JPS5935519B2 - ヒ−タ付電子レンジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電熱ヒータ付電子レンジで、電熱ヒータ加熱と
マイクロ波加熱を同時に使用可能とした電子レンジの改
善に関するものである。

電熱ヒータ加熱とマイクロ波加熱を同時におこなうと、
電熱ヒータの食品の外から加熱してこげ目を付ける作用
とマイクロ波で食品を内から食品自体の誘電損による温
度上昇の作用の両方により電熱ヒータあるいはマイクロ
波単一熱源で加熱するよりスピーディにしかも良好な仕
上りになる調理メニューが多い。

しかしながら我国の一般家庭の電力事情等から−台の電
子レンジの使用電力は１．２ＫＷ８電力Ｌ応の上限値と
考えられ、電子レンジのみならず電熱ヒータのみを加熱
源とした電気オープン等も、現在広く販売されているも
のは使用電力の最大は一般に約１．２ＫＷ程度になつて
おり、たとえ電熱ヒータとマイクロ波発振器を同時に作
動するとしても、両者を含む電子レンジ全体の消費電力
は１．２ＫＷ８度におさえる必要がある。

ところが電源ヒータによる加熱の場合、加熱室の室内温
度は食品の種類にも依存するが、一般に高いもので２５
０℃程度は必要とされており、実用可能な加熱室の大き
さと断熱材等構造の関係から予熱時には１〜１．２ＫＷ
程度の電力を供給しないと予熱に時間がかかり、非常に
使い勝手の悪いフ ものになる。

一方マイクロ波による加熱の場合、一般に加熱する食品
の種類に依つて大小２段階あるいは３段階に出力を切換
える方法が広く使用されているがその場合でも加熱調理
を目的とする限り最低５１８０Ｗ前後の出力を必要とす
る。

ところがマイクロ波出力を１８０Ｗ得るためには、マグ
ネトロンの損失高圧トランスの損失、マグネトロン冷却
用ファンの消費電力等のために３５０〜４５０Ｗ程度の
入力電力を必要とする。０ 従つて、電熱ヒータ加熱と
マイクロ波加熱を同時に行なおうとする場合、単純に電
熱ヒータとマイクロ波発振器を同時に作動すれば使用電
力に対する制限条件を満足することはできない。

そこでこうした制約条件下で同時加熱を行なう１５のに
次のような方法が考えられる。

すなわち、予熱時には１．０〜１．２ＫＷ８度の大電力
で電熱ヒーターによる加熱を行ない、短時間のうちに所
定の調理温度に加熱室内の温度を上げる。そして２５０
℃程度の加熱室内の温度としては最高の温度でも一旦予
熱が終ればこれを維持するだけであれば必要な電力は第
１図に示すようＶＣ６ＯＯ〜７００Ｗ程度であるから、
これに近い値、例えば７５０Ｗに電熱ヒータの電力を小
さくしても加熱室内の温度は所定の調理温度を維持する
ことができる。したがつてマイクロ波発振器ＶＣ４５Ｏ
Ｗの電力を供給して約２００Ｗ前後の出力で作動しても
、使用電力の和は１．２ＫＷ前後に押えることができる
から、使用電力１．２ＫＷの範囲内で電熱ヒータとマイ
クロ波による同時加熱を実現できる。本発明は上記方法
で電熱ヒータとマイクロ波による同時加熱を可能とした
電子レンジの実現方法に関するもので、特にヒータ電力
と同時加熱への切換え機構の改善に関するものである。
以下本発明の実施例を添付図面と共に説明する。

第２図は本発明よりなるヒータ付電子レンジの要部断面
を第３図はその回路を示す。以下第２図、３図にもとず
いて説明する。１はマイクロ波発振器、２ａ，２ｂはそ
れぞれ電熱ヒータで、後で説明するリレー８の接点８ｂ
が閉のとき電熱ヒータ２ａ，２ｂが両方通電され電熱ヒ
ータの電力は大である。

一方接点８ｂが開のとき電熱ヒータ２ａのみが通電され
、電熱ヒータの電力は小となる。選択スイツチ７はマイ
クロ波発振器１のみを作動するときと電熱ヒータ２のみ
を作動するときあるいは電熱ヒータ２とマイク口波発振
器１を同時に作動する場合とを選択するためのスイツチ
である。９は加熱室３の室内温度を検知し、加熱室３の
温度を一定に保つように電熱ヒ一汐２への通電をオン、
オフする温度制御回路素子で、具体的には液体膨脹型サ
ーモスタツト等の使用が考えられる。

