JPS5939950Y2 - 棒状化粧品の押出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、口紅等の棒状化粧品を収納する押出容器に関
するものであって、使いよさを確保しながらも細身で意
匠的外観のスマートな形状とし、かような形状であるに
も拘らず棒状化粧品の出し入れの機能を確実なものとし
、該化粧品が容器内面に擦れて傷ついてし１うことのな
いようにすることを目的としたものである。

工紅等の棒状化粧品の押出容器は、女性の持ち物として
必携のものであり、しかも多分にアクセサリ−的要素を
含んでいるものであるところから、その外観形状に意匠
的工夫の凝らされた体裁のよいものが要求される。

この意匠的工夫の一手段として容器全体を細身のものに
することが考えられる訳であるが、かく構成すると、従
来見られる容器では、棒状化粧品の出し入れに際して化
粧品が容器の周壁内面に擦れてし１つて傷つくことが多
々見られ、よって勢い化粧品自体１でも細身のものとせ
ざるを得す、折れ易くなる欠点があった。

例えば従来見られるこの種容器は、棒状化粧品を収納す
る受皿と、該受皿を収納する内筒体と、該内筒体に相互
回動自在且つ抜は出し不能に外装された外筒体とより構
成されてお・す、受皿の周壁外面に突軸を突設し、内筒
体周壁に該突軸が貫通する縦長なガイド孔を穿ち、更に
外筒体内面にガイド孔から突き出た上記突軸が遊嵌する
螺溝を設け、内筒体と外筒体とを相互に回動させること
により、螺溝及びガイド孔に案内されて受皿が昇降動じ
、受皿上の化粧品が内筒体上端から出入するようになっ
ている。

従って、容器は少なくとも外筒体と内筒体の二重構造と
なるので、容器の直径に対する棒状化粧品の占める割合
が小さく、しかも可能な限り化粧品を大きくしようとす
ると、前述した如く化粧品の出入操作に際して内筒体の
ガイド孔に化粧品が擦れて傷ついてしまうといった不満
点が多く存したのである。

そして更には、上述したような構成では、化粧品の収納
部分と化粧品を押し出す作動部分とが同一箇所に存する
為、各部品の組み付は力ロ王に際し、各部品の成形誤差
等に起因して作動部分が収納部分に１で変形等の影響を
与え、化粧品の損傷が大きくなってし１うのである。

而して本考案は、かような不満点を解消しながらも細身
の容器を提供しようとするものであって、円筒体の下半
部にのみに縦長なガイド孔を穿って且つ外筒体を嵌装し
、棒状化粧品が昇降動する上半部は円筒体のみの一重構
造としたものであり、地下その一実施例を図面に従って
説明する。

先ずアルミニウム等の軽金属で成形された内筒体１０は
、上端と下端が開口し、上半部１０ａの直径が下半部１
０ｂの直径よりもやや大きくて該上半部１０ａと下半部
１０ｂとが中央部で段部１０ｃを介して連続する筒形状
であり、上記下半部１０ｂの周壁には、中心軸に関して
対称位置に二本の縦長なガイド孔１１が後述する所望長
さをもって穿たれており、また同じく下半部１０ｂ下端
部外周面には突条１２が屈曲成形によって周設されてい
る。

次に、上下両端が開口した合成樹脂製の外筒体２０は、
その内径が前記円筒体１０下半部１０ｂの外径とほぼ等
しく、且つ外径が内筒体１０上半部１０ａ外径とほぼ等
しい筒形状であって、内周面に、二条の螺条溝２１が設
けられて釦す、且つ下端部内周面には前述の内筒体１０
の突条１２がファンダーカット状態で嵌り込む周溝２２
が設けられている。

そしてこの外筒体２０を、内筒体１０下半部１０ｂに下
方より嵌挿してそて弾性変形を利用して突条１２を周溝
２２内にぴったりと嵌め込み、抜は出し不能に且つ相互
の回動が自在に嵌装するのである。

この際外筒体２０上端は、内筒体１０外周面の段部１０
ｃ下面に当接することになる。

次いで、固化した棒状化粧品Ａが垂直に載置される受皿
３０は、底板３１と周壁３２とより構成された受皿部３
３の前記底板３１下面中央に所望長さのガイド筒３４を
垂下設した構成となっていて、内筒体１０内にスライド
しての昇降動が自任に組み付けられる。

即ち受皿部３２は、その外径が内筒体１０上半部１０ａ
の内径とほぼ等しく、またガイド筒３４はその外径が内
筒体１０下半部１０ｂの内径とほぼ等しくなって釦り、
更に当該ガイド筒３４下端部外周面には、中心軸に関し
て対称位置に係合突起３５が突設されている。

従って受皿３０は、内筒体１０に上方より嵌め込１れ、
ガイド筒３４が内筒体１０下半部１０ｂ内に嵌入し、更
に係合突起３５がガイド孔１１内に貫通する態様で侵入
位置する。

