JPS593697Y2

JPS593697Y2 - 移植機

Info

Publication number: JPS593697Y2
Application number: JP1976162981U
Authority: JP
Inventors: 允久小野
Original assignee: ヤンマー農機株式会社
Priority date: 1976-12-03
Filing date: 1976-12-03
Publication date: 1984-02-01
Also published as: JPS5379248U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は苗床から採取されたタバコ、キャベツ等の苗を
圃場のうね面に移植する移植機に関する。

この種の移植機は走行機能を備えた機体に、機体の走行
に合せて移植対象の苗をうね面に逐次植付けることを可
能とする植付機構を設けたものであって、この植付機構
及びこれに苗を供給する苗供給機構については従来から
種々の提案がなされているが、その動作メカニズムが複
雑で故障が頻発したり、苗供給機構から苗を受取った後
、これを植付ける迄の間、苗を挟持するために苗が損傷
されるなどの欠点があった。

本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、苗
を保持してこれを地表に植付ける苗保持用カップを、機
体の前後方向位置が相違するも、同高位置を占位するよ
うに上下運動する左右一対の植付アームの一端部に、該
カップの左右側の同高位置（前後方向位置は異る）にて
支持させその苗保持姿勢が鉛直となるようにして、使用
部品点数が少く、メカニズムが簡潔で故障が少く、また
苗保持用カップの支持を強固となし得、更に苗の損傷が
なく植付姿勢を安定させ得る植付機構を設けることによ
り上記した欠点を解消した全く新規な構造の移植機を提
供することを目的とし、以下に本考案をその実施例を示
す図面に基いて詳述する。

第１図は本考案に係る移植機の左側面図であって、第２
図に平面図で略示するように矩形に構成された機枠１に
はエンジン２、該エンジン２により駆動され、うねを跨
ぎ得るように適幅離隔させた左右一対の駆動輪３、該駆
動輪３の前方に位置し、同様に離隔させた追随回転する
左右一対のガイド輪４、植付対象の苗を仮置きする左右
一対の苗置台５及び操作バンドル６が装着されている。

そしてこの機枠１には該機枠１に取付けられた調整バン
ドル７ａの回転により操作される左右対称の平行リンク
機構７を介して、機枠１より小さい矩形の第３図に平面
図で示す如き植付機構取付枠８が前記平行リンク機構７
の作用により、機枠１に対する相対的上下位置の調整可
能に水平に取付けられている。

而して本発明の要部たる植付機構は上述のように構成さ
れた機体の一部たる植付機構取付枠８に取付けられ、以
下に詳述する左右一対のクランクアーム２１ｌ、２
１ｒ、揺動アーム２２ｌ、２２ｒ、植付アーム
２３ｌ、２３ｒ及び植付アーム２３１．２３ｒ
夫々の後端部に支持された１個の苗保持用カップ６１か
らなる。

クランクアーム２１１は植付機構取付枠８の左側枠材８
１の中央部に機体の内側に向けて枢着されており、機体
の左右方向を回転中心軸として内回転するようになって
いる。

そしてこの回転は、機枠１に取付けられてエンジン２に
よって回転駆動されるスプロケット９と同軸回転するカ
バ１０内に収納されたスプロケット（図示せず）により
チェイン（図示せず）を介して回転される、前記左側枠
材８１にクランクアーム２１ｌと同軸的に枢着された
スプロケット１１の回転により行われ、その回転方向は
第１図の左側面図において矢符で示す如く反時計方向で
ある。

揺動アーム２２ｌは左側枠材８１の前端部に機体の内
側に向けて前後方向への揺動自在に軸着されており、そ
の長さはクランクアーム２１ｌより稍々長い。

植付アーム２３ｌはへの字形に曲成されており、その
前端部は揺動アーム２２ｌに、また略々中央部であっ
て、への字の頂点より稍々前方寄りの部分はクランクア
ーム２１１に夫々回動自在に軸止されている。

そしてこの植付アーム２３１の左側面におけるクランク
アーム２１ｌ軸止部の稍々後方寄りには揺動アーム２
２１−クランクアーム２１ｌ軸止部を結ぶ方向に略々
一致し後方に延出する苗台駆動アーム２４が固着されて
おり、該苗台駆動アーム２４の後端には機体の内側に向
けて突出させた小径のローラ２５が回転自在に軸止され
ている。

