JPS5929443Y2 - 畝立て用溝切板の保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は畝面にフィルムを張るマルチ作業機又はフィル
ム張りに続いて穿孔と播種を行うマルチ播種機において
、耕地に側溝を切って畝を形成する溝切板の高さ及び進
行方向に対する傾きを調節したのち、その吊持杆を確実
に固定できるように構成した畝立て用溝切板の保持装置
に関するものである。

第１図に示すマルチ播種機において、１は箱形に枠組し
たフレームで、前側の端板２，３をトラクターのアッパ
ーリンクとロアリンク（共に図示なし）に連結し、横巾
方向に延びる前下桟４と後下桟５をフレーム１の両側へ
突出させ、後下桟５の背面に後方へ長く延びる２本の主
杆６を平行に突設し、後下桟５の背面に設けた基片（図
示なし）に枢軸７を挿架し、主杆６の内側にその中程か
ら上方へ延びる２本の逆り字形の支持杆８を配置して枢
軸７に枢着する。

１０は側方よりみてコの字形をなすホルダーで、上片１
１と下片１２及び両片を継ぐ側片からなり、背面から突
出する２本のポルＮ３，１３をフレームの前下桟４の両
端の上面と下面に添わせ、このボルトに嵌めた座金１４
をナラＨ５，１５で締付けてホルダー１０を前下桟４に
固定する。

１６は浅い椀形をなす円形の溝切板で、短い芯軸１７を
丸棒材の吊持杆１８の下端に回転自由に承持させ、この
吊持杆を少し前側へ傾けてホルダー１０の上下の両片に
挿通し、ホルダーに吊持杆１８を固定して溝切板１６を
フレーム１の前下方の両側に保持し、調節手段（後記）
により溝切板１６の高さ及び進行方方に対する傾きを調
節し、トラクターの進行方向に伴い２枚の溝切板１６が
耕地に２本の側溝を切開いて畝Ａを形成する。

フレームの後下桟５の両端の下面にその横巾からはみ出
す端板２０を添着し、これの下面の両側縁にフレームの
後下桟５の全長にわたる断面コ字形の溝形板２１，２１
を背中向けにして固着する。

Ｍはマルチユニットで、フレームの後下桟５とほぼ同じ
長さをもつ角パイプを主ビーム２２とし、これの両端に
固着した横巾のあるＵ字形の連継片２３の両側片に転子
２４，２４を軸承し、この転子を溝形板２１．２１に嵌
めて転がしつつマルチユニットの主ビーム２２を一杯に
送込み、溝形板２１．２１ど転子２４，２４によりマル
チユニットＭをフレームの後下桟５に装着する。

２５はフレームの後下桟５の一端を上下に貫通するロッ
ドで、これの下端を突張りばね２６の弾力で連継片上の
突片２７の内側に引掛けて主ビーム２２の抜出しを止め
て、ロッド２５の頂端に固着したピン２Ｂを引上げてロ
ッドの下端を連継片上の突片２７から離し、係止手段（
図示なし）でこの状態を保持して主ビーム２２を側方へ
引出し、これによりマルチユニットＭをフレームの後下
桟５から簡単に取りはずすことができる。

なお、ロッド２５の反対側では溝形板２１，２１に転子
２４゜２４のストッパ（図示なし）を設けて主ビーム２
２の抜出しを止める。

マルチユニットＭは主ビーム２２の両端に前方へ向う２
本の水平な保持杆３０と前下方へ向う２本の斜めの吊持
杆３４をそれぞれ平行に突設し、保持杆の前端の受金３
１にフィルムＦの巻取品３２の芯棒３３を着脱自由に挿
架し、吊持３４の下端のピン３５に前下方へ向う腕杆３
６と後下方へ向う腕杆３７を枢着し、前側の腕杆３６に
鎮圧ローラ３８を軸承してフィルムＦを巡らせ、後側の
腕杆３７にタイヤを装着した張り車４０を後方に向って
八字形に開く姿勢に軸承し、この張り車を溝切板１６が
切り開いた側溝に入れる。

