JPS593919Y2 - 装飾性に優れた合成樹脂製型材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、合成樹脂製型材、看板の装飾用縁取り材、
あるいは額縁用縁材等に使用される装飾性に優れた断面
ハツト状の型材に関するものである。

この考案の目的とするところは、見る方向によって各部
の輝度を異にした虹彩色による独得の光輝効果を有し、
かつ立体感のある装飾性に優れた製作簡易な合成樹脂製
型材を提供することにある。

以下、この考案の構成を図面に基づいて詳しく説明する
。

この考案に係る型材Ａは、その成形材料として第７図に
示すような熱可塑性合成樹脂基板１の片面に虹彩フィル
ム２が貼羞一体化された積層板３が用いられる。

基板１の材質は加熱成形可能なものであること以外、特
に限定されるものではなく、例えば塩化ビニル樹脂、ア
クリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン
樹脂等からなる無色透明板、ないしは透明または不透明
な着色板が用いられる。

一方虹彩フイルム２は、それ自体既知のものであり、相
互に屈折率を異にする複数種類の例えばポリプロピレン
とポリスチレンよりなる極薄な合成樹脂薄膜が多数枚交
互積層されたものである。

斯るフィルム２は、各薄膜の界面において生じる反射光
の干渉によって虹彩色を放つものであり、かつ製造上不
可避的に生ずる第８図に示すような厚みのばらつきによ
り、見る角度によって色彩と輝度を異にしたまだらな虹
彩模様が目視されるものである。

基板１と虹彩フィルム２の貼着は、基板１に対面する虹
彩フィルム２の外側層の種類に応じ、熱融着あるいは接
着剤による接着等の任意の手段が採用される。

この考案の型材Ａは上記のような積層板３を加熱成形す
ることによって所期する第１図に示すような横断面ハツ
ト状、即ち断面Ｒ状に形成される。

しかも該型材は、第２図に示すように頂壁部４が全面的
に凹凸状の模様面４ａに形成されると共に、該頂壁部４
の両側縁から下方に折曲された左右両側壁５，５および
更にその下端から外方に折曲された水平鍔部６，６がい
ずれも平滑面に形成される。

上記のような加熱成形により、型材Ａは、側壁部５が下
端に至るに従って肉厚の漸減せられた比較的大きな厚み
変化を生じ、頂壁部４がこれに比較して相対的に少ない
量の厚み減少を生じる一方、水平鍔部６はほとんど厚み
変化を生じることなくほぼ積層板３そのままの厚さを保
持する。

かかる各部の厚み変化は、これによって型材Ａから視覚
的に看取される各部の虹彩の光輝度に変化をもたらし、
その美匠性を増大する効果をもたらす。

側壁部５と水平鍔部６との境界部分は、第３図に示すよ
うにこれを円弧状に形成する方が、該弧状部７によって
他の部分と異なった輝度の縁どりを外観せしめうる有利
性があるが、型材Ａの使用に際しての取付上の便宜性の
点を優先して第２図に示すように角張った状態に形成し
ても良い。

頂壁部４の凹凸状模様面４ａは、所定単位形状の凹凸が
規制的に配列されたものとしても良いが、より変化に富
んだものとするためには、第１図にその一態様を例示す
るように、不定形の凹凸が不規則に配列されたものとす
る方が、見る方向によって種々異なった多様なきらめき
を伴った虹彩色を外観せしめることができ、頂壁部分を
一層浮き立たせてその顕示力、立体感を高め、装飾性を
増大しうる点で好ましい。

もつとも、頂壁部４のみを凹凸状模様面４ａに形成し、
他の側壁部５および水平鍔部６をいずれも平滑状に形成
するのは、それらの各部から発現される反射光輝の異質
さの対照により、全体として型材に所期する優れた立体
感を出すためであり、もとよりそれらの各部もいずれも
平滑面に形成し、あるいは凹凸状に形成するときは、こ
の考案の所期すをる効果を少なくとも同程度には期待す
ることができない。

