JPS5936882B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

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JPS5936882B2
JPS5936882B2 JP51096808A JP9680876A JPS5936882B2 JP S5936882 B2 JPS5936882 B2 JP S5936882B2 JP 51096808 A JP51096808 A JP 51096808A JP 9680876 A JP9680876 A JP 9680876A JP S5936882 B2 JPS5936882 B2 JP S5936882B2
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acid
fatty acids
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formula
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正俊 五十嵐
捷之 二上
達夫 清重
耕司 渋谷
洋治 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はα位に分枝構造を有する脂肪酸もしくはその塩
を配合した歯磨、マウスラッシュ等の口腔用組成物に関
する。
周知のように、ムシ歯その他の口腔疾患の原因である歯
垢は、ムシ歯細菌であるストレプトコッカス・ミュータ
ンス等の細菌によって生成され、その組成をみると約7
0%の細菌と、20係の多糖と、10チの食物残査より
なっている。
すなわち、ストレプトコッカス・ミュータンス等は口腔
内に取り込まれた蔗糖よりデキストランシュクラーゼの
ような多糖合成酵素を利用してテキストラン等の粘着性
多糖を合成し、この粘着性多糖を仲たちとして歯面へ耐
着し、又歯面に付着した歯垢は細菌自身の住み家を形成
している。
そして、歯垢中に住みついた細菌は連続的に有機酸を産
生じ、長期にわたって歯の脱灰を続けてムシ歯を形成し
、あるいはこれら毒素は歯槽膿漏等の種々の口腔内疾患
の原因にもなっている。
従って、この過程のどこかを完全に遮断し、その過程の
進行を阻止すれば、歯垢形成が阻害され、ムシ歯等の予
防かなされ得ることになる。
このため、従来より、ムシ歯等の予防として、殺菌剤を
用いてムシ歯細菌を殺したり、機械的なブラッシング等
により歯垢を除去する方法が採用されてきた。
しかるに、殺菌剤を用いる方法は、菌を殺すという目的
に対してはその力を十分発揮するこ吉ができるが、従来
より一般に使用されている合成殺菌剤は、生体(人間)
に対して何らかの毒性を示し、従って、それが口腔内で
日常使用するものであることを考えるとその毒性を無視
することはできず、必らずしも殺菌に十分な量を用いる
ことができないため、十分な効果が期待されないという
欠点を有していた。
また、一度形成された歯垢中には生菌以外に死菌も存し
ているため、生菌を抑えることは重要なことではあるが
、死菌も歯垢形成の一素材となり、歯垢中に存在する多
糖合成酵素は菌とは関係なく独自の粘着性多糖を合成し
、歯垢の増大、形成を着実に持続しており、歯垢形成に
は菌の活動と多糖合成が密接に結びつき、これら両者は
切っても切れない関係にあり、歯垢形成を抑制、阻止す
るためには歯の活動を抑えることと、多糖合成系及び菌
、多糖の歯面への付着系を抑えなければならず、従って
、単に歯を死滅するだけでは確実にムシ歯を予防するこ
とはできなかった。
一方、ブラッシング等による機械的歯垢除去方法は、ム
シ歯の発生しやすい部位である小窩裂溝や隣接面にはそ
の作用が及ばず、十分な効果があげられない等の問題を
有していた。
また、ワクチンの研究も種々なされているが、ムシ歯と
いう局部的疾病に対しては、アレルギー反応等の必然的