４１は張り車４０の後側に装置した覆土板で、これの吊
持杆４２を筒金４３に挿通してボルト４４で可調的に固
定し、この筒金を主杆６の前部に突片４５を介して固着
された角形片４６に２本のボルト４７と座金４８で固定
する。

後下桟５の背面の枢軸７に枢着された支持杆８の頂端を
前側へ突出させてこの突出部４９に真空播種機Ｓを装着
する。

真空播種機Ｓはホッパー５０を有するケーシング５１の
内部に多数の小孔を円形線上にあけた種子板（図示なし
）を納め、７Ｌ／−ム１の前部に取付けたブロワ−５２
をホース５２によりケーシング５１に連絡し、トラクタ
ーの動力取出軸（図示なし）によりブロワ−５２を駆動
してケーシングの内部空気を吸引し、種子板の背面側を
負圧にして１粒又は２粒の種子を種子板の小孔に吸着し
、種子板を回転させて種子をケーシング５１から運び出
し、その下隅でブロワ−の吸気圧を絶って種子を落下さ
せる。

なお真空播種機自体は本考案に直接の関係はないから詳
細な説明を省略する。

５４はタイヤを装着した大径の接地輪で、フレーム１に
突設された主杆６の後端の軸受５５に軸承し、そのボス
に小径の銀輪５６を同芯に固着して一緒に回転させる。

５７と５８は直径が少し異なる２枚の銀輪で、一体に結
合して支持杆の枢軸７に遊嵌し、一方の銀輪５１と接地
輪に固着された銀輪５６にナエン６２を掛ける。

６５は支持杆８の材部に植設した芯軸で、この芯軸に一
体に結合した２枚の銀輪５９．６０を遊嵌し、銀輪５９
と枢軸上の銀輪５８にチェノ６３を掛ける。

６６は支持杆の突出部４９に植設した中間軸で、この中
間軸に銀輪６１とこれに固定きれた歯車６７を遊嵌し、
銀輪６１と芯軸上の銀輪６０にチェノ６４を掛ける。

６９は真空播種機Ｓに内蔵された種子板の芯軸で、これ
に歯車６８を固定して中間軸上の歯車６７に噛合わせる
。

これらの銀輪５６〜６１とチェノ６２〜６４により接地
輪５４の回転は芯軸６５を経て中間軸６６に伝わり、中
間軸６６は歯車６７．６Ｂを介して真空播種機の種子板
を回転させる。

こ＼に歯車６７．６Ｂは種子板を所望の方向に回転させ
るために設けたのである。

支持杆８の材部に植設した芯軸６５に大径のディスク７
０を遊嵌してボスに銀輪５９，６０を固定し、接地輪５
４から真空播種機Ｓに至る伝導手段５６〜６８を利用し
てディスク７０を反時計方向に回転させ、ディスクの周
縁に嘴状を呈する多数の穿孔器Ｐを等間隔に配置し、穿
孔器Ｐが次々に真空播種機Ｓの出口に向う時期とこれの
種子板が種子を落下させる時期を一致させる。

穿孔器Ｐは２本のボルト７１でディスク７０に固定され
た平板状の固定嘴７２とこれに対して離接する可動嘴７
４からなり、可動嘴を三角錐状に作って底面７５とこの
底面から出る脚片７６を一体に設け、脚片の中腹の環状
部７７を固定嘴７２に設けた２つの環状片７３の間に入
れてピン７８を挿通し、このピンに捲いたばね７９の弾
力で可動嘴７４を固定嘴７２に圧接させて穿孔器Ｐを閉
じる。

８０は可動嘴の脚片７６に装着した転子で、取付板（図
示なし）を介して支持杆８に固定された大径の環状カム
（図示なし）に接触し、ディスク７０の反時計方向の回
転に伴ってカム面を転動する。