５ａは操作パネル上に設けた作動ボタンで、ドア１１が
閉状態で作動ボタン５ａを押したときのみスイツチ５ｂ
，５ｃがオンする。

又スイツチ５ｂ，５ｃはオンしていてもドア１１の開成
操作によつてオフし、ドア１１を再び閉成しても再度作
動ボタン５ａを押さなければスイツチ５ｂ，５ｃはオン
しない構成になつている。リレー８はヒータ電力を大小
に切換える接点８ｂとマイクロ波発振器１への通電回路
の開閉を行なう接点８ｃを有するリレーでコイル８ａは
スイツチ５ｃＶＣ．よつてオン、オフされる。以下標準
的な操作手順に従つてその動作を説明する。まず選択ス
イツチ７を第３図に示す状態に設定し、タイマー６及び
タイマー４をオンするとヒータ２に通電が始まるがマイ
クロ波発振器は通電されず従つて作動しない。ヒータ電
力は大であるから加熱室３の温度は急速に上昇した後、
温度制衝回路素子９の接点の断続によりヒータ入力がオ
ン、オフし所定の温度範囲内に制御される。こうして予
熱が終了した段階でドア１１を開き食品を投入し、ドア
１１を閉じて作動ボタン５ａを押すと、スイツチ５ｂ，
５ｃが閉じる。スイツチ５ｃがオンした結果リレー８の
励磁コイル８ａに電圧が印加されリレー８が作動し、接
点８ｂがオフしヒータ２ｂへの通電が止まつてヒータ電
力が小になると共に接点８ｃがオンしてマイクロ波発振
器１が発振してヒータ加熱とマイクロ波加熱が同時に行
われることになる。一方もし調理途中にドア１１を開い
た場合は、ドア１１が開くと同時にスイツチ５ｂ，５ｃ
が共にオフし、マイクロ波発振器１の発振は停止するが
、ヒータの通電は継続されるだけでなく接点８ｂがオン
するため再びヒータ２６がオンしヒータは大電力で作動
することになり、ドア１１開時の冷えた外気の流入によ
る加熱室３の温度低下を最小限にとどめることができる
。ただし同時加熱を引き続き行なうなら、ドア閉成後再
び作動ボタン５ａを押してスイツチ５ｂ，５ｃをオンし
て｝くことは当然である。以上の説明かられかるように
、本発明よりなるヒータ付電子レンジの場合、ヒータ電
力大のみによる加熱から、ヒータ電力小とマイクロ波に
よる同時加熱への切換を作動ボタン５ａ−つでできる。
従つて予熱の必要な料理の場合予熱できた時点で作動ボ
タン５ａを押せばその時点でヒータ電力大のみによる加
熱からヒータ電力小とマイクロ波の同時加熱に切換るた
め、スビーデイに予熱ができしかも予熱時に負荷の無い
状態でマイクロ波発振器を作動して空だきをするという
ことがない。マイクロ波発振器１の場合、ヒータと異り
負荷（食品）無しで作動するいわゆる空だきを行なうと
マイクロ波発振器１をいためるだけでなく、電子レンジ
外部への電波漏洩も増大するから、空だきは可能なかぎ
り避けるべきである。一方予熱を必要としない調理の場
合には最初から作動ボタン５ａを押せば実施することが
でき、前記の予熱を必要とする場合とは食品を入れて作
動ボタンを押す時機（タイミング）だけを変えるだけで
あるから、操作性、機能の自由度共に優れている。そし
てさらに重要なことは、本発明の方法の場合ヒータとマ
イクロ波による同時加熱を行なつている途中でドア１１
を開いた場合、ドア１１を開くと同時にマイクロ波発振
器１のみが作動を停止するのに対し、ヒータは作動を続
けヒータ電力が小から大へ切換るために、ドア１１を開
けることによる温度降下を最小限に留めることができる
ことである。

そして一旦停止したマイクロ波発振器は、使用者が作動
ボタン５ａを押すという積極的な動作をしない限り始動
しないから、タイマー４を設定途中のまま食品を出して
しまつたような場合も、加熱室３内に食品等の負荷の無
い状態においてマイクロ波発振器を発振させ空だきして
しまうという危険も除去することができる。さらに選択
スイツチの接点がマイクロ波発振器回路側に閉成され、
マイクロ波発振器１のみを熱源として使用するときは、
作動ボタン５ａにより５ｃと共にオンするスイツチ５ｂ
は、マイクロ波発振器１の作動をオン、オフするスイツ
チとなるから、操作の一貫性という点、操作パネルの簡
素化という点でもすぐれたヒータ付電子レンジを提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は加熱室内の温度を所定の温度に維持するのに必
要なヒータ電力の一例を示す図、第２図は本発明の一実
施例を示すヒータ付電子レンジの要部断面図、第３図は
その電気回路である。 １・・・・・・マイクロ波発振器、２・・・・・・電熱
ヒータ、５ａ・・・・・作動ボタン、９・・・・・・温
度制御回路素子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヒータ電力を大小に切換えるヒータ電力切換機構と
   操作パネル上に設けた作動ボタンと、作動ボタン押すと
   ドア閉の状態のときのみ作動し、ドアが開くと作動ボタ
   ンの操作の有無にかかわらず復帰する２つ以上の開閉器
   を設け、この複数の開閉器によりマイクロ波発振器のオ
   ン、オフとヒータ電力切換機構のオン、オフを行ない、
   開閉器が作動状態ではマイクロ波発振器がオンすると共
   に、ヒータ電力切換機構がオンしてヒータが電力小で作
   動する一方、開閉器が復帰状態ではマイクロ波発振器が
   オフするとともにヒータ電力切換機構がオフしてヒータ
   が電力大で作動することを特徴とするヒータ付電子レン
   ジ。