JPS5814814Y2 - 移植機における苗保持用カツプの閉止駆動構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は苗床から採取されたタバコ、キャベツ等の苗を
圃場の５ね面に移植する移植機の苗保持用カップの閉止
駆動構造に関するものである。

この種の移植機は走行機能を備えた機体に、機体の走行
に合せて移植対象の苗をうね面に逐次植付けることを可
能とする植付機構を設けたものであって、この植付機構
及びこれに苗を供給する苗供給機構については従来から
種々の提案がなされているが、その動作メカニズムが複
雑であるためにその動作が不確実となったり、また装置
が大型化し、更には摩耗等に起因する故障が多発する等
の欠点があった。

本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、苗
を保持してこれを地表に植付ける苗保持用カップを、ク
ランク機構を利用して先端が縦長楕円状の軌跡を描いて
上下運動する植付アームの先端部に取付けて、この上下
運動する植付アームノ所定位置で該植付アームに固定さ
れたカップ開放アームの先端部を作用させることにより
植付アームの上下運動に連動して自動的に苗保持用カッ
プを開放させるとともに、この苗保持用カップの閉止を
苗保持用カップが開放するときに蓄勢されるようにした
バネの撥動力のみで行うようにした新規な移植機の苗保
持用カップの閉止駆動構造を提供したものである。

本考案をその実施例を示す図面に基いて以下に詳述する
。

第１図は本考案に係る苗保持用カップの閉止駆動構造を
備えた移植機左側面図であって、矩形状の機枠１にはエ
ンジン２、該エンジン２により駆動され、うねを跨ぎ得
るように適幅離隔させた左右一対の駆動輪３、該駆動輪
３の前方に位置し、同様に離隔させて追随回転する左右
一対のガイド輪４、植付対象の苗を仮置きする左右一対
の苗置台５及び操作ハンドル６が装着されている。

そしてこの機枠１に取付けられた調整ハンドル７ａの回
転により操作される左右対称の平行リンり機構７を介し
て機枠１より小さい矩形状の植付機構取付枠８が前記平
行リンク機構７の作用により、機枠１に対する相対的上
下位置を調整可肯ヒに水平に機枠１の内側に取付けられ
ている。

植付機構は上述のように構成された機体の一部である植
付機構取付枠８に取付けられた、左右一対のクランクア
ーム２］？、２１ｒ、揺動アーム２２ｔ。

２２ｒ１植付アーム２３ｔ、２３ｒ及び植付アーム２３
ｔ、２３ｒの夫々の後端部に支持された１個の苗保持用
カップ６１等からなっている。

クランクアーム２１ｔは植付機構取付枠８の左側枠材８
ｔの中央部に機体の内側に向けて枢着されており、機体
の左右方向を回転中心軸として内回転するようになって
いる。

そしてこの回転は機枠１に取付ケられてエンジン２によ
って回転駆動されるスプロケット９と同軸回転する、カ
バ１０内に収納されたスプロケット（図示せず）により
チェイン（図示せず）を介して回転され、前記左側枠材
８ｔにクランクアーム２１７と同軸的に枢着されたスプ
ロケット１１０回転により行われ、その回転方向は第１
図の左側面図において矢符で示す如く反時計方向である
。

揺動アーム２２ｔは左側枠材８ｔの前端部に機体の内側
に向けて前後への揺動自在に軸着されており、その長さ
はクランクアーム２１ｔより稍々長い。

植付アーム２３１はへの字形に曲成されていて、その前
端部は揺動アーム２２ｔに、また略々中央部であって、
への字の屈曲部より稍々前方寄りの部分がクランクアー
ム２１７に夫々回動自在に軸止されている。

斯かる構成により、クランクアーム２１ｔが回転すると
植付アーム２３ｔの後端部ば２点鎖線で示す如き縦長楕
円状の軌跡を描いて上下運動するようにしである。

そしてこの植付アーム２３ｔの左側面におけるクランク
アーム２１を軸止部の稍々後方寄りには揺動アーム２２
１−クランクアーム２１軸止部を結ぶ方向に略々一致し
、後方に延出して先端にはローラ２５を取付けた苗台駆
動アーム２４が固着されている。