副作用を考えると使用上の制約は大きく、従来より検討
されている抗生物質はその作用の強いことやそのものの
性質上口腔内や腸内の両相を狂わす等の点からムシ歯予
防剤としては日常使用できないという情況にあった。
また、従来、オレイン酸やリノール酸等の直鎖不飽和脂
肪酸に抗菌活性及び多糖合成阻害作用があること(「口
腔衛生学会雑誌」第22巻、第4号及び特開昭5O−5
3544)あるいは炭素数8〜12の直鎖飽和脂肪酸に
抗菌活性があること([アンチミクロバイアル・エージ
ェント・アンド・ケモテラピイ<Antimicrob
ialAgent and Chemotherapy
>J第4巻第5号、501〜506頁及び「醗酵工学雑
誌」第53巻、793頁(1975))が知られていた
が、これら直鎖脂肪酸は、陰イオン系界面活性剤や非イ
オン系界面活性剤と併用するとその効果が抑制阻止され
てしまう等の問題を有し、また特に不飽和脂肪酸は口腔
用組成物中に配合して使用する場合、油臭や呈味性に問
題があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とす
るところはα位に分枝構造を有する脂肪酸もしくはその
塩を配合することにより、優れた多糖合成阻害、並びに
歯垢形成阻止及び細菌耐着阻止作用を有し、従ってムシ
歯等の発生を確実に抑制してムシ歯等の口腔内疾患を有
効Oこ予防し得る杏ともに、非イオン系あるいは陰イオ
ン系界面活性剤の存在下においてもその効果を維持でき
、しかも効果が高い上、安全性が高く、日常使用しても
弊害のない口腔用組成物を提供することにある。
すなわち、本発明者らは、ムシ歯等の原因である歯垢の
形成を阻止するに有効な薬剤につき種々検討した結果、
ムシ歯細菌の多糖合成を阻止する物質並びに菌、多糖の
歯面への付着を阻止する物質として、α位に分校構造を
有する脂肪酸もしくはその塩が極めて優れた効果を有し
、例えば試験管内実験のみならず読口法による臨床実験
においても、クロルヘキシジン等の既知物質よりも更に
有効な作用を有することを確認するとともに、α位に分
枝構造を有する脂肪酸もしくはその塩が非イオン系ある
いは陰イオン系活性剤の影響を受けることがなく、従っ
てこれら活性剤を含有する植種の口腔用組成物中Qこ配
合することができ、低濃度でも十分な歯垢形成阻止作用
を有し、しかもスターアニス、アニス等の香料をα位に
分枝構造を有する脂肪酸もしくはその塩と併用すると、
油臭や呈味性が著しく改善されることを見い出し、本発
明をなすに至ったもので、本発明は一般式(但し、R1
は8〜28の炭素数を有する炭化水素基またはヒドロキ
シ置換を有する炭化水素基、R2は1〜12の炭素数を
有する炭化水素基またはヒドロキシ置換を有する炭化水
素基、R3は水素基あるいは1〜8の炭素数を有する炭
化水素基またはヒドロキシ置換を有する炭化水素基、M
は水素基または金属基を示す)で示されるα位に分枝構
造を有する脂肪酸又はその塩を配合したことを特徴とす
る口腔用組成物である。
以下、本発明ζこつき更に詳しく説明する。
本発明で使用するα位に分枝を有する脂肪酸は、一般式 で示される化合物である。
但し、R1は8〜28の炭素数を有する炭化水素基また
はヒドロキシ置換を有する炭化水素基であり、例えばア
ルキル基、アルキレン基等あるいはアルキル基、アルキ
レン基等の水素基をヒドロキシル基等で置換したもので
、直鎖構造のものであっても分枝構造のものであっても
よい。
また、R2はアルキル基、アルキレン基等、又はこれら
炭化水素基の水素基をヒドロキシル基などで置換したも
の等の1〜12の炭素数を有する炭化水素基またはヒド
ロキシ置換を有する炭化水素基であり、直鎖構造又は分
枝構造のいずれのものでも差支えない。
更に、R3は水素基又は1〜8の炭素数を有する炭化水
素基またはヒドロキシ置換を有する炭化水素基、例えば
アルキル基、アルキレン基等、あるいはこれら炭化水素
基の水素基をヒドロキシル基で置換したもの等で、直鎖
又は分校構造のいずれのものでもよい。
