JPS5835475Y2 - アルミニウム箔複合材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、アルミニウム箔複合材に関するものである
。

従来ヒートシール剤をコーティングしたアルミニウム箔
は包装材或いは蓋材などの用途に広く使用されている。

例えば （１）薬品の包装として一般に塩化ビニルシートを成形
したものを基体とし、コーティングアルミニウム箔で蓋
をし、ヒートシールにて密封したもの。

（ＦＴＰ包装）（２） ジャム、バター、チョコレー
トなどの固形成いはペースト状食品を塩化ビニール、耐
熱性塩化ビニール樹脂、スチレンなどの成形容器に充填
し、コーティングアルミニウム箔でヒートシールし、蓋
としたもの。

（Ｂｌｉｓｔｅｒ Ｐａｃｋ）（３） ラーメン、汁
粉などを内面ポリエチレンコートした紙カップ或いは発
抱ポリスチレンのカップなどに充填し、コーティングア
ルミニウム箔でヒートシールし、蓋としたもの。

（４）サワー、ヨーグルトなどの乳酸飲料をポリスチレ
ンの成形カップに入れ、アルミニウム箔で蓋をしたもの
。

などであるが、それらは殆んどヒートシール剤をコーテ
ィングしたアルミニウム箔を塩化ビニル或いはポリエス
チレンを基材として用いた成形容器に内容物を充填した
のちに蓋材としてヒートシールせしめたものである。

上記のような塩化ビニルやポリスチレンなどの基材に代
えて透湿度が低く、耐熱性、腰の強さなどに特性を有す
るポリプロピレン樹脂を基材に用いたものとしてアルミ
ニウム箔とポリプロピレンフィルムを貼り合わせたもの
がポリプロピレンの容器やアル□ニウム箔成形容器（内
面ポリプロピレンフィルム貼合わせ）の蓋として研究さ
れているが、これは （１）内容物を取出すとき蓋を手であけることができな
い。

（２） コストが高い。

（３） ポリプロピレン同志の融着であるためにヒー
トシール温度が高い。

などが欠点として指摘され、いオだ実用化に至っていな
いのが現状である。

以上のことからポリプロピレンフィルム或いはンート成
形品お・よびヒートシール面がポリプロピレンである複
合材を使った成形容器に対して■ ヒートシール性が良
好であること。

■ 種々の雰囲気中で経時によるヒートシール強度の低
下がないこと。

■ 耐熱、耐水、耐蒸気性を有していること。

■ コイル状に巻き取った時にブロッキングしないこと
。

などの性能を有する蓋材としてのアルミニウム箔複合材
が要望されている。

これに対し、本出願人はさきにポリプロピレン容器によ
く接着する樹脂として塩素化度１０〜４５饅の塩素化ア
インタクチックポリプロピレン樹脂或いはこれとエポキ
シ樹脂の混合樹脂を用い、この塩素化アインタクチック
ポリプロピレン樹脂とアルミニウム箔の接着を果すため
に線状共重合ポリエステル樹脂を用いてなるポリプロピ
レン容器用蓋材としてのアルミニウム箔複合材を出願し
たが、このようなラッカータイプの樹脂を接着剤として
用いた蓋材で内容物として油脂分を含む例えばミルクや
オレンジオイル等の入ったジャム等を充填した容器を包
装すると、それら油脂分のために蓋材の接着強度が低下
して商品としての使用に耐えることができないという結
果を得、さらに研究を続はアルミニウム箔と塩素化アイ
ンタクチックポリプロピレンとの接着に変性ポリエステ
ル樹脂を用いるならば耐熱性にもすぐれた蓋材となしう
ることを見出しこの考案に至ったものである。

即チ、この考案は、ポリプロピレン成形容器に対して、
耐油性およびヒートシール性が良好なアルミニウム箔複
合材を提供することを目的とするものである。

以下、この考案を添付図面に基づいて説明する。

この考案のアルミニウム箔複合材は、アルミニウム箔１
の裏面に変性ポリエステル樹脂を主体とする樹脂層２を
介して塩素化アイソタクチックポリプロピレン樹脂層３
を積層したものである。

上記のように、この考案は、ポリプロピレン容器によく
接着する樹脂として塩素化アインタクチックポリプロピ
レン樹脂及びエポキシ樹脂の混合樹脂を用いるものであ
り、この樹脂層とアルミニウム箔との接着性を果すため
に変性ポリエステル樹脂を主体とする樹脂層を介在せし
めるものである。

上記塩素化アインタクチックポリプロピレン樹脂は通常
のアインタクチツクポリプロピレンを塩素化したもので
あって、その塩素化度ｌＯ〜４５多の範囲内が好ましく
１０％以下では有機溶媒への溶解性が悪くなって溶液と
しての安定性が得られないばかシでなく均一なる塗膜が
得られず、捷た４５係以上ではポリプロピレンとの接着
性が低下し、その結果ヒートシール強度が小さくなって
ポリプロピレン容器用の蓋材として好きしいアルミニウ
ム箔複合材が得られない。

また塩素化アインタクチックポリプロピレンはポリプロ
ピレンフィルムには非常によく接着するが、アルミニウ
ム箔には極めて接着力が低いために本願ではアルミニウ
ム箔と塩素化アイソタクチックポリプロピレン樹脂の接
着に両者との接着力にすぐれた変性ポリエステル樹脂を
用いようというものである。

変性ポリエステル樹脂はポリプロピレンの結晶化により
接着性の低下の起りにくいものとして出来るだけ結晶性
の少ないことが好ましく、線状ポリエステルやその他の
ポリエステルの組成の一部をポリエチレングライコール
などのグライコール類によって置換反応させたものが最
適であり、その例としてはスタフィックス（富士写真フ
ィルム社製）がある。

しかしてこの変性ポリエステル樹脂はこれ単独でもよい
が、線状共重合ポリエステル樹脂との混合したものであ
っても良く、その混合量は変性ポリエステル樹脂の持つ
耐油性の特徴を損なわないことが肝要であり、変性ポリ
エステル樹脂に対し４０重重量風下が好渣しい。

捷たこの線状共重合ポリエステル樹脂の添加は塩素化ア
イソタクチックプロピレン樹脂の塗装作業性を向上さす
点からも有効である。

アルミニウム箔としては特に限定はなく、印刷４を施こ
したものや、紙又はプラスチックフィルムなどの貼り合
わせたものであっても差支えない。

このようにして得られたアルミニウム箔−変性ポリエス
テル樹脂を主体とする樹脂層−塩素化アイソタクチック
ポリプロピレン樹脂層を積層せるアルミニウム箔複合材
はこれをポリプロピレン成形容器の蓋材として使用する
とき （１） ポリプロピレンとのヒートシール性が良好で
ある。

（２）種々の雰囲気中でのヒートシール強度の低下がな
い。

（３）耐油性、耐水性、耐酸性が良好である。

（４）ホットパックなどに耐え、耐熱性と耐蒸気性が良
好である。

（５） フロラキングしない。

などすぐれた性能を発揮しうるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案によるアルミニウム箔複合材の一実施例
を示す断面図である。 １・・・・・・アルミニウム箔、２・・・・・・変性ポ
リエステル樹脂を主体とする樹脂層、４・・・・・・塩
素化アインタクチックポリプロピレン樹脂層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルミニウム箔の裏面に変性ポリエステル樹脂を主体と
   する樹脂層を介して塩素化アイソタクチックポリプロピ
   レン樹脂層を積層してなるアルミニウム箔複合材。