JP3058631U

JP3058631U - 容器の蓋、及び該蓋でシールした容器

Info

Publication number: JP3058631U
Application number: JP1998008319U
Authority: JP
Inventors: 山田　　和範; 修平久保田
Original assignee: 山田和範
Priority date: 1998-10-22
Filing date: 1998-10-22
Publication date: 1999-06-22
Anticipated expiration: 2004-10-22

Abstract

(57)【要約】【課題】熱シール性に優れて且つ剥離強度がそれほど
大きくなく、容易に容器本体から剥離することができる
ような容器の蓋を提供すること。【解決手段】樹脂層及び／又はアルミニウム箔を含む
層とさらなる樹脂層からなる積層材に樹脂エマルショ
ン、樹脂ディスパージョンまたは樹脂溶液を塗布乾燥し
て接着剤層を形成してなる容器の蓋。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は容器本体から容易に剥離可能な蓋、及び該蓋でシールされてなる容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

食品を初めとする各種のプラスチック容器はフィルムからなる蓋でシールされて流通する場合が多い。容器の材質としては内容物により種々異なるが、カレールウ等保香性が強く要求される材質としてはポリカーボネート樹脂が多く用いられていた。しかし、近年その原料のビスフェノールＡが環境ホルモンとして問題視されてきており、これに代わってポリプロピレンが用いられるようになりつつある。

【０００３】ところで容器の蓋としては、蓋本体の材質としてアルミニウム、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂等の適宜の組み合わせと、接着剤層としてポリオレフィンを共押し出ししたフィルムが用いられている。蓋は容器本体に熱、超音波、高周波等で熱シールされる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記の蓋をポリプロピレン等の容器に熱シールした場合、容器の接着面と接着剤層が同一樹脂であるため、接着強度は極めて大きいが、逆に大きすぎて開封時に蓋が剥がれにくく、手で開封するのが困難であるという問題点がある。また、共押し出しで接着剤層を形成するので、１ロットの単位が大きくなるため大量生産には適しているものの、少量多品種の容器の蓋とするにはコスト的に高くなってしまう。

【０００５】従って本考案の目的は、熱シール性に優れて且つ剥離強度がそれほど大きくなく、容易に容器本体から剥離することができるような容器の蓋を提供することである。本考案の他の目的は、少量多品種生産が可能な蓋を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案者は上記の課題について鋭意検討の結果、接着剤として樹脂エマルション、樹脂ディスパージョンまたは樹脂溶液を用いることにより上記課題を解決できることを見いだし、本考案に到達した。即ち本考案は、樹脂層及び／又はアルミニウム箔を含む層とさらなる樹脂層からなる積層材のさらなる樹脂層面に樹脂エマルション、樹脂ディスパージョンまたは樹脂溶液を塗布乾燥して接着剤層を形成してなる容器の蓋、及び該蓋でシールされてなる容器である。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の蓋は樹脂層及び／又はアルミニウム箔を含む層とさらなる樹脂層からなる積層材のさらなる樹脂層面に樹脂エマルション、樹脂ディスパージョン又は樹脂溶液を塗布、乾燥することにより接着剤層を形成してなる。樹脂層及びさらなる樹脂層としてはポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン等、従来の蓋の積層材として用いられているものを使用することができる。これらの樹脂は１種又は２種以上使用することができる。樹脂層とさらなる樹脂層は同一樹脂でも異なる種類の樹脂でも差し支えない。また、必要に応じてさらに紙を積層してもよい。積層の順序はさらなる樹脂層が裏面になるようにする以外は特に制限はなく、目的に応じて定めればよい。積層材は通常は共押し出しにより製造される。

【０００８】接着剤層として用いる樹脂エマルション、樹脂ディスパージョン又は樹脂溶液は代表的にはポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレン、ポリプロピレン酢酸ビニル共重合体等のエマルション、ディスパージョンまたは溶液が用いられる。好ましくはさらなる樹脂層と同一の樹脂からなるものがよい。樹脂エマルション、樹脂ディスパージョン又は樹脂溶液を積層材に塗布するには、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーターのような通常のコーティングマシンによりコーティングすればよい。塗布後乾燥して接着剤層が形成される。