虹彩フィルム２は、基板１が透明なものである場合には
、型材Ａの内外いずれの面に設けても良い。

しかし、虹彩フィルム２による反射光の強さ、又は明る
さは、それ自体の積層数の大小、使用されている異種合
成樹脂の相対的な屈折率の差と共に、該フィルムの背景
の色彩によって変化されるものであり、特に背景の色彩
が暗色になるほど反射光が強くなることに鑑み、該背景
を構成する基板１として着色合成樹脂板、特に暗色の着
色合成樹脂板を用いることは有利である。

また、基板１にかかる着色板を用いる代わりに、第３図
に示すように、透明な基板１を用いて形成した型材Ａの
背面に別途着色板８を当ててこれを水平鍔部６に貼着一
体化したものとしても良いし、更には第４図に示すよう
に、型材Ａにおける頂壁部４または鉄部を含む内面の全
体または一部に着色塗層９を設け、これによって背景色
をあられしたものとしても良い。

このような着色塗層９を設けた場合には、一層顕著な虹
彩色による強いきらめき効果を与えることができる。

上記型材Ａは、例えば第５図および第６図に示すように
、文字部分１０を膨隆形成した看板用面板１１等の周縁
部に、所定寸法に切断したものを方形等につなぎ合わせ
て貼り付け、面板１１等の装飾用縁取りを構成する材料
として使用せられるものである。

もちろん、これ以外にも、他の任意の用途に使用可能な
ものである。

この考案は上述のように、合成樹脂基板に虹彩フィルム
が貼着された積層板による成形体からなるのであるから
、全体的に虹彩フィルムによる独得の虹彩効果が得られ
るのはもとより、特に頂壁部が凹凸模様面に形成され、
そのまわりの側壁部および水平鍔部がいずれも平滑状に
形成されていることにより、頂壁部からは見る方向によ
って多様なきらめきを伴った変化に富んだ虹彩光輝色を
呈する一方、そのまわりの側壁部および水平鍔部からは
、相対的には単調でなめらかな感じの虹彩光輝色を呈し
、両部の著しい対照により、優れた立体感、特異性、美
匠性を発現し、装飾性に極めて優れたものとなる。

しかも特に加熱成形によって横断面バット状に形成され
たものであるから、成形によって生じる各部の厚みの変
化によって、各部の虹彩の光輝度に変化をもたらし、一
層優れた美感を呈すると共に、製作も簡単であり、かつ
使用に際して水平鍔部を対象面に接着等することにより
、確実強固に取付は可能である等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】 図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は斜視図
、第２図は横断面図、第３図および第４図は変形例の横
断面図、第５図は使用状態の斜視図、第６図は第５図Ｖ
Ｉ−ＶＩ線の断面図、第７図は成形材料として用いる積
層板の断面図、第８図は虹彩フィルムの厚みのばらつき
の状態を誇張的に示した斜視図である。 １・・・合成樹脂基板、２・・・虹彩フィルム、３・・
・積層板、４・・・頂壁部、４ａ・・・凹凸状模様面、
５・・・側壁部、６・・・水平鍔部、８・・・着色板、
９・・・着色塗層。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）熱可塑性合成樹脂基板と、これの片面に貼着一体
   化された相互に屈折率を異にする複数種類の合成樹脂薄
   膜の交互積層からなる不均一な厚みを有する虹彩フィル
   ムとの積層板からなり、該積層板を加熱成形することに
   より、横断面ハツト状に何形されると共に、その頂壁部
   が凹凸状模様面に形成され、かつ該頂壁部から下方に折
   曲された左右両側壁部およびその下端から外方に折曲さ
   れた水平鍔部がいずれも平滑面に形成されてなることを
   特徴とする装飾性に優れた合成樹脂製型材。
2. （２）頂壁部の凹凸状模様面は、凹凸の各単位形状およ
   び配列が不定形かつ不規則なものとなされている実用新
   案登録請求の範囲第（１）項記載の装飾性に優れた合成
   樹脂型材。
3. （３）基板が着色合成樹脂板からなり、その外面側に虹
   彩フィルムが設けられてなる実用新案登録請求の範囲第
   （１）項または第（２）項記載の装飾性に優れた合成樹
   脂製型材。