JPS593881Y2

JPS593881Y2 - アンダ−カツト部を有する合成樹脂射出成形金型

Info

Publication number: JPS593881Y2
Application number: JP2005280U
Authority: JP
Inventors: 裕一渋井; 直樹村瀬; 雅裕池畑; 政男堤; 準慈島田
Original assignee: トヨタ自動車株式会社
Priority date: 1980-02-19
Filing date: 1980-02-19
Publication date: 1984-02-03
Also published as: JPS56123221U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は合成樹脂射出成形金型におけるアンダーカット
部処理構造の改良に関するものであって、該金型の開閉
に応して自動的にアンダーカット部を構成するコアーを
脱着できる金型を提供するにある。

一般に、アンダーカット部を有する合成樹脂を成形する
金型は、第１図に示すように、固定側金型１と可動側金
型２との間のアンダーカット部３に対接する位置に、ス
ライドコアー４を接当せしめ、金型の開閉に際して前記
スライドコアー４を図中矢印方向に摺動しうるようにな
っている。

しかし、この方法ではスライドコアーが開かれなければ
金型の開閉ができないため、スライドコアーが作動する
間のロスタイムがあり、大量生産の場合にはか・るロス
タイムを無視することができず、またスライドコアーの
作動は油圧シリンダーによって行われるため、金型本体
及び設備に別箇の油圧回路を必要とし、そのため構造が
複雑であるばかりか、コスト大となり、故障発生率も大
となる欠点がある。

本考案は、実用新案登録請求の範囲の項に記載した構成
とすることにより、金型の開閉に応じて自動的にアンダ
ーカット部を形成するコアーを進退させることができ、
従ってロスタイムの全くないアンダーカット処理用金型
を得たものである。

以下図面によって本考案の構成を説明する。

第２図、第３図に示すように、可動側金型５のアンダー
カット部６に、該アンダーカット部６を構成する回転コ
アー７が配置されており、回転コアー７の下端縁は固定
側金型８の一側端面９より突出しており、さらにその先
端は固定側方向に折曲された脚部１０が形成されている
。

他方、固定側金型８の一側端面９にフランジ１１が取付
けられており、該フランジ１１に、前記回転コアー７の
折曲されている脚部１０先端が、軸１２で回動自在に軸
支されている。

また、前記回転コアー７に形成されている脚部１０の折
曲点近傍の軸１３に、支持杆１４の一端が回動自在に軸
支されており、該支持杆１４は、当て板１５を貫通して
おり、その他端に止め板１６が取付けられている。

前記当て板１５は、図には示されていないが固定側金型
８に固定されており、前記当て板１５と前記止め板１６
との間隙に、前記支持杆１４を囲繞してコイルバネ１７
が縮設されている。

また、金型を型閉めしたとき、固定側金型８のアンダー
カット部６の形成位置に対設される回転コアー７の上端
面と対向する可動側金型５の面に、押え板１８がバネ１
９を介して取付けられている。

前記回転コアー７は、止め板１６が該止め板１６と当て
板１５との間に縮設されているコイルバネ１７の弾性力
によって、常時当て板１５から遠ざがる方向の押圧力を
受けているため、脚部１０先端の軸１２を支点として可
動側金型５と固定側金型８との合せ面に直交する方向に
回転して、アンダーカット部６から離脱できるようにな
っており、また前記回転コアー７は、その上端部をコイ
ルバネ１７の弾性力に抗して押圧することによって、前
記と逆に回転し、該回転コアー７がアンダーカット部６
に位置できるように構成されている。

他方、可動側金型５の前記回転コア−７上端面に対接す
る位置に取付けられている押え板１８は、可動側金型５
との間に取付けられているバネ１９の弾性力により、常
時回転コアー７方向へ、僅かに突出すると共に、前記回
転コアー７側を押圧するとき、その押圧反力により、バ
ネ１９の弾性力に抗して可動側金型５方向へ後退しうる
ようになっている。

本考案は以上の如き構成になるものであって、可動側金
型５を第２図中矢印方向へ後退せしめれば、回転コアー
７は、コイルバネ１７の弾性力により当て板１５側に引
張られ、脚部１０先端の軸１２を支点として自動的に回
転し、当て板１５に接当して回転が阻止されると共に、
該回転コアー７がアンダーカット部６から離脱する。