【０００９】本考案の容器の本体の形状は特に制限はなく、シールされる部分がほぼ平らであればよい。その材質は特に制限はないが、硬質樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂が好ましい。

【００１０】以下に、本発明を図面で説明する。図１は本考案の蓋の構成例を示す図、図２は本考案の蓋と容器を示した図である。図１において、１１は表面層である樹脂層、１２はアルミニウム箔、１３はさらなる樹脂層、１４は接着剤層である。表面層である樹脂層には必要に応じて印刷が施される。図１においては樹脂層は１層のみであるが、目的に応じて２層以上としてもよく、紙や蒸着フィルム等との積層でもよく、またアルミニウム箔を使用する場合は反対側に更に樹脂を積層しても差し支えない。

【００１１】図２において１は本考案の容器本体で、内容物を充填した後、その開口部の平らな鍔の部分２１に本考案の蓋１を接着してシールする。シールはヒートシール、高周波シール、超音波シール等通常の熱シールで差し支えない。容器本体の形状は図２のものに限らず、カップ状、ボトル状等でも差し支えない。

【００１２】

【実施例】

以下に実施例で本考案を説明する。実施例１表面が印刷を施した厚さ１２μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ１５μｍのアルミニウム箔と厚さ１５μｍのポリプロピレンをドライラミネートし、ポリプロピレン面に変性ポリオレフィンエマルションを４．０ｇ／ｍ²（ドライベース）塗布して乾燥し、図１のような構成の積層材を得た。この積層材の樹脂エマルション層を接着剤層としてポリプロピレンのシートにヒートシールし、積層材の剥離強度を測定した。剥離強度は剥離スピード１００ｍｍ／ｍｉｎ、剥離角度９０゜の条件で測定した。また、別に口径７０ｍｍ、シール面の幅が３ｍｍのカップに上記のシートを切り抜いたタブ付きの蓋を作成してヒートシールし、タブを１８０゜の方向に引っ張ることにより開封強度を測定した。

【００１３】比較例１表面が印刷を施した厚さ１２μｍのポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ１５μｍのアルミニウム箔及び厚さ１２μｍのポリプロピレンフィルムを共押し出し、三層の積層材を得た。ポリプロピレン層を接着剤層としてヒートシールし、実施例１と同様にして剥離強度を測定した。また、上記の積層材を切り抜いてタブ付き蓋を作成し、実施例１と同様にしてカップにヒートシールし、開封強度を測定した。以上の結果を表１に示した。

【００１４】

【表１】

【考案の効果】

上記の実施例、比較例から明らかなように本考案の蓋でシールした実施例１の場合は、接着強度が大きすぎるようなことがないので、容易に剥離することができる。これに対して、従来の蓋でシールした比較例１においては、接着強度か大きすぎて、手で剥離することは殆ど不可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の蓋の構成例を示す図である。

【図２】本考案の蓋と容器を示した図である。

【符号の説明】

１蓋２容器本体１１樹脂層１２アルミニウム箔１３さらなる樹脂層１４接着剤層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＢ３２Ｂ 15/08 １０４Ｂ３２Ｂ 15/08 １０４Ａ 15/12 15/12 Ｂ６５Ｄ 65/14 Ｂ６５Ｄ 65/14

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】樹脂層及び／又はアルミニウム箔を含
む層とさらなる樹脂層からなる積層材のさらなる樹脂層
面に樹脂エマルション、樹脂ディスパージョンまたは樹
脂溶液を塗布乾燥して接着剤層を形成してなる容器の
蓋。
【請求項２】請求項１の蓋でシールされてなる容器。
【請求項３】容器本体の材質がポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレート
である請求項２の容器。