また、Mは水素基又はナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、その他の金
属基である。
なお、上記(1)式の化合物としては、R1,R2及び
R3の合計炭素数が9〜48、好ましくは9〜28のも
の、すなわち(1)式の化合物の総炭素数(R1+R2
+R3+2)が11〜50、好ましくは11〜30のも
のが使用され、例えば総炭素数11のものとして2−メ
チルデカン酸、総炭素数12のものとして、2−メチル
ウンデカン酸、2−エチルデカン酸、総炭素数13のも
のとして、2−メチルトコサン酸、2,2−ジメチルウ
ンデカン酸、総炭素数14のものとして、2,2−ジメ
チルドデカン酸、2−プロピルウンデカン酸、2.3−
ジメチルドデカン酸、2−エチル−3−メチルウンデカ
ン酸、総炭素数15のものとして、2−メチルテトラデ
カン酸、2−エチルトリデカン酸、2−プロピルドデカ
ン酸、2−ペンチルデカン酸、2,12−ジメチルトラ
デカン酸、総炭素数16のものとして、2−メチルペン
タデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、2−プロピル
トリデカン酸、2−へキシルデカン酸、2,3−ジメチ
ルテトラデカン酸、2,11−ジメチルテトラデカン酸
、総炭素数17のものとして、2−エチルペンタデカン
酸、2−メチルテトラデカン酸、2−メチルヘキサデカ
ン酸、2−ペプチルデカン酸、2,7.12−トリメチ
ルテトラデカン酸、2.11−ジメチル−2−プロビル
ドコサン酸、総炭素数18のものとして、2−メチルヘ
プタデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、2−ブチル
−12−メチルトリデカン酸、2−ペンチルトリデカン
酸、2−オクチルデカン酸、2,2−ジエチルテトラデ
カン酸、2,7.11−1−ラメチル−8−エチルl−
IJテカン酸、総炭素数19のものとして、2−メチル
オクタデカン酸、2,3−ジメチルヘプタデカン酸、2
−メチル−2−オクチルデカン酸、2−エチルヘプタデ
カン酸、2,3゜7.8−テトラメチルペンタデカン酸
、2−プロピルヘキサデカン酸、2−ブチルペンタデカ
ン酸、2−メチル−16−エチルヘキサデカン酸、総炭
素数20のものとして、2,2−ジメチルオクタデカン
酸、2,4−ジメチルオクタデカン酸、2゜9−ジメチ
ルオクタデカン酸、2−ブチル−2−へキシルデカン酸
、2−メチルノナデカン酸、総炭素数21のものとして
、2−メチルエイコサン酸、2−エチルノナデカン酸、
2−エチル−17−メチルオクタデカン酸、総炭素数2
3のものとして、2,3−ジメチルヘンエイコサン酸、
2−メチル−2−エチルエイコサン酸、総炭素数24の
ものとして、2−プロピルヘンエイコサン酸、2゜3.
21−1−ジメチルヘンエイコサン酸、総炭素数25の
ものとして、2−メチルテトラコサン酸、2−メチル−
2−エチルトコサン酸、総炭素数26のものとして、2
L、9D−ジメチルテトラコサン酸、総炭素数27のも
のとして、2,13−ジメチルペンタコサン酸、総炭素
数29のものとして、2−メチルオクタコサン酸、総炭
素数30のものとして、2−テトラデシルヘキサデカン
酸、2−メチルノナデカン酸、総炭素数32のものとし
て、2−ペンクデシルヘプクデカン酸が使用される。
また、総炭素数が11未満のものは異臭が強く、効果が
少ないので本発明の目的を達しえない。
総炭素数が50を超える脂肪酸は、入手が困難で価格が
高い等の理由によって使用には不適である。
而して、上記(1)式の化合物は、練歯磨、粉歯磨、液
状歯磨といった歯磨組成物、あるいはマウスウォッシュ
、マウスペット、ウオークスプンイ液、チューインガム
、トローチ、バッカル、テンタルフロス、義歯安定剤等
の各種口腔用組成物中に、歯垢形成阻止剤、歯垢付着阻
止剤として配合される。
この場合、上記(1)式の化合物の配合量は、口腔用組
成物中o、ooi〜15重量係、好ましくは0.01〜