なお苗台駆動アーム２４の長さは、その後端縁が植付ア
ーム２３１の後端縁より前方に位置するように定められ
ている。

一方、クランクアーム２１ｒ、揺動アーム２２ｒ、植
付アーム２３ｒ自体は夫々植付ア−ム２１１、揺動ア
ーム２２１、植付アーム２３１と同寸同形状のものであ
るが、クランクアーム２１ｒ、揺動アーム２２ｒは第
３図に示すようにいずれも植付機構取付枠８の右側枠材
８ｒにおける、前記クランクアーム２１１、揺動アーム
２２ｌの軸止部に対面する位置よりも夫々後方寄りの
位置に機体の内側に向けて回動自在に軸着されている。

そしてクランクアーム２１ｒ及び揺動アーム２２ｒ
の植付アーム２３ｒに対する軸止部位は、クランクア
ーム２１ｌ及び揺動アーム２２ｌの植付アーム２３
１に対する軸止部位と同様である。

なおりランクアーム２１ｒには前述のスプロケット１
１の如きこれを直接回転駆動する手段が設けられていな
い。

植付アーム２３１及び２３ｒは上述のように夫々揺動ア
ーム、２２１．クランクアーム２１１及び揺動アーム２
２ｒ、クランクアーム２１ｒに支持されているので、植
付アーム２３ｌ及び２２ｒは平行関係を保って前後
にずれた関係にある。

そして前後にずれた植付アーム２３ｌ、２３ｒの
同高位置にある後端部には第４，５図に拡大して示す如
き苗保持用カップ６１がその左右側の同高位置にて吊持
されている。

この吊持のために苗保持用カップ６１に設けられている
連結軸６２ｆ、６２ｂは夫々植付アーム２３１゜
２３ｒに夫々の一端が嵌合溶着されて支持されている
。

そして後述するように苗保持用カップ６１を介して連動
する同寸同形状の植付アーム２３１．２３ｒに対する連
結軸６２ｆ、６２ｂの嵌合溶着位置である両植付
アームの連結部は、各植付アームにおいて同一位置とな
っている。

換言すれば植付アーム２３１の該連結部とクランクアー
ム２１１（又は揺動アーム２２１）の植付アーム２３１
への軸止部との間の寸法が植付アーム２３ｒの該連結
部とクランクアーム２１ｒ（又は揺動アーム２２ｒ）の
植付アーム２３ｒへの軸止部との間の寸法に等しくな
っている。

さて、エンジン２の駆動によりスプロケット１１を回転
させてクランクアーム２１１を図示の如く反時計方向に
内回転させる場合は、揺動アーム２２１は第１図に示す
如き範囲の角度内で前後に揺動を反覆し、また苗台駆動
アーム２４の後端部のローラ２５及び植付アーム２３
ｌの後端部は図示の如く縦長の楕円状の軌跡を描いて反
時計方向の回転を行うが前述のように植付アーム２３１
の後端部は苗保持用カップ６１を介して植付アーム２３
ｒの後端部に連結されており、またクランクアーム２
１ｒ、揺動アーム２２ｒ、植付アーム２３ｒはクラン
クアーム２１１、揺動アーム２２１、植付アーム２３
ｌと同様に構成され、これらと植付機構取付枠８に対す
る取付位置をずらせただけであるので、植付アーム２３
ｒ、クランクアーム２１ｒ、揺動アーム２２ｒは植付
アーム２３ｌの後端部の楕円状運動により駆動されて
夫々植付アーム２３１、クランクアーム２１１．駆動ア
ーム２２ｌと同様の追随運動を行う。

またこれに伴って植付アーム２３ｌ及び２３ｒと苗
保持用カップ６１との各連結部は同一形状の楕円状軌跡
を描き、且つ両連結部の地表からの高さ位置が常に同一
となるように連動する。

次に苗保持用カップを第４，５図に基いて説明する。

円柱状の連結軸６２ｆには長寸の円筒状の前側スリー
ブ６３ｆが回動自在に嵌合され、その左に隣接して後
述のカップ開放アーム７１支持のための支柱７２がピン
７２′の打込みにより該連結軸６２ｆに固定するよう
に嵌合されている。

