JPS5937731B2

JPS5937731B2 - 摺動部材

Info

Publication number: JPS5937731B2
Application number: JP54160279A
Authority: JP
Inventors: 潔井上
Original assignee: Inoue Japax Research Inc
Current assignee: Inoue Japax Research Inc
Priority date: 1979-12-12
Filing date: 1979-12-12
Publication date: 1984-09-11
Also published as: JPS5684433A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、コークス、黒鉛、グラファイトその他の炭素
材若しくはこれらの混合物と、金属合金若しくはこれら
の組成物と、有機シリコン化合物との混合物を加圧加熱
し焼成した成形摺動部材の〜改良に関する。

従来、摺動部材、例えば、通電ブラシ、パンタグラフ、
メタル軸受、研削工具などの、回転摺動又は移動面圧が
加えられる部材には、黒鉛焼結体、金属合金又はこれら
の混合成形体が用いられた。

これらは、高温高圧下で使用され、そのために要する強
度、高い硬度、良好な摩耗抵抗性又は高い摩耗係数（摩
擦係数とも呼ぶ。）及び製造容易性若しくは成形容易性
については、まだ十分な摺動部材が得られていない。本
発明は、在来技術の前記の現状にかんがみ、高温下でも
、耐圧性が良好で、高強度と高硬度を有し、適度の潤滑
性を有することができ、摩耗抵抗性の高い摺動部材であ
つて、鍛造、鋳造、型内成形、焼結成形などの成形加工
が可能なものを提供することを目的とする。

次に、本発明の概要を説明する。

本発明は、有機シリコン化合物と金属合金の混合物、有
機シリコン化合物と金属合金とタールの混合物、有機シ
リコン化合物と金属合金とコークス若しくはグラファイ
トの混合物、又は有機シリコン化合物と金属合金とター
ルとコークス若しくはグラファイトの混合物を用いる。
この混練物を所定の条件下で加熱し焼成し、鋳造し、鍛
造して結合成形し成形体中に炭化けい素を生成し、この
炭化けい素を部材に均一に分布分散させて高硬度と高摩
耗抵抗性などを付与する。また、前記の炭素焼成体と炭
化けい素などの混在した基材を改良し結合を良好にし、
通電と通熱と圧縮抵抗などの諸性質を改良する。本発明
では炭素材又はこれらの混合物と有機シリコン化合物と
金属合金の、それぞれの粉細片を混合し、通常はタール
を加えて混練し均一に分散させる。この混練する混合配
合の割合（重量％）は、第１表の範囲である。タールを
多量に用いる場合、コークスを多量に用いる場合又は有
機シリコン化合物を多量に用いる場合がある。タール又
はコークスの一部を減じて金属合金の割合を増す場合も
含まれるが、本発明は、その結合成形品組織中に、多か
れ少なかれ炭化けい素生成物を含有する。通常は、各配
合物の所定の粉粒細片形の所定量を混合し、よく混練し
均一に分散させる。

若し混練するのに結合剤のタールを入れないで、混合が
うまくいかない場合は、常法に従つて熱硬化樹脂結合剤
の適量を添加して混合する。この混練物を、所定の形状
寸法の型の端面上に装入し上型を装着し圧縮加圧ｕ所定
の圧力下で所定の加熱をし揮発分及び分解生成物を処理
Ｌ所定の形状の焼成体を生成させる。

さらに、特定の圧力と温度を加えて、必要に応じて加熱
炉中の又は通電による高温活性化処理の加熱をし、炭化
けい素を生成させ、且つ黒鉛化炭素の焼結体中に均一分
布した組織のものを得る。このものを摺動部材として用
いる。また混合物によつては鋳造することができ、また
鍛造によつて成形する。成形体若しくは成形中に熱処理
して炭化けい素を生成させる。また気中炭素、炭素雰囲
気中の焼結、加熱処理等によつて炭化けい素を生成させ
る。このほか、中間成形体又は焼成体を粉砕して得た細
粉粒片を最初の配合物中に加えて出発混練物として、前
記とほぼ同様に焼成して成形体を得ることもできる。本
発明の第１表配合に用いる金属としては、アルミニウム
、ニツケル、銅、銀、モリブデン、タングステンを挙げ
ることができる。

