JPH0755060Y2 - 装飾合成樹脂板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、部屋の間仕切や照明器
具の材料などに適した透光性のある装飾合成樹脂板に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】部屋の間仕切や照明器具の材料などに用
いる透光性のある装飾合成樹脂板としては、透明合成樹
脂板の片面に模様印刷を施すか、模様印刷を施した合成
樹脂フィルムを貼り付けて全面的或いは部分的に和紙状
半透明化したものが多用されているが、いずれも模様が
平面的で立体感が乏しいものであった。そこで、装飾合
成樹脂板片を部分的に貼着して立体感を付与したものも
提案されているが、製作上の問題から高価となり実用的
なものとは言えなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案が解決しようと
するところは、前記のような問題点を解決して両面が平
滑であるにもかかわらず外見上は立体感があって装飾的
に優れており、しかも、製作容易で安価に量産できる装
飾合成樹脂板を提供しようとすることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記のような課題を解決
した本考案に係る装飾合成樹脂板は、透明合成樹脂基板
の片面に複数の和紙状半透明模様層をその各表面と透明
合成樹脂基板の表面とを同一面として形成して透明合成
樹脂基板を部分的に半透明化するとともに、該透明合成
樹脂基板の他面のうち前記和紙状半透明模様層による和
紙状半透明化がなされていない部分に和紙状半透明模様
層をその各表面と透明合成樹脂基板の表面とを同一面と
して部分的に形成してあることを特徴とするものであ
り、好ましくは前記したような装飾合成樹脂板におい
て、各和紙状半透明模様層が、透明合成樹脂フィルムの
片面に和紙状印刷層を全面的に形成した印刷フィルム片
をその和紙状印刷層を内側として透明合成樹脂基板に接
着一体化したもの、および透明合成樹脂基板の両面に各
和紙状半透明模様層よりも透明度の大な軽い艶消し加工
を施してあるものである。

【０００５】

【作用】このような装飾合成樹脂板は、所要の大きさに
裁断して間仕切りや照明器具に加工すれば、両面にそれ
ぞれ部分的に層着されている和紙状半透明模様層により
全体が半透明化されているので、外部光線を遮断して内
部を隠蔽する効果と、内部光線を適度に放散して風情の
ある装飾効果を発揮することとなる。

【０００６】

【実施例】次に、本考案を図示の実施例について詳細に
説明する。１は板厚１．５mmの無色透明なアクリル樹脂
板などの透明合成樹脂基板であって、その片面には厚み
が５０μｍ程度で幅１５mmの透明アクリル樹脂フィルム
の片面に生成色の和紙状印刷層を形成した印刷フィルム
を前記印刷層が内側となるように１４０℃程度の熱圧に
より３０mm間隔でその各表面と透明合成樹脂基板１の表
面とを同一面として接着一体化するなどして和紙状半透
明模様層２をストライプ状に形成して透明合成樹脂基板
１を部分的に半透明化してある。３は透明合成樹脂基板
１の他面のうち前記和紙状半透明模様層２による半透明
化がなされていない部分に１５mm間隔でストライプ状に
形成してある和紙状半透明模様層であって、該和紙状半
透明模様層３も前記和紙状半透明模様層２と同様透明ア
クリル樹脂フィルムの片面に生成色の和紙状印刷層を形
成した幅３０mmの印刷フィルムを前記印刷層が内側とな
るように熱圧によりその表面が前記透明合成樹脂基板１
の表面と同一面となるように部分的に接着一体化するな
どしたもので、透明合成樹脂基板１は両面の和紙状半透
明模様層２、３により全体が半透明化されている。

【０００７】なお、この和紙状半透明模様層２、３を実
施例のように透明合成樹脂基板１に対してこれと同系の
合成樹脂よりなる印刷フィルムを重ねて熱圧により接着
一体化することにより形成したものは、印刷層がフィル
ムで覆われているので摩滅がなく長期耐用できるものと
なるので好ましく、また、透明合成樹脂基板１の両面の
うち和紙状半透明模様層２、３が形成されていない部分
は透明のままでもよいが、透明合成樹脂基板１に印刷フ
ィルムを熱圧接着する際に、印刷フィルムと金型間にシ
リコーン樹脂加工された紙型を介在させておくなどして
表裏全体に紙型による前記和紙状半透明模様層２、３よ
りは透明度の大な軽い艶消し面を形成しておけば、極め
て風情のある外観および感触を呈するので特に好まし
い。