このカムの輪廓は穿孔器Ｐが真空播種機Ｓの出口に向う
以前から可動嘴７４を大きく開いて種子を受入れ、次に
穿孔器は可動嘴７４を閉じて種子を入れた状態で下方へ
回動し、下方へ回ってきた穿孔器Ｐが畝面のフィルムＦ
に突き刺さると可動嘴７４を少し開いて種子を吐出する
ように設定されている。

８１は平衡用の強いばねで、フレームの後下桟５に設け
た突片８２と支持杆８の下片の中間部に設けた突片８３
に掛け、支持杆８に真空播種機Ｓとディスク７０及び穿
孔器Ｐ・・・を加えた合計重量に対抗し、支持杆８に反
時計方向の回動力を与えて穿孔器Ｐが畝面に入りすぎな
いようにする。

なお２本の主杆６の間に２組の真空播種機Ｓとディスク
７０が配置される。

マルチ播種機の一例は以上の構成からなり、始めにフィ
ルム巻取品３２からフィルムＦを引出して鎮圧ローラ３
８を巡らせ、フィルムの両側縁を地面と張り車４０の間
に挾み込む。

作業者がトラクターを運転すると２枚の溝切板１６が耕
地に２本の側溝を切開いて畝Ａを形成し、鎮圧ローラ３
８が畝面を平坦に均してゆき、フィルムＦが巻取品３２
から引出されて畝面にかぶさり、側溝を転動する２つの
張り車４０が後方に向って八字形に開くので、フィルム
Ｆはこの張り車に伸がされて畝Ａに張りつけられ、続い
て２枚の覆土板４１がフィルムの両側縁に土をかぶせて
めくれないようにする。

真空播種機Ｓはトラクターの進行に先立ってブロワ−５
２が駆動され、ケーシング内の空気を吸引して種子板の
背面側を負圧となみ、１粒又は２粒の種子を種子板の小
孔に吸着している。

トラクターが進行すると接地輪５４が回転し、これに伴
って鎖編５６〜６１及びチェ７６２〜６４により芯軸６
５を経て中間軸６６が回転し、中間軸は歯車６７．６Ｂ
を介して種子板を回転させ、この結果種子板は種子をケ
ーシングから運び出し、その下隅でブロワ−５２の吸気
圧を絶って種子を落下させる。

ディスク７０も接地輪５４を駆動源として鎖編４９，５
０により反時計方向に回転し、真空播種機Ｓの種子板が
種子を落下させる時期に同期してその出口に穿孔器Ｐを
向かせる。

穿孔器Ｐは真空播種機の出口に向うとき可動嘴７４を大
きく開いて種子を受入れ、次に穿孔器は可動嘴７４を閉
じて下方へ回動し、下方へ回ってきた穿孔器Ｐが畝面の
フィルムＦに突き刺さると可動嘴７４を少し開く。

この結果穿孔器Ｐは一定のピッチでフィルムＦに孔をあ
けると共に畝面に浅い凹みを堀ってその中へ種子を吐出
し、種子はフィルムをかぶせた畝面に確実に一定のピッ
チで播かれてゆく。

本考案はこのようなマルチ播種機又はマルチ作業機にお
いて、畝立て用溝切板の高さ及び進行方向に対する傾き
を調節したのち、その吊持杆を確実に固定できるように
構成したのである。

本考案の一実施例は第１図及び第２，３図に示す如く溝
切板１６を承持する吊持杆１８の内側縁をその頂端から
中腹部まで断面半月形に切取って縦長の平坦面１９を作
り、ホルダーの上片１１と下片１２に吊持杆１８を通す
円形の通孔８４゜８５をあけ、ホルダーの上片１１には
ゾ同じ形状でかつ吊持杆の通孔８７をあけた可動片８６
を重ね、この可動片に通孔８７と同じ中心をもつ円弧状
の長孔８８を穿ち、ホルダーの上片１１にねじ孔８９を
切って長孔８８に通したボルト９０を螺合し、可動片８
６に係合片９１とこれに相対する突片９２を固着し、係
合片９１を通孔８７の内側縁を少し塞ぐ位置に設け、突
片９２を通孔８７から離してボルト９３を螺合し、この
ボルトと係合片９１で吊持杆１８を挾持する。