5重量係である。
また、上記(1)式の化合物は、更に詳しく後述するよ
うに、陰イオン系あるいは非イオン系界面活性剤の存在
下においても、その活性が失なわれることがなく、優れ
た歯垢形成、付着阻止作用を有するから、これら活性剤
、例えばソジウムドデシルサルフエート(SDS)、α
−オレフインスルフオネー1−(AO8)等のいずれの
陰イオン系界面活性剤、あるいは、アルキルエタノール
アマイド、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタンモノアルキ
ルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアマイド等の
いずれの非イオン系界面活性剤もその必要量を併用する
ことができる。
また、上記(1)式の化合物に、スターアニス、アニス
、フェンネル、スウィートフエンネル、シナモン、シナ
モンバーク、メントール等の香料、あるいはその他の甘
味性を有する香料を単独で、又は二種以上適宜な割合に
混合したものを上記(1)式の化合物量に対して0.0
001〜5重量係、好ましくは0.002〜1重量係の
割合で記号すると、口腔用組成物の芳香や呈味性が著し
く改善される。
なお、上記(1)式で示される化合物と併用し得るその
他の成分は、例えば歯磨組成物の場合には、リン酸カル
シウム、第ニリン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム
、不容性メタリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、シリ
カ、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の研摩基
材、水、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、エ
タノール等の保湿材、カルボキシメチルセルロース、ア
ルギン酸ナトリウム、トラガントガム、カラヤガム、ロ
カストビンガム、アラビアガム、カラゲナン、ゼラチン
、メチルセルロース、ファールガム、セルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン等の粘結剤であり、更にフッ化ナト
リウム、モノフルオロリン酸ソーダ、フッ化第−錫等の
フッ化物やサッカリン等の甘味料、テキストラナーゼ、
ムタナーゼ、溶菌酵素、クロルヘキシジン、ヒノキチオ
ール、デキストラン、マルトース、フルクトース、ポリ
フェノール、リノール酸等の不飽和脂肪酸等も配合し得
、通常使用されている各種口腔用組成物の成分に上記(
1)式の化合物を均等に分散、混合して、常法により所
定の口腔用組成物を製造する。
次に、本発明の効果につき、以下の実験例を参照して詳
しく説明する。
〔1〕粘着性多糖合成酵素(テキストランシュクラーゼ
、レバンシュクラーゼ)阻害作用 菌株としてストレプトコッカス・ミュータンス6715
株を用い、BHI(ブレーンハートインツユ−ジン)透
析培地で20時間培養し、その上澄液を得た。
この培養上澄液に硫酸アンモニウムを加えて飽和とし、
塩析したものを24時間透析を行って粗酵素液を得た。
この酵素液を用い、第1表に示す組成の反応液で、37
℃、16時間の条件lこおいて酵素反応を行った後、試
験管ガラス壁面に付着している多糖を均一に懸濁させ、
これの660mμの吸光度を測定し、多糖量を濁度とし
てあられした。
なお、コントロールには試験液と同量の純水を用いた。
α位ζζ分枝を有する脂肪酸及び直鎖脂肪酸の多糖合成
阻害の結果を第2表に示す。
なお、上記酵素反応系には、雑菌の繁殖を抑えるため、
この用途に多用されている殺菌剤としてのチメロサール
を添加した。
(但し、R、Rはそれぞれアルキル基 m n である。
)において、(4)式の総炭素数が19でかつCnがメ
チル基50%、エチル基30係、プロピル基20%の割
合の混合物である。