また円柱状の連結軸６２ｂには前同様の後側スリーブ
６３ｂが回動自在に嵌合され、その左に隣接して環状
スペーサ７３が嵌着されている。

６３１．６３ｒは夫々扁平棒状の左側連結板及び右側
連結板であって、左側連結板６３ｌの前端部及び後端
部は夫々前記支柱７２及びスペーサ７３の左側において
連結軸６２ｆ及び６２ｂに回動自在に嵌合されてい
る。

また右側連結板６３ｒの前端及び後端は夫々前側スリ
ーブ６３ｆ、後側スリーブ６３ｂの右側において連結
軸６２ｆ及び６２ｂに回動自在に嵌合されている。

そして上述したスリーブ及び連結板により略正方形の枠
６３が構成され、前述の連結軸６２ｆ、６２ｂに
水平に支持されている。

６４は中央部に大径の穴を開設した円形受皿状のフラン
ジであって左側連結板６３１及び右側連結板６３ｒに
固着されている。

６６ｆ、６６ｂは底面を有しない倒立中空路円錐
体を２つ割りにした嘴状のカップ半休であって、枠６３
の下方で２つ割りにした部分が対向して閉止するように
、夫々の内壁面と前側スリーブ６３ｆ又は後側スリー
ブ６３ｂに固着された吊金具６７ｆ、６７ｂに
よって連結軸６２ｆ、６２ｂに対する回動が自在と
なるように吊持されている。

後述するようにこのカップ半休６６ｆ。６６ｂはその
中空内部に苗を保持するものであるから、内部に苗を保
持した場合に苗重量による開放を行うことを防止し得る
ように、またカップ半休自体の重量による開放を防止し
得るように前側スリーブ６３ｆ及び後側スリーブ６３
ｂの右側端部の右側連結板６３ｒに対面する位置に
は摩擦抵抗板６８ｆ、６８ｂが突設されており、
右側連結板６３ｒの左側面に取付けた板バネ６９ｆ
、６９ｂが夫々摩擦抵抗板６８ｆ、６８ｂを押
圧して摩擦抵抗を与えるようになっている。

一方、前側スリーブ６３ｆ及び後側スリーブ６３ｂの
左側端部には夫々後方及び前方に突出するカム７０ｆ
、７０ｂか゛固着されており、これらのカムは７０
ｂの先端部が７Ｏｆの先端部の上方に位置するように
して当接している。

そしてカム７０ｂの左側面には前方に延出するカム補
助杆７０Ｃが固着されている。

７１は連結軸６２ｆに嵌合されて固着された支柱７２
に、屈曲した後端部が下向きとなるようにボルト止めし
たカップ開放アームであって、下向きとなった後端縁が
前記カム補助杆７０Ｃの上面に当接し得るようになっ
ている。

なお７３はカム７０ｆが下方に所定角度以上回動した
場合に当接する位置に臨むように支柱７２に固着した板
バネである。

６５は上部が朝顔状に開口した略円筒状のガイドカップ
であって朝顔状に拡開した上部の外壁面を前後のスリー
ブ６３ｆ、６３ｂに係止するようにして枠６３に
載置固定されている。

苗保持用カップ６１は後述するようにしてその開閉を行
うカム７０ｆ、７０ｂ等を除いて、苗を保延すべ
きカップ半体６６ｆ、６６ｂ、ガイドカップ６５
等が前後対称に構成されており、且つこれを支持してい
る枠６３は、同一形状の軌跡を描き常に地表からの高さ
が同一となるようにした連結軸６２ｆ。

６２ｂに支持されているので、カップ半体６６ｆ
、６６ｂ等によって保持される苗の姿勢は常に鉛直とな
る。

次に上述の苗保持用カップ６１に苗を供給する苗供給機
構の概略を説明する。

４７は円板状の底板であってその底面の左右外縁が夫々
前記左側枠材８１、右側枠材８ｒに取付けられた左右一
対のステイ４１の上部に固着されており、後端部が切込
まれ、この切込み部を下方の左右に拡開して苗落下孔４
７ｄ、左右一対の案内壁４７ｅが形成されている。