クランクアーム２１ｒ。揺動アーム２２ｒ、植付アーム
２３ｒは夫々クランクアーム２１ｔ、揺動アーム２２ｔ
、植付アーム２３ｔと同寸同形状であって、クランクア
ーム２１ｒ、揺動アーム２２ｒはいずれも植付機構取付
枠８の右側枠材における、前記クランクアーム２１ｔ、
揺動アーム２２ｔの軸止部に対面する位置よりも夫々後
方寄りの位置で機体の内側に向けて回動自在に軸着され
ている。

そしてクランクアーム２１ｒ及び揺動アーム２２ｒの植
付アーム２３ｒに対する軸止部位は、クランクアーム２
１を及び揺動アーム２２ｔの植付アーム２３ｔに対する
軸止部位と同様である。

しかし７クランクアーム２１ｒｌＣは前述のスプロケッ
ト１１の如きこれを直接回転駆動する手段は設けられて
いない。

そして前後にずれた植付アーム２３７，２３ｒの後端部
には苗保持用カップ６１が吊持されている。

次に苗供給機構について説明する。

植付機構取付枠８には左右〜対のステイ４１を設けて、
とのステイ４１の上面には周縁の後部に苗落下孔４７ｄ
を有する底板４７が固着されている。

この底板４γの中央部は円錐台状に上方に突出していて
、中心部には底板４７によって回転が拘束されないよう
にした軸体４２が嵌合支承されている。

そしてこの軸体４２の下部には円板の下面に６等配に固
着した６枚の苗台駆動羽根４５が、また上部には円周上
に底なし植木鉢状の凹入部４６ａを６等配して６個設け
た回転苗台４６が、凹入部４６ａの底面が前記底板４７
の上面に当接して、該軸体４２と一体的に回転するよう
に構成されている。

そしてクランクアーム２１７の内回転に伴って移動する
苗台駆動アーム２４のローラ２５の１回の押圧駆動によ
り苗台駆動羽根４５が６０度回動し、これと同時に同角
度だけ回動する回転苗台４６の１つの凹入部４６ａがロ
ーラ２５の回転駆動羽根４５に対する当接状態から解放
された時点で、苗落下孔４７ｄの直上に停止するように
なっており、他の凹入部４６ａの底部は底板４７によっ
て閉塞されている。

そして１つの凹入部４６ａと苗落下孔４７ｄとの一致に
より該凹入部４６ａに収納した苗は凹入部４６ａの底部
４６ｂ及び苗落下孔４７ｄを経て自重により落下するこ
とができ、このとき植付アーム２３／、、２３ｒの後端
部は最上部に達していて、このとき２点鎖線で示すよう
に閉止している苗保持用カップ６１がその苗落下孔４７
ｄの直下に位置していて、回転苗台４６から苗保持用カ
ップ６１に対して苗の受は渡しを行い、苗保持用カップ
６１の最下部の位置で該苗保持用カップ６１を開放して
うね面に苗を植付けるようになっている。

而して、前記した苗保持用カップ６１の開閉駆動構造に
ついては本願出願人により既に提案されているが（実願
昭５１−１６５５３１号）、本考案の苗保持用カップの
閉止駆動構造は前記開閉駆動構造に関連し、第２図に示
す如く構成されている。

すなわち苗保持用カップ６１の左側面図を示す第２図に
おいて、６２ｆは植付アーム２３ｔに左端部を固着した
前側連結軸、６２ｂは植付アーム２３ｒに右端部を固着
した後側連結軸であり、６３７は左側連結板であってこ
れと同様の右側連結板（図示せず）が設けられでおり、
これらの連結板の前端部は前側連結軸６２ｆの左右軸端
部に、また後端部は後側連結軸６２ｂの左右軸端部に夫
夫回動自在に嵌合されている。

普た前、後側連結軸６２ｆ 、６２ｂには該連結軸６２
ｆ 、６２ｂに夫々回動自在に嵌合され、前記左、右の
連結板の間に位置するスリーブ６３ｆ 、６３ｂが配設
されている。

