JPS5940222Y2 - 熱接着性アルミニウム箔複合材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱接着性アルミニウム箔複合材に関する。

従来よりケチャツプ、マヨネーズ、しよう油、食用油脂
類等の充填容器や機械部品、医薬等の包装容器等の蓋材
等としては、ピーラブル性や突き破り性等の面より、ア
ルミニウム箔に接着剤層を形成させた複合材が利用され
ている。

しかしながら之等の複合材は、容器本体として慣用され
るポリエチレンテレフタレート樹脂やその他の樹脂例え
ばポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート等
との接着力をはじめとして耐蝕性、複合材自体のデラミ
ネーション、耐内容物性（耐油性。

耐溶剤性、耐薬品性）等において尚改善されるべき種々
の難点を有している。

本考案は上記食品等の充填容器や包装容器等の蓋材等と
して容器内容物を完全密封可能な優れた接着力と共に、
容易に開封可能なピーラブル性もしくは突き破り性を有
し、しかも耐蝕性、耐内容物性の改善された新しいアル
ミニウム箔複合材を提供するものである。

即ち本考案は、アルミニウム箔１の片面に、熱硬化性樹
脂と熱可塑性樹脂とのブレンド謂脂層２を形成し、該ブ
レンド樹脂層２上に変性ポリエチレンテレフタレート樹
脂層３を形成してなる熱接着性アルミニウム箔複合材に
係る。

本考案の複合材は、アルミニウム箔と変性ポリエチレン
テレフタレート樹脂層との間に介在させた所定のブレン
ド樹脂層が上記箔及び樹脂層の密着性を高め、層間剥離
のおそれを解消すると共に上記ブレンド樹脂層中に存在
する熱硬化性樹脂が殊に複合材の耐蝕性及び耐内容物性
を改善する。

また変性ポリエチレンテレフタレート樹脂層は食品衛生
上無害であることは勿論のこと容器との接着性に優れ内
容物を密封包装できると共に上記ブレンド樹脂層により
一体化された複合材を容器から容易に剥離可能な適度の
ピーラブル性を具備する。

以下本考案の複合材を図面により説明する。

第１図は上記複合材の断面図であシ、１はアルミニウム
箔、２はブレンド樹脂層及び３は変性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂層を夫々示ス。

上記アルミニウム箔１としては通常０．００７〜０．１
ｍｍ厚程度の各種のアルミニウム箔を使用できる。

ブレンド樹脂層２を構成する熱硬化性樹脂としては、例
えばウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、
メラミン系樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、エポキシ系
樹脂等を、會た熱可塑性樹脂としては例えばアクリル系
樹脂、スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ビニル系樹脂、
ポリエステル系樹脂等を夫々４１ｔ１ｍできる。

その配合割合は熱硬化性樹脂が多くなる程得られるブレ
ンド樹脂層の耐蝕性が向上し、また熱可塑性樹脂の配合
量が多くなる程アノｂ−、ニウム箔との密着性及び変性
ポリエチレンテレフタレート樹脂との接着性が向上し、
適宜に選択できる。

通常熱硬化性樹脂ｌＯ〜９９重量部好オしくは６０〜７
５重量部及び熱可塑性樹脂１〜９０重量部好ましくは２
５〜４０重量部とするのがよい。

該ブレンド樹脂層は通常の方法例えば上記二種の樹脂を
適当な溶剤溶液の形態で、アルミニウム箔上に塗付する
ことにより形成される。

塗付量は形成される層の接着力、密着力、耐蝕性及び得
られる複合材の価格を考慮して通常１〜１０１／−程度
とするのが軽重しｈオだ上記ブレンド樹脂層上に形成さ
れる変性ポリエチレンテレフタレート樹脂層３を構成す
る樹脂としては例えばポリエチレンテレフタレートを出
発物質とし、これにトリエチレングリコールソの他のジ
オール類を添加してエステル交換反応による解重合と再
縮合反応を行なわせることにより製造される通常のもの
をいずれも使用できる。

上記変性ポリエチレンテレフタレート樹脂層３は、該樹
脂の適当な有機溶媒溶液を常法に従い塗付することによ
り形成される。

塗付量は均一な層が形成される限り制限はないが、好ま
しくは約２〜５１／−程度とすればよい。

かくして得られる本考案の複合材は更に必要に応じてア
ルミニウム箔の他面上に常法に従い合成樹脂フィルムや
紙製のオーバーコート層を形成されてもよく、また該オ
ーバーコート層は適宜に印刷されていてもよい。

本考案の複合材は、ポリエチレンプレフタレート、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の各種
樹脂製の容器殊に食品等の充填用及び包装用容器の剥離
可能な蓋材としてまたその他の通常のこの種複合材の使
用される用途に有用なものである。

以下本考案の実施例を挙げる。

実施例 ４０μ厚の軟しアルミニウム箔の片面にエポキシ樹脂と
線状ポリエステル樹脂との混合物の溶剤溶液を２ Ｐ／
ｒｒ？の塗布量でグラビアコート後乾燥し、次いで該樹
脂層上に更に変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の溶
剤溶液を４ｉ／ｒｒ？の割合となるようにグラビアコー
ト後乾燥して本考案の複合材を得る。

得られた複合材を、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムを基材として、これに１ ｋｇ／（４，１８０℃で１
秒間ヒートシール後ショツパー試験機にてその剥離強度
を測定した所１ｋｇ／１５ｒｒｇｒＬ巾であった。

また上記複合材を蓋材としてポリエチレンテレフタレー
ト製ボルトの開口部に同様に１ｋｇ／ｃＩｆｔ１８０℃
で１秒間ヒートシールした。

この蓋部は手で容易に剥離できた。

オた上記複合材を市販サラダ油に４０℃で１ケ月間浸漬
後に同様の剥離試験を行なった結果同様に１ｋｇ／１５
ｍ″Ｉ］の剥離強度を示した。

更に上記複合材を上記サラダ油を充填したポリエチレン
テレフタレート製ボトルの蓋材として用い、上記と同様
にヒートシール後、蓋を下側にして４０℃で１ケ月間放
置した所、内容物のもれは全く認められず、しかも蓋材
のピーラブル性は、上記と同等であった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る複合材の断面図である。 １・・・・・・アルミニウム箔、２・・・・・・ブレン
ド樹脂層、３・・・・・・変性ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ アルミニウム箔１０片面に、熱硬化性樹脂と熱可塑
   性樹脂とのブレンド樹脂層２を形成し、該ブレンド樹脂
   層２上に変性ポリエチレンテレフタレート樹脂層３を形
   成してなる熱接着性アルミニウム箔複合材。 ■ ブレンド樹脂層２が、熱硬化性樹脂１０〜９９重量
   部と熱可塑性樹脂１〜９０重量部とから威るものである
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の複合材。