この底板４７の中央部は円錐台状に上部に突出しており
、中心部には穴４７Ｃが開設されており、この穴４７
Ｃには底板４７によって回転が拘束されないようにし
て軸体４２が嵌合支承されている。

そしてこの軸体４２の下部には一枚の円板の下部に６等
配に固着した６枚の裾広がりの苗台駆動羽根４５が、ま
た上部には円盤の周縁に底なし植木鉢状の凹入部４６
ａを６個、６等配にして設けた形状の回転苗台４６が、
凹入部４６ａの底面が前記底板４７の外縁部の上面に
当接するようにして、該軸体４２と一体的に回転するよ
うに嵌着されている。

そしてクランクアーム２１ｌの内回転に伴って第１図
に図示するように楕円状軌跡を描いて上昇してきたロー
ラ２５の１回の押圧駆動により苗台駆動羽根４５が６０
°回転し、これと同時に同角度だけ回転する回転苗台４
６のいずれかの凹入部４６ａが、ローラ２５の回転駆
動羽根４５に対する当接状態が終了した時点において、
苗落下孔４７ｄの直上に停止するようになっており、
他の凹入部４６ａの底入４６ｂが底板４７によって
閉塞されているのに対し、苗落下孔４７ｄの直上の凹
入部４６ａのみはその底入４６ｂから該凹入部４６
ａに収納した苗を苗落下孔４７ｄを経て下方に落下
させ得、このときローラ２５と同期して上下する苗保持
用カップ６１がその苗落下孔４７ｄの直下に位置する
ようになっている。

従って回転苗台４６の寸法は、苗落下孔４７ｄ及び該苗
落下孔４７ｄの直上に位置すべき凹入部４６が、苗保
持用カップ６１が楕円状運動により上方へ移動し来たっ
たときの位置の直上となるように定められている。

以上のように構成された本考案に係る移植機を使用する
場合は予め調整ハンドル７ａを回転させることによって
平行リンク機構７を操作して機枠１に対する植付機構取
付枠８の高さを、苗保持用カップ６１が下降した場合に
適宜の深さだけ地中に侵入し得るようにうねの高さに合
せて調節し、また苗置台５上に苗を仮置きしておく。

そして左右一対の駆動輪３及びガイド輪４がうねの両側
に位置してうねを跨ぐ状態にして、機体の走行及び植付
を開始する。

なお回転苗台４６の凹入部４６ａには苗落下孔４７
ｄの直上に位置するものを除いて、手作業により逐次苗
置台５から苗を移入する。

伝動機構の操作によりスプロケット９が回転を開始する
と、スプロケット１１も回転し、これによりクランクア
ーム２１１が前述のように反時計方向の内回転を行い、
クランクアーム２１１の回転に駆動されて左右の植付ア
ーム２３１．２３ｒの後端部は前述した如く縦長の楕
円状軌跡を描くが、この軌跡は静軌跡すなわち植付機構
取付枠８等に対する相対位置を示すものであって、機体
の走行を考慮した両植付アーム後端部の動軌跡は路上下
−直線又は縦長扁平８の字形となり、且つ苗保持姿勢は
常に鉛直となっているので苗保持用カップ６１のカップ
半体６６ｆ、６６ｂは地中に略垂直に侵入し得る
。

さて、苗保持用カップ６１が上昇して苗落下孔４７ｄ
の直下に来ると、この上昇に同期して上昇したローラ２
５によって前述の如く駆動されて苗落下孔４７ｄの直
上に回り来たった凹入部４６ａから苗がガイドカップ６
５の内部を経て苗保持用カップ６１内へ落人する。

そして苗保持用カップ６１は苗を鉛直姿勢のまま保持し
て下降し、やがてカップ半体６６ｆ、６６ｂは先
端部から地中に侵入するが、このとき植付アーム２３１
と一体的に移動するカップ開放アーム７１の屈曲した下
端部が苗保持用カップ６１に接近してカム補助杆７０
Ｃの上面を押圧し、これによりカム７０ｂが下方に回
動し、またカム７０ｂに押圧されてカム７０ｆも下
方に回動するので、これに伴って後側スリーブ６３ｂ、
前側スリーブ６３ｆも回動して吊金具６７ｂ、６７ｆ
によってこれらのスリーブに支持されたカップ半体６６
ｂ、６６ｆは夫々後方、前方へ回動するようにして開く
。