【０００８】このように構成されたものは、所要の大き
さに裁断して間仕切りや照明器具に加工した場合、全体
が和紙状半透明模様層２、３により和紙状半透明化され
ているので、外部光線を遮断して内部を隠蔽する効果を
発揮するとともに、内部光線を和紙状半透明層２および
和紙状半透明模様層３を通じて濃淡状に適度に放散して
風情のある装飾効果を発揮するものであるが、特に、本
考案では、透明合成樹脂基板１の片面の和紙状半透明模
様層２の裏側および他面の和紙状半透明模様層３の裏側
は透明のままで表裏の和紙状半透明模様層２、３の各周
縁線同志が厚みのある透明合成樹脂基板を介して表裏で
対応しているため、いずれの面も全体が和紙状半透明で
はあるものの、図３に矢印したように斜めからみると和
紙状半透明模様層２、３の側縁線直下に透明合成樹脂基
板１の厚みに相当する透明または軽い半透明の透光性の
よい部分が線状にあらわれ、実際は表裏とも平滑である
にもかかわらず一種の目視錯覚によりこの線状の透光性
のよい部分が直接目視される表側の和紙状半透明模様層
２と透明合成樹脂基板３を介して透視される裏側の和紙
状半透明模様層３との間に段差があるかのごとき感を印
象付け、凹凸を呈する立体感覚として表現されることと
なって、極めて興趣に富んだ外観を呈する。

【０００９】なお、透明合成樹脂基板１としては透明で
あれば無色でも有色でもよく、また、その板厚も用途あ
るいは製造仕様等によって異なるが、５００μｍ〜５、
０ｍｍ厚の範囲で任意に選択でき、さらに、材質として
はアクリル樹脂の外に塩化ビニ−ルやポリエステル樹脂
など任意の合成樹脂を用いることができる。また、和紙
状半透明模様層２、３を透明合成樹脂基板１に熱圧によ
り印刷された合成樹脂フィルムを一体化する場合に用い
るフィルムとしては、なるべく透明合成樹脂基板１と同
系の合成樹脂フィルムが接着性のうえから好ましく、こ
の場合フィルム厚としては３０〜２００μｍあればで充
分である。

【００１０】

【考案の効果】本考案は前記説明から明らかなように、
両面とも実際は平滑であるにもかかわらず装飾模様に立
体感があって装飾的に優れており、また、表裏とも平滑
であるため汚れ難いうえに水拭きが容易であり、しか
も、印刷やラミネート技法の組合せで簡単に量産できる
ので安価に提供できる利点もある。従って、本考案は従
来のこの種装飾合成樹脂板の問題点を解決したものとし
て実用的価値極めて大きいものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の実施例を示す平面図である。

【図３】本考案の実施例を示す部分拡大図である。

【符号の説明】

１ 透明合成樹脂基板 ２ 和紙状半透明模様層 ３ 和紙状半透明模様層

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明合成樹脂基板(1) の片面に複数の和
   紙状半透明模様層(2) をその各表面と透明合成樹脂基板
   (1) の表面とを同一面として形成して透明合成樹脂基板
   (1) を部分的に半透明化するとともに、該透明合成樹脂
   基板(1) の他面のうち前記和紙状半透明模様層(2) によ
   る和紙状半透明化がなされていない部分に和紙状半透明
   模様層(3) をその各表面と透明合成樹脂基板(1) の表面
   とを同一面として部分的に形成してあることを特徴とす
   る装飾合成樹脂板。
2. 【請求項２】 各和紙状半透明模様層(2) 、(3) が、透
   明合成樹脂フィルムの片面に和紙状印刷層を全面的に形
   成した印刷フィルム片を前記和紙状印刷層を内側として
   透明合成樹脂基板(1) に接着一体化したものである請求
   項１に記載の装飾合成樹脂板。
3. 【請求項３】 透明合成樹脂基板(1) の両面が各和紙状
   半透明模様層(2)、(3) よりも透明度の大な軽い艶消し
   面に形成されている請求項１または２に記載の装飾合成
   樹脂板。