またこれらの合金を利用する。更にこれに他の金属、例
えば、チタン、ジルコン、錫、クロム、バナジウム、タ
ンタル、ニオブ、イツトリウム、スカンジウム、ランタ
ンなどを加えた金属が用いられる。どの金属又は合金を
用いるかは、成形品の使用条件によつで相違し、適応し
たものを選択して用いる。第１表に示した配合に用いる
有機シリコン化合物は、例えば、ポリ・ジメチルシラン
〔Ｓｉ（ＣＨ３），〕。を用いる。前記の配合した混練
物を、所定の高温高圧下に維持すると、コークス中の炭
素はグラフマイト（黒鉛）化する。すなわち、電気と熱
の良伝導性が与えられ、耐熱性と耐食性が強く、機械力
旺が比較的容易になり、滑性を有するものになる。この
変化が進行すると同時に、有機シリコン化合物が分解し
て活性度の高いけい素と炭素とが反応して炭化けい素を
生成し、このものの高硬度と高強度と良好な摩耗抵抗性
が、組織炭素中に均一分布して寄与する。本発明に用い
られる他の有機シリコン化合物として、次のものが挙げ
られる。すなわち、（ＣＨ３ＳｉＨＣｌ２），〜ｆ−一
０′＆嗜！Ｖｖ（ＲｖＶ本発明では、タールを１〜６０
％の割合で配合するが、タール量が大になる場合は、特
に揮発分と分解による地の密度変化を考慮する。

例えば、１次加熱温度を１００〜１５０℃とし、揮発分
を除き、その際、例えば２００〜１０００Ｋｂ４ｄ程度
に加圧して行う。次に８００〜１０００℃に加熱し圧力
を加えて、発生炭化水素と残溜固化物の収縮の処理を適
当に行う。しかし、例えば、３００Ｋｐ／ｄ程度に加圧
し通電して、揮発分の除去と分解による成分の活性度を
付与し、他の配合成分、例えばコークスの黒鉛化と炭素
とけい素の反応による炭化けい素の生成と、例えば金属
の炭素との反応による炭化金属の生成と溶融金属の結合
性を利用することができる。コークス若しくはグラフア
イトの配合割合は、１〜８０％であるが、コークス量の
多い場合は、例えば、最初に、３００Ｋｆ／Ｃｌｔの加
圧下で、電力１５〜２０に１，３０秒を加え、揮発分又
は分解物の処理をし、次に６００１ＣＰ／ＣＴｔの加圧
下で、２０〜２５Ｋ！，６０秒の電力を加え焼結体を得
る。

電力を加えて粉細片間の放電加熱とジユール熱加熱を発
生させ、配合成分に活性を与え、揮発又は分解による生
成物の飛散除去と同時にイオン化と活性化ができる。通
電電流に直流プラス交流を用いた場合に有効である。こ
の例の場合は、炭素は不滲透性黒鉛となり、本発明の金
属成分の滲透もあつて、気泡は、ほとんどない。金属の
配合は、第１表では残部として示した。

しかし、コークス配合の高い場合はタール配合量を減少
し、金属配合割合を増大する。勿論炭化けい素化合物に
金属だけを加える場合もある。本発明の摺動部材として
グラフアイト炭素量を主体としても、本発明の場合はグ
ラフアイト炭素とけい素との反応による炭化けい素の高
硬度と強度と高摩耗抵抗性を利用し、また黒鉛の潤滑性
を活用する。また金属の強度と通電性を利用する。炭化
けい素の生成量を増し、その高硬度と高摩耗抵抗性の均
一分布性の利用を主体とする場合は、コークス及びター
ルに代えて金属配合割合を増加するか、コークス配合割
合は変化しないでタールを減量する。他の実施例として
、金属、例えば銅の粉体を多量に混合する場合は、１０
０℃程度の温度に保持した１０００Ｋｇ／ＣｒｌＮ度の
加圧下で圧縮成形し、このものを粉砕して原料として、
第１表に示した配合割合に加算して混練し、高温高圧下
で、必要な通電（交流プラス直流）をし成形焼結体を得
ることができる。

