JPS5939106Y2 - 農用車の走行装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 コンバインやハーベスタのような農用車は、その左右の
無限軌道のいづれか一方を停止させ、これを支点に方向
変更するので、無限軌道の前後の長さが短いほうが接地
抵抗が小さく円滑に方向変更できるが、無限軌道を短く
すると、機体が不安定になり、高速運行の場合は安全に
走行できないという欠点を生ずる。

本考案はこの欠点を解消するもので、低速運行の場合は
自動的に機体の接地抵抗を小さくすると共に、高速運行
の場合は自動的に機体の接地抵抗を大きくすることを目
的とする。

これを図面に示す実施例にもとづいて説明すると、１は
コンバイン２の車台で、これに転輪３を並設し、転輪３
とその前方の駆動輪４および後方の緊張輪５の外周にゴ
ム製の軌道帯６を張設して左右の無限軌道Ａを槽底する
。

７は車台１の後部に延設した芯杆で、これに外筒８を回
動自在に嵌合し、その前端に軸着した丁字形の支持杆９
の水平な底辺９ａの両端に、垂直な軸筒１０を介して遊
動尾輪１１をその支軸１１ａが左右に旋回自在に取着け
る。

従って傾斜地の等高線に沿って進行する場合は、外筒８
が回動して左右の遊動尾輪１１．１１は地表の傾斜面に
接地する。

そして、外筒８の後端と支持杆９に複動式の油圧シリン
ダ１２の両端を軸着し、その上下の油口１２ａ。

１２ｂに電磁弁Ｖａ、 Ｖｂを介し、タンク１３を連結
して遊動尾輪１１の昇降装置を形成する。

そして、運転席の変速レバー１４付近に設置した切換ス
イッチＳを各電磁弁Ｖａ、 Ｖｂに接続する。

１５は安全スイッチを示す。

しかして変速レバー１４を第４図の実線で示す高速側に
倒すと、切換スイッチの作動片Ｓａが変速レバー１４よ
り離れ、電磁弁Ｖａに通電し、これにより電磁弁Ｖａが
導通し油圧シリンダ１２のポンプ杆が伸長し、遊動尾輪
１１は下降し接地する。

従って機体の接地抵抗が大となるので、機体はみだりに
動揺せず安定するので、安全に機体を高速で運行でき、
路上運行に適す。

次に変速レバー１４を第４図の破線で示す低速側に倒す
と、変速レバー１４が切換スイッチＳの作動片Ｓａに接
触し、スイッチＳが切換わり電磁弁ｖｂに通電する。

これにより電磁弁ｖｂが導通し、油圧シリンダ１２のポ
ンプ杆が縮小し、遊動尾輪１１は上昇し地表から浮上す
る。

従って機体の接地抵抗が少なくなり、低速での狭い圃場
内の作業には、機体の方向を容易に変向できて都合がよ
い。

このように本考案では、無限軌道Ａの後方に遊動尾輪１
１を昇降自在に設け、その昇降装置を変速レバー１４に
連結し、変速レバー１４を高速に切換えると、遊動尾輪
１１は下降し、また低速に切換えると上昇することを特
長とする。

従って、操作者が誤操作等により機体を高速で旋回させ
た場合、機体が不安定となり危険であるが本案によると
遊動尾輪１１が下降して接地状態にあるので機体が安定
でき安全である効果を奏し、しかも、低速で直進させる
場合にあっても、例えば、湿田走行時等は、（通常低速
走行は機体が安定し尾輪の下げ（接地）は、さほど必要
ない）遊動尾輪１１が上昇して非接地状態にあるので接
地抵抗を少なくした状態で円滑に直進走行ができる効果
をも奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したコンバインの全体正面図、第
２図はその要部拡大図、第３図はその背面図、第４図は
第１図における変速レバーの拡大図、第５図は第１図に
おける回路図。 Ａは無限軌道、１１は遊動尾輪、１２は油圧シリンダ、
１４は変速レバー Ｓは切換スイッチ、■ａ、■ｂは電
磁弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無限軌道の後方に遊動尾輪を昇降自在に設け、その昇降
   装置を変速レバーに連結し、変速レバーを高速に切換え
   ると遊動尾輪は下降し、また低速に切換えると上昇する
   農用車の走行装置。