そして上述した前、後側のスリーブ６３ｆ。６３ｂ及び
左右の連結板６３を等により略正方形の枠６３が形成さ
れている。

６４は中央部に大径の穴６４ａを開設した円形受皿状の
フランジであって左側連結板６３を及び右側連結板に固
着されている。

６６ｆ 、６６ｂは底面を有しない倒立中空路円錐体を
２つ割りにした嘴状のカップ分体であって、枠６３の下
方で２つ割りにした部分が対向して閉止するように、夫
々の内壁面と前側スリーブ６３ｆ又は後側スリーブ６３
ｂに固着された吊金具６γｆ 、６７ｂによって、連結
軸６２ｆ。

６２ｂに対する回動７５咄在となるように吊持されてい
る。

尚前記カップ分体６６ｆ 、６６ｂはその中空内部に苗
を保持する機能をもたせるため、内部に苗を保持した場
合に苗の重量によって下方が開放せぬように前側スリー
ブ６３ｆ及び後側スリーブ６３ｂには摩擦抵抗板（図示
せず）が固着されていて、該摩擦抵抗板に対向して摺擦
するように右側連結板の左側面に取付けた板バネ（図示
せず）とにより適正圧力の摩擦抵抗を与えるよ、うにな
っている。

一方、前側スリーブ６３ｆ及び後側スリーブ６３ｂの左
側端部には夫々後方及び前方に突出するカム７０ｆ、７
０ｂが固着されており、これらのカムは７０ｂの先端部
が７０ｆの先端部の上方に位置して当接している。

そしてカム７０ｂの左側面にはカム７０ｂの先端部より
更に前方に突出するカム補助杆７０ｃがカム７０ｂに固
着されている。

７１は前側連結軸６２ｆに嵌合されて該軸６２ｆにピン
１２′の打込により固定された支柱７２に、固定ポル）
７１ｂにより締付けて固定されたカップ開放アームであ
って、カップ開放アーム７１の先端部は屈曲してカム押
圧部７１ａが形成されている。

そしてこのカム押圧部７１ａの下端縁は下方に位置して
前記カム補助杆７０ｃの上面に当接していて、苗保持用
カップ６１が全開した場合にもカップ開放アーム７１の
カム押圧部７１ａの下端縁とカム補助杆７０ｃとの当接
状態は保持されるようになっている。

７３は支柱７２の前側側面にボルト７３ａ、７３ａによ
って一端が固定され、他端が前側連結軸６２ｆの下方を
通って前記カム７０ｆの下方に位置し且つ該カム７０ｆ
が下方へ回動した場合にこれと当接する位置に臨ませて
配設した閉止用板バネであって、前記カップ開放アーム
７１により強制的に押圧されて苗保持用カップ６１が開
放させられたときカム７０ｆがこの閉止用板バネ７３に
当接して前記した摩擦抵抗板による摩擦抵抗に抗する撥
動力が蓄勢されるようになっており、カップ開放アーム
７１によるカム７０ｆの駆動が終了してその押圧が解除
された後において、この撥動力を利用して苗保持用カッ
プ６１を閉止するように構成されている。

而して後述するように苗保持用カップ６１又はカップ開
放アーム７１が上昇過程に入る矢カップ開放アーム７１
のカム醋助杆７０ｃに対する押圧が解除されるのである
が、閉止用板バネ７３に蓄勢された撥動力をその１１放
勢させると、苗保持用カップ６１の開放過程と同様にカ
ム７０ｆ上面がカム７０ｂ下面に当接し、またカム補助
杆７０ｅがカップ開放アーム７１に当接することとなっ
て緩やかに閉止される。