(以下、同様) なお、第2表中直鎖脂肪酸の括弧内の数値はこの総炭素
数を表わす(以下、同様)。
第2表の結果からα位に分枝を有する脂肪酸は優れた多
糖(デキストラン、レバン)合成阻害能を有することが
知見される。
〔2〕人工歯垢付着阻止作用 分枝脂肪酸3種、直鎖脂肪酸6種を用い、下記の方法で
付着した人工歯垢量の測定を行った。
第3表に示す組成の反応液41′ILlを試験管に入れ
、30°傾けた状態において、37℃で16時間インキ
ュベートした。
その後、前記試験管内の液をデカンテーションして捨て
去り、新たに4TfLlの0.1MIJン酸緩衝液を注
入して試験管内を洗浄した。
次いで洗液をデカンテーションにより捨てた後に、再度
0.1 M IJン酸緩衝液4mlを注入し、試験管壁
に付着している人工歯垢を均一に懸濁させ、660mμ
の吸光度を測定し、懸濁液中の歯垢量を濁度としてあら
れした。
α位に分枝を有する脂肪酸及び直鎖脂肪酸の人工歯垢付
着阻止作用の結果を第4表に示す。
第4表の結果より、α位に分枝を有する脂肪酸が優れた
歯垢付着阻止能力を有していることが知見される。
なお、浮遊菌体を用いた同様の人工歯垢形成実験におい
ても、α位に分枝を有する脂肪酸が上記と同様の歯垢付
着阻止効果が認められた。
(J ストレプトコッカス・ミュータンスによる歯垢
形成阻止作用 ストレプトコッカス・ミュータンス(ま蔗糖存在下で培
養すると試験管壁に歯垢(様物質バクチリアルプラーク
)を形成するので、この性質を利用し、以下の方法で歯
垢形成阻止作用を検討した。
(培養付着法) 第5表に示す組成の反応液4rfLlを試験管に入れ、
キャンドルジャーによる嫌気条件下で37℃、16時間
培養した(なお、試験管は30°傾けた状態に保持した
)。
次に、前記試験管内の液をデカンテーションして捨て去
った後、この試験管に0.5N水酸化ナトリウム溶液4
.0 mlを加え1時間放置した。
放置後試験壁に付着した歯垢を均一に懸濁させ、660
mμの吸光度を測定し、歯垢量を濁度としてあられした
α位に分枝を有する脂肪酸及び直鎖脂肪酸の歯垢形成阻
止作用の結果を第6表に示す。
第6表の結果より分枝タイプの脂肪酸が優れた歯垢形成
阻止効果を有していることが知見される。
〔4〕洗口液での臨床歯垢阻止効果 α位に分枝を有する脂肪酸の試験管内実験での歯垢阻止
効果の確認に引き続き、人の口腔での歯垢阻止効果につ
き、従来口腔衛生製品に配合されテイルクロルヘキシジ
ン、SDSを指標として、読口実験を行った。
○ 洗口液 洗口液は脂肪酸を分散させるために1共和度エタノール
を含み、更に香料o、oooi%を含んだものを用いた
また、各試料濃度は第7表に示す通りであった。
○ 読口方法 実験開始時にあらかじめポリシングブラシを用いて歯牙
表面を清掃し、エリスロシン染色によつて汚れが残って
いないことを確認した後、各洗口液を用いて食後約30
秒問うがいを行なった。
2日間(計6回の読口)継続した後に歯牙表面の汚れを
エリスロシン(1係溶液)により染め出し、汚れの付着
状態をパネル11名に対し5人の評点者によって判定し
、その平均値を求めた。
なお、対象の歯牙は上下顎3−3の12歯牙を用い、ま
た汚れの付着状態は5段階として判定し、歯牙の唇面の
面積に対する汚れ部分の面積を歯牙ごとに採点した。
コントロール(参照符号B5)は香料のみ0.0001
%を含む洗口液で、同様にして坑口実験を行った。
第1図にその結果を示す。(なお、Bl * B2は統
計的にもt検定によってB5に対して1%有意という著
しい歯垢阻止効果が得られた。
)第1図から、α分枝脂肪酸が最も歯垢阻止効果が強く
、従来より殺菌剤として使用されているクロルヘキシジ
ンよりも同等以上の効果を示すことが知見される。
〔5〕〕イオン界面活性剤存在下における生物的活性の
保持 上述したように、リノール酸等の直鎖不飽和脂肪酸に歯
垢形成阻止があるといわれているが、これら直鎖不飽和
脂肪酸はその効果を外的因子によって失い易く、例えば
非イオン系活性剤が存在すると容易に効果が減じてしま
