JPS5823348B2 - ホウ化物系複合材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は１種以上のニホウ化金属もしくはＭ２Ｂ５型ホ
ウ化金属と１種以上の結合剤とを基本組成とし、これに
ＭＢ型ホウ化物の中から選ばれた少なくとも１種の添加
成分を含有した焼結体から成るホウ化物系複合材料に関
するものである。

ニホウ化金属は一般に高融点、硬質かつ高温での強度も
高いため、切削エル熱機関部品材料、ロケット用材料な
どへの用途が期待されているかニホウ化金属又はＭ２Ｂ
５型ホウ化物だけからなる焼結体は抗折強度が低く、も
ろいという欠点がある。

そこで、本発明者らは、この欠点を改良しかつニホウ化
金属の有用な特性を発揮させる結合剤を見いだし、ニッ
ケルリン合金、ホウ化ニッケル。

ホウ化鉄、ホウ化コバルト、ホウ化マンガン、ホウ化チ
タンなどを提案してきた（特願 昭５４−３６３９８．
５４−７２７７９．５３−１５２８８４．５４−９９２
２０）。

さらに異種ニホウ化金属もしくはＭ３Ｂ５ホウ化金属を
添加剤として用いることにより、一層強度の高い材料を
得るに至っていた。

（特願昭５４−１０８４５１ ） しかるに、さらに詳しく研究を進めていく内、添加剤と
してのニホウ化物もしくはＭ２Ｂ、型ホウ化物が異種ニ
ホウ化物に固溶するさい、一度、ＭＢ型ホウ化物に変化
する場合のあることをつきとめＭＢ型ホウ化物もニホウ
化物もしくはＭ２Ｂ５型ホウ化物と同様の添加効果があ
るか否か実験を行ない、ＭＢ型ホウ化物も同一の添加効
果のあることを見いだし、この知見に基づいて本発明を
なすに至った。

すなわち、本発明は、ＴａＢ、ＷＢ、ＮｂＢ。

ＭｏＢ、ＶＢおよびＣｒＢの中から選ばれたＭＢ型ホウ
化物の少なくとも１種と、Ｔ ｉＢ ２ ｔ Ｃｒ Ｂ
２・Ｔ ａ Ｂ ２ ｖ Ｖ Ｂ ２およびＷ２Ｂ５
の中から選ばれたＭＢ２型ホウ化物またはＭ２Ｂ、型ホ
ウ化物の少なくとも１種と、全重量に対し、０．０１〜
５０％のホウ化コバルト、ホウ化ニッケル、ホウ化鉄、
ホウ化チタン、ホウ化マンガンおよびニッケル・リン合
金の中から選ばれた少なくとも１種の結合剤との混合物
の焼結体から成るホウ化物系複合材料を提供するもので
ある。

添加成分のＭＢ型ホウ化物（ＴａＢ、ＣｒＢ等）は焼結
体全重量に対し０．１〜４０重量幅の範囲で添加するの
が適当である。

この量が０．１重量％未満であれば十分な機械的強度が
得られないし、また４０重量％を超えると焼結性が低下
する。

結合剤物質は焼結体全重量に対し０．０１〜５０重量％
の範囲で添加するのが適当である。

この量が０．０１％未満では焼結性が低下し、また５０
％！を超えると耐熱性が低下する。

結合剤物質のうち、ホウ化ニッケルとしてはＭＯＢｙ
Ｍｉ、Ｂ３ｙＮｉ２Ｂｐ Ｎｉ３Ｂおよびこれらの混合
物を、ホウ化コバルトとしてはＣｏＢ 。

Ｃｏ２ Ｂ ｔ Ｃｏ３ Ｂ またはこれらの混合物を
、ホウ１化鉄としてはＦｅＢ、Ｆｅ２Ｂまたはこれらの
混合物を、ホウ化マンガンとしては、ＭｎＢ ｔ Ｍｎ
３Ｂ４ｙＭｎ２ Ｂ ｔ Ｍｎ４ Ｂまたはこれらの混
合物を、ホウ化チタンとしては、’ｒｉＢ、’ｒｉ２１
３．Ｔｉ２Ｂ５またはこれらの混合物をそれぞれ用いる
ことができるＪ。

これらの結合剤中、ＮｉＢ 、Ｎｉ４Ｂ３．ＣｏＢ。

ＦｅＢ、ＴｉＢ、ＭｎＢおよびこれらの混合物は特に結
合剤として適している。

またニッケル・リン合金も結合剤として用いることがで
き、このニッケル・リン合金とはニッケルに対し３〜２
５重量２ぜ幅のリンを添加した合金をいう。

ホウ化ニッケル、ホウ化鉄、ホウ化コバルト、ホウ化マ
ンガン、ホウ化チタンおよびニッケル・リン合金は必ず
しも原料として用いる必要はなく、焼結後にこれらホウ
化物あるいはリン化物を形成２する原料を用いてもよい
。

