JPS5938471Y2 - 織物用糸 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、引箔乃至手織に用いられる織物用の糸に関す
るものである。

従来技術とその問題点 一般に、金銀糸は、和紙等の芯材の表面に金属箔を貼着
したり、銀やアルミニュウム等の金属を蒸着して形成し
たシートを細幅に裁断し、平箔糸や丸撚糸となし、模様
そのものを織現するために或いは織模様にポイントを与
えて模様を引立たせるために用いられている。

金銀糸を用いて模様を織現すると、きらびやかで、豪華
な半面、織物の落着いた風合いやソフトな感じを打出し
に＜＜、意匠図や緯糸の色に工夫をこらす必要が生じ、
織工程に要する時間を犠性にせざるを得なかった。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、金銀糸の表面に和紙を貼着することによって
、金銀糸のきらびやかさを押さえ、落着きとソフト感を
織物に与えることを課題としたものである。

技術的手段 本考案は、この技術課題を解決するために、和紙１の一
方の面に金属薄層２を形成し、この表面にフィルムコー
ティングを施した上又は施さないで染料やラッカーを用
いて所望の色分は模様を表現し、その外側に穴あき模様
又はすかし模様の和紙３を貼着して形成したシート４を
、その左右の側縁又は一方の側縁を残して細幅に裁断し
織物用の緯糸としたこと、を技術的手段としたものであ
る。

技術的手段の作用 このように糸を構成すると、シートの側縁は裁断されて
いないために糸順が確保されており、一本ずつ順番に切
離して緯糸として引箔乃至手織の技法によって織込んで
ゆくと、当初シート上に表現した模様がその１寸織現さ
することになる。

また、金銀色或いはこれに染着乃至塗布された色は、和
紙の穴あき部分やすかしの部分で、和紙自身の落着いた
模様の中から浮き上がったように現れてくる。

考案の効果 従って、織物全体として金銀色等の占める割合が大きい
にもかかわらず、これらのケバケバした輝きが減殺され
て落着いた風合が打出され、ソフトな感じが生まれて来
る。

また、上記技術的手段の糸を用いることによって、意匠
図は不要となり、更に、シートに現された模様を他の緯
糸と組合わせることによって織物地の所望の個所だけ織
現することもできる。

実施例 本考案に用いる穴あき模様の和紙は、レース紙、落水紙
などが好適であるが、漉き上がった和紙に切透し模様を
つげたものであっても良い。

會た、穴あき模様、すかし模様のいずれの和紙でも織物
の地色や金銀上に染着乃至塗布する色に合わせて無彩色
としたり有彩色としたり、適宜選択すれば、金銀色や染
料の色と調和した模様を求めることができる。

更に、金属薄層は、和紙に金属箔を貼着したり、銀やア
ルミニュウム等の金属を蒸着して形成するが、その酸化
を防止するために、金属薄層の表面にフィルムコーティ
ングを施しても良い。

従って、色分は模様は、金属薄層に直接税しても良いし
、フィルムだけに色分は模様を現すこともできる。

尚、金属薄層に現す色分は模様はラッカーや染料を用い
るが、染料の場合は、水溶性塗料が好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は糸の縦断面図、第２図は一部を裁断したシート
の平面図である。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）和紙の一面に金属薄層を形成し、その表面にフィ
   ルムコーティングを施した上又は施さないで染料又はラ
   ッカーで色分は模様を表現し、その外側に穴あき模様又
   はすかし模様の和紙を貼着して形成したシートを左右の
   側縁又は一方の側縁を残して細幅に裁断したことを特徴
   とする引箔乃至手織用の糸。
2. （２）金属薄層が金属製箔を貼着するかアルミニュウム
   等の金属を蒸着して形成されている実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の糸。
3. （３）染料が水溶性の染料である実用新案登録請求の範
   囲第１又は第２項に記載の糸。
4. （４）穴あき模様又はすかし模様の和紙が無彩色である
   実用新案登録請求の範囲第１．第２又は第３項に記載の
   糸。
5. （５）穴あき模様又はすかし模様の和紙が有彩色である
   実用新案登録請求の範囲第１．第２又は第３項に記載の
   糸。