い実用に供することが困難である。
しかし、α位に分枝を有する脂肪酸は、以下の実験より
明らかなように、非イオン系活性剤の影響を受けず、そ
の存在下においても充分な効果を有している。
すなわち、最終濃度グルコース1係、非イオン系活性剤
(硬化ヒマシ油系活性剤くニラコールHCO−60、日
光ケミカル社製>)0.5%になるように調製したBH
I培地3.7TrLlにエタノールに分散した各種濃度
脂肪酸0.1 mlを加え、更にストレプトコッカス・
ミュータンス6715菌液を0、2 mlを加え、37
°Cのキャンドルジャー中で10時間培養した後、菌に
よって産生された有機酸量を培地pHを指標として測定
し、各種脂肪酸の発酵阻止能の効果を比較して第8表の
結果を得た。
なお、コントロールには脂肪酸をふくまないエタノール
を0.1mlを加え同様に行なった。
第8表の結果を第2図に示す。
(なお、図中、無添加の場合の参照符号をC5で表わす
)〔6〕陰陰イオン系間活性剤存在下における生物的活
性の保持 種々の殺菌剤又は生物的活性を有する薬剤は、陰イオン
系活性剤との共存によってその活性(効果)を失ってし
まうが、以下の実験より明らかなように、α位に分枝を
有する脂肪酸は、その生物的活性を陰イオン系活性剤と
の共存下においても失うことなく、充分な効果を発揮す
ることを認めることができた。
すなわち、最終濃度グルコース1%、5DSO,001
係になるようにしたBHI培地3.7属に、エタノール
に分散した総炭素数13〜19の脂肪酸0.1 m、l
(最終濃度0.01%)を加え、更にストレプトコッ
カス・ミュータンス6715菌液0.2mlを添加し、
キャンドルジャー37℃で10時間培養した後、各培地
のpHを測定し、各脂肪酸の効果を検討した。
第9表にその結果を示す。なお、SDS単独の場合の効
果をコントロールとして測定した。
なお、第9表申告脂肪酸の炭素に付した数値は、各脂肪
酸の総炭素数を表わす。
第9表の結果を第3図に示す。
以上、〔5〕及び〔6〕の実験結果より明らかなように
、α位に分枝を有する脂肪酸は、非イオン系あるいは陰
イオン系活性剤の存在下でも十分な効果を有しており、
これら活性剤を必要とする種々の口腔用製品群に有効に
広く使用することができ、特に、陰イオン系活性剤を多
量に含有する歯磨組成物に対し、生物的活性を失うこと
なく配合、使用することができる。
〔7〕 α分枝脂肪酸と香料との関連 α位に分枝を有する脂肪酸は、その油臭、呈味性に不快
感を生じる場合があり得るので1、以下の方法により、
α位に分枝を有する脂肪酸と共に用いて良好な結果を与
える香料につき検討した。
α位に分枝を有する脂肪酸(α−イソ−01,)0、1
重量%水溶液を調製し、1〜10重量%の各種香料を加
え、判定者12人によって嗜好調査により検定した。
検定は香料無添加のコントロールに対して著しく油臭及
び呈味性が減ったと感じた判定者数を示した。
その結果を第10表に示す。なお、試料番号[有]と0
とは配合順序が異なるもである。
第10表の結果より、α位に分枝を有する脂肪酸は、甘
味性の高い系統の香料を用いると、油臭、呈味性が改善
されることが知見される。
また、1〜13の香料を一定比率で混合することにより
、一層マイルドな効果が得られた。
従って、α位に分枝構造を有する脂肪酸は、(1)ムシ
歯発生、口腔疾患の大きな原因きなる歯垢形成lと関与
する多糖合成を阻害する。
(2)口腔内の歯垢形成において、その素材となり得る
死菌を用いた人工歯垢形成実験においても効果を示し、
この面からも歯垢形成を阻止得る。
(3)生菌を培地中で生育させて歯垢(バクチリアル・
プラーク)を形成させる実験でも優れた阻 ゛止効果を
示す。
(4)臨床(抗日)実験においても、現在有効成分とし
て使用されているクロルヘキシジンよりも優れた歯垢形
成阻止作用を示す。
(5)非イオン系もしくは陰イオン系活性剤中でも有効
に作用する。
(6)適宜の香料の配合により油臭、呈味性が著しく改
善される。
等の特徴を有している。