そして前述の如く内筒体１０下半部１０ｂに外筒体２０
を嵌装した際に、内筒体１０を突き抜けて外側方に突出
した当該係合突起３５は、外筒体２０内周面の螺条溝２
１内に遊嵌位置するのである。

而して、内筒体１０に受皿３０を組み付け、更に内筒体
１０下半部１０ｂに外筒体２０を嵌装した状態に於て、
内筒体１０上半部１０ａを把持して外筒体２０を所定方
向に回動すると、係合突起３５がガイド孔１１及び螺条
溝２１に案内され、受皿３０は内筒体１０内を昇降動す
るのである。

この場合、受皿３０の最下位置では、第１図で仮想線に
て示した如く底板３１が内筒体１０内の段部１０ｃ上に
乗載する状態となり、且つガイド筒３４下端は内筒体１
０のほぼ下端に位置することになる。

従って、ガイド筒３４、及びガイド呼Ｌ１１の長さは、
内筒体１０のほぼ半分ということになる。

尚、図面に於て、外筒体２０上端部外周に固着された２
３は装飾リングであって、肉厚なアルミニウム或いは合
成樹脂で成形されており、当該装飾リング２３の中央部
上面には、外周面に突条２４を設けた短筒形状の係止リ
ング２５が設けられていて、内筒体１０上半部１０ａを
外装するキャップ４０が、その下端を上記装飾リング２
３上面に当接する態様で且つキャラ１４０周壁内面が突
条２４に当接して、係止リング２５にぴったりと嵌め込
１れるようになっている。

また、更に外筒体２０には、アルミニウムで成形された
有底筒形状の把持体５０が、外筒体２０と相互回動が不
能に下方より外装されて固定組み付けされている。

これは、内筒体１０に対する外筒体２０の回動をなし易
くする為であるが、同時に金属を用いることにより外観
上の体裁をよくし、内筒体１０及び外筒体２０下端の開
口部を隠し、更にキャップ４０を嵌め込んだときに容器
全体をほぼ面一な円筒形状にして体裁を整える為である
。

本考案に係る容器は、地上説明したような構成となって
いる。

従って、内筒体１０上半部１０ａを把持し、外筒体２０
と一体となった把持体５０を所定方向に回動させれば、
受皿３０は内筒体１０内で昇降動し、棒状化粧品Ａは内
筒体１０上端で出入りすることになる。

しかも棒状化粧品Ａが立設収納された受皿部３３の昇降
動位置は、内筒体１０の上半部１０ａ内に限られ、この
上半部１０ａ内面はガイド孔等の加工が施されていない
円滑な円筒状であるので、回動操作に際して化粧品Ａが
擦れて傷ついてし１う虞れは皆無である。

また内筒体１０は、化粧品が収納される上半部１０ａと
作動部分である下半部１０ｂとを一体にして構成したも
のであるところから部品が少なくて済み、それだけ成形
が簡単となる。

そして更には、受皿３０の昇降動を遠戚する機能部分は
容器全体の下部であるので、化粧品Ａが収納位置上部分
は肉薄な円筒体上手部だけであり、この上半部の直径を
下部に比して大きくとることによって、化粧品Ａの直径
を大きくとることが出来、且つ各部品の組み付は力ｎ工
が簡単にして正確で容器全体を円滑な円筒形状の細身な
製品とすることが出来るのである。

以上の説明から明らかな如く、本考案に係る棒状化粧品
の押出容器は、細身にしてスマートな意匠的外観の優れ
たものであり、しかも容器が細身であるにも拘らず棒状
化粧品を太くすることが出来、出し入れに際しての化粧
品の損傷を防止することが出来、更には構成部品数が少
なくて済む等、使い易く有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る棒状化粧品の押出容器の縦断面図
、第２図は内筒体のみの縦断面図、第３図は外筒体のみ
の縦断面図、第４図は中央部の要部拡大断面図、第５図
は下端部の要部拡大断面図である。 １０・・・内筒体、１１・・・ガイド孔、２０・・・外
筒体、２１・・・螺条溝、３０・・・受皿、３４・・・
ガイド筒、３５・・・係合突起、４０・・・キャップ、
５０・・・把持体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内筒体１０を上下に二重した下半部１０ｂに外筒体２０
   を回動自在且つ抜は出し不能に嵌装すると共に、前記内
   筒体１０内に、内筒体１０と外筒体２０の相互回動によ
   りスライドして昇降動する棒状化粧品Ａの受皿３０を組
   み付けた棒状化粧品の押出容器であって、 底板３１下面に所望長さのガイド筒３４を垂下設すると
   共に該ガイド筒３４下端外周面に係合突起３５を突設し
   た受皿３０と、下半部１０ｂに前記係合突起３５が貫通
   する所望長さの縦長なガイド孔１１を穿つと共に下端部
   にアンダーカット状に突条１２を周設した内筒体１０と
   、内周面に、前記ガイド孔１１を貫通した係合突起３５
   が遊嵌する螺条溝２１を設けると共に下端部内面に内筒
   体１０の前記突条１２と係合する周溝２２を設けた外殻
   体２０とより成る棒状化粧品の押出容器。