JPS5820906B2 - 超硬耐熱材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な超硬耐熱材料、さらに詳しくいえばニ
ホウ化チターンホウ化鉄系焼結体からなる高密度、高強
度かつ耐熱性の材料に関するものである。

ニホウ化チタン（ＴｉＢ２）の焼結体は、融点、硬度及
び高温強度が極めて高いので、超硬耐熱材料として注目
されている。

しかし、このニホウ化チタンは単独では焼結性に乏しく
、高密度、高強度の焼結体を得ることが困難なため、通
常は結合剤の使用が不可欠であるが、結合剤を用いると
、ニホウ化チタン本来の好ましい性質がそこなわれると
いう欠点を生じる。

例えば、本発明者は、先に結合剤としてニッケルリン合
金（Ｎｉ−Ｐ）、ホウ化ニッケル（ＮｉＢ。

Ｎ １４Ｂ３）、、、ホウ化コバルト（ＣＯＢ）を用い
て高密度、高強度のニホウ化チタン焼結体を得る方法を
提案したが、これらの結合剤はいずれも融点が低いため
上記の焼結体は低い温度で使用しなければならず、耐熱
性に欠けるという欠点があった。

本発明者らは、このような従来のニホウ化チタン系焼結
体のもつ欠点を克服し、高密度、高強度で、しかも耐熱
性の良好なニホウ化チタンを基材とする新規材料を開発
するために鋭意研究を重ねた結果、ＦｅＢの融点が１５
００℃、Ｆｅ２Ｂ０融点が１４００℃と従来の結合剤よ
りも高く、かつニホウ化チタンの焼結性を向上しうろこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った
。

すなわち、本発明は、ニホウ化チタンに対し０．１〜３
０重量係の割合でホウ化鉄を加えた混合物の焼結体から
なる超硬耐熱材料を提供するものである。

本発明において用いられるニホウ化チタン（ＴｉＢ２）
は、平均粒径５μｍ以下程度の粉末が好ましい。

またホウ化鉄は、ＦｅＢ、Ｆｅ２Ｂ又はこ栃の混合物の
いずれでもよく、平均粒径５μｍ以下程度の粒度をもつ
粉末として用いられる。

このホウ化鉄は、ニホウ化チタンの結合剤として通常使
用されている割合、すなわちニホウ化チタンに対し重量
比で０．１〜３０重量係の範囲の割合で配合される。

このホウ化鉄の量を、さらに増大させても耐熱性のある
焼結体を得ることばできるが、抗折力及び硬度が低下す
る傾向がある。

本発明の超硬耐熱材料は、例えばニホウ化チタン粉末と
ホウ化鉄粉末とを所定の割合で混合し、黒鉛型に充てん
して、１００〜３００１ｙ／ｉの圧力で加圧しながら１
４００℃以上の温度に１５〜６０分間加熱し、焼結する
か、あるいは前記の粉末混合物を冷間で圧粉成形して得
た成形体を次いで１４００℃以上の温度に加熱し、焼結
することによって製造することができる。

この際の焼結雰囲気としては、真空中が適当であるが、
アルゴン、水素のような中性又は還元性雰囲気で行うこ
ともできる。

本発明の超硬耐熱材料は、非常に高い密度、強度をもつ
上に、耐熱性が良好であるので、切削工具材料、内燃機
関用バルブシートあるいは高温耐摩耗材料として好適で
ある。

次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。

実施例 Ｉ Ｔ ｉＢ２粉末重量比でそれぞれ１％、１０％。

２５係のＦｅＢ粉末を添加し十分混合した。

次にこの混合粉末を黒鉛型に充てんし １６５ ｋｇ／ｃｒｔｔに加圧しながら真空中で１６０
０で３０分間焼結した。

このようにして得られたＴｉＢ２基焼結体の特性を第１
表に示す。

実施例 ２ ＴｉＢ２粉末に重量比でそれぞれ１％、１０％。

２５係のＦｅ２Ｂ粉末を添加し十分混合した。

次にこの混合粉末を黒鉛型に充てんし １６５ｋｇ／Ｃｒ１Ｌに加圧しながら、真空中で１７０
０°Ｃで３０分間焼結した。

このようにして得られたＴ ｒ ８２基焼結体の特性を
第２表に示す。

実施例 ３ Ｔ ｉＢ２粉末に第３表に示す条件でＦｅＢ。

Ｆｅ２Ｂをそれぞれ添加し混合した。

冷間で圧粉成形した後第３表に示す焼結条件で焼結し、
得られたＴ Ｉ Ｂ２２基焼結の特性を第３表に示した
。

以上の結果から明らかなように、本発明の超硬耐熱材料
は、従来の結合剤例えばニッケルリン合金、ホウ化ニッ
ケル、ホウ化コバルトよりも高い融点をもつホウ化鉄を
用いることにより、高密度、高強度でしかも優れた耐熱
性を有している。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ニホウ化チタンに対し０．１〜３０重量係の割合で
   ホウ化鉄を加えた混合物の焼結体からなる超硬耐熱材料
   。