本発明のホウ化物系複合材料を製造するには、１種また
は２種以上の前記したＭＢ２型ホウ化物またはＭ２Ｂ５
型ホウ化物の粉末に所定量の結合剤粉末およびＭＢ型添
加成分を配合した粉末を、よ３く混合した後、この混合
粉末を黒鉛型のような型に充てんし真空、アルゴンまた
は水素ガスのような中性あるいは還元性雰囲気中におい
て５０＃／ｃｒＡ以上特に２００ ｋｇ／ｃｒＡ前後の
圧力下でｉ ｏ ｏ ｏ ’ｃ以上（多くの場合１７ｏ
ｏ〜１８ｏ。

Ｃの温度領域がよい）で加熱することによって焼結体を
製造することができる。

またこれらの混合粉末を金型中で成形し、真空、アルゴ
ン、水素ガス等中性または還元ガス中で常圧焼成するこ
とにより焼結体を製造することもできる。

この際原料として使用される各種ポウ化物またはニッケ
ル・リン合金の粉末は、平均粒径５μ以下のものが好ま
しい。

・ また前記のＭＢ２型ポウ化物、Ｍ２Ｂ５型ポウ化物
と添加物としてのＭＢ型ホウ化物を混合し、ｌらかしめ
成形焼結させた焼結体に、結合剤（Ｎｉ Ｂ、Ｎｉ４Ｂ
３９ＣｏＢ Ｉ ＦｅＢ、ＴｉＢ ？ＭｎＢ等）の融液
を溶浸することによっても目的とする焼結体を製造する
ことができる。

このようにして、得られる複合付和は相対密度、機械的
強度、硬度、耐熱性に優れ、切削エル熱機関部品材料、
ロケット部品などの材料として最適である。

以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。

実施例 ｌ ＴｉＢ２粉末９６重量％にＷＢ粉末５重量％およびＣｏ
Ｂ粉末１重量％を加えて十分に混合した。

次にこの混合物を黒鉛型に入ね、真空中において２００
ｋｇ／ｃｒｒｔに加圧しながら、１７００℃で３０分
間加熱した。

このようにして、相対密度１００％、抗折強度１８０ｋ
ｇ／扉瓜 ビッカース硬度３０００ｋｇ／−の焼結体を
得た。

この焼結体の１ｏｏｏｃにおけるビッカース硬度は２０
００ Ｉｃｇ／−であった。

このようにして得た試料の組成、焼結条件および、焼結
体の特性を次表に示す。

実施例 ２ Ｔ ｉ Ｂ２粉末に３０係のＴａＢを添加混合し、金型
中に充てんした後、１ｔｏｎ／Ｃ７７ｆの圧力で圧縮成
形した。

これを１５００’Ｃで真空中で常圧−次焼成した後、さ
らに、真空中にて２０００℃でＣｏＢを溶浸させた。

このようにして得られた焼結体は抗折強度１６０ ｋｇ
７ｍＡ、硬度Ｈｖ２２００ｋｇ／ｍ４、相対密度１００
％の良好な焼結体であった。

実施例 ３ ＴｉＢ２粉末９５重量％、■Ｂ２Ｂ２粉末１転量転Ｔ
Ｂ ２粉末１重量％、ＭｏＢ粉末１重量％およびＣｏＢ
粉末粉末２係量係成る均質混合物を金型に充てんし真空
中で２００ ｋｇ／ｃｒｌｂの圧力で加圧しながら、１
７００Ｃで３０分間加熱した。

得られた焼結体の抗折強度は１５０ ｋｇ／−であった
。

実施例 ４ Ｔ ｉＢ２ ２ ％Ｗ２ Ｂ５ １％ＷＢ−２％ＴａＢ
２−２％Ｎ１−Ｐ（％は重量）の組成になるように各成
分を混合した粉末混合物を金型に充てんし、真空中で２
００ｋｇ／ｃａｌ？こ加圧しながら、１８００’Ｃで３
０分間加熱し焼結体を製造した。

得られた焼結体の抗折強度は１２０ｋｇ／−であった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｉ ＴａＢ 、 ＷＢ 、 ＮｂＢ 、 ＭｏＢ 、
   ＶＢおよびＣｒＢの中から選ばれたＭＢ型ホウ化物の
   少なくとも１種と、ＴＩＢ２ｔ ＣｒＢ２ｒ ＴａＢ２
   ｔ ＶＢ２およびＷ２Ｂ５の中から選ばれたＭＢ２型ホ
   ウ化物またはＭ２Ｂ、型ホウ化物の少なくとも１種と、
   全重量に対し０．０１〜５０係のホウ化コバルト、ホウ
   化ニッケル、ホウ化鉄、ホウ化チタン、ホウ化マンガン
   およびニッケル・リン合金の中から選ばれた少なくとも
   １種の結合剤との混合物の焼結体から成るホウ化物系複
   合材料。