢着し、コームシリンダ（図示せず）
の後方に設けた２対のフィードローラー３，３ｆ、４．
Ｉｆの中間に、所定の速度で上下動するオツシレーテン
グロツド５を設けるとともに、このオツシレーチングロ
ツド５の両端を揺動レバー６．６′の一端に取付け、こ
れらの揺動レバー６．６′の他端をフレームに回転自在
に取付けた支持杆７に固着し、この支持杆７の一端に固
着した揺動レバー８の他端と前記クランク２の他端とを
リンク９で連結したことを特徴とする編毛コーマにおけ
るスライバ供給装置である。

なお前記の回転軸１には多段付きプーリー１０を固着し
、モーター（図示せず）から駆動機構（図示せず）を経
て駆動される反対向きに並列した多段付きプーリー１０
′と上記の多段付きプーリ−１０との間にゴムロープ１
１を懸回するとともに、クランク２には所定の長さに調
節できるように多くの孔１２を設ける。

オツシレーテングロッド５の上下動の距離は、クランク
２の所定の位置にある孔１２にリンク９の一端を連結す
ることによって調節する。

またオツシレーテングロツド５の上下動する速度の調節
は、前記２組の多段付きブー１，１−１０．１０’に懸
回するゴムロープ１１の位置を変更するとか、あるいは
無段変速装置（図示せず）を取付けて行なう。

なお１３はスライバを１本づつ配夕１ルで供給するため
のスライバガイド、１４はフィードローラー４と同軸に
取付けたラチェットホイール、１５はラチェットホイー
ル１４を駆動するためのポール、１６はフィードローラ
ー４，４′の上部ローラー４′を下部ローラー４に押圧
するためのスプリング、１７はガイドロッド、１８は細
毛スライバである。

本考案は上記のように構成されているので、下記のよう
な作用と効果がある。

タンス（図示せず）から引出された十数本の細毛スライ
バ１８はスライバガイド（図示せず）を経てフィードロ
ーラー３，３′に供給される。

このフィードローラー３，３′から送出される細毛スラ
イバ１８はオツシレーテングロッド５の上部に接しなが
ら、ガイドロッド１７、スライバガイド１３を経てフィ
ードローラー４，４′に送込まれ、これらのフィードロ
ーラー４，４′から送出された細毛スライバ１８はフィ
ードプレート（図示せずを経てフィードグリッド（図示
せず）に突刺されニッハー（図示せず）に把持されて、
コームシリンダ（図示せず）によりコーミングされる。

細毛スライバ１８は、２対のフィードローラー３．３’
、４．４’の間で所定のドラフト比でドラフトされなが
ら送り出されるとき、これらのフィードローラー３ 、
３’ 、 ４ 、４’の中間に設けられたオツシレーチ
ングロツド５の上下方向の往復動によって振動される。

オツシレーテングロッド５の上下動の距離は、リンク９
を取付けるクランク２の孔１２の位置によって調節し、
上下動の速度は２対の多段付きプーリー１０．１０’に
懸回するゴムロープ１１の位置によって調節する。

オツシレーチングロツド５の上下動の距離ハ５〜１５ｃ
ＴＬ程度、上下動の速度は５０〜１８０回／ｍｉｎ程度
とし、細毛スライバが太いとか、繊維が長いとかあるい
は溶融セリシンの付着の多いときほど、上記の数値の大
きいものを採用することが好ましく、細毛スライバが異
常に伸びたり、切断しない範囲で決定することが望まし
い。

上記のように細毛スライバは、２対のフィードローラー
間で所定のドラフト比でドラフトされながら、オツシレ
ーテングロツドの上下動により所定の距離を振動される
ので、細毛スライバ中の繊維は相互によく分離し、溶融
したセリシリンで相互に付着した繊維も相互にはがされ
、細毛スライバは著しくかさ高となるとともに、繊維相
互間の短繊維、もつれなどの小節、踊片（絹のみ）など
ノ夾雑物の一部は、この２対のフィードローラー間で落
下する。

しかも上記のような振動によって細毛スライバが著しく
かさ高になるので、細毛スライバ中の空気が移動して細
毛スライバ各部の湿度が均斉になるため、朝の操業時に
は特にコーミング中の静電気の発生が著しく減少する。

上記のように２対のフィードローラー間のドラフトと振
動によって、著しくかさ高となり一部除じんされ調湿さ
れた細毛スライバが前部のフィードローラーから送出さ
れ、フィードプレート（図示せず）を経てフィードグリ
ッド（図示せず）に突刺されニッパ−に把持されて、細
毛スライバの前端がコームシリンダのハーフラップに取
付けた多数のコームによってコーミングされる。

細毛スライバは前記のように著しくかさ高となっており
、一部は除じんされ調湿もされているので、細毛スライ
バの繊維が束状になって針の間隙に挿入するものが激減
し、静電気の発生も著しく少ないので、コーミング作用
がきわめて良好に行われ、夾雑物の除去も良好に行われ
る。

このように本考案のスライバ供給装置を通した細毛スラ
イバは、著しくかさ高となり、夾雑物の一部は除去され
ているので、コームシリンダの各コームの針密度を従来
よりいくぶん粗にしても、生産コームスライバの品質を
従来より低下することがなく、しかもコームシリンダの
針量に挾持されたノイルをブラシローラーの１回転によ
り容易に除去できる。

したがって本考案のスライバ供給装置を取付けた剛毛コ
ーマでは、コームシリンダの回転数を増大したり、細毛
スライバの供給装置を増加するなどして、従来の細毛コ
ーマの場合より５０％以上増産しても、コームスライバ
の品質が従来のものに較べて低下しないことを実験結果
から認めれるなど顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の概要を示す側面図、第２図は第１図の
一部の平面図である。 ２・・・クランク、３，３’、４，４’・・・フィード
ロー−ｙ−１５・・・オツシレーテングロツト、６，６
′、８・・・揺動レバー、７・・・支持杆、９・・・リ
ンク、１０゜１０′・・・多段付きプーリー、１２・・
・クランクに設けた数個の孔、１３・・・スライバガイ
ド、１８・・・細毛スライバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 編毛コーマにおいて、変速回転を可能とした回転軸１に
   長さを調節できるクランク２の中央部を枢着し、コーム
   シリンダの後方に設けた２対のフィードローラー３ 、
   ３’ 、 ４ 、４’の中間に、所定の速度で上下動す
   るオツシレーチングロツド５を設けるとともに、このオ
   ツシレーテングロツド５の両端を揺動レバー６．６′の
   一端に取付け、これらの揺動レバー６．６′の他端をフ
   レームに回転自在に取付けた支持杆７に固着し、この支
   持杆７の一端に固着した揺動レバー８の他端と前記クラ
   ンク２の他端とをリンク９で連結したことを特徴とす７
   ）編毛コーマにおけるスライバ供給装置。