斯かる緩やかな閉止によってはカップ分体６６ｆ 、６
６ｂに付着した土、小石等の払い落しが期待できない。

そこで本考案においては閉止用板バネに蓄勢された撥動
力の放勢作用を前記摩擦抵抗によって一時的に抑制せし
めるのである。

これは閉止用板バネ７３の撥動力を前記摩擦抵抗、正確
にはその静摩擦力よりも少し太き目に設定しておくこと
によって実現される。

即ちこの摩擦抵抗の存在によりカップ開放アーム７１の
カム押圧部７１ａの下端縁上昇に比してカップ分体６６
ｆ 、６６ｂ又はカム？Ｏｆ 、７０ｂの上方への回動
の開始を遅らせ、またその速度を遅くするのである。

これによりカップ６１は暫時開放状態を保つが、カップ
分体６６ｆ、６６ｂ又はカム７０ｆ 、７０ｂは徐々に
加速され、やがて閉止用板バネ７３の撥動力が前記摩擦
抵抗板と板バネとの間の動摩擦力に打ち勝って、カム７
０ｆ 、７０ｂを、従って捷たカップ分体６６ｆ、６６
ｂを一気に急速回動して苗保持用カップ６１を閉止する
ように構成されている。

次に前記した苗保持用カップの閉止駆動構造の動作につ
いて説明する。

苗保持用カップ６１は左右の植付アーム２３ｔ、２３ｒ
の後端部に吊持されて植付アーム２３７，２３ｒの上下
運動に伴って、その姿勢を常に垂下状態に保ちつつ上下
運動をする。

そして苗保持用カップ６１が下降を続けて、カップ分体
６６ｆ、６６ｂは先端部から地中に侵入する。

このとき植付アーム２３ｔと一体的に移動するように設
けられたカップ開放アーム７１のカム押圧部７１ａの下
端縁がカム補助杆７０ｃの上面を押圧し、これによりカ
ム７０ｂの先端が下方に移動し、またこのカム７０ｂＫ
押圧されて重合した状態でカム７０ｆの先端部も下方に
移動するので、これにともない後側スリーブ６３ｂ１前
側スリーブ６３ｆが回動して吊金具６７ｂ、６７ｆに吊
持されたカップ分体６６ｂ。

６６ｆは連結軸６２ｆ 、６２ｂを支点にして下端部を
夫々後方、前方へ回動するようにして開く。

そしてカップ開放アーム７１によりカム７０ｂ。

７０ｆが下方の所定位置に達したときカム７０ｆの下端
面が閉止用板バネ７３に当接してこれを押圧して閉止用
板バネ７３には撥動力が蓄勢される。

苗保持用カップ６１の開放によって地表に対する穴の拡
設と前述の苗供給機構から受取った苗の落下を行いこの
苗を地表の穴に植付けた後、該苗保持用カップ６１は植
付アーム２３ｔ、２３ｒの後端部の上昇とともに上昇過
程に入り、前述した動作とは逆に植付アーム２３１と一
体的に移動するカップ開放アーム７１のカム押圧部７１
ａの下端縁が次第に上方に移動してカム補助杆７０ｃに
対して離反し、押圧力を解放する。

このとき一時的に両カップ分体６６ｆ 、６６ｂは前記
した摩擦抵抗板の摩擦抵抗によって開放状態を保つが、
この摩擦抵抗に抗する閉止用板バネ７３の擦動力によっ
てカム？Ｏｆを一気に上方に跳ね上げ、これに重合した
カム７０ｂをも上方に跳ね上げるので、２つのカップ分
体６６ｆ、６６ｂは前、後側連結軸６２ｆ、６２ｂを支
点にして２つのカップ分体６６ｆ 、６６ｂの２う割り
にした対向する端面同志を引き合うように急速回動して
苗保持用カップ６１が閉止される。

このようにして苗保持用カップ６１は植付アーム２３ｔ
、２３ｒの上昇過程にかいてカップ分体６６ｆ 、６６
ｂを自動的に確実に閉止する。

尚本実施例では苗保持用カップ６１を閉止するために閉
止用板バネ７３をカム７０ｆに当接させてその撥動力に
より行わせたが、この閉止構造はこの閉止用板バネ７３
の使用に限定されることなく、例えば前側スリーブ６３
ｆにコイルバネを巻きつけてその一端を左側連結板６３
ｔに固定し他端をカム？Ｏｆに固定して、カム７０ｆの
下方への回動と共に該コイルバネによる撥動力を蓄勢さ
せるようにしてもよい。