また他の応用実施例として、十分な炭化けい素生成の焼
成をした圧縮体を粉砕した細片を第１表の配合成分とし
、金属とコークスの適量を加えて、すでに形成されてい
る炭化けい素の生成反応を行わないで、コークスの黒鉛
化を行い、金属粉体との高密度の成形体を、比較的低温
で低圧下で、例えば、１０００℃，５００Ｋｆ／ＣＴＩ
で、焼結成形体を得ることができる。さらに金属量が大
なときは、別に生成させた炭化けい素と黒鉛とを配合し
、鍛造又は鋳造による成形体を得ることができる。また
出発原料を鍛造するとき加熱しながら行い、又鍛造成形
品を加熱処理して成品にしてもよい。次に、本発明の１
実施例として、第１表に示した配合割合の範囲内の、第
２表の配合をし、１０００℃，５００Ｋ′／ｄを型内で
行つて得た焼結体について、摩耗損失と面圧力との関係
を、第１図に示した。

第１図の曲線ＡはグラフアイトＧ量が２６％の場合の比
摩耗損失量（単位Ｍｌｌ／１ｇｔ−Ｋｆ）を示し、同Ａ
１は、そのものの摩耗（擦）係数を示した。

曲線ＢはＧ量が４８％の場合の比摩耗損失量を示し、同
Ｂ１は、そのものの摩耗係数を示した。ベースに示した
面圧は、５０Ｋ９／Ｃｌｔごとに測定した，縦の左軸は
比摩耗量を、同右軸は摩耗係数を示した。第１図は、炭
素のグラフアイト（黒鉛）化の高いものが、摩耗抵抗性
が良好であることを明示する。

またグラフアイト（黒鉛）化の高いものは滑度において
も良好なことを示す。曲線Ａ，Ｂと、曲線Ａｌ，Ｂｌと
は、前記の差異はあるが、本発明のものは、摩耗損失が
きわめて少なく、滑度がきわめて良好なことを示す。こ
の場合に、面圧を１５０ＫηＡゴと、きわめて増大し、
そのために摩擦熱を発生しても、摩耗抵抗性が高く、し
かもその性質が維持されることをも示す。さらに高温度
にまで高めた実験の結果も、第１図に示したと同様な傾
向を示した。グラフアイト量が増加した場合の炭化けい
素量の変化は、ほとんどない。また表面性質の変化、例
えば剥離、は認められない。また摺動部材の金属、合金
としては銅以外に、従来摺動部材として用いられる前記
のアルミニウム、ニツケル、銀、モリブデン、タングス
テン、又はこれら相互の合金についても試験した。第３
表は第２表において銅に代えて他の金属を用いたときの
面圧１００Ｋｆ／ＣＴＩにおける比摩耗量及び摩耗係数
を示す。なおいずれも焼結体のグラフアイト量が２６％
の場合の比較である。このようにいずれも有効であつた
。

すでに説明したように、炭素として、コークス、グラフ
アイトその他のもの若しくはこれらの混合物と、適量の
有機シリコン化合物及び金属を加え、カロ圧下でカロ奉
虻！ ′Ｆ７ｎ奉虹１７′際！こ函蛍１７耳ν←Ｉ
レもｌ昇温をし、成形体として焼成した本発明の摺動用
部材は、きわめて顕著に、滑性と摩耗抵抗性が高いこと
を確認された。

また炭化けい素の生成により高硬度と高耐摩性が付与さ
れること、また炭素の黒鉛化によつても、その効果がプ
ラスされることを確認した。配合割合は使用条件によつ
て定める。本発明の摺動部材は、高温度又は高圧にも耐
え、その良好な性質を維持し、有効なことが判然とした
。

通電ブラシ、パンタグラフ、軸受などに用いて、顕著な
効果をもたらし、良好な維持性を有するから、接触する
部材にも好影響を及ぼし、がたなどからくる音を消すな
どの効果も認められる。広く利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の１実施例の、面圧と比摩耗損失及び
面圧と摩耗（擦）係数の相対関係を、グラフアイト量の
変化した場合について示した。

Claims

【特許請求の範囲】

１摺動、通電摺動、その他移動面圧が加えられる焼結
、鋳造又は鍛造して成形した摺動部材において、コーク
ス、グラファイト、若しくはこれらの混合体を１〜８０
％、有機シリコン化合物を１〜５０％、タールを１〜６
０％および残部がアルミニウム、ニッケル、銅、銀、モ
リブデン、タングステン又はこれら相互の合金からなる
ことを特徴とする摺動部材。