つぎに可動側金型５を第３図中の矢印方向即ち、固定側
金型８方向へ進行せしめれば、可動側金型５に取付けら
れた押え板１８が、回転コアー７の上端面に接当すると
共に、該可動側金型５の進行につれて徐々に回転コアー
７をコイルバネ１７の弾性力に抗して固定側金型８方向
へ回動圧送し、第３図に示すように金型が閉じられると
同時に、回転コアー７がアンダーカット部６部分のコア
ーとして自動的に装着される。

この場合、可動側金型５に取付けられている押え板１８
は、バネ１９の弾性力により回転コアー７を固定側金型
８方向へ該可動側金型５と独立して押圧できるため、可
動側金型５と固定側金型８との合わせ部に、万一バリ、
離型剤が介在して僅がな間隙を形成している場合にも、
回転コアー７は前記押え板１８により独立して押圧され
、前記アンダーカット部６に確実に位置せしめることが
できる。

上述のように金型を閉じ、合成樹脂を射出成形し、成形
品のキユアリングをまって、可動側金型５を第２図中矢
印方向へ後退せしめれば、該可動側金型５の後退につれ
て、回転コアー７が、コイルバネ１７の弾性力によって
脚部１０の軸１２を支点として徐々に当て板１５方向へ
回転してアンダーカット部６より離脱する。

この場合可動側金型５の後退の速度と、アンダーカット
部６における回転コアー・７の線速度は同一であり、ま
たその方向は異なるため、型開きの際にアンダーカット
部６を損傷するおそれは全くない。

以上のように型開きの際可動側金型５を後退せしめるこ
とによって、アンダーカット部６のコアーは自動的にア
ンダーカット部より離脱でき、従ってアンダーカット部
を有する成形品を簡単に金型から取外すことができる。

また、本考案はその構造が簡単であって、従来の金型に
も簡単に取付けることができ、これによって熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂のほが反応射出成形法（ＲＩＭ法）に
よるウレタン樹脂等の各種合成樹脂の成形に適用するこ
とができる。

以上の如く、本考案はアンダーカット部を有する合成樹
脂の射出成形に当り、アンダーカット部に清算特別な作
動機構を取付けることなく、型開き、型閉じの際の可動
側金型の進退のみによって、アンダーカット部のコアー
を自動的に脱着せしめることができるから、構造も簡単
で故障の発生も少なく、また従来のスライドコアーの如
く別箇独立に作動せしめるためのロスタイムは皆無であ
って、成形品の製造コストを低廉ならしめることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来法の金型の要部側断面図、第２図は本考案
の一実施例の型開きした場合の一部断面を示す要部側面
図、第３図は第２図と同様の型閉めした場合の同様要部
側面図である。５・・・可動側金型、６・・・アンダーカット部、７・
・・回転コアー、８・・・固定側金型、１０・・・回転
コアーの脚部、１１・・・フランジ、１２・・・回転軸
、１３・・・軸、１４・・・支持杆、１５・・・当て板
、１６・・・止め板、１７・・・コイルバネ、１８・・
・押え板、１９・・・バネ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

可動型金型と対向してキャビティのアンダーカット部を
形成する回転コアが、固定側金型の一側面に延設されて
いる脚部を有し、該脚部の先端部が固定側金型に取付け
られているフランジに軸着されており、回転コアが該軸
を支点として固定側金型と可動側金型との合せ面に直交
する方向で、かつキャビティのアンダーカット部形成位
置と退避位置との三位置間を回転自在とされており、さ
らに前記回転コアを支持するための支持杆の一端が、回
転コアの脚部に回動自在に軸着されており、該支持杆の
他端は前記固定側金型に固定された当て板を貫通させら
れ、かつ該他端に止め板が取付けられているとともに、
前記当て板と止め板との間にコイルバネが縮設されてお
り、他方金型を型閉めしたとき、前記固定側金型のアン
ダーカット部形成位置に対設される回転コア上端面と対
向する可動側金型の面に、バネを介して押え板が取付け
られていることを特徴とするアンダーカット部を有する
合成樹脂射出形成金型。