本考案の一実施例は以上の構成からなり、マルチ作業に
先立ってボルト９３を緩め、吊持杆の平坦面１９を係合
片９１に添わせつつ吊持杆１８を上下に動かして溝切板
１６の高さを調節し、溝切板が所望の高さになるとボル
ト９３で吊持杆１８を締付け、吊持杆の平坦面１９を係
合片９１に強く当てて吊持杆１８を固定する。

次にボルト９０を緩めて可動片８６を動かすと、可動片
は吊持杆１８を中心として円弧状の長孔８８に案内され
つつ左右に動き、吊持杆１８は可動片８６に伴われてホ
ルダーの上下の両片にあけた通孔８４，８５の中を回動
し、トラクターの進行方向に対する溝切板１６の傾きが
変化する。

そこで可動片８６を動かして溝切板１６が所望の傾きと
なるように調節したのちボルト９０を締付けて可動片８
６をホルダーの上片１１に固定でる。

このようにして溝切板１６の高さ及びトラクターの進行
方向に対する傾きを調節したのちトラクターを運転し、
耕地に２本の側溝を切って畝を形威し、畝面にフィルム
を張って穿孔しつつ播種してゆく。

以上は本考案の一実施例を説明したもので、本考案はこ
の実施例に限定されることなく考案の要旨内において設
計変更できるし、本考案はマルチ播種機やマルチ作業機
のほか単なる播種機の畝立て用溝切板にも適用しうる。

本考案においては円形の溝切板を回転自由に保持する吊
持杆の側縁に縦長の平坦面を設け、フレームの横桟に固
定されたコの字形のホルダーとこれの上片に重ねた可動
片に吊持杆を挿通し、可動片の円弧状の長孔に通したボ
ルトをホルダーの上片のねじ孔に螺合して可動片を固定
し、吊持杆の平担面に添う係合片とこれに相対する突片
を可動片に固着し、突片に螺合するポルＩ−と係合片で
吊持杆を挾持するように構成しており、吊持杆を上下に
動かして溝切板の高さを調節し、可動片を左右に動かし
て進行方向に対する溝切板の傾きを調節したのち、突片
に螺合するボルトを締付けて吊持杆の平坦面を係合片に
強く当て、可動片をその長孔に通したボルトでホルダー
に固定するから、これらの平坦面と係合片及び可動片に
より溝切板を確実に固定することができ、かつ進行方向
に対する溝切板の傾きを簡単に調節しうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を備えるマルチ播種機の側面
図、第２図は第１図のＢ−Ｂ線よりみた実施例の平面図
、第３図は第２図のＣ−Ｃ断面図である。 なお、１はフレーム、４はその横桟、１０はホルダー、
１１はその上片、１６は溝切板、１８はその吊持杆、１
９はその平坦面、８６は可動片、８７は通孔、８８は長
孔、８９はねじ孔、９０はボルト、９１は係合片、９２
は突片、９３はボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円形の溝切板を可転的に承持する丸棒材の吊持杆の側縁
   に縦長の平坦面を設け、フレームの横桟の両端に固定さ
   れたコ字形のホルダーとこれの上片に重ねた可動片に吊
   持杆を挿通し、可動片に吊持杆の通孔と同じ中心をもつ
   円弧状の長孔を穿ってボルトを通し、このボルトをホル
   ダーの上片に切ったねじ孔に螺合して可動片を固定し、
   吊持杆の平坦面に添う係合片とこれに相対する突片を可
   動片に固着し、突片に螺合するボルトと保合片で吊持杆
   を固定することを特徴とする畝立て用溝切板の保持装置
   。