更に支柱７２とカム７０ｆとの間に圧縮スプリングを張
設しカム７０ｆの回動に伴って撥動力を蓄勢させてもよ
い。

以上説明した如く、本考案に係る苗保持用カップの閉止
構造によれば、苗保持用カップ６１に製造上の誤差が生
じても閉止用板バネ７３あるいはコイルスプリング等の
撥動力により強制的に閉止駆動させるので常に確実に閉
止動作を行わせることができると共に、苗保持用カンプ
ロ１には閉止時に必要以上の操作力が加わることがない
。

また苗保持用カンプロ１はその移動域の最下限から若干
上方へ移動したところで閉止するので、植付けた苗をカ
ップに挾んだり、押し倒したりして苗を損傷することが
なく、更にカップ分体６６ｆ６６ｂは急速回動して衝接
して、これに付着した土、小石等が払い落されて、カッ
プは確実に閉止することになる。

ｌた閉止動作を行わせるために特別の独立した駆動力を
一切必要としないので構造が著るしく簡単となり安価に
提供でき、且つ特別な可動部分がなく摩耗等に起因する
故障を惹起する虞れは全くない等の優れた効果があり、
更に本案構造では植付アームの一端、従ってこれに取付
けられた苗保持用カップが縦長楕円状の軌跡を描いて上
下動するのでカップの地中への侵入、拡開が円滑に行わ
れ、植付苗の損傷が殆んどない等の効果もある。

なお上述の実施例では苗保持用カップを中空の倒立略円
錐体を２つ割りにした嘴状のカップ半体としたが、これ
に限るものではなく、同様の円錐体状若しくは角錐体状
のものを３つ以上に分割した形態としてもよく、また、
多角柱を横置きにした形態としてもよい。

筐た、上述の実施例では、カップ半休と連動回動するカ
ムをカップ半体夫々に設けることとしたが、１つのカッ
プ分体と連動回動する構成として、１つのカップ分体の
回動により他のカップ分体が回動する構成としてもよい
。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る実施例を示し、第１図は移植機の左
側面図、第２図は植付アームに吊持した苗保持用カップ
の左側面図である。 １・・・・・・機枠、Ｉ・・・・・・平行リンク機構、
８・・曲植付機構取付枠、２１ｔ、２１ｒ・・・・・・
クランクアーム、２２ｔ、２２ｒ・・・・・・揺動アー
ム、２３ｔ。 ２３ｒ・・・・・・植付アーム、４６・・向回転苗台、
６１・・・・・・苗保持用カップ、６２ｆ、６２ｂ・・
曲連結軸、６６ｆ 、６６ｂ・・・・・・カップ分体、
７０ｆ 、７０ｂ・・・・・・カム、７１・・・・・・
カップ開放アーム、７２・・・・・・支柱、７３・・・
・・・閉止用板バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機能を備えた機体に、移植対称の苗を地表に植付け
   る植付機構と、該植付機構に、逐次苗を供給する苗供給
   機構とを設けて構成した移植機において、夫々の一端が
   縦長楕円状の軌跡を描いて移動する２本の植付アームの
   前記一端に、複数のカップ分体からなる苗保持用カップ
   を各カップ分体の上部が回動支点となって下方から拡開
   し得るように吊持し、カップ分体と連動回動すべく該カ
   ップ分体に連結されたカム及び植付アームに連動して前
   記カムを駆動するカップ開放アームを設ける一方、該カ
   ップ開放アームの駆動による苗保持用カップの開放によ
   って撥動力を蓄勢するバネとカップ分体の回動に抵抗を
   付与すべく設けられており、前記カップ開放アームのカ
   ムに対する駆動が解除された場合に、蓄勢された撥動力
   の放勢作用を一時的に抑制する摩擦抵抗手段とを＠え、
   前記撥動力にて苗保持用カップを閉止するように構成し
   たことを特徴とする移植機における苗保持用カップの閉
   止駆動構造。