このカップ半体６６ｂ、６６ｆの回動により地表には穴
が波設され、カップ半体６６ｂ、６６ｆによって保
持されていた苗はこの穴に落人し、この苗の移植が完了
する。

そして苗保持用カップ６１が上昇移動過程に入るにつれ
て前述したところとは逆にカップ開放アーム７１のカム
補助杆７０Ｃに対する押圧が解除されるが、カム７０
ｆの下面は板バネ７３に押圧されているのでこの押圧力
によりカム７０ｆ、従ってまたカム７０ｂが上方へ回
動することにより、カップ半体６６ｆ、６６ｂは
強制的に閉止される。

そして苗保持用カップ６１が苗落下孔４７ｄの直下に
まで上昇したときには、ローラ２５の駆動により回転さ
れた回転苗台４６の次に苗落下孔４７ｄ上に回動して
きた凹入部４６ａから新たな苗が苗保持用カップ６１
に落人する。

このようにして本考案の移植機は機体の走行に従って逐
次苗をうねに移植するが、苗保持用カップ６１は、上述
の如き動作を反復する間、苗保持姿勢を鉛直にしている
のでこのカップがらの苗落下を防止するための苗挟持手
段等を必要とせず、従って苗損傷の虞れは皆無である。

また苗も略々鉛直の姿勢を保つので移植された際の姿勢
も最も望ましい形で安定することになる。

更に本考案に係る植付機構は左右各３本のアームで苗保
持用カップ６１を支持しており、この支持のための使用
部品点数が少く、従って摩耗側部も少く、故障の発生が
極めて少くなる。

更に左右基３本のアームは苗保持用カップを介して連結
された構造となっており、左右基３本のアームにて構成
されたリングと苗保持用カップとによって平面視的にも
リングが構成されていることになる。

このため植付機構が機枠に対して安定な動作を示し、し
かも苗保持用カップはその対角線の２隅の位置にて左右
の植付アームに支持されているので、苗保持用カップの
支持は強固に行われ、苗保持用カップの土中への侵入に
際しても苗保持用カップの姿勢が変化することなく安定
し、また植付アームにも無理な力が加わることがないな
ど本考案は優れた効果を奏する。

なお前述の実施例とは逆に揺動アーム２２ｌ、２２
ｒをクランクアーム２１ｌ、２１ｒの後方に、ま
た苗保持用カップをクランクアーム２１ｌ、２１
ｒの前方に設けるようにして前後を逆転した構造にする
ことも可能であることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は移
植機の左側面図、第２図は回転苗台、機枠等の平面図、
第３図は苗保持用カップ、植付アーム、植付機構取付枠
の平面図、第４図、第５図は夫々苗保持用カップの左側
面図、平面図である。１・・・・・・機枠、７・・・・・・平行リンク機構、
８・・・・・・植付機構取付枠、２１１．２１ｒ・・
・・・・クランクアーム、２２１゜２２ｒ・・・・・
・揺動アーム、２３ｌ、２３ｒ・・・・・・植付
アーム、６１・・・・・・苗保持用カップ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

走行機能を備えた機体に、移植対象の苗を地表に植付け
る植付機構と、該植付機構に逐次苗を供給する苗供給機
構とを設けて構成した移植機において、機体の左右方向
の回転軸心を有するクランクアームと、機体の前後方向
への揺動自在に枢支された揺動アームと、その一端部が
上下動するようにクランクアーム及び揺動アームに枢支
された植付アームとを機体左右側夫々に備え、左右両側
のクランクアーム、揺動アーム及び植付アームは夫々に
実質的に相等しく構成されており、更に左右の植付アー
ムの前記一端部が機体の前後方向に相異る同高位置に在
るように各アームが枢支連結されており、該左右の植付
アームの前記一端部に、苗保持用カップの左右側の同高
位置を取付けて苗保持姿勢が鉛直となるようにしである
植付機構を具備することを特徴とする移植機。