以上説明したように、本発明はα位に分枝構造を有する
脂肪酸もしくはその塩を配合するようにしたため、ムシ
歯等の発生の中心的役割を持つ多糖合成を阻害するとと
もに、歯垢形成を阻止し、かつムシ歯の直接の原因であ
る酸産生を抑制することができ、従ってムシ歯等の口腔
内疾患を確実かつ有効に予防することができる。
また、α位に分枝構造を有する脂肪酸は、非イオン系、
陰イオン系活性剤存在下でも有効に作用し、それ自体安
定であるとともに、生物活性的にも安定で、種々条件下
で失活することがなく、しかも分散性に優れているため
、広範囲な口腔用組成物中に配合でき、少量でもその効
果を発揮し得、安定性の高い優れた口腔用組成物が得ら
れる。
更に、本発明は効果が高い上、日常使用しても弊害がな
く、また従来性なわれている歯ブラシ等による物理的歯
垢除去法では完全に作用し得ないムシ歯高発部位である
小窩裂溝及び隣接面にも容易ζこ作用し、ムシ歯等の予
防に極めて有効である。
以下実施例を示し、本発明を更ζこ具体的に説明する。
実施例 1 常法に従い、以下に示す組成の練歯磨を製造した。
実施例 2 実施例1と同様にして、以下に示す組成の練歯磨を製造
した。
実施例 3 実施例1と同様にして、以下に示す組成の練歯磨を製造
した。
実施例 4 実施例1と同様にして、以下に示す組成の練歯磨を製造
した。
実施例 5 実施例1と同様にして、以下に示す組成の練歯磨を製造
した。
実施例 6 常法に従い、以下に示す組成の粉歯磨を製造した。
実施例 7 常法に従い、以下に示す組成の液状歯磨を製造した。
実施例 8 常法に従い、以下に示す組成のマウスウォッシュを製造
した。
実施例 9 常法に従い、以下に示す組成のチューインガムを製造し
た。
実施例 10 常法に従い、以下に示す組成のトローチを製造した。
実施例 11 常法に従い、以下に示す組成のうがい用錠剤を製造した
実施例 12 常法に従い、以下に示す組成の口腔用マツサージクリー
ムを製造した。
【図面の簡単な説明】
第1図は臨床実験における歯垢阻止効果を示すグラフ、
第2図は脂肪酸に対する非イオン系活性剤の影響を示す
グラフ、第3図は脂肪酸に対する陰イオン系活性剤の影
響を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (但し、R1は8〜28の炭素数を有する炭化水素基ま
    たはヒドロキシ置換を有する炭化水素基、R2は1〜1
    2の炭素数を有する炭化水素基またはヒドロキシ置換を
    有する炭化水素基、R3は水素基あるいは1〜8の炭素
    数を有する炭化水素基またはヒドロキシ置換を有する炭
    化水素基、Mは水素基または金属基を示す)で示される
    α位に分枝構造を有する脂肪酸又はその塩を配合したこ
    とを特徴とする口腔用組成物。 2 前記(1)式で示される脂肪酸又はその塩のR1゜
    R2及びR3の合計炭素数が9〜28である特許請求の
    範囲第1項記載の口腔用組成物。 3 前記(1)式で示される脂肪酸又はその塩と陰イオ
    ン系界面活性剤とを併用するようにした特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載の口腔用組成物。 4 前記(1)式で示される脂肪酸又はその塩と非イオ
    ン系界面活性剤とを併用するようにした特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載の口腔用組成物。 5 前記(1)式で示される脂肪酸又はその塩に香料ト
    シてスターアニス、アニス、フェンネル、スウィートフ
    エンネル、シナモン、シナモンバーク、又はメントール
    のいずれか一種又は二種以上を配合するようにした特許
    請求の範囲第1項、第2項、第3項又は第4項記載の